【凍結】帝国の緋き皇女の軌跡~七の絆と奇蹟~   作:龍造寺

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芳澤すみれ編3話です。


3ー3ー5・03ー十文字家の英雄とその娘。

ーー1204・5・03・新サエグサ再開発地区・スターライト・ 

 

新サエグサ開発地区、ここは大亜との戦争で破壊された地域であり、十師族の七草家が力を入れて再開発された場所である。戦争で破壊される前は、原宿と呼ばれていた場所。

 

そんなところの、スターライトと呼ばれるマンション、505号室にすみれはいた。

 

山田の依頼を受けてここに戻って来たのだ。すでに太陽は、東から顔を出し、太陽光が部屋を照らしている。すみれは、ベッドで気持ち良さそうに寝息を立てている。

 

今日から3、4、5日と日本においては、ゴールデンウィークに当たるのだ。

 

目覚まし時計が、06:30分になり目覚ましのメロディが流れる。

 

すぐにすみれは、起きて目覚ましのメロディを止める。

 

すみれ「休みになったけど、あまり呑気にはできない」

 

昨日、お助けチャネルの依頼主の山田から姉の事故を調べることを引き受けたからだ。

 

警察もマスコミも動かないのは絶対におかしい。警察は別にしても、あのマスコミが全く取り上げないのは、おかしい以外に無いのだ。桐条内閣の大臣や官僚のスキャンダルは、すぐに報じるのに山田の姉の事故はどこにも報じていない。やはり十師族、またはそれに順次する連中って事になる。

 

すみれ「まずは、山田さんのお姉さんの事故に合った場所に行ってみないと」

 

すみれは、山田から聞いていた住所、新東京第2開発地区、十区。

 

十師族による新東京開発計画に載っとり、各一族が開発にミラを注ぎ込んでいる。この十区は、十師族の十文字家の領地のようなものである。

 

十師族のボンボン息子、娘が沢山いそうな雰囲気である。そんな中、すみれは歩いている。

 

すみれ「なんだか、私は場間違いだよね」

 

そんな事を口に出しながら事故現場とされる場所へ行く。

 

【ジャスティス通り】

 

【十文字正義・十文字分家当主の嫡男の名前を取った通りの名前】

 

十文字正義は、大亜による沖縄戦役で、戦死している。ジャスティス通りの一角に、十文字正義の慰霊碑が立っている。慰霊碑のある端には、赤き獅子の紋章が入った旗が掲げられている。この旗は西ゼムリアの大国エレボニア帝国の旗である。寄贈者は、エレボニア帝国皇帝ユーゲント3世、帝国宰相ギリアス・オズボーンと印されており、十文字正義を名誉帝国臣民に認定すると書かれている。

 

【我が友よ、安らかに眠れ。……意思は私が受け継いだ】

 

と慰霊碑には書かれている。

 

 

十文字正義は帝国軍を除隊すると、その後日本人初のS級遊撃士なった人物であり、八葉一刀流免許皆伝であり、九島烈以来の剣聖となる。正義は、黒の剣聖と呼ばれいる。

 

そしてギリアス・オズボーンの親友でもあった。同じくトールズ士官学院に入学している。容姿は、ブラック・クローバーのヤミ・スケヒロな感じて、性格もヤミさんみたいかな。

 

後々にギリアスと真夜の間を取り持ったとされている。

 

十文字正義は、分家と言っても嫡男だったが、型にはまるのが嫌だった。それに家督を継ぐのも嫌だったから、家督は二男の正孝に譲り十文字を飛び出して、単身帝国に渡りトールズ士官学院へ入学している。

 

成績は、ギリアスと常にトップ争いを繰り広げていた。

 

トールズ在籍時、ギリアスと共に台湾で行われていた、セレブ少年少女交流会に東ゼムリアのオブザーバー枠で出ている。

 

この後、大漢軍が攻めてきて、ギリアスが真夜を助けたりして一躍有名になるが、十文字正義もかなりの活躍をしている。

 

カルバードの若者や、台湾の若者達を単身、太刀一つで大漢軍の戦車部隊に斬り込んで行ったとされている逸話も残されている。

 

すみれは、十文字正義の慰霊碑に手を合わせる。

 

すみれ「十文字正義さん、今のこの国を見てどう思うのかな」

 

汚職、不正授与、賄賂、怠慢…こんなことばかりをやっている日本。

 

