【凍結】帝国の緋き皇女の軌跡~七の絆と奇蹟~   作:龍造寺

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芳澤すみれ編9話です。


9ー9ー5・05ーアルフィンとの出会い。

ーー1204・5・05・朝・紡績街パルム・宿酒場(白い小道亭)にて。

 

窓から陽射しが差込みすみれ達を照らしていた。小鳥の囀ずりも聴こえて来て、すみれはベッドから起き上がる。アリスはまだ寝ていて起こさないように窓を開ける。すると冷たいひんやりな風が、吹いて気持ち良かったりする。

 

薄いピンクのブラとパンツが陽射しに照らされて、新体操をやっているだけあって神秘的に見えるすみれ。

 

すみれ「今日は何をしようかな」

 

アリスから1人で勝手にするなと言われた。だから勝手にするつもりはない。彼女は、すみれを相棒だと言ってくれたのだから、悲しませることはしない。

 

すみれ「うーん、今日は観光をするか、お助けチャンネルの依頼をこなすか…どっちにしようかな」

 

アリス「わたしは、どっちでも良いわよ。観光にしろ、依頼をやるのもね」

 

すみれ「ありがとう。あーやっぱり、起こしちゃった?」

 

すみれと同じように下着姿のアリスは、あくびをしながら話しかけていた。ちなみにアリスの下着の色は、ブラ、パンツ共にスカイブルーである。

 

アリス「別にすみれが謝る必要はないわよ。わたしも起きるつもりだったし」

 

すみれ「アハハ、そうなんだ」

 

すみれは苦笑いをしながら身支度をするのであった。

 

すみれとアリスは、身支度が終わり、朝ごはんを食べてる時に、理がやって来る。

 

理「おはよう、2人共に早いんだね」

 

すみれ「おはようございます、理さん」

 

アリス「理さん、おはようございますわ」

 

理「さてと、僕も朝ごはんを食べようかな」

 

理は、すみれ達の座るデーブル席に座る。

 

理「で、君達は今日は何をするんだい?まだ山田真奈美の調査かい?」

 

すみれ「いえ、山田真奈美さんの件は終わりましたので、何をやろうか迷ってますね」

 

アリス「理さんは、何をされるんですか?」

 

理「僕かい?僕は、セントアークに行くつもりだよ」

 

すみれ「セントアークにですか。観光ですか?」

 

アリス「セントアークを観光…わたしもやってみたいですわね」

 

すみれ「私もセントアークは観光したいなと思ってたけどね」

 

お助けチャンネルの依頼は、あくまでも日本人が主に依頼者である。日本は遊撃士の人間が少ないから、お助けチャンネルに依頼がやって来るのだ。日本人遊撃士も増えはしたが、まだまだな部分である。

 

理「ちょっと観光とは違うかな。えーと君達もセントアークに?」

 

すみれ「ええ、そうですね」

 

アリス「日本に戻る前に、セントアークの観光を楽しみたいと思いまして」

 

理「そうなんだね。観光気分なとこ申し訳ないんだけど、とある依頼をやる気はないかい?」

 

すみれ「とある依頼ですか?」

 

アリス「とある依頼とはなんでしょうか?」

 

理「依頼は受けてくれてると判断しても良いかな?」

 

すみれ「理さんには、助けてもらったですしね」

 

アリス「そうね。それで、その依頼ってのはなんでしょうか?」

 

理「ありがとう。で、その依頼ってとはね…。セントアークでとある方に会う事かな」

 

このあと、理がとある方の名前を言って、すみれとアリスがびっくりするのである。

 

 

ーー1204・5・05・朝・紡績街パルム・宿酒場(白い小道亭)

 

理から聞いた名前は、アルフィン・ライゼ・アルノール。

 

アルフィンとは、エレボニア帝国の皇女、アルフィン・ライゼ・アルノールである。すみれとアリスは驚き声をあげそうになったが、自分の中に押し込めた。理は今朝の事を話し始めた。

