【凍結】帝国の緋き皇女の軌跡~七の絆と奇蹟~   作:龍造寺

68 / 96
芳澤すみれ編4話です。


4ー4ー5・03ー帝国(エレボニア)へ。

ーー1204・5・03・渋谷・昼過ぎ

 

新東京第2開発地区十区から渋谷まで導力列車でやって来たすみれとアリス。渋谷は東京で一二を争う人が集まる場所である。今日からゴールデンウィークって事もあり、特に若い世代が多い。

 

すみれ「人が多いですね」

 

アリス「今日から休みだからね」

 

すみれ「休みであっても、お助けチャンネルに依頼は結構きますから」

 

アリス「それだけ、人々が助けを求めてるって事かしら」

 

すみれ「まあ…緊急を要しない依頼もありますけどね」

 

今の日本、特に東京都を離れると魔物が出没する場所もあるのだ。だから地方は、遊撃士を欲しているのだ。だが日本には、遊撃士協会の支部はあるが、なんせ数が足りない。全く需要と供給のバランスがおかしいのだ。

 

だから地方は、警察官や軍官が魔物退治に繰り出されるが、魔法や魔術の使えない者達ばかり出されている。魔術や魔法が使えなくても、剣術系が優れていれば、魔物と戦えるのは実証済みだ。

 

だが大事な警察官や軍官をそうそう出したくはない。だから遊撃士協会やお助けチャンネルに依頼を出す。

 

最近になって日本人の遊撃士も増えてきたようだ。日本で遊撃士が職業選択の1つとも言えるようになってきた。

 

アリス「とにかく今は、山田さんのお姉さんのことに専念しましょう」

 

すみれ「ええ」

 

すみれとアリスは、そう言って人の流れを逆らいながらゴールデン・マウンテン社に向かう。

 

やっとの思いで、ゴールデン・マウンテン社に到着。すみれとアリスは、ゴールデン・マウンテン社の華やかな歴史のモニュメントが置かれている1階に入って見る。

 

【ゴールデン・マウンテン社、七耀歴1155年創業】

 

初代社長ー門倉弥右衛門(1155~1173)

 

2代社長ー門倉蔵衛門(1173~1186)

 

3代社長ー門倉菊衛門(1186~1199)

 

4代社長ー倉本達郎(1199~1200)

 

5代社長ー四道孝政(1200~)

 

今は5代目社長の四道孝政。4代社長の倉本達郎の不慮の事故により、副社長であった四道孝政が社長に就任。臨時株主総会でも満場一致で決まっている。

 

今は日本国内に留まらず、世界に羽ばたいています、とアナウンスが流れている。

 

すみれもアリスも経済の時間で聞かされている企業の名前である。

 

ゴールデン・マウンテン社は、元々は食品加工会社であったが、3代社長の門倉菊衛門が、文房具分野にもシェアを拡大。今は、日本国内だけではなく、台湾、東ゼムリア共和国はもちろん、エレボニア、クロスベル、リベール、カルバードとシェアを拡大中。

 

すみれとアリスは、ゴールデン・マウンテン社の見学者みたいにしている。ただ休みというだけあって、他の見学者もたくさんいる。

 

すみれ「山田さんのお姉さんが勤めていたのは、本社ビルではなく、帝国支部…エレボニア帝国にある帝国支部…」

 

アリス「帝国支部……。ならあの端末で調べて見ましょう!」

 

すみれ「そうだね」

 

誰でも見れる端末がある。やはり端末は、就活をしているような学生が沢山いる。すみれとアリスもその中に混じって、端末に備え付けられている椅子に座る。

 

端末を操作して、色々な情報を見るが、当たり障りないものばかりしかない。何かを入力するような場所もない。ここで不正入力できれば調べられるだろうが、リスクが高すぎる、とすみれは判断した。

 

すみれ「うーん、普通に会社情報しかないわね」

 

アリス「まあ、学生が見るくらいの端末でしかないしね…」

 

すみれ「そうだよね…」

 

アリス「どうする、すみれ?」

 

すみれ「…どうすると言われても……」

 

すみれがどうするか迷っていたら、彼女のスマホにメールが送られてくる。すみれはすぐにメールを見る。そのメールには

 

【ヴァイオレッド殿、ゴールデン・マウンテン社の事実が知りたければ、エレボニア帝国にある帝国支部を調べるといい。ヴァイオレッド殿が知りたい情報が見つかるだろう】

 

すみれはすぐに回りをキョロキョロする。前も新島真の件でもそうだが、日本では全く伝えられていない。

 

アリスもすみれのスマホを見て驚いている。

 

アリス「これって…すみれ…」

 

