【凍結】帝国の緋き皇女の軌跡~七の絆と奇蹟~   作:龍造寺

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芳澤すみれ編12話です。


12ー12ー5・05(11:40~)ーセントアーク騒乱の序章。

ーー1204・5・05・11:40・西の日本人移民街内部。

 

西の日本人移民街内部の中央部に位置する場所にて、アルフィンとヴァイオレッド(すみれ)と猟兵団擬きの兵士達のリーダーの2人と対峙する。

 

日本人移民街の内部に、燃える建物の中、風が吹いてアルフィンやヴァイオレッドの髪やスカートを揺らす。

 

サントス「何なんだ、お前達は?」

 

小宮山「お前は、お助けチャンネルのヴァイオレッドだな」

 

ヴァイオレッド「わ、私を知っているのですか?」

 

小宮山「ああ、知ってるさ。俺も日本人だからな。まあ、日本人って名乗るのは久方ぶりだかな。本来なら名乗りのもヘドが出るがな」

 

ヴァイオレッド「ヘドが出る?」

 

小宮山「そうだ。あの国は終わってる。何がエリートだ!何が十師族だ!そんなもののせいで、友が死んだんだよ!」

 

アルフィン「お友達の死が、その十師族となんの関係があるのですか?」

 

小宮山「大有りだ。俺はあいつにおっきな借りがある。それなのに借りを返す前に死んでしまった…自殺だ…日本のやつらがあいつを死に追いやったんだ!」

 

アルフィンもヴァイオレッドも黙りこんだ。

 

サントス「同志…K…」

 

小宮山「ヴァイオレッド、お前は何のために戦う?」

 

ヴァイオレッド「それは…」

 

小宮山「か弱き人のためか?」

 

ヴァイオレッド「……」

 

小宮山「あいつも、か弱き人達を守っていかなくてはならないって言っていた。あいつは、魔法師じゃないのにそんなことを言っていた。だが北海道の事件で、十師族関係者が多数死んで、生き残ったあいつを糾弾しやがった…あいつが守っていかなくてはならない人間達と言った連中も一斉にバッシングしやがった」

 

ヴァイオレッド、アルフィン「…!!」

 

ヴァイオレッドもアルフィンも小宮山が誰の事を言おうとしているのか。

 

この世界の光井和也であることを。

 

アルフィンは、平行世界から来た和也(カズヤ・アレイスター)の事は知っている。

 

平行世界から生まれ変わって誕生した四葉家の長女である司波深夏。そして隣にいるヴァイオレッドこと芳澤すみれ。そして自分自身である、アルフィン。

 

カズヤ・アレイスターや自分達の様に生まれ変わって来た者もいる。そんな考えからあることを考えた。

 

この世界にも光井和也はいるのではないかという仮説。それと小宮山の言葉がアルフィンを正解に導く。

 

この世界に光井和也がいる事を確信したのであった。

 

小宮山「だから、鉄血に手を貸す四葉も七草の手の中で泳がされてる連中も全て潰す…」

 

ヴァイオレッド「復讐って事ですか?」

 

すみれは小宮山達と対峙しながら、小宮山にそう聞いた。

 

小宮山「復讐…確かにそうかも知れない…。だかな…俺はそれでも良しと思っている。だから、ヴァイオレッド…復讐はやめろとか、聞くつもりはない…」

 

サントス「そうだな、俺達は復讐の炎で集まった同志だ。お前達にとやかく言われるつもりはない」

 

小宮山とサントスは、身構える。もう説得という選択肢は無い。

 

アルフィン「やるしかありませんわよ、ヴァイオレッド!」

 

ヴァイオレッド「わかってます!」

 

アルフィンとヴァイオレッドも小宮山、サントスと対峙して身構える。

 

ここにセントアーク騒乱の序章の戦いが始まろうとしていた。

 

 

 

ーー1204・5・05・12:15・西の日本人移民街内部中央エリアにて。

 

ーーヴァイオレッドside

 

強い強風が吹く中、ヴァイオレッドとアルフィンは、サントスと小宮山と戦っていた。

 

サントスとヴァイオレッド、アルフィンは小宮山と戦っいる。

 

サントスの戦い方は、導力銃と背中に抱えてる剣。今は導力銃でヴァイオレッドと対等に戦っている。

 

ヴァイオレッド「みせて、サンドリオン!」

 

サントス「なんの、これしきの攻撃!」

 

サントスは、サンドリオンが繰り出す攻撃を導力銃の胴体部分ではね返す。

 

ヴァイオレッド「導力銃の胴体で、跳ね返した!?」

 

サントスは導力銃をチラチラ見ながら説明をする。

 

サントス「これはな、そこらの導力銃じゃないんだよ。太刀だろうが大剣でも受け止める事ができる。なんで出来てるかは知らんが、随分と助けられてるよ!」

 