十文字正義が生きていた時代は、常に新ソヴィエト、大漢(現大亜)の脅威があって緊張感の中に生きていた。この2ヵ国とは、何度も衝突を繰り返していた。だが帝国と国交を結んでから、帝国と軍事同盟的なものを結び、共和国とも国交樹立を結んだ。それからは、東ゼムリアでも帝国と共和国の影響が出たために、日本とだけを見るわけにはいかなくなった。

 

第2次大亜戦役にて、大亜と新ソヴィエトは、東ゼムリアにおける影響力は無くなった。大亜は大亜自体と東ゼムリア共和国、南中華国に分離独立した。

 

すみれは、過去の歴史の出来事が頭を中を駆け巡る。そして手を合わせ終えると、再び慰霊碑を見る。すると後ろから話しかけられる。

 

??「珍しいこともあるものね」

 

すみれ「はい?珍しいとは?」

 

??「慰霊碑に手を合わせる人なんて近頃はいないから」

 

すみれの隣に金髪の女子がやって来る。この金髪の女の子は、すみれと同じくくらいの歳か。

 

すみれ「手を合わせない人が多くは無いの?」

 

??「今では誰もみないわね。ちょっと前くらいならいたみたいだけど…」

 

すみれ「そうなんだね…。私は芳澤すみれ、貴女は?」

 

アリス「わたしは、十文字アリスよ」

 

これが、すみれと十文字正義の娘であるアリスとの出会いであった。

 

 

 

ーー1204・5・03・ジャスティス通り・十文字正義慰霊碑にて。

 

ジャスティス通り・十文字正義の慰霊碑にてすみれは、十文字正義の娘である十文字アリスと出会った。

 

これは偶然か、または必然なのか、それはわからない。

 

すみれ「十文字…って十師族の!?」

 

アリス「あまり大きな声で呼ばないで!ちょっと来て!」

 

すみれはアリスに引っ張られながらとある喫茶店に入る。

 

その喫茶店は、緑で統一されていて、とても雰囲気が良い感じの店である。休みに入ってるだけあって人も多い。アリスはお店のオーナーらしき人に話しかける。

 

アリス「オーナー、奥空いてる?」

 

オーナー「あ、アリスお嬢様…今日はご親友をお連れになられたのですか?」

 

オーナーは、ちょいワルオヤジ感(小山力也さんがCVの)が入っている親父さんである。

 

アリス「すみれさん、奥に行きましょう」

 

すみれ「あの、お邪魔しますね」

 

オーナー「構わないよ」

 

すみれはオーナーに一礼すると、アリスについていく。

 

アリスが入った部屋は、喫茶店とは場間違いな感じな和式部屋である。とても高級感があるような装飾品が飾られている。すみれは、綺麗に靴を脱いで揃えてから和式部屋に入る。足を踏み入れた時点で、何かの術式が発動したことをすみれは気づいた。

 

すみれ「…十文字さん…何かしましたね!?」

 

アリス「発動…なるほど…芳澤さんは、一般人が行く学校の高校生みたいですけど、わたしが何か発動したことをわかったんですね」

 

すみれ「ただ…話すだけなら…人払いの魔術なんて入らないでしょ?」

 

すみれは警戒しながらアリスを見ている。

 

アリス「人払いの魔術…そこまで知ってらっしゃるのですね」

 

すみれ「そ、それは…」

 

日本国の人間は、誰でも魔法や魔術が使えるわけではない。十師族の人間、そこに連なる人間、もしくは突然変異で生れた人間などがある。西ゼムリアの導力魔法も日本で普及し始めたが、まだまだである。

 

アリス「そんなところに立ってないでこっちにいらっしゃい。わたしは貴女の敵ではないわ」

 

すみれ「そ、それを信じろと仰られるのですか?」

 

アリス「…まあ、いきなりこんなこと言われても信じられるはずはないか…」

 

アリスは座っていたが、立ちあがって窓の外を見る。そこから窓の外の景色は、ちょうどとある交差点が見える。

 

この交差点こそ、依頼人の山田のお姉さんが亡くなった交差点なのだ。アリスが事の真相を話し出した。

 

この喫茶店のスタッフの1人が事故を目撃をしている。警察は事故と片付けようとしていたが、何人かの目撃証言が出たため、事故の原因を解明するために動き出す直前で、所轄のトップに圧力をかけたようで、それで捜査は打ち切り。事故死として世間で発表された。

 

事故の目撃証言として、スタッフの1人が名乗りを上げていたが、何かの見間違いだと意見を変えたようだ。

 

そして消えるようにして、そのスタッフは喫茶店を辞めていった。オーナーもアリスもそれを不自然だと感づき調べを始めたと。

 