 

 

理も朝、アルフィンから連絡をもらって慌てたくらいだ。

 

アルフィン【わたくし、セントアークに行くことにしましたから。理さんよろしくお願いしますね?】

 

理【……朝からなんの冗談でしょうか?】

 

アルフィン【冗談ではありませんわ、理さん】

 

ARCUSの向こうにニコニコしているアルフィンが映っている。

 

理【冗談じゃなかったら、嫌がらせでしょうか?】

 

アルフィン【わたくしは、嫌がらせとかしませんわ。わたくしはただ、すみれさん達に会いたいだけですし】

 

理【……昨日話して…今日ですか…。で…そんなすぐに話したい事って何ですか?】

 

アルフィン【色々とお話しすることはあります。お兄様はお兄様で、誰かと会うみたいだし、わたくしもね】

 

理【ねって言われましても…】

 

アルフィン【ふふっ、わたくし、理さんがお断りしても、会いに行きますわ】

 

理【……日本では、ゴールデンウィーク中で休みですが、帝国は普通に学院生活があるのでは?】

 

アルフィン【ふっ、それは変り身の術、分身魔術とかで、わたくしの代わりを出せますから】

 

理【………何が何でも来るんですね…。はぁ~わかりました。えーと、お忍びで来るんですよね?】

 

アルフィン【もちろんですわ、護衛とかいませんからご心配なく】

 

そう言うと、ARCUSの通信は切れる。理はため息を大きく深くはく。理の話しは終わる。

 

 

すみれ「アハハ、何だかアグレッシブな皇女様じゃないですか!」

 

理「アグレッシブかぁ~そんな感じかな」

 

アリス「お伽噺の中に出てくる皇女様ってイメージじゃないわね」

 

すみれ「お伽噺の皇女様なら、憧れはあっても親しみやすさは無いかな。でも理さんから聞いたアルフィン皇女様って何だか親しみやすそうかなって」

 

理「すみれが言うとおりかな。親しみやすいと思うよ」

 

アリス「アルフィン皇女殿下、帝国の至宝って言われてるのに、親しみやすい方ですのね…メアドとか交換出きるのかしら?」

 

理「まあ…僕も知ってるけど、本人の了承無しには教えられないしね」

 

すみれ「それは確かにですね」

 

すみれもアリスも自分の個人情報を勝手に教えられるのは、嫌である。すみれ、アリスに限らず、普通は誰だって勝手に教えられるのは嫌だと思う。

 

理「それじゃあ、朝ごはんを食べてセントアークに出発しよう」

 

すみれ、アリス「はい!」

 

すみれ、アリス、理は、それぞれ頼んだ朝ごはんを食べ終えてから、パルム駅からセントアーク駅を目指すのであった。

 

 

 

ーー1204・5・05・朝・帝都ヘイムダル・バルムヘイム宮・アルフィンの部屋

 

理との通話を終えたアルフィンは、ARCUSを机に置いた。朝焼けに照らされる帝都ヘイムダルを見ながら

 

アルフィン「ふっ、これですみれさん達に会えますわ」

 

大賢者「問、何故昨日の今日で、芳澤すみれ、十文字アリスと急に会う気になったのですか?やはり昨日見た夢の事で気にしてるのですか?」

 

アルフィン「大賢者、わたくしが見た夢は、今までは絶対に現実になったのは覚えているでしょう?」

 

大賢者「解、全て覚えています」

 

アルフィン「大賢者と共に潜り抜けて来ましたから」

 

大賢者「解、無茶な事も度々言われた事もありましたが、今となっては良い思い出になってます」

 

アルフィン「わたくしも大賢者と共に色んな世界を巡れたのは、嬉しいですわ。その糧がアルフィンとして役立てたいと思いますわね」

 

