1ー1ー4・27ー芳澤すみれとしての誇り。
ーー秀尽学園前・裏路地
3番目の光井和也…。2番目の光井和也は、真由美と共に世界を守り、死んでいった。実際には、この世界に飛ばされたのだが。
3番目の光井和也は、横浜騒乱編で妹のほのかと幼なじみの真由美が大亜の世界級魔法師に殺される。
和也は、怒りと悔しさ悲しさで己のたがが外れ全ての力を解放する。
大亜の世界級魔法師との死闘の末、倒す和也。
悲しみにくれるみんなに対して、
和也「俺の大切な妹のほのかと幼なじみの真由美を生き返す。たとえこの命をかけることになっても!!」
エリカ「な、何を言ってるの?和也君?」
深雪「和也さん!そんなことをすれば、貴方がただではすみません!」
レオ「はやまるな、和也!」
幹比古「和也!」
達也「はやまるな、和也!」
和也は、仲間の声を聞きながらも、焔の力を全快し、自分の生命力を引き換えにほのかと真由美を生き返した。
和也がほのかと真由美を生き返した後の記憶はない。
再び和也が目を覚ましたら、芳澤すみれという女の子となり赤ちゃんからの再スタートだった。だが和也が住んでいた世界ではない。似てはいるが似て非なるものである。
それから15年間、芳澤すみれとして生きてきた。
だが光井和也だった時の焔の力やその他もろもろの能力は失っていた。
だが頭の良さ、運動神経等は、すみれになっても引き継がれている。
だが、リベールの異変と呼ばれる大事件が起きた時に謎の力に目覚める。すみれは、リベールの異変時リベールに住んでいた。父親が仕事の関係で、リベールへ単身赴任することになり、すみれは父親の方に着いて行ったのだ。
母親と姉のかすみは、春先の精神暴走事故の被害者となり亡くなっている。その際に、父親もリベールから日本へ帰国したのだ。
娘のすみれの前では、明るく元気に振る舞っている父親だが、1人の時には、娘に悟られまいと声を殺して泣いているのだ。
それを見たすみれは、そっと決意したのだ。
かつての自分が悲しみから立ち直ったみたいに。
かつて自分は、仲間の支えがあったからこそ強くなれたんだと。
大切な何かを守りたい時、信じれない力を発揮するんだと。
自分のスマホにイセカイナビみたいなアプリが入っており、それをクリックするとお助けチャンネルみたいのが出る。それは日本には、遊撃士がほとんどおらず、クロスベルのような特務支援課があるわけではない。帝国のトールズ士官学院特科クラスⅦ組があるわけでもない。
誰かが手を差しのべてくれるわけではない。誰かが助けてくれるわけでもない。
そんな世の中でも善意でこんなアプリを作り出した人間がいる。
その人間が芳澤すみれである。
前にも説明したが、すみれとしては、焔の力ではなく、謎の能力、サンドリオンという力であった。サンドリオンを発動すれば、光井和也の能力を発揮できる。
前世の記憶や能力で、お助けチャンネルを作り出した。遊撃士協会のギルドにある依頼なんかを、チャンネルに登録してくれれば、すみれが解決できるものは解決してくれる。
鴨志田の件のことも内密に捜査していたのだ。捜査していくうちに、蓮や雪奈達と遭遇したのだ。直接会ったわけではないが。
すみれ「…今回は、あの雨宮先輩達のお手柄ってことかな。私は鈴井先輩が死なずにするのがやっとだったから」
すみれは、志帆が飛び降りるのを周りの人間と目撃したのだが、能力を使うことができず、死なない程度の能力を使うのがやっとだった。
夕陽に照らされながらすみれは、雨宮蓮達がいたところをずっと見ていた。
そして、雨宮蓮達がいた場所に来て
すみれ「これからも、私は困った人達を助けるつもり。それと雨宮先輩達がこれからも助けるつもりなら……」
すみれは、雨宮蓮達がこれからも困った人達を助けるつもりなのか見極めることにした。
すみれ「あ、バイトに行かないと」
すみれは、スマホの時計を見て、バイトに行く時間だと気付く。彼女がバイトしているのは、花屋さんである。父親が仕送りをしてくれてるのだが、学費だけを仕送りで払い、生活費と小遣いはバイトと人助けで得た物を売ったりして生計を経てている。
すみれ「秀尽学園、まだまだ闇を抱えてる…誰かが助けを求めるなら…」
すみれは、秀尽学園の校舎をちょっと見てから、学園の最寄り駅の方へ向かうのだった。