調べを続けていく内に、お助けチャンネルなるものを発見した。そのチャンネルには、助けられてる方々のお礼の言葉などがかかれていた。それをまた調べていったらすみれに行き着いたと説明してくれたのだ。

 

すみれ「そ、そこまで…私のことを…」

 

アリス「勝手に貴女に関する個人情報を調べてしまったのは謝ります」

 

アリスは、深々と頭を下げた。すると部屋にオーナーがやって来て、頭を下げた。

 

オーナー「アリスお嬢様は何も悪くないです。貴女のお助けチャンネルは、わたくしめが探し出したのです」

 

アリス「山吹オーナー…わたしが、貴女に…」

 

すみれ「いいえ、お二人は悪くは無いです。多少は驚きましたけど、お二人は、そのお辞めになられたスタッフがなぜ辞めなければならなくなったのか…それが知りたいんですね?」

 

オーナー「わたくしめは、そうですが…アリスお嬢様は…」

 

アリス「…わたしは…わたしは、権力で事件や事故を揉み消すような世の中は間違っていると思います。先月、秀尽学園に怪盗団を名乗る者達の働きによって、学園が隠していた鴨志田教諭の醜態が明るみに出た…そしてすみれさん、貴女も困った人達を放っては置けないのよね…ヴァイオレッドというコードネームで活動してる…」

 

すみれは、もう苦笑いをするしかなかった。さすがは十師族の十文字家分家のご息女だと。

 

すみれ「そこまで知られていては、隠す意味もありませんよね」

 

アリス「……これも貴女が信用に値する人物か調べるためだったのです」

 

すみれ「私はただのお節介好きなだけですよ」

 

アリス「お節介…今の日本では死んだも当然な言葉です…」

 

すみれ「そうかもしれません…。でも世界には、そんなお節介好きがまだまだいますよ…」

 

アリス「ええ…わたしもそう思います。西ゼムリア…リベール、クロスベル、そしてエレボニア…」

 

アリスが言わんとしてることは、すみれもわかる。リベールのエステル達、クロスベルのロイド達特務支援課、エレボニア帝国のオリビエ、ユフィ達トールズ士官学院特科クラスⅦ組等を指していることも。

 

アリス「一度、何でも屋のエルフィン・スナイパーのカズヤさんにも言われたことがあります」

 

すみれ「エルフィン・スナイパー……ですか」

 

すみれは、エルフィン・スナイパーという何でも屋があるのは、知っていた。それは、エルフィン・スナイパーという名前に疑問を持ったからだ。

 

エルフィン・スナイパーは、芳澤すみれとして生を受ける前、まだ“光井和也”として生きていた時の幼なじみの七草真由美のニつ名である。だからすぐに興味を持った。

 

エルフィン・スナイパーは会社であり、社長と副社長の名前は

 

【カズヤ・アレイスター】

 

【マユミ・アレイスター】

 

すみれはそれを見て、自然と涙が流れた。前世の自分自身と真由美がそこにいるかのように思えたからだ。

 

エルフィン・スナイパー社の社訓を見た。私達エルフィン・スナイパーは、受けた依頼はどんな依頼でも必ずやり遂げる。

 

どんな依頼…それは政府、軍、猟兵等表では、遊撃士がやらないこともすると意味合いだ。だが日本には遊撃士もほとんどおらず、西ゼムリアの遊撃士もほとんど来ない。

 

だからすみれは、お助けチャンネルを作り、遊撃士の真似事をやり始めたのだから。

 

アリス「あの、すみれさん?」

 

すみれ「あ、はい、何でしょうか?」

 

アリス「あの、何やらぼぉーとされてたから…心配で」

 

すみれ「いえ、私は大丈夫なので、話を続けて下さい」

 

アリス「…わかりました、話を続けますね」

 

アリスの話は、こうして続いていく。

 

 

ーー1204・5・03・喫茶店→ジャスティス通り・昼過ぎ

 

すみれとアリスは、これからのことを色々と話した。お助けチャンネルに依頼が来るものをこなしていくとかを説明する。すみれも十文字分家の血を引いてるアリスがいてくれるのは、正直嬉しいのだ。なんでも1人でやってる時よりも効率は格段に上がるのだから。

 

 

そしてアリスは、すみれと同じ歳で十文字家らしく第1高校に通っている。すみれは秀尽学園であり、通学している学校の違いはあるぐらいか。

 

すみれとアリスは、互いに番号交換をする。それとスマホ以外にも互いに帝国のARCUSを取り出して、番号交換をした。すみれは、帝国のRF社の臨時依頼をこなして、報酬としてARCUSを貰った。

