【凍結】帝国の緋き皇女の軌跡~七の絆と奇蹟~   作:龍造寺

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芳澤すみれ編14話です。


14ー14ー5・06~5・07ーゴールデンウィーク明け。

ーー1204・5・06・昼前・11:20

 

帝国→日本ー成田国際空港→芳澤家→秀尽学園。

 

すみれとアリスは、日本の成田国際空港まで一緒に帰ってきた。空港内で分かれたすみれは、すぐに自宅へ帰宅する。帰宅するとすぐに制服に着替えて登校する。

 

駅に張られているポスターとかは、鴨志田の悪逆非道の内容が絵と共に書かれている。鴨志田も悪人だが、全て彼のせいだとなっている。

 

この国の状態は、帝国で知れたので何とかしないといけないとは考えている。だがまだ高校生の身分であるため、行動に移ることが出来ない。ゴールデンウィーク明けの日常のスタートでもある。

 

すみれ「久しぶりの学校…みんなはどうしてたのかな」

 

すみれは、そんなことを考えながら秀尽学園へ向かった。

 

 

ーー1204・5・06・昼休み・秀尽学園、1階の廊下。

 

昼に登校したすみれは、職員室で担任に報告をした。担任は、私が少し具合を崩したから午前中は休んで午後から来ると報告を受けていたのだ。父親が報告したことになっていたのだ。

 

担任に報告したすみれは、職員室から出る。そしてすみれは右手の指を顎に添える。

 

すみれ「報告は、アリスがやってくれたのかな」

 

アリスの実家は、十文字に連なる家柄である。このようなことは、お安いものである。

 

すみれ「…アリスには後でお礼を言うとして…この秀尽学園は変わらないわね」

 

日本の5月の休日であるゴールデンウィークが終わったというのに、まだ休日気分でいるかの生徒達である。

 

すみれ「私にとっては…この日常が当たり前のはずなのに…」

 

すみれは、帝国であのテロリスト達、小宮山が言っていたことを気にしている。十師族や現体制を否定することばかり言っていた。確かにすみれ自身も今を良しとはしていない。だからと言って戦いを起こすことが正義ではないと思っている。

 

すみれがそんなことを考えていたら、彼女の前を新島真が通りすぎて行く。

 

真「失礼します」

 

そう言って校長室へ入って行く。

 

すみれ「あれは、新島真生徒会長…彼女なんか思い詰めた表情をしていたような…」

 

すみれは、校長室の様子が気になったので、自身のペルソナであるサンドリオンを呼び出す。そして校長室を覗く。校長室の隣にある休憩スペースのベンチに座り様子を窺う。

 

真「失礼します、お呼びでしょうか?」

 

校長「鴨志田君の有り様は、君も見たね?まるで【人が変わった】ようじゃないか。絶対に何かがおかしい」

 

真「仰ってる意味が……」

 

校長「聞けば、妙なちょっかいを出していた生徒らがいたそうじゃないか。その連中が、先生に【何か】をしたのか…したとしたら、誰なのか…」

 

真「つまり鴨志田先生は、生徒に何かをされて、ああなったと?」

 

校長「それが知りたいんだ。大人が学生のコミュニティに立ち入っても…ね。君に探ってほしい」

 

校長は、真に鴨志田がああなった原因を探れと言っている。ただ真も鴨志田のよからぬ噂も聞いているから、即答はできなかった。

 

真「鴨志田先生にもいろんな噂がありますが…まさか、例の怪盗団のことと?」

 

真がゴールド・マウンテン帝国支社の連中に帝国へ連れ去られて、トールズ関係者や他の者達に救いだされて日本へ帰ってきた時に、怪盗団騒ぎになっていたのだ。それから、鴨志田の様子がおかしいと真も思っていた。

 

校長「鴨志田先生が【変わった】のは事実だ。原因が何なのか、正しく掴んでおきたい。警察やマスコミへ対応をまちがえないためにもだ」

 

真「………」

 

校長「鴨志田先生には、引き続き私が話を聞く。

 

「君は、【何か】をした【誰か】を探るんだ。でないと無責任のウワサは収まらないウワサも収まらない。そうだろ?入学以来、定期考査は毎回のように学年首位。素行も良く、教師からの人望も厚い。どこの大学にも推薦できるよ。新島真君」

 

真「あ、ありがとうございます」

 

校長「やはり血筋なんだろうね。確かにお姉さんは、若くして検察庁のキャリア…だったかな?」

 

真は、姉の事を出されて、あまりいい気分にはならなかった。校長は、真の弱味を握ってるかのように言ってくる。

 

校長「君に何か不本意があったら、お姉さんは、あまり都合が良くないだろうね。前回のように…ね、わかるよね?」

 

真「…はい」

 

校長は、ゴールド・マウンテン帝国支社に連れ去られてたこと自体をなかったことにしてしまっている。とある連中達を使って改竄をしているのだ。彼女の経歴に傷をつけさせないために。彼女を縛るために。

 

校長「急いでもらえると助かる。さっそく取りかかってくれたまえ」

 

真「……失礼します」

 

真はそう言って校長室から出ていく。彼女が出ていくのを見てから、校長はスマホを取り出しどこかへ連絡する。

 

校長「先生、私です。お忙しいところ恐れ入ります。例の件で…はい…抜かりはありません。早速、調査に……もちろんです。あの、良い結果を…はい、近日中には…お伝えできるかと…それでは、失礼致します。お時間頂きまして、まことに…」

