【凍結】帝国の緋き皇女の軌跡~七の絆と奇蹟~   作:龍造寺

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緋里雪奈編17話です。


17ー17ー5・21(18:00)〜5・22(16:00〜)ーモデルとして潜入。

雪奈sideー回想

 

ーー1204・5・21・夕方・18:00・斑目邸の近くにて。

 

フィクサー達は、いつも通りにマダラメパレスを攻略していたが、とある場所、中庭に来た時、厳重な警備が敷かれ、先に進む事ができなかった。しかしヒントらしきものはあった。

 

そこの立札には、こう書かれていた。

 

【警備員各位。展示期間中、宝物庫への扉は、殿内の警備室のみで開閉が管理される。外からの解錠は不可能となるため、各員とも注意されたし】

 

思わぬ難所がやってきたと嘆くフィクサー達。しかしモナはあることを思いだした。モナの提案で一旦マダラメパレスから外へ出ることにした。

 

 

 

 

マダラメパレスから脱出した後、近くの広場へ向かいモルガナの話を聞くことに。

 

杏「あの先、どうやって進んだらいいの…」

 

竜司「どっかに仕掛けでもあんのか?見当もつかねえ…」

 

雪奈「モルガナ、何か思い付いたんでしょ?だから私達を引き上げさせたんでしょう?」

 

モルガナ「雪奈の言うとおりだ。斑目邸の中に怪しい場所に心当たりがある。と言ってもこの【現実世界の屋敷】の方にな。忘れたか?あの美術館は、【ここ】なんだぜ?実は、前に来た時に偵察してある」

 

蓮「あの時、いなくなってた時に偵察をしていたのか?」

 

竜司「お前、あん時、ハナからそのつもりで…?」

 

モルガナ「その通りだ」

 

杏「暇だったからでしょ」

 

雪奈「杏、まあ、そう言うことにしてあげましょう」

 

竜司「んで、どこなんだ、それ?」

 

モルガナ「2階の一番奥だ。不自然にゴツい鍵がかかっていた」

 

雪奈「鍵を掛けるってことは、何か見られたくないものがあるってことね」

 

杏「確かにそうよね」

 

竜司「けど、俺達がこじ開けてぇのは、ここじゃなくてパレスだぜ?」

 

モルガナ「扉を斑目本人の目の前で開けんのさ。要は【扉な開けられない】っていうマダラメの【認知】を変えるんだ」

 

雪奈「現実の斑目邸のその扉を本人の前で開けることによって、パレスの扉も勝手に開くってことよね?」

 

竜司「なんかピンと来ねえな。本当にできんのかよ」

 

モルガナ「我輩を信じろ!必ず開く!はず!」

 

蓮「俺はモルガナを信じる。今はそれに掛けるしかないだろうし」

 

雪奈「今はモルガナの策に掛けるしかないでしょう」

 

杏「けど、やるにしても現実の方にもゴツい鍵があるんでしょ?」

 

モルガナ「我輩にかかればヘアピン1本で楽勝さ。でも多少は時間がかかる。流石にこじ開けるところから全部マダラメの前でこなすのは無理だ。ほんのちょっとの間、目を反らしてくれる人が…いたらなぁ」

 

モルガナがそう言うと、蓮と竜司が雪奈の方を見ている。それに気がついた杏と雪奈は

 

杏「ま、まさか雪奈を?」

 

雪奈「えっ!まさか私に?」

 

竜司「屋敷に入れんのも、どうやるかなー無理に入ったらそく通報だし…」

 

雪奈「……貴方達、私にモデルを受けさせるつもりなの?」

 

竜司「ヌードしかなくねえ?」

 

雪奈「……!!!」

 

モルガナ「奇遇だぜ。竜司!同じことを考えていた」

 

杏「あんた達、自分が脱がないからいい加減なこと言ってるんでしょ!」

 

竜司「マジで脱げなんて言ってねえよ」

 

モルガナ「雪奈、マダラメの家に怪しまれずに入れるのは、それが一番の口実だ」

 

雪奈「う……それはわかるんだけど…わかるんだけど…私が人芝居をうてば良いんでしょ?でも私はその鍵のかかった部屋も知らないし、やるにしても準備が必要なんだけど!」

 

モルガナ「雪奈、大丈夫だ。ワガハイも同行する」

 

雪奈「……うん、モルガナがいてくれるなら…」

 

杏「モルガナにいるてしても雪奈の実質1人じゃん。バレたらどうするのよ?」

 

雪奈「パレスに逃げ込むか、襲撃するとか…」

 