アルフィンは、寝間着の格好から普段着に着替えようとしている。寝間着のネグリジェは、白い薔薇が刺繍されており、中の緋いブラと緋いパンツが透けて見えている。

 

以前、セドリックが着替えていたアルフィンに気づかずに入って来た時、今のような格好をしていたため、鼻血を盛大に吹き出した経緯があり、それからあまりアルフィンの部屋に来なくなった。

 

アルフィンは、そんなセドリックをお子ちゃまだと思っている。

 

大賢者「問、セントアークまで行く交通機関は何で行くつもりですか?」

 

アルフィン「さぁ~て、何で行きましょうかね~」

 

大賢者「解、まさかと思いますが、座標移動(ムーブポイント)で行くのではないでしょうね?」

 

アルフィン「ええ、もちろんそのつもりですわ」

 

そう言いながらアルフィンは、身嗜みを整えていく。

 

大賢者「解、まあマスターが普通に交通機関を使うとは思えませんが」

 

アルフィン「 まあ、大賢者、それじゃあ、わたくしが交通機関を全く使わないみたいじゃないの?」

 

アルフィンは、ぷぅっと頬を膨らませて怒っている。クローゼットや高級なタンスの中身を見ながら何を着ていくか迷いながら探している。探し求めたのは、日本から取り寄せた服である。

 

それは、以前、岳羽ゆかりからもらった服である。白いブラウスにピンクのプリーツスカートを取り出す。

 

大賢者「告、マスター、その白いブラウスだと、ブラ透け対策をされた方がよろしいかと。それとそのプリーツスカートだと、パンチラ対策もしたい方がよろしいでしょう」

 

アルフィン「大賢者、それはわかってるから」

 

アルフィンはそう言うと、高級タンスから見せパンを取り出す。

 

大賢者「解、見せパンとは、見えてもよいパンツとも言われる。ミニスカート・スコートは女性のファッションの定番となっているが、スカート・スコートの中の下着(ショーツ、パンティー)が見えてしまうこと(いわゆるパンチラ)は恥ずべきこととされ、スカートめくりや盗撮の被害に遭ってしまうことや、風などでめくり上げられたり、激しい動きをして中の下着が見られてしまうこともある。ショートパンツも丈が短く裾がゆったりしている場合に下着が見えてしまう場合がある。またミニスカート・スコート・ショートパンツは暖かいといえる服装ではなく、下半身が冷えることによる健康への影響も心配されている」

 

アルフィンは、大賢者の見せパンの説明を聞いて

 

アルフィン「大賢者、見せパンの説明は別に要らないかと思うのだけど?」

 

大賢者「解、青少年のために説明はいるかと思いましたので」

 

アルフィンは、見せパンを緋いパンツの上から履く。

 

大賢者「問、そんな色気も味気もない見せパンを履くぐらいなら、紺のブルマを履く事を推奨しますが?」

 

アルフィン「うーん、ブルマでもわたくしは構いませんわ」

 

アルフィンは、今の見せパンと紺のブルマなら後者を選ぶ。トールズ士官学院の体操服が、女子がブルマであるから密かに憧れを持っているのだ。アストライア女学院では、ブルマではなくハーフパンツである。

 

アルフィン「でも、女学院だと見せる殿方もいないですしね」

 

 

そんなかんだで着替え終えると、アルフィンのARCUSの着信が鳴る。

 

大賢者「告、どうやらマスターの放った者からの着信ですね」

 

アルフィン「朝から何かしらね…この番号は誰かしら?」

 

アルフィンがARCUSの通話ボタンを押す。

 

???「アルフィン皇女殿下、お久しぶりでございます」

 

アルフィン「そのお声は……、真田明彦さんですね?」

 

明彦「ええ、覚えてくれていたんだな」

 

アルフィン「当たり前です。理さんをはじめ、忘れたりしませんわ」

 

明彦「ふっ、そうか。おっとそんなことを言うために、連絡をしたのではない」

 

