【凍結】帝国の緋き皇女の軌跡~七の絆と奇蹟~   作:龍造寺

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緋里雪奈編16話です。


16ー16ー5・17~5・18ー中野原。

雪奈side

 

ーー1204・5・17・夜・ルブランの屋根裏。

 

雪奈と蓮とモルガナは、今日の事を話していた。

 

モルガナ「それにしても許せん!佑介め!通報を盾にして雪奈のヌードを迫るとは!」

 

雪奈「ヌードとか…本当にやらないといけないのかな」

 

そんな話をしていたら、蓮のスマホが鳴る。かけてきたのは、三島であった。

 

三島「もしもし、俺、ちょっと良いかな?」

 

蓮「ああ、構わない」

 

三島「耳寄りな情報があるんだ」

 

蓮「耳寄りな情報…それは?」

 

三島「怪盗お願いチャンネルきっかけで、改心したってヤツから連絡をもらった。他にも改心させたいヤツがいるから、会えないかって」

 

蓮「改心させたいヤツって?」

 

三島「まあ、後のことは本人と話してよ。その、改心させたいヤツっててのが、相当ヤバい奴らしくてね。導力ネット経由で名前を出すと、面倒なことになるかもしれないんだって、放課後渋谷駅で待たせておくよ。中野原って男の人」

 

雪奈「中野原、あのストーカー依頼の。そして斑目の弟子だった人」

 

蓮「そうだな」

 

三島「向こうから声をかけるよう言っといたから。じゃあ、明日よろしく」

 

三島と通話が終わり、蓮はスマホをポケットにしまうタイミングで怪盗グループチャットの呼び出しが鳴った。蓮はもちろん雪奈もスマホを取りチャットに参加する。

 

竜司【雪奈が言っていたことで調べていたら、斑目のことでヤバイことがわかった。盗作を断れなくて、自殺した弟子もいるんだと】

 

雪奈【ジャスティス通りの件だけではなく、他にもいるなんて】

 

蓮【それは本当か?】

 

杏【あの記者の人も斑目のことを調べてたよね。ありえない話ではないのかも】

 

竜司【死人だぜ。それに夕方、記者と話していた斑目の弟子が事故死したってのだって、斑目が死に追いやったに違いないだろうよ!日本のマスコミが報道しないのも圧力をかけてるに違いない!】

 

杏【喜多川君、何か知らないのかな?協力してくれると、すごく助かるのに】

 

雪奈【今の彼に何を言っても駄目かもね。今日の事もあるから余計に警戒されると思うわ】

 

竜司【だよな、まあ、それは置いといて、斑目は許せねえけどな。つか明日集まろうぜ。初の新アジトだし】

 

杏【渋谷の通路のとこだよね。わかった、また明日】

 

雪奈【また明日ね】

 

蓮【ああ】

 

怪盗グループチャットを終えた雪奈と蓮は再び話をする。

 

モルガナ「竜司が言っていた噂が本当なら他にも被害者がいるはずなんだが…」

 

雪奈「そうね、カンパネルラから得たカルバード人のお弟子さんだった方は、カルバード共和国の裁判所で訴訟を起こしたみたい。だけど斑目が共和国の裁判所まで出頭するとも思えないわ」

 

モルガナ「だな、やはりワガハイ達が何とかするしかないだろうな」

 

蓮「俺達にしか出来ないことをやるだけだ」

 

すると雪奈のスマホの着信音が鳴り始める。どうやら夕方の女性記者からの着信である。雪奈は通話ボタンを押した。

 

大宅【もしもし、夕方に連絡先を交換した記者の大宅だけど、今話せるかな?】

 

雪奈【話せますが、何かわかったことでも?】

 

大宅【貴女に教えてもらった、ジャスティス通りの事件、ちゃんと調べたわよ。あたしが仕入れた情報を貴方のスマホにも送るわね】

 

【山田 真奈美ー帝国支部No.452】

 

【研究開発部所属ー所属No.231】

 

【七耀暦1203・2・15 入社日】

 

【七耀暦1204・3・03 退社日】

 

諸事情により退職する。

 

日本で亡くなった日が、七耀暦1204・4・05日である。日本の警察の内部の発表は自殺と断定し、世間向けには事故死として片付けている。

 

目撃者もいたのだが、全員意見を変えたり、居なくなったりしたのだ。警察もマスコミもそのことには動かなかった。

 

雪奈【こんな情報をどこで?】

 