杏「それっ大丈夫!?解決策になってないんじゃない?」

 

雪奈「……こうなったら覚悟を決めるしかないわ」

 

杏「雪奈、本気なの?」

 

雪奈「マダラメパレス攻略をここで立ち止まるわけにはいかないし、その先に何があるかもわからない。ここでモタモタするわけにはいかない」

 

モルガナ「すまない、雪奈」

 

杏「雪奈、もし襲われそうになったら、思いきり殴っちゃえ!」

 

雪奈「わかったわ、杏。蓮、竜司、モルガナ、私が一肌脱ぐから絶対に成功させてよ!」

 

モルガナ「任せとけ、雪奈。ちゃんと任されたことはやり遂げるからな」

 

蓮「任せたぞ、モルガナ」

 

竜司「頼んだぞ、モルガナ。祐介に気づかれんなよ」

 

雪奈「私に触れてきたら、あの家…跡形もなく吹き飛ばす。跡形もなく…消し去る…。ここまでやってパレスが開かなかったら、私、斑目を殺しちゃうかも…」

 

雪奈は、不気味に笑みを浮かべている。竜司は慌てて

 

竜司「マテマテ、殺すのは不味いだろ!俺達は殺すんじゃなくて改心させるんだろうが!」

 

雪奈「……はっ、そうね、私達は殺しはしない。悪党を改心をさせるだけ…」

 

竜司「とにかく、明日な!」

 

雪奈「明日!」

 

竜司「早い方がいいに決まってんだろ、雪奈がそう言ったんだろ」

 

雪奈「明日……そうよね、ただ喜多川君が良いと言ってくれるかが問題よね…」

 

竜司「そんなの、【明日じゃなきゃムリ~】とか言っときゃよくね~?」

 

雪奈「はぁ~」

 

このあとは、解散しそれぞに帰宅したのだった。そのあと雪奈は、祐介に連絡をつけて明日の22日にモデルの件の約束を取り付けたのだった。そのことを竜司、杏に連絡し明日が決行日となったのだった。

 

雪奈side

 

ーー1204・5・22・夕方・16:00・斑目邸

 

雪奈とモルガナは、斑目邸に向かい、蓮、竜司、杏の3人は、マダラメパレスの足止めを食らった場所で待機してもらっている。3人の役目は、扉が開いた時に制御室を探してもらって、二度と扉が閉じないようにしてもらうためだ。

 

そして斑目邸に着いた雪奈とモルガナは、それぞれの役目を果たすために行動する。

 

佑介「本当に来てくれたんだ。連絡くれた時は、嘘だと思った」

 

雪奈「急に連絡してごめんなさい」

 

佑介「と、とんでもない。ただ昨日伝えた通り、今日は先生がもう20分~30分もすると戻られる。その…気を使わせてしまうかもしれないね」

 

雪奈「別に私は気にしないから(だから今日来たんだけどね)」

 

佑介「お世辞でもありがたい。ところで、その制服って秀尽学園の制服じゃないよね?」

 

雪奈「モデルになるんだし、絵になる制服が良いかなって思ったんだけど、似合わないかな?」

 

雪奈は、昨日の内に制服のパンフレットを見ていた。その中でも気に入った制服がトールズ士官学院の制服である。そして十三工房に頼んでトールズ士官学院の制服を作ってもらったのだ。ちなみにⅦ組の制服と平民クラスの緑をだが。佑介は、目線を逸らしながら

 

佑介「その制服は、どこかの制服なのか?」

 

雪奈「帝国のとある士官学院の制服なのよ」

 

佑介「帝国の制服なのか。だから見たことないのか。……それじゃあ、始めるか」

 

雪奈「……脱げばいいのね…。ってこっちを見られると脱げないでしょ?」

 

佑介「……す、すまん!」

 

佑介は、視線を雪奈とは反対な位置を見る。彼自身も雪奈の着替えを見るわけにはいかない。だから目線を逸らした。

 

雪奈「(斑目が帰って来る時間は…もうすぐのはず…)斑目先生ってもうすぐ帰って来るの?」

 

佑介「確か、そのはず…」

 

雪奈「…そうなの…ねえ、喜多川君、場所は変えられないの?私はもっと雰囲気がいいところがいいな」

 

雪奈は色っぽい声で佑介を誘惑する。佑介も冷静を保ちながら雪奈に答える。

 

佑介「こ、ここで十分な気が…」

 

雪奈「…(昔、クルーガーやルクレティアさんから教えてもらったお色気術をこんなことで、使うことになるなんて…でも今はなりふり構ってはいられないし)喜多川君、鍵のかかる部屋が良くないかな?」

