ーー1204・5・05・10:15・休憩所
驚愕の事実。ゴールド・マウンテン帝国支部の幹部達が全員死亡したこと。
驚愕の事実を突き付けられたすみれ達。ゴールド・マウンテン社の悪事を彼らから喋ってもらうつもりだった。だがゴールド・マウンテン社の方が1枚上だった。
山田真奈美の貰いが出来ると思っていた矢先の彼らの死亡宣告。山田真奈美が明らかにしたかった事が再び闇に葬られてしまいそうになっている。
理「…こんな時に護送挺が墜落するなんて、何か仕掛けられてる可能性もあったとしか思えない」
アルフィン「護送挺の捜索は日本だけで、行おうとしていたみたいですけど、帝国も共同で捜索を行うと交渉したみたいです」
アリス「強引に入ったと言うわけですね。その方が良いですわね」
すみれ「日本政府…いやマスコミや獅童達に握り潰されずに済みますね」
理「うん、どうだろうね。どちらの国にしても同じような内情を抱えている」
理が言う内情とは、もう言わずもがなだが、説明しないわけにはいかないのだ。
日本では、獅童一派が議会や政界、経済界まで勢力を伸ばしつつある。十師族体制を崩すつもりもあるようだ。反帝国親共和国派とも共闘し始めている。ただ獅童を押していた七草家は、彼の行きすぎた行動を問題視し、ゴールド・マウンテン社の件で手切れにしている。
帝国では、革新派と貴族派の対立は、益々激しくなって来ている。革新派は日本の四葉家と同盟を締結している。貴族派は獅童一派と同盟を締結。
お互いにそんな状態であるため、正しい情報が発信されるのかわからないと理は考えているのだ。
アリス「確かに…」
すみれ「全て無かったことにするってことですよね?」
理「そうだね。その可能性は高いって事だね」
アルフィン「悔しいですが、今の現状ではそうなるしかありません…」
アルフィンは、悔しい表情をしている。すみれもアリスも理も。
アルフィンだって今の現状を良しとはしていない。だが今は行動に移すだけの余力も無いし仲間も少ない。
みんなで難しい表情をしていると、西の日本人移民街からなにやら爆発音が聞こえた。
聞こえたのと同時に西の日本人移民街から煙が上がっている。理は日本人移民街の方を見て
理「煙!?まさかさっきの爆発で!」
アルフィン「そうみたいですわ!」
すみれ「爆発って、ただ事ではないですよ!」
アリス「まさか、ゴールド・マウンテン帝国支部の残党の仕業!?」
アルフィン「まさか、そんなことは…。とにかく行ってみましょう!」
アルフィンは、西の日本人移民街へ走り出した。
理「アルフィン、待って!僕も行くよ!」
理もアルフィンの後を追う。すみれ達も
すみれ「私達も行きましょう!」
アリス「そうね、行きましょう!」
すみれとアリスもアルフィンと理を追って、西の日本人移民街へ走り出したのだった。
ーー1204・5・05・11:00・西の日本人移民街付近
アルフィンと理が先に西の日本人移民街にたどり着いた。街の方からは、煙が黙々と上がっている。おそらく火の手が上がってるのは、間違いない。
2人の目に映ったのは、猟兵団の格好をした兵士達が、日本人移民街に攻撃を仕掛けているところだった。2人は様子を見るために、木陰に隠れる。
アルフィン「猟兵団でしょうか?」
理「猟兵団…猟兵達とも言いがたいかな…。猟兵団なら自分達の旗を揚げるはず…」
アルフィン「確かにそう言われれば…」
2人に遅れて、すみれとアリスが駆け付けてきた。
すみれ「あの連中は、猟兵団ですか?」
理「いや…猟兵団にしては、おかしい」
アリス「あ、猟兵団は、自分達の旗を掲げるはずですわ。それが彼ら誇りであり、ポリシーのはずですわ」
理「だから、彼らは猟兵団ではない可能性は高い…」