すみれ「ええ、以前の依頼でもこのメールに助けられたわ。でもどうして?」

 

すみれはすぐに端末の場所から出て、回りをキョロキョロする。自分にこんなメールを送りつけるとは、回りにいるに違いないと探すが、そのような人物はいない。

 

すみれ「それにしても…何故…」

 

そう思いながらも以前の新島真に関しても、この匿名のメールの送り主が色々と教えてくれたのは事実。すべてすみれだけで探し当てたのではない。

 

アリス「その匿名のメールの情報、信用しても良いのかしら?」

 

すみれ「うん、信用できると思うわ。今は少しでも何か手ががりにになる情報が欲しいから」

 

アリス「でもエレボニア帝国に行かないと行けないわよ?」

 

すみれ「行くしかないか。サンドリオンの力を使って行くしかないか…」

 

アリス「サンドリオンで行く?まさかあの背後霊みたいなあれで?」

 

すみれ「そうよ」

 

アリス「わ、わたしはそんなの出せないわよ…。そ、そうだ十文字家の専用の飛行船で行きましょう!」

 

すみれ「飛行船で行ければ、それに越したことはないけど…」

 

すみれも帝国に密入国するつもりはない。出来れば正規ルートで行きたい。今までの依頼で外国に行く場合は、正規ルートで行っていた。だが時間がかかるため、サンドリオンの能力を使って行き来をしたこともある。

 

アリス「そうと決まれば、成田国際空港に行きますわよ」

 

すみれ「え、わかったわ」

 

アリスに引っ張られすみれは、成田国際空港へ向かうことになった。

 

 

 

ーー1204・5・03・ → ・日本国成田国際空港→エレボニア帝国・サザーラント州セントアーク空港(1204・5・04・ 到着予定)

 

一旦、すみれは、自宅にパスポートを取りに帰った。アリスは、十文字分家の導力車で迎えに来てくれた。もちろん運転手は、お付きの人が運転してるが。

 

すみれとアリスは、十文字分家のお付きの運転手が運転する導力車で成田国際空港を目指して走っている。

 

アリスは、自分の母親にわけを話して、やりなさいと言われたそうだ。何を言われたのかと言えば、すみれと共に人助けをすることを。

 

アリスの母親であるシャルロットは、アリスがそう言ってくれたことを嬉しくもあり、寂しくもあった。でも反対はしない。アリスが信じる道を進んでほしいからだ。

 

アリス「すみれはご両親に言わなくても良いのかしら?」

 

すみれ「私は良いよ。母と姉は、事故で死んじゃったし、父はまた単身赴任で外国に行っちゃったし…」

 

アリス「そう…寂しい、すみれ?」

 

すみれ「うん…母と姉を失った頃は…泣いてたし寂しかった…でも父のおかげでなんとかなったかな」

 

アリス「立派なお父様ね…」

 

すみれ「アハハ…アリスのお父さんほどじゃないけどね」

 

そんな話をしながら成田国際空港へ向かう。

 

 

ーー

 

成田国際空港に着いたすみれとアリスは、十師族が使う特別のレーンがあり、そこを行く。ゴールデンウィーク中ってこともあり、休みを海外で過ごす人間も多い。だから空港内も人が多いのだ。行き先は、リベール王国が1位、2位が台湾、3位がレミフェミアの順番である。

 

十師族専用レーンを歩いて行くと十文字家の飛行船が置かれている場所へやって来る。

 

空港での色んな事が省かれていて、時間が省略できるなとすみれは思った。

 

十文字家お抱えのフライトスタッフがすぐに来て、アリスにすぐに出発するのか聞いている。

 

アリス「すみれ、すぐに出発できるみたいだけど、どうする?」

 

すみれ「行けるのならすぐに行きたいかな」

 

アリス「わかったわ」

 

アリスは、十文字家のお抱えのフライトスタッフにそう伝えると、すぐに出発のための行動に移る。すみれは座席に座ると隣にアリスも座って来た。すると黒服を纏った初老の男性が2人の前に立った。

 

田中「すみれ様、十文字分家の執事でアリスお嬢様の付き人の田中と申します。以後お見知りおきを」

 

すみれ「芳澤すみれです。私こそ宜しくお願いします、田中さん」

 

自己紹介などを終わらせたすみれ達は、フライトスタッフによる操縦で飛行船は、空へ上がりエレボニアへ向けて出発したのだった。

 

エレボニア帝国・サザーラント州セントアークの空港に着く予定時間は、明日の06:30分。着くまで空の旅を楽しむすみれとアリスであった。

 

  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定

▲ページの一番上に飛ぶ
X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧 ※ログインせずに感想を書き込みたい場合はこちら
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。