アルフィン「やはり何かあったんですね…」

 

明彦「ああ、悪いニュースだ。昨日の夜、帝国から日本に護送されていたゴールド・マウンテン社の帝国支部の幹部達を乗せた高速護送挺が東ゼムリア海上で消息を断った」

 

アルフィン「な、なんですって!」

 

明彦「俺の仲間からの連絡だが、おそらく東ゼムリア海上で落とされたんじゃないかと言っている」

 

アルフィン「東ゼムリア海に墜落したと証拠はあるんですか?」

 

明彦「俺は直接見たわけではないからな。仲間の話しによれば、東ゼムリア海に高速護送挺の破片が浮いてるらしい」

 

アルフィン「わかりましたわ。しかし…ゴールド・マウンテン社の悪事を公表できると思ってましたのに」

 

明彦「美鶴も言っていたが、ゴールド・マウンテン社は、獅童一派と繋がりがあるようだ。簡単にはいかない相手だと言うことがわかっただけでも良しとするしかないだろう」

 

アルフィン「…それしかなさそうですね」

 

明彦「また新しい情報が入れば連絡する」

 

アルフィン「最後に聞きますが、明彦さんは、まだカルバードに?」

 

明彦「ああ、そうだが。中々カルバードは良いところだ。修業に適した場所だと言いたいところだが、実はカルバードの中央情報省…CIDに所属している。修業中にキリカ室長に引き抜かれてな…」

 

明彦の同僚と思われる声が聞こえてきた。

 

明彦「また時間が出来たら説明する」

 

アルフィン「そうですか、わかりました。それではまた」

 

明彦「ああ、またな」

 

アルフィンは、真田明彦との通話を切った。だが表情はちょっと暗い。そんな時大賢者が

 

大賢者「告、真田明彦氏の話と第3の眼で調べた結果、東ゼムリア海の海底に高速護送挺が沈んでるのを発見しました」

 

アルフィン「……やはりね…。わたくしもチラッと眼で見たけれど、東ゼムリア海で気配が消えてますわ…」

 

大賢者「問、マスターは、これからどうするつもりでしょうか?予定通りに結城理氏やすみれ嬢にお会いになられるのですか?」

 

アルフィン「ええ、当然です。いずれはこの事は、帝国政府、日本政府にも分かることです。特に日本側には正しく情報が伝わらない可能性は高いですわ。だからわたくしが、理さんやすみれさん達に教えるしかありません」

 

大賢者「解、理屈はそうでしょうが、彼女達に教えてよろしいものですか?」

 

アルフィン「良いわよ。わたくしが判断しました。すみれさん達は、か弱き人達のために戦っています。わたくしはそれにお手伝いしているだけですわ」

 

大賢者「解、まあマスターのお人好しは、今始まったわけではないですが。そのおかけで、多くの事を学べたのは間違いないですね」

 

アルフィン「そうでしょう?だからこれからもよろしくお願いしますね、大賢者」

 

大賢者「解、わかりました。それよりまた分身を?」

 

アルフィン「そうね、魔法で分身を生み出しましょう!」

 

アルフィンはそう言うと、魔法の詠唱を始める。するともう1人アルフィンが登場する。その偽物はまるでアルフィンがもう1人いるかのようなものである。普通の人間ならまず見抜けないだろう。

 

アルフィン偽「わたくしがまたアルフィン様の影武者を努めればよろしいんですね?」

 

アルフィン「ええ、そうですわ。いつものようにしてくれれば、良いですから」

 

アルフィン偽「わかりました。それとこれを」

 

アルフィンは、偽アルフィンから変装帽子を受け取った。

 

アルフィン「野球帽ですか。変装の誤魔化しにはなりますよね」

 

アルフィンは、そう言って白亜の旧都セントアークの方角を見る。そして、座標移動(ムーブポイント)を発動して、アルフィンはセントアークに飛ぶ。

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