アルフィン「うーん、新米の猟兵団って可能性もあるとは思いますが、新米で新米であればあるほど、旗を掲げたがるものでしょうし」
理「僕は、日本人移民街に潜入するけど、君達はどうするんだい?」
アルフィン「わたくしは、行きますわ」
すみれ「私達も行きます!」
アリス「ええ、当たり前ですわ」
すみれは、太刀を取り出す。アリスは、腕輪型CADを取り出した。理とアルフィンは、その姿を見て微笑ましくもあった。理は、二手に分かれて行動する事を提案する。
理「それじゃあ、アリスは僕と来てくれるかい?」
アリス「あ、はい!光栄でございますわ!」
理とアリスは、日本人移民街出入り正面から突入する事を決めた。アルフィンとすみれは、裏口から侵入することにした。
アルフィン「それじゃあ、すみれ、わたくし達で組みましょうか」
すみれ「はい!喜んで!」
ーーー日本人移民街出入り付近
理とアリスは、日本人移民街の出入りにたむろしている猟兵団擬きの兵士達を次々に無力化していく。
理「アリス!そちらから来るよ!」
アリス「はい!わかってますわ!グラビトンブレス!」
アリスは、腕輪型CADを素早く操作し猟兵団擬きの兵士達に重力の重りで潰していく。理の背後から猟兵団擬きの兵士達が攻撃してくる。
アリス「理さん!後ろ!」
理「オルフェウス!」
理は、オルフェウスを呼び出して、猟兵団擬きの兵士達を凪ぎ払う。
猟兵擬き1「なんなんだ!お前達!」
理「お前達は、ゴールド・マウンテン帝国支部の残党なのか?」
猟兵擬き2「ゴールド・マウンテン帝国支部?そんなものと一緒にしないでもらおうか!」
猟兵擬き1「お前達こそ、鉄血宰相の手先か!」
理「鉄血宰相…オズボーン宰相の手先かって?僕達は違う」
アリス「貴方達は何故、日本人移民街を襲撃しているの!」
猟兵擬き2「知れたことよ!西日本人移民街の連中は、革新派…鉄血宰相に忠実な犬だからな、裁きの鉄槌を下しているだけだ!」
理「身勝手な理由をつけているだけにしかみえないけど?」
猟兵擬き3「我々は、あの鉄血に苦しめられた者達、それ以上我々を馬鹿にするのなら容赦はしない」
猟兵団擬きの兵士達が、理とアリスに数で押し寄せて来る。
理「数で攻めてくるか。ならば!これで!」
理は、オルフェウスを呼び出してアギを使う。
猟兵団擬きの兵士達の服に火が付き転がり始めた。そこにアリスの重力攻撃で猟兵団擬きの兵士達を沈黙させたのだった。
ーー1204・5・05・11:10・西の日本人移民街内部
アルフィンとすみれは、裏口から日本人移民街に侵入していた。
街内は、かなりの騒がしさになっている。領邦軍と猟兵団擬きの兵士達が、重火器で応戦している。
街の中央辺りから火の手が拡大し始めている。移動しながら領邦軍と猟兵団擬きの兵士達の戦闘を横目で見ながら
アルフィン「とにかく、あの火の手の場所まで行って見ましょうか?」
すみれ「はい!」
アルフィンとすみれは、屋根づたいをジャンブしながら中央エリアを目指している。
ーー日本人移民街中央エリア。
アルフィンとすみれが目指している中央エリアでは、今回の猟兵団擬きの兵士達のリーダーと日本人移民街の町長が人質にされていた。
リーダー「まだ制圧はできないのか!」
この猟兵団擬きの兵士達のリーダーである、サントス・ネクヤード。容姿はいたって普通の青年である。髪の毛の色は、ミカン色で、髪型は3分けか。
兵士1「表からの攻撃と内部にいる領邦軍の連中の抵抗激しく、我々の損害は大…」
小宮山「サントスさん、ちょっと急ぎ過ぎたんじゃないの?」
サントス「急ぎ過ぎ?何を言っている?Gからの命令で、サザーラントのフレデリック・ハイアームズに一泡吹かせろと。今、それを実行中だろうが!」