ヴァイオレッド「…ふぅ…私にしたら、厄介この上ないって事ですね」

 

互いに距離を空け、様子見の状態が続く。そんな時、サントスとヴァイオレッドが戦っている向こう側で衝撃という爆発が起き、衝撃波が襲いかかってくる。サントスもヴァイオレッドも吹き飛ばされないようにガードをする。

 

サントス「ふぅ…向こうはかなり激しいみたいだな。あのお嬢さんもよくやる」

 

ヴァイオレッド「ええ、私もそう思います」

 

 

ーーーアルフィンside

 

ヴァイオレッドとサントスが戦っている時、アルフィンと小宮山が激しく戦っていた。

 

小宮山「中々やるな、お嬢さん」

 

アルフィン「貴方もですわ」

 

アルフィンの白いブラウスは、少し汚れている。小宮山との戦いで、汚れてしまった。

 

小宮山「…そんな力があるのに国のために戦うのか?」

 

アルフィン「わたくしは国のためではありませんわ。か弱き人達のため、声を上げる事が出来ない人達のために…力を振るうことにしてますから」

 

小宮山「……なら、今のこの世界の実情をどう思っている!」

 

小宮山は、アルフィンに衝撃波を放つ。

 

大賢者「告、正面から衝撃波がきます!」

 

アルフィン「わかってるわ」

 

アルフィンは、ガードの体勢を取る。両手を交差させ顔を守る体勢である。声をの放った衝撃波は、重くアルフィンの白くて細い手足に傷を付けていく。傷から血が滲み出てくる。白いブラウスやピンクのプリーツスカートもところどころ衝撃波で破れてしまっている。

 

小宮山「…俺の衝撃波を受けて無事だったヤツは、あいつとお前が初めてだ!」

 

アルフィン「あいつとは、どなたか存じませんが、それは光栄ですわ。確かにまともに喰らえば、ただではすまないでしょうね。貴方がさっき言っていた今の世界の実情をどう思うか、と仰いましたよね?わたくしも今の世界の実情を良しとは思いませんわ」

 

小宮山「世界は…あいつを見殺しにしたんだ!いやあいつだけではない…イジメやなんかで自殺した人間のことを何とも思っていないんだよ!」

 

小宮山からどす黒いオーラが漂ってくる。

 

大賢者「解、あのオーラは、負の感情そのものです。この者の絶望や哀しみが合わさって作られた…オーラ…」

 

アルフィン「大賢者、わかってるわ…」

 

小宮山「だから、壊す…。あいつの死に関わってるヤツは全て壊す!」

 

小宮山は、そう言ってアルフィンへ向かってくる。アルフィンは、真横に飛ぶ。しかし小宮山は、避けた方へ攻撃を加える。アルフィンの肩に当たり、後方に吹き飛ばされる。飛ばされた先に民家の壁に激突し内部まで飛ばされた。

 

大賢者「解、マスター、先程の攻撃のダメージは、15%くらいでしょうか」

 

アルフィン「15%も喰らってはないわ。ただ民家の壁の破片とかが、身体に当たって痛いですわ」

 

先程よりもアルフィンの白いブラウスやピンクのプリーツスカートは、破けが酷くなっている。

 

大賢者「15%とは、衣服まで入れたダメージ数値です。既に自動回復魔術が発動し、傷を癒しています」

 

大賢者が言ったとおりに、ダメージのほとんどは、衣服だろう。さっきは言ってないが、白いブラウスが破れた部分から緋いブラジャーが見え隠れしている。しかし傷は自動回復魔術で傷は治っていく。

 

アルフィン「この白いブラウスとピンクのプリーツスカートは、お気に入りだったのに、こんなになってしまいましたわね…」

 

大賢者「解、まさかこんなことになるなんて思わなかったですからね」

 

アルフィン「そうですわね…」

 

大賢者「告、向こうから、再び衝撃波が放たれてます!」

 

アルフィン「わかってますわ!」

 

アルフィンは、衝撃波を炎の障壁でかわす。かわしてすぐに民家から出る。

 

アルフィンは、すぐに小宮山を捉える。

 

小宮山「ほう、まだ生きていたのか。たいしたものだよ」

 

アルフィン「随分と余裕があるようですわね?」

 

小宮山「そう見えるか?あまり力を入れると、相手を殺してしまうからな。そう言うお前こそ…ピンピンしているようにしか見えないが?」

 

アルフィン「そうでしょうか?」

 

アルフィンは、小悪魔的な表情で小宮山を見る。小宮山は苦笑いをしながら

 

小宮山「…そんな表情をあまり男にしない方が良いぜ。変な男なら勘違いを起こすぜ」

 