 

佑介「鍵?」

 

雪奈「…女の子に言わせる気なの?」

 

雪奈は、自分の履いた靴下を佑介の方へ投げる。彼は靴下にビクッとなり

 

佑介「鍵のついた部屋、なんて先生のところくらいしか…」

 

雪奈「じゃあ、そこにしましょうか…」

 

佑介「む、無理、それは。第一、俺は鍵を持っていないし」

 

雪奈「(やっぱり持ってないか…。モルガナ、鍵持ってないって)」

 

モルガナ「(大丈夫だぜ、そのためのワガハイだ。このヘアピンで」

 

佑介「緋里さん、もうそろそろ…」

 

雪奈「ちょっと待って。ここより別の場所が良いかなって思うだけど。だって脱ぐんでしょ?私が恥ずかしくない場所がいいなぁ~」

 

佑介「他紙かに。モデルの気分を盛り上げた方が、いい絵になる、か…」

 

雪奈「そう、そうそう」

 

佑介「だ、大胆な構図やポーズにも協力してもらえるかもしれないしな」

 

雪奈「ポーズ…(マジでクルーガーやルクレティアさんが言っていたヤツをすることになるのかな…あっ、もう!覚悟を決めなさい、雪奈!)早く、やりましょうよ、せっかく気分も乗ってきたのに~」

 

雪奈は、佑介にウインクをやって、部屋を出ていく。目指すのは、鍵のかかった部屋である。

 

佑介「待ってくれ、緋里さん!勝手なことをしたら先生に怒られる!」

 

雪奈「喜多川君~早く~私の裸体を見たいんでしょ?」

 

雪奈は、お色気の術を使い、自分の裸体を佑介の頭に送り込む。

 

佑介「……ぶほぉ!緋里さんの裸体が!なぜ、俺の頭の中に……いやいや、他の部屋はまずいって!」

 

佑介は雪奈を追うため部屋を出たのだった。

 

雪奈「(ううっ…使いたくはなかったけど…モルガナ、後は頼んだわよ!)」

 

 

 

佑介は先に行く雪奈を呼び止める。

 

佑介「ちょっと、いい加減に…」

 

雪奈「ねえ、この奥って何なのかしら?」

 

佑介「そ、それは…」

 

雪奈「(モルガナが言っていたのは、この先ね)」

 

佑介「駄目だと言っているのに」

 

雪奈は構わずそのエリアに行く。そこにはパレスの時にあった扉があった。だがモルガナはまだ鍵を解除していなかった。

 

雪奈「…遅いわよ…」

 

モルガナ「猫の手ではやりづれえ…」

 

佑介「どうかしたのか?」

 

雪奈「…ううん、この部屋は何なのかしら?」

 

佑介「古い絵の保管庫だ」

 

雪奈「保管庫ねえ…ねえ、喜多川君、この部屋はどうかな?誰にも見つからない場所の方が、私的にも恥ずかしくもないし」

 

佑介は雪奈の問いに厳しい表情で

 

佑介「ここは先生しか入れない」

 

雪奈「喜多川君、どうしても駄目なの?2人きりで、静かな場所で誰にも邪魔されない感じのね」

 

モルガナ「(雪奈、まさか色欲魔術を使ってるのか!大丈夫なのか?)」

 

雪奈「(大丈夫だから、モルガナは鍵の解除に集中して!)」

 

佑介「どうかしたのか?」

 

雪奈「ううん、何でもないわ。(お色気術で何とか誤魔化さないと!)」

 

雪奈は再びお色気術を佑介に使う。彼の目には、憐れもない雪奈が見えている。トールズの制服が乱れたように彼女の綺麗な肌が見えている。

 

佑介「…こ、これは…ぶほぉ!緋里の肌…」

 

モルガナ「雪奈!佑介に何を見せてるんだ?」

 

雪奈「…裸体…」

 

モルガナ「はぁ!?ら、裸体だって!雪奈、お前…」

 

雪奈「クルーガーやルクレティアさんから教えてもらったお色気術を使っただけ…」

 

モルガナ「あの2人の色欲魔術って…。雪奈には難易度が高いんじゃなかったのか?」

 

雪奈「覚悟を決めたのよ!それより鍵の解除は?」

 

そんなやり取りをしていると、斑目が帰って来てしまう。

 

斑目「佑介…」

 

佑介「せ、先生…!」

 