小宮山「革新派寄りのフレデリック・ハイアームズに一泡吹かせろ、ね…。それで日本人移民街を襲撃するか…。これじゃあ、ちょっと前のパルム襲撃を起こしたゴールド・マウンテン帝国支部の連中と同じじゃないかい?」
ゴールド・マウンテン帝国支部。少し前にパルム騒乱を起こし、帝国軍情報局に幹部達は逮捕され、日本へ強制送還になった事件がある。すでに帝国支部は閉鎖されていて、帝国軍情報局が差し押さえている。その騒動で東の日本人移民街は、自治が返還され、西と同じ立場になっている。
小宮山が言いたいのは、ゴールド・マウンテン帝国支部の幹部のように失敗し、サントスの故郷であるローザンブリアに強制送還されると。
サントス「強制送還が恐くてこんな事をしているわけではない。それにあんたこそ、どうなんだ?故郷は日本なんだろ?」
小宮山優。純粋の日本人。日本の十師族百家体制に不満を持ち潰したいと思っている。ある事件を境に日本を出国。
後に帝国解放戦線に入隊、日本にも活動拠点を広げ、同志Kとして活動している。
容姿は、眼鏡を掛けた上条当麻みないな感じである。けっして上条当麻ではない。性格は、元々は目立つようにはなかったが、同志Cに拾われて、自身を認められてからは、開放的になっている。元から生まれ持った能力(ミサキや静江達と同じ)があり、家族達にキモがられ、学校の同級生にもキモがられイジメられていた。でも光井和也だけは、自分自身を庇って守ってくれていた。だがあの北海道のあの事件を境に世間は和也をバッシングしていく。【死神】や【疫病神】と。そして和也の死。それは、小宮山が行動を起こしても良い材料だった。そんな時、Cと出合い彼と共にする事決める。いつか和也の仇を取るために。こんな自分を友と認めてくれた彼を死に追いやった日本を潰すために。
小宮山「あんな国に未練も何もないさ。十師族の連中は消しとばしたいが、Cに止められてるからな」
サントス「十師族…貴族みたいなものなのか?」
小宮山「まあ、そうだな。帝国の四大名門みたいなものだな…」
サントス「なるほどな…。まあ俺も鉄血宰相に恨みがある。俺達の住んでいた村を…鉄道を通すために排除しやがったからな。だから鉄血に味方するフレデリックも許せね…」
サントスは、握りこぶしを作っている。そこからは、怒りが滲み出ている。そんなサントスを見た小宮山は、ちょっと考えを変えた。最初は、見捨てるつもりだったが、ここで死なせるには惜しいと思ったからだ。
兵士1「なにっ…街にも賊が…!?」
サントス「どうした?」
兵士1「サントス隊長!街の中にも賊が入り込んだ模様…!」
小宮山「賊ってのはあの2人か?」
小宮山が見上げた建物の上には、2人の姿が見えた。ヴァイオレッドに変身したすみれとアルフィンである。
サントス「…女が2人…」
小宮山「ふっ…まさか日本のお助けマンのヴァイオレッドと出会うとはな…」
兵士1「お助けマン?」
小宮山「余計な事を考えるな!考えたらやられるぞ!」
兵士1「はぁ!」
サントス「……全兵士に告ぐ、西日本人移民街からの撤退する。フレデリックに一泡は吹かせるという目的は果たせた。だが、犬死は認めない!撤退せよ、強敵と戦うな!今はその時ではない!」
兵士1「サントス隊長は、どうされるので?」
サントス「俺は、全兵士が撤退する時間を稼ぐ。だからお前も撤退せよ」
兵士1「しかし…!」
サントス「しかしもない!こんなところで死なせるわけにはいかない!」
すると小宮山が前に来て
小宮山「なぁーに心配しなさんな。サントスだけを戦わせるつもりはない。俺も時間稼ぎぐらいできる」
兵士1「……わかりました。どうかご無事で」
兵士1は、その場から離脱する。サントスと小宮山は、ヴァイオレッドとアルフィンを迎え撃つ態勢をとり始めた。
