【凍結】帝国の緋き皇女の軌跡~七の絆と奇蹟~   作:龍造寺

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緋里雪奈編12話です。


12ー12ー5・14ー喜多川佑介。

雪奈side

 

ーー1204・5・14・朝・とある駅にて。

 

雪奈は1人で駅の構内を歩いている。いつもなら蓮と行くはずだったが、先に行っててとメールを送っていた。

 

なぜそんなことをしたのかと言えば、最近自分自身に視線を感じる。いやつけられていると言ってもいい。そのストーカーの顔を見るためでもある。もし蓮と一緒なら姿をくらます可能性もあったからだ。単独行動をとったおかけで、雪奈の思惑とおりに男はついてくる。

 

雪奈「やはり、姿を表したわね…」

 

雪奈は歩くスピードをあげ、駅のホームに急ぐ。

 

そこには、蓮、杏、竜司がホームで導力電車を待っていた。

 

雪奈「蓮、杏、竜司、おはよう」

 

竜司「おはようさん」

 

杏「おはよーって、雪奈、顔色悪いわよ?」

 

蓮「気分が悪いのか?」

 

雪奈「ううん、以前言っていたストーカーだよ…今日は駅に向かう途中からつけられていて…」

 

蓮、杏、竜司は、雪奈の周りをキョロキョロする。

 

杏「怪しい人物は見当たらないね…蓮、竜司はどう?」

 

竜司「別に、そんなヤツは見当たらないぜ」

 

蓮「怪しいヤツはいないな」

 

杏「隠れたのかな?」

 

モルガナ「……」

 

雪奈「…とにかく、導力列車が来ることだし、今日中間テストのラストだし急ごう」

 

導力列車が到着し、雪奈達は乗り込んだ。蓮と竜司、杏は、雪奈を守るようにして乗り込む。

 

 

雪奈達は、秀尽学園のある最寄り駅で降り、安心したのも束の間、男は降りてきていたのだ。

 

不安がる雪奈を見た竜司は、蓮と杏にとある作戦を伝える。それは雪奈を囮に男近づいてきたところを取り押さえることにした。そして作戦を実行する。

 

そして何も知らない男は、まんまと雪奈に近づいてきて、蓮達が前へ出る。

 

竜司「オイ、お前、俺達の連れになんか用か?」

 

杏「アンタ、雪奈のストーカー?」

 

??「なんだ、君達は?」

 

雪奈「貴方、ここ最近、私を付け回していたけど、そういうの迷惑なんですけど!」

 

??「つけ回す?心外だな…」

 

すると導力リムジンが、雪奈達の近くに止まり、導力リムジンの窓が開く。そして品のある老人が

 

??「やれやれ、いきなり車を降りたかと思えば、呆れるほどの情熱だな…結構、結構…はっはっはっ……」

 

??「車から見かけて、追いかけずにはいられなかった。先生の着信にも気がつかないほど、けど良かった。追い付いた…」

 

雪奈「………」

 

竜司「はぁ?」

 

杏「はぁ?」

 

蓮「言っている意味がわからない」

 

??「君こそ、ずっと探していた女性だ!ぜひ、俺の…」

 

雪奈「へぇ…!?」

 

??「俺の絵のモデルになってくれ!」

 

雪奈達の頭には、???が踊った。

 

雪奈「モデル?」

 

??「俺は、今まで納得のいくものが描けなかった。君からは他の人にはないパッションを感じる」

 

モルガナ「何、雪奈をナンパしてやがる!マジ怪しいってもんじゃねぇ!」

 

竜司「いかがわしいスカウトじゃねえの?」

 

??「協力してくれるのか?どうなんだ?」

 

竜司「待ってて、お前、誰よ?」

 

杏「そうよ、一体誰よ!」

 

??「ああ、失礼、俺は洸星高校美術科の2年…喜多川佑介だ!」

 

佑介は、蓮と竜司をどかして、雪奈に近づいてきた。

 

佑介「俺は斑目先生の門下生で住み込みさせてもらっているんだ。画家を目指している」

 

雪奈「斑目…えっ斑目ってあの…こないだのカルバードの美術祭、メッセルダム美術祭で、最優秀美術賞を受賞したあの斑目画伯?」

 

佑介「そうだ」

 

竜司「知ってんの?」

 

雪奈「日本で一番有名な画家。カルバードのメッセルダム美術祭と言えば、映画祭と同じぐらいに名誉あることだね。日本で唯一世界に知られている画家とも言われてるわ」

 

杏「……こないだメメントスで聞いた名前は…マダラメ…」

 

杏は小さな声で蓮と竜司にそう言った。すると斑目が

 

斑目「佑介」

 

佑介「す、すみません、先生。今戻ります」

 

竜司「あのじいさんがマダラメ?」

 

佑介は、雪奈の片手を掴んできて

 

佑介「明日から駅前のデパートで、斑目先生の個展が始まる。初日は、俺も手伝いに行くんだ。是非来てくれ!モデルの件、その時返事を貰えると……どうせ絵画に興味が無いだろうが、チケットは人数分、渡してやるよ」

 

雪奈は、チケットを佑介からもらうと内ポケットにしまう。

 

佑介「じゃあ、明日是非会場で!」

 

佑介は、そう言って導力リムジンに乗って行ってしまった。

 

竜司「わっかりやすいヤツ…行くきじゃねえよな?」

 

雪奈「私、絵画には興味があるから…ちょっと行ってみようかな…」

 

竜司「はぁ?マジ!?」

 