斑目は佑介の名前を呼ぶ。それと同時に鍵も解除される。すかさず雪奈は、部屋へ入る。扉が開いたことに佑介もびっくりする。斑目もそこへやって来て

 

斑目「そこで、何をしている!」

 

佑介「こ、これは…違うんです!」

 

雪奈は、そっと近づくと佑介を後ろからつかみ部屋の中に連れ込むのであった。

 

 

雪奈Side 

 

 

ーー1204・5・22・夕方・16:25・斑目邸内

 

斑目が祐介を問い詰めるのと同時に雪奈は彼の背中を後ろから掴み斑目が鍵を締めていた部屋の中へ入る。もちろんモルガナも一緒に。

 

祐介「緋里さん、ま、まずいよ!」

 

雪奈「明かりをつけるスイッチは…ここね」

 

雪奈が明かりをつけるために導力電源を入れると、部屋を明るく照らす。

 

祐介「こ、これは…!?」

 

雪奈「こ、この絵は、あのサユリ…なの?」

 

祐介「お、俺に聞かれても…」

 

斑目「で、出て行け!」

 

祐介「せ、先生、これは?」

 

斑目「み、見られてしまったのなら、もう黙ってはいられんな。実は借金を抱えている。このサユリは、私自身が複写して、特別ルートで売ってもらっているんだ」

 

祐介「ど、どうして…」

 

斑目「本物のサユリは、昔の弟子に盗まれてしまった。嚴しくしすぎた事を恨んでたのかもしれん…そのことが、酷くショックでな…以来、私は、スランプに陥っている…苦悩から、弟子の着想を譲ってもらったことがあるのも事実だ…」

 

雪奈「……」

 

斑目「このままではいかんと、私は、何度かサユリの再現を試みた。だか、出来上がるのは、所詮模写…そんなときその模写でも良いから譲って欲しいという人が現れてな…すべては私の責任だ。有名税というのを払い切れなかったのさ。期待され、活動を広げていかねば、多くの方々に迷惑がかかるようになった…お前の才能を伸ばすにもミラが要る。不甲斐ない師を、どうか許してくれ…」

 

祐介「や、やめてください!」

 

雪奈「……なんか変よね。元のサユリが盗まれたのに、どうやって模写するのかしら?」

 

斑目「画集用の…精密な導力写真が残っていてね」

 

雪奈「導力写真のさらに模写が、売れたの?芸術家がそんな簡単に引っかからないと思うのだけど?残念だけど、嘘にしか聞こえない」

 

斑目「お、お前に何がわかるっ!」

 

雪奈「私の知り合いに絵に目利きの良い人がいるしね。その人から一通りは絵の見方は教わったわ。この絵からは、その人の思いや情熱が感じられない!」

 

モルガナ「雪奈!これだけ何かが違う!」

 

雪奈はモルガナが言った違和感なモノ、上から被せ物で隠していたモノを取り払う。するとサユリがそこにあった。

 

祐介「これは、まさか本物のサユリ!さっき、盗まれたって…!」

 

斑目「模写だ!」

 

祐介「いや、これは模写じゃない!この絵に支えられてここまでやってきたんです…先生、先生、まさか!」

 

斑目「それは偽物…そうだ、贋作だ!迷惑な贋作があると聞いて、買い取ったのだ!!」

 

雪奈「本家が贋作を買うの?もう嘘がバレバレなんだけど?」

 

祐介「先生は嘘をついている。サユリの真実…話してくれませんか?」

 

斑目「お、お前まで!」

 

斑目は、何かの装置を取り出して

 

斑目「警備会社に通報してやったわ!」  

 

雪奈「厄介なことを!」

 

斑目「迷惑な三流記事対策のつもりだったが、とんだところで役にたったわ」

 

祐介「ま、待ってください、話しを!」

 

斑目「話なら警察でしてくるといい。お前も一緒にな、祐介」

 

雪奈「警察に捕まるのは厄介ね。モルガナ、走りながら転移するわ!」

 

モルガナ「わかったぜ、雪奈」

 

雪奈「ほらっ、喜多川君も!」

 

斑目「無駄だ。警備会社が来るまで、2分とかからない!」

 

雪奈は、祐介を引っ張りながら走る。走りながらマダラメパレスへ逃げ込む事を考えている。

 

雪奈「一か八かのパレスへ転移するわ!」

 

モルガナ「それしか道はねえーやるしかない!」

 

雪奈は、祐介の手を握りながら転移魔術を発動し、雪奈、モルガナ、祐介の身体を不思議な力がつつみ込みそのまま、斑目邸から2人と1匹の身体は消えた。

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