ーー1204・5・05・11:25・西の日本人移民街内部
屋根づたいに飛んでいたすみれとアルフィン。移動中、すみれが途中で止まる。
すみれ「…これからは、本当の戦場…。ヴァイオレッドにならないと」
すみれは、当初あの世界、メメントスと言われる場所でしかヴァイオレッドになれないと思っていた。しかしこちらの世界でもヴァイオレッドになれることがわかった。それからお助けチャンネルを始めたのだった。アルフィンがあっ!とした表情で
アルフィン「…あっ、例の戦闘服みたいなやつですね。新体操のレオタードみたいなやつですね」
すみれ「まあ…そうですね。新体操のレオタードよりも面積は狭いですけど」
アルフィン「わたくしもそうコスチュームが欲しいですわ」
すみれ「いやいや、アルフィンがそのようなもの身に付けたら…」
アルフィン「身に付けたらなんですの?」
アルフィンが小悪魔的にすみれを見る。すみれは、アルフィンが自分のような戦闘服に着た姿を想像をしてしまった。ボン、キュッ、ボンの体型のアルフィンであるため、色々大変でダメだと思った。
すみれ「や、やはり皇女殿下が着られるものではありませんよ!」
アルフィン「そのコスチュームは、すみれの専売特許なのかしら?」
すみれ「べ、別に私の専売特許ではありませんが…」
アルフィン「ふふっ、すみれって、エリゼと同じく、からかいがいがある感じがするわね」
すみれ「か、からかわないで下さい。私もまだ恥ずかしさはありますから」
すみれは、心を落ち着かせるため、胸に手を置いた。するとすみれの身体が光だして、ヴァイオレッドに変身する。
アルフィンもそれを見届けると、彼女自身も精神を研ぎ澄ませ始めた。ヴァイオレッドもアルフィンの回りに魔力が集まって来てるのを肌でヒシヒシと感じている。彼女の回りに炎の感じのオーラを纏っているような感じになっている。
アルフィン「さて、行きますわ。準備は良いかしら?」
ヴァイオレッド「はい!私はいつでも行けます!」
すみれは、太刀を鞘からゆっくりと抜いた。アルフィンは格闘戦術で行くようだ。
ヴァイオレッド「アルフィン、プリーツスカートで格闘戦術を?」
アルフィン「ええ、そうですけど?何か変でしょうか?」
ヴァイオレッド「そ、そのプリーツスカートで、動き回ったら…スカートの中が見えるんじゃ…」
アルフィン「すみれは、わたくしのパンツが見えるのではと心配してくださってるのかしら?でも大丈夫、見せパンを履いてるから大丈夫ですわ」
ヴァイオレッド「見せパンですか…」
アルフィン「すみれは、見せパンを穿かれたことは無いのですか?」
ヴァイオレッド「あ、ありますよ」
アルフィン「今はわたくしよりもすみれの格好の方が殿方の視線を独り占めですわね」
ヴァイオレッド「見せつけるためではありませんから!」
アルフィン「冗談はここまでにしておいて…。猟兵団擬きの兵士の方々が、撤退しているみたいですね」
アルフィンの指摘したとおりに、猟兵団擬きの兵士達が、一斉に撤退をしている。領邦軍と戦っていた兵士達も撤退を開始、領邦軍は、一気に猟兵団擬きを街の外へ追い出すようにしている。
ヴァイオレッド「撤退って諦めたんでしょうか?」
アルフィン「わかりませんわ。ただ占領する目的では無かったのでしょうか…」
ヴァイオレッド「それでは何のために?」
アルフィン「わたくしも分かりかねます。街の中央…に2人いますわ。わたくし達を待ち構えるように…」
ヴァイオレッド「アルフィン、行きますか?」
アルフィン「ええ、もちろんですわ」
アルフィンとヴァイオレッドは、建物の上から猟兵団擬きの兵士達のリーダー各の2人を見下ろした。
ここにアルフィンとヴァイオレッドとサントス、小宮山の戦いが始まる。