 

アリスは、十文字家と帝国のRF社と協力体制のもとで、十文字分家にも贈られているのを、母であり、十文字分家当主代行のシャルロットからもらっている。

 

すみれとアリスは、自分達のことをクルセイダーズと名乗る事にしたのだ。

 

クルセイダーズとは、(Crusaders)は、スペイン語で【十字架をつけた集団】という意味を持つ言葉で、転じて十字軍を意味する。同義の英語のクルセイド(Crusade)より転じて【社会活動家】を意味する語でもある。(wiki参考)

 

喫茶店のオーナーも心嬉しかっただろう、ハンカチで涙を拭っていた。

 

すみれとアリスの最初の依頼の仕事は、山田さんの姉の事故と喫茶店の従業員の謎の退職について調べることに。

 

オーナーに一礼すると、すみれとアリスは、喫茶店から出て事故現場に向かう。

 

向かうと言ってもすぐ目の前の交差点である。

 

すみれ「ここが、依頼主の山田さんのお姉さんが事故死とされた場所…」

 

アリス「ここの交差点で事故が起きることは、ほとんどと言っていいほど事故は無かったわ」

 

すみれ「それなのに、死亡事故が起きてしまった…」

 

アリス「そうね」

 

すみれは辺りを調べ回るが、何かあるわけではない。事故の現物は、警察が片付けたのだろう。破片の1つすら落ちていない。ただ、山田の姉の血の跡なのかくっきりと残っている。

 

アリスも周りの気の流れでも調べてるのか真剣な表情をしている。

 

アリス「変わった風の流れ、気の流れは無いわね」

 

すみれは、サンドリオンを呼び出した。だが特別に何かあるわけではないと、発動を止めた瞬間、何か目に見えたのだ。

 

すみれ「な、なんなのアレ…」

 

アリス「どうしたの、すみれ?というかすみれの背中の後ろに現れたのって何?」

 

すみれ「サンドリオンの事よね…これは私が生まれ持った能力と言うか…突然目覚めたと言いますか…」

 

アリス「私、お父様から聞いたことあります。希に魔法や魔術の才能を生まれ持って生まれてくる子供がいるって…」

 

すみれ「やっぱり気持ちが悪いとか思うよね?」

 

アリス「気持ちが悪い?わたしはそんなこと思いません。むしろ羨ましいくらいですよ」

 

すみれ「羨ましい…ですか」

 

アリス「すみれ、わたしは貴女を偉いと思うわ。生まれ持った能力を今まで人のために使って来たんでしょ?」

 

すみれ「うん、まあね」

 

アリス「今の日本を見たら分かるでしょ。力を持ってる人間は、他の弱い人間を苦しめているだけ。十師族も百家もその他の人間も何もしない。そんな人間よりもすみれの方が優れてるわ!」

 

すみれ「私は、私の信念に基づいてやってるだけだから」

 

アリス「それでもよ、すみれ」

 

アリスは、この国、今の日本の状態有り様を嘆いている。元々十師族百家は、この日本の為の模範になるために誕生したはずだ。大陸の侵略者から祖国を守るために、我が身を削って誕生した先祖の時よりも今は平和だ。この平和が人々を堕落させてしまったのか、そう思った事もあった。

 

だが今は違う。すみれやカズヤと出会って考えを改めた。例えそうだったとしても抗う人々がいることがわかったからだ。

 

すみれ「ありがとう、アリス」

 

アリス「大分、道がそれちゃったみたいだけど、さっき何かが見えたって言ってたけど、何が見えたの?」

 

すみれ「はっきりとはわからないわね。ただサンドリオンを発動させた時、何かが光ったの」

 

アリス「光系統魔法が使われた?」

 

すみれ「それは無いかな。発動させた魔法の形跡は探ることはできるから」

 

すみれは、サンドリオンを発動させれば、“カズヤ”の第3の眼がつかえるようになる。それで確認したが、光系統魔法を使った形跡は無かった。

 

だがわかった事がある。

 

あの光がなんなのか、わからないことがわかったのである。すみれも専門家ではない。第3の眼で見えていてもわからないものもあるのだ。

 

すみれ「…これ以上は、この場所からは何もでないでしょうね」

 

アリス「ええ、わかりましたわ」

 

すみれとアリスは、そう言うと十文字正義の慰霊碑の前に来て、手を合わせた。

 

そして次は、すみれとアリスは、ゴールデン・マウンテン社がある、渋谷方面へ行くことにする。

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