アルフィン「貴方はどうなんですの?」

 

小宮山「ふん、どうだろうな…」

 

小宮山がそう言った後、上空からヘリコプターの音が聞こえてくる。

 

小宮山「…時間か…」

 

アルフィン「この音は…導力ヘリ…ですか!」

 

小宮山「そうみたいだな…」

 

導力ヘリから兵士の1人が小宮山に声をかける。

 

ヘンリー「小宮山さん、同志Cからの伝言です!」

 

小宮山「ヘンリー、同志Cが言いたい事はわかる。同志の部隊の撤退は終えたんだな?」

 

ヘンリー「ええ、サントスさんと小宮山さんのお掛けで撤退は完了しました」

 

小宮山「そうか…お前とはまだ戦いたいが、そうも言ってられないからな」

 

アルフィン「貴方達の目的は一体…フレデリック卿を困らせるだけじゃないですね?」

 

小宮山は民家の屋根から導力ヘリへ飛び移る。

 

小宮山「いずれ分かるさ。それまで生きていろ」

 

アルフィン「こ、答えになってませんわ!」

 

小宮山を乗せた導力ヘリは、ヴァイオレッドとサントスの方へ飛んでいく。

 

 

ヴァイオレッドsideーー

 

ヴァイオレッドとサントスも互いに譲らない戦いを繰り広げている。サントスは、導力銃からCADに使用武器を変えている。

 

ヴァイオレッド「サンドリオン!!」

 

サントス「CAD発動!スクリューウォーター!」

 

サントスが放ったスクリューウォーター、ヴァイオレッドに対して回転しながら水の渦が迫ってくる。ヴァイオレッドは、太刀を構えて静かに目を瞑る。

 

ヴァイオレッド「八葉一刀流…弐の型…疾風!」

 

ヴァイオレッドは、回転している水の渦を太刀で切り裂いた。

 

サントス「スクリューウォーターを切り裂くだと!ならばこれならどうだ!」

 

サントスは、すかさずCADを発動させる。

 

サントス「今度は、これだ!アースクエイク!」

 

今度は地面が揺れ始め、地面から細長い土の槍がヴァイオレッドを襲う。ヴァイオレッドは、避けながら

 

ヴァイオレッド「日本を魔法を使いこなせているわけですね」

 

サントス「ああ、同志Kや他の日本人同志に習ったわけだ」

 

ヴァイオレッド「…小宮山さんや他の日本人の方に何があったのですか?やはり、光井和也の件なんですか?」

 

サントス「同志Kが言っていただろう?友の仇とあいつの故郷を変えること、帝国を変えること…それだけだ!」

 

土の槍が、ヴァイオレッドを一斉に襲う。ヴァイオレッドも避けてはいるが、全てを避けているわけではない。彼女の全身を見ればわかる。ヴァイオレッドの衣装がところどころ破れている。破れているところからは、血が滲み出ている。

 

ヴァイオレッド「…国や周りを憎む気持ちは分からなくもないです。ですが…こんなことして、亡くなった人が納得するでしょうか!」

 

サントス「俺も他の同志達が、最初からこんなことを始めたわけじゃねーよ。話し合いや交渉でやろうとした…だが裏切られたんだよ!わかるか、奴らは約束なんか最初から守るつもりはないんだよ…!」

 

サントスは、CADを操作しアースクエイクを発動させる。ヴァイオレッドの足元を揺らし、地面からは土の槍をヴァイオレッドに向かわせる。ヴァイオレッドは、太刀で土の槍を斬り裂いていく。しかし多勢に無勢な感じになり、彼女の右腕をかすり、痛みで表情が歪む。かすった場所からは、血が流れ出す。

 

サントス「お前さん、大丈夫なのか?右腕を怪我してるじゃないか。血が流れているぞ!」

 

ヴァイオレッド「ええ、わかってます。血が流れようが関係ないです。こんな痛み…なんか大したこと無いです!」

 

サントス「やせ我慢か?ならば仕方がない…」

 

サントスは、CADを操作しようとした時、地響きがなり始める。そして空には、導力ヘリが現れる。そして小宮山の声がする。

 

小宮山「サントス!撤退だ!」

 

サントス「同志K!わかった!」

 

小宮山は、サントスのためにロープを垂らす。サントスは、ロープを掴んだ。そして導力ヘリは、再び高度を上げて進み出す。

 

サントス「今はまだ殺しはしない。ヴァイオレッド…今一度世界をよく見る事だな…そしてよく考える事だ」

 

サントスがそう言うと、彼や小宮山を乗せた導力ヘリは、北西の方角へ飛んでいった。

 

ヴァイオレッド「……今一度世界をよく見ろ、か……」

 

ヴァイオレッドは、ただその言葉の意味を考えていたのだった。

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