 

すみれは、校長室からサンドリオンを戻した。心の中で、情報を整理する。

 

校長は、真に鴨志田がああなった原因に誰か生徒がいるとして、犯人捜しをやらせることに。だが当の生徒会長である真は、犯人捜しには消極的だが、姉の事を持ち出して、圧力を加えてきた。

 

真も渋々承諾。

 

ただ校長にもスポンサーがいることがわかった。先生と校長が言っていたから、【先生】と呼ばれる職業柄であることがわかった。

 

すみれ「だけど、それが誰なのかまでは分からなかった」

 

サンドリオンを発動した状態で、第3の眼を使ってもわかったかどうかはわからないが。

 

真がすみれの前を通りすぎていく。そんな彼女を見つめるすみれ。するとスマホの着信が鳴る。すみれはスマホを取り出すと、アリスからチャットがきていた。

 

アリス【すみれ、真由美や克人君から聞いたのだけど、秀尽学園に警察の調査が入るみたいよ】

 

すみれ【真由美、克人君?】

 

アリス【ごめん、すみれ。私のお友達だよ。2人は直系の十師族だから。その2人からの情報だからね】

 

すみれ【やはり、鴨志田事件で?】

 

アリス【それもありますが、それ以外なこともありますわね】

 

すみれ【怪盗団のことかな?】

 

アリス【ええ、怪盗団が秀尽学園にいるとふんでるみたいね。これから警察がくると思うから、気を付けてね。また何かあれば連絡するわ】

 

すみれ【ありがとう、アリス。こちらも気をつけるね】

 

すみれは、そう書き込んでチャットを終える。スマホをポケットにしまうと窓の外を見る。

 

すると校門から警視庁の刑事や警察官が入ってくるのがわかる。

 

すみれ「やはり、鴨志田センセイの調査をやるために。物的証拠を集めに来たと言うことかしら。それと怪盗団の調べもあるからもしれない。できる限りは私もしないと」

 

すみれは、警察の状況を見極めながら、己のやるべき事をやっていく。

 

 

ーー1204・5・07・夕方・秀尽学園の廊下。

 

今日の1日の授業を終えたすみれは、帰る準備を整える。

 

来週から中間テストなので、部活動は無い。勉強をしなくても前世の記憶があるからすらすらと解けてしまうが、前世の記憶に頼りたくはない。だから前世の自分の記憶ではなく、芳澤すみれとしてやり遂げるためである。

 

すみれが廊下に出て、くつ箱に向かう途中、生徒会長である新島真とすれ違う。

 

彼女は、階段を昇って行く。

 

すみれ「新島生徒会長、何だか思い詰めた表情をしてたわね」

 

すみれはその表情が気になって真の後を追う。先の飛び降り自殺未遂があったから余計に気になっている。

 

 

真は、屋上の扉を開けて外へ出る。すみれは、気づかれないように気配を消して、屋上の扉から聞き耳を立てて外の会話を聞く。

 

すみれ「どうやら新島生徒会長、雨宮先輩達と会話しているのかな?」

 

サンドリオンを発動して聞いてる訳じゃないので、音声は聞き取りにくい。それでも何とか聞こうとする。

 

真【……まあ、いいわ。考えておくわ。ところで、鴨志田先生と、いろいろあったみたいだけど?】

 

蓮【まあ、確かに色々ありましたが】

 

雪奈【この学校に入れば、嫌でも鴨志田先生とは接点を持つことになりますね】

 

真【ふうん…前歴のこと、鴨志田先生が広めたらしいね。バレー部員を使って。憎くない?鴨志田先生のこと】

 

竜司【さっきからなんなんスか?つか、こいつすげえ人間できているんで】

 

真【気を悪くしないで。鴨志田先生の件で動揺している生徒も多いの。予告状みたいな貼り紙の噂も、中々消えないし】

 

杏【意外、新島先輩って、あんな貼り紙のこと気にしてるんだ?】

 

竜司【…そ、そうだよな~つか、もうよくねえっスか?話しかけれると出れねえし】

 

真【悪ふざけに付き合わされる身にもなってよ】

 

杏【悪ふざけ…】

 

雪奈【……】

 

真【そうそう、ここね、例の事故もあったし、閉鎖することになったの。誰かさん達が無断で入ってるって噂もあるしね。お邪魔してごめんなさい】

 

真がそれだけ言うとこちらへ向かって来たので、すみれは慌てて隅の見えないところへ隠れる。

 

真「私だって、こんなことしたくは支度はないよ。鴨志田先生に非があるのは明白なのに…。校長先生は生徒を守るより、学園の体裁、学園の面子、校長の地位を守りたいだけ…。私は…悔しい…。帝国のトールズ士官学院特科クラスⅦ組のユフィさん達は、自分達の意思であのテロリスト達と戦っていた。同じ年頃なのに…私と彼らは覚悟が違う…」

 

そう言って、真は階段を降りていく。

 

すみれ「新島先輩…トールズの皆さんに会ってたんだ…」

 

すみれはそう言いながら真が去っていった方向を見る。すると蓮達が屋上から降りてくる。やはり真の事ばかり、言いながら降りていく。

 

すみれ「…雨宮先輩達は、中間テストが終わるまでは、行動はしないか…。なら私もテストに集中できるかな」

 

すみれは、蓮達が去っていく方向を見ながらそう思ったのだった。

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