大宅【あたしの情報網を使ってやっと掴んだんだけどね。で、ジャスティス通りで自殺として片付けられ、世間的に事故死とされた被害者が山田真奈美。彼女も斑目の弟子だった人物。あたしが見せたものは、彼女が斑目の弟子を追放されてから、就職した会社ね】

 

雪奈【国内有数のゴールデン・マウンテン社、その帝国支部に就職されたんですね】

 

大宅【そうみたいね】

 

蓮【彼女は、なぜ斑目の弟子を追放されているんだ?】

 

大宅【彼女は、斑目に盗作の疑いをかけられて、破門になってるみたいね】

 

雪奈【盗作の疑い…!?】

 

大宅【ええ、盗作の疑いがね。でもあたしは違うと思うの】

 

雪奈【逆と言いますと?】

 

大宅【彼女は、なんなかの形で斑目の盗作を告発しようとした、だけど逆に斑目に嵌められ、逆に盗作の疑いをかけられて、斑目の弟子を破門され美術会からも追放されたとふんでいるわ】

 

雪奈【なるほど】

 

大宅【ここまでは、あたしの憶測と推理も入っているから、真実かどうかはわからないわ】

 

雪奈【大宅さん、ありがとうございます】

 

大宅【また、なんかあったら連絡を頂戴ね。待ってるから】

 

大宅はそう言って通話は切れた。雪奈はスマホを制服のポケットにしまう。

 

雪奈【明日、竜司と杏にも説明しないとね】

 

蓮【そうだな】

 

モルガナ【斑目、予想以上にとんでもねぇ悪党ってことになる。鴨志田以上に気を引き締めてやらないとな】

 

雪奈【そうね】

 

この日はそんな話で終わった。斑目の悪党さがどんどんと明るみになっていくのであった。

 

 

 

雪奈side

 

ーー1204・5・18・放課後・夕方・渋谷駅内

 

雪奈、蓮、竜司、杏の4人はアジトに向かう途中で、とある男性に話しかけられる。メガネをかけたスーツを着た青年である。

 

中野原「君…君たちだよね」

 

モルガナ「中野原だ。三島から連絡を受けて、今日渋谷で会うことになってたんだよ」

 

竜司「マジ」

 

雪奈「ええ、昨日の夜、三島君から聞いたのよ」

 

中野原「中野原です。怪盗お願いチャンネルに書き込まれた中野原夏彦」

 

杏「なんか、優しそうな感じだよね?ストーカーしてた印象ないよ。多分改心が上手くいったんだね」

 

中野原「管理者から連絡もらってる。猫を連れた秀尽の男子生徒とみつあみのメガネの女子生徒を探せって」

 

竜司「で、その中野原さんが、こいつらに何の用?」

 

中野原「聞いてるとは思うけど、怪盗団に改心させてほしいヤツがいる。斑目って画家だ」

 

雪奈、蓮、竜司、杏「!!」

 

竜司「おいおい、キタんじゃね?弟子が師匠のヒミツを告白とか?」

 

杏「そう言えば、あのシャドウもマダラメのこと言ってたよね」

 

雪奈「言ってたわね」

 

中野原「私は、斑目の元弟子なんだ。住み込みで、絵のことばかり考えていた。本気で画家になりたいって思ってた。少し上に兄弟子と姉弟子がいてね。とても才能のある人達だった。当然斑目に目を付けられたよ。作品はみんな、斑目のモノにされた。まあ兄弟子や姉弟子に限らずの話なんだがね…」

 

竜司「おし、盗作のウラは取れたぜ」

 

中野原「その兄弟子は自殺し、姉弟子は先月事故で死んだよ」

 

雪奈「自殺…」

 

中野原「斑目が自分の作品で評価されているの、よっぽど耐えられなかったんだろうさ。姉弟子も兄弟子の自殺を斑目に問い詰めてたんだ。だけど斑目は姉弟子に盗作の疑いをかけて破門にしたんだ!私は流石に怖くなって、斑目の反対を押しきってアトリエを出た。けど、方々に圧力をかけられて、私は、絵の道を断たれてしまった。心機一転で絵とは別の道を、区役所に勤めたけど、ダメだった。絵の執着で気持ちが歪んでしまってね。なんにでも執着するようになった。ついには、ストーカーにまで…アハハ…改めてお願いだ。斑目を改心させてほしい。1人の男の命を…救うためにも」

 

雪奈「1人の男の命を救うために?どういうことかしら?」

 

中野原「今も1人だけ、斑目のところに残っている若者がいる。君たちと同じくらいだったかな」

 

モルガナ「佑介の事だ」

 

中野原「絵の才能があるばかりか、彼、身寄りがなくて斑目に恩義がある。斑目には格好のカモだ」

 