蓮「みんな、急がないと遅刻するぞ」

 

雪奈達は、それぞれの導力腕時計を見て、4人とも駆け足で学校まで行くことになった。モルガナは、蓮の鞄の中で

 

モルガナ「喜多川佑介、雪奈を狙うとはいい度胸だ!お前に雪奈は渡さないからな」

 

そう意気込んでいたのだった。

 

 

 

雪奈side

 

ーー1204・5・14・午後・渋谷駅内

 

中間テスト、計4日間を終えた。そんな雪奈達は、渋谷駅の構内にいた。

 

杏「ンー、終わったー!」

 

雪奈「終わったね、って竜司は別の意味で終わってそうだけど?」

 

竜司「ああ…終わった……蓮、お前はどうだった?」

 

蓮「やれることはやったかな」

 

竜司「裏切りモン!」

 

雪奈「裏切りモンって…蓮は当たり前のことをやっただけでしょ?」

 

竜司「てか、もう試験の話はやめにしようぜ。嫌でも来週、答案が返って来るんだしよ」

 

雪奈「…貴方ね…」

 

竜司「雪奈も…そう言わずにさ、終わったことよもさ」

 

竜司は、スマホで何かを見ている。見ているのは、怪盗お願いチャンネルである。だがそこには目ぼしい情報も無ければ、書き込み自体も減ってきている。

 

モルガナ「一発屋で終わるのだけは、勘弁な」

 

雪奈「ジタバタしてもしょうがないでしょ」

 

杏「そうだよ、ってかどっかにランチにいかない?こないだのお釣りも残ってるし」

 

竜司「なら、俺、寿司がいい。それもうなぎ、国産のっ!」

 

雪奈「…ウナギとか寿司とか、食べれるほど余って無いわよ…」

 

杏「そんなに余るわけないでしょ」

 

雪奈「…そうだ、斑目展のチケット!展は明日からか…」

 

モルガナ「まさか、あのユースケに一目惚れ?」

 

モルガナにそんなことを言われて、雪奈が

 

雪奈「違うわよ」

 

モルガナ「そ、そうだよな…」

 

雪奈「導力テレビの特番で見てた時、いい絵だなって思ってね…。それにタダ券があるしね」

 

雪奈は懐から佑介よりもらった斑目展のタダ券を蓮達に見せる。

 

雪奈「それにもしかしたら、メメントスで聞いていたのと関係あるかもだし…」

 

竜司「斑目…だっけか…」

 

蓮「気になるな」

 

モルガナ「うーん…」

 

雪奈「それより、私の分を差し引いたあと3枚、貴方達はどうするの?たまには芸術でも鑑賞してみる?」

 

竜司「げーじつ…ね」

 

モルガナ「こうなりゃ全員で行くぜ!芸術の鑑賞は、人間の魅力や品性を高める。芸術品の真贋を間違う怪盗なんてダサいしな」

 

竜司「まあ、みんなで行くなら」

 

蓮「そうだな」

 

杏「雪奈だけに行かせるわけにはいかないしね」

 

雪奈「ありがとう、みんな」

 

杏「個展に行くなんてなんだか大人になった気分…」

 

雪奈「アハハ…じゃあ明日、会場前で良いかしら?」

 

蓮「ああ、構わない」

 

竜司「わかった」

 

杏「うん、会場前に集合ね」

 

こうして、雪奈達は斑目の個展へ行くことになった。

 

 

雪奈side

 

ーー1204・5・14・夜・ルブランの屋根裏。

 

中間試験や喜多川佑介からのストーカーなんかがあったがなんとかなった。

 

雪奈達は、明日佑介からもらったチケットで斑目展覧会に行くことになった。

 

モルガナ「明日は、展覧会に行くことになったが、油断はするなよ」

 

雪奈「わかってるわ」

 

モルガナ「メメントスで聞いたマダラメって名前も気になる…」

 

雪奈は、屋根裏の壁に設置されたホワイトボードに斑目の写真を張り付ける。そして弟子である喜多川佑介と元弟子の中野原の人間図を書いていく。

 

モルガナ「さすが、雪奈だな。ホワイトボードに調べた情報を書き込むとは」

 

雪奈「この方が良いと思って書き込んだけど、良かったかな」

 

蓮「ああ、役に立ってるよ」

 

モルガナ「今日はお前達は疲れてるだろうから早く休め。リーダーや副リーダーが遅刻とかシャレにならないからな」

 

雪奈「わかってるわ」

 

すると雪奈のスマホと蓮のスマホのチケットの着信がなる。2人とも出るが怪盗団のメンバーである杏からである。

 

杏【中野原が言ったこと気になる】

 

雪奈【マダラメの事?】

 

杏【マダラメって本当に斑目先生なのかな?】

 

蓮【おそらくは…】

 

雪奈【私は斑目=マダラメだと考えているわね】

 

竜司【俺もそう思う】

 

杏【やっぱり】

 

竜司【つか、マダラメなんて他であんま聞かねーし】

 

杏【そこもなんだよ、あの話が本当なら喜多川君って悪い先生の弟子だ】

 

竜司【人のこと、物を扱いする先生…】

 

雪奈【喜多川君……ひどい目にあってるかも…】

 

竜司【こりゃ、調べた方はよさそうだな】

 

蓮【そうだな】

 

雪奈と蓮は、マダラメの事を調べるため、明日の斑目展で確認することを再確認をし、グループチャットを終えた。

 

そしてこの日を終えるのである。

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