竜司「喜多川、言いなりになるしかねえってことか!」

 

中野原「まだ斑目のところにいた頃、その彼に聞いたことがあるんだ。斑目と一緒にいて辛くないのかいって。そしたら彼、こう言ったよ。【逃げられるものなら逃げ出したい】ってね」

 

雪奈「喜多川君…」

 

雪奈は拳をぎゅっと作った。

 

中野原「逃げたした私が言うのもなんだが、自殺した兄弟子や事故で亡くなってしまった姉弟子のような悲劇は繰り返したくない!せめて前途ある若者だけでも助けられないかと…斑目の改心、検討していただけるよう、どうか、よろしくお願いいたします」

 

中野原は頭を深々と下げてきた。それだけ佑介のことを思ってのことだろう。そして雪奈は中野原の去り際に

 

雪奈「最後に1つだけよろしいでしょうか?」

 

中野原「はい、なんでしょうか?」

 

雪奈「貴方の姉弟子のお名前は、山田真奈美さんですよね?」

 

中野原「!はい、姉弟子の名前は山真奈美ですが、どうして」

 

雪奈「山田さんは、斑目から破門された後、どちらへ?」

 

中野原「破門された後、私と同じで絵の道は断たれたみたいです。絵とは関係ないゴールド・マウンテン社の帝国支部に就職が決まったと連絡は受けてました。ただ今年の2月だったか、体調を崩して日本に帰ってきたと連絡を受けたのが最後だったです。その後事故死したって別の元弟子から聞きましたから」

 

雪奈「そうだったんですね」

 

中野原「今更ですが、姉弟子の山田さんの事故がも斑目が仕組んだことじゃないかとも思ってます。まあ証拠もないですが。それでは、失礼致します」

 

中野原はそう言って人込みの中に入っていき、そのまま立ち去ったのだった。

 

モルガナ「斑目の被害者から直接、頼まれたんだ。斑目を改心させるのにもう迷ってるヒマはなさそうだ」

 

雪奈「そうね、喜多川君の本音も聞けたしね」

 

蓮「そうだな」

 

竜司「おうよ!斑目は弱いもんを食いモンにする正真正銘のクズだ!」

 

杏「自殺なんて、私の周りで、そんなことさせない!」

 

モルガナ「じゃあ、前回一致ってことで、話は新アジトでだ」

 

雪奈達は、この後新アジトへと向かうことになった。

 

 

渋谷駅の連絡通路、新アジトに来た雪奈達。そこで

 

モルガナ「諸君、ようこそ新アジトへ!今回のターゲットは斑目だ。見ただろ、あのパレス。前と同じなんて舐めてたら痛い目を見るぜ。それに雪奈の貞操がかかってる!!」

 

雪奈「私の貞操が!?」

 

モルガナ「やることは、鴨志田の時と同じだ。まずはパレスで【潜入ルート】を確保。その上で【心を頂く】予告。オタカラを【実体化】させていただく」

 

竜司「はいはーい、質問!斑目って俺らのこと知らねえじゃん?何で警戒されてたわけ?」

 

モルガナ「だいぶ学習しているな、いいぞ竜司。きっと【誰も信じていない】んだろ。知らない相手はすべてが敵扱いなのさ」

 

雪奈「それと悪い噂が広がってるのを知って、イライラしてる可能性もあるかも」

 

竜司「パレスが荒れんての、もらい事故みてえなモンて事かよ…」

 

モルガナ「なんにせよ、ワガハイ達は良い子ちゃんでいっとこうぜ。無駄に【警戒度】を上げちまったら、オタカラを取りづらくなる」

 

雪奈「今回は喜多川君にも気をつけてないとね。見られたことは、すぐ斑目に伝わるだろうし」

 

モルガナ「そのとうりだぜ!」

 

杏「てか斑目の【オタカラ】って見た目どんなの?また王冠?」

 

モルガナ「いや違うだろう。けどモノを見れば、ワガハイの直感で確実に分かる」

 

竜司「ああ、変なテンションになるからな、お前」

 

杏「今回の期限って個展が終わるまでなんだよね?」

 

雪奈「6月5日が期限日って事ね」

 

モルガナ「今回も【予告状】を出した後で【決行】だ。だから2つ戻って【6月2日】には潜入ルートを確定しないとな」

 

雪奈「いい、みんな絶対に、失敗できないからね!!!」

 

雪奈はそうみんなに言った。気合いが入る竜司と蓮。杏も雪奈を守るからと言ったのだった。ここから斑目の攻略に行動を本格的に動き出すのだった。

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