ユフィと達也は学院長室前で待ち合わせていた。お互いに依頼を終わらせたから、学院長の依頼をすることになったのだが。
学院長室、お偉い方と会うとわかるとなんだか緊張してくる。それは誰とて同じではないだろうか。別に悪いことをしたわけでもないのにドキドキしてくる。それはユフィや達也も同じようで。
ユフィ「達也さん、なんだか緊張してきますね」
達也「確かにな。あまり学院長室なんてくることなんてないだろうからな」
ユフィ「普通に学院生活を送っていれば、ほとんど来ない場所でしょうし」
達也「ただ、学院長が生徒会に依頼を出すと言うことは、何かあるんだろうな」
ユフィは、ヴァンダイク学院長には、別の場所では顔を合わせているのだ。それは、“ユーフェミア皇女殿下”としてだ。ユフィ・レンハイムとしては、会ったことがない。彼女は緊張しながら、学院長の依頼か一体なんだろうと思っていた。
2人は学院長室のドアをノックして学院長室に入った。改めて自己紹介をする。
達也「─学院長、失礼します。1年Ⅶ組・達也・シュバルツァーです」
ユフィ「同じく、ユフィ・レンハイムです」
ヴァンダイク「おお、待っておったぞ」
ヴァンダイク学院長…2アージュは越えている身体でユフィと達也を見ている。普通なら怯むとこだが彼の目は、優しい眼差しで2人を見ている。
ヴァンダイク「─トワ会長から聞いてるよ。君らが引き受けてくれたとな。初めての自由行動日なのに悪いが話しを聞いてもらってもよいかな?」
達也「はい、構いませんよ。そのために来たのですから」
ユフィ「旧校舎の地下の調査ということでしたが」
ヴァンダイク「うむ、入学式の時に君たちが使った場所じゃ。ちなみにあの落とし穴の仕掛けは、サラ君が使うと言い出してな……。まぁちとやりすぎであったのはワシの方からも謝らせてもらおう」
達也「いいえ、学院長に謝れては、俺達も怒るに怒れませんよ」
ヴァンダイク学院長からバラされたあの時の真実。それはあの時の地下へ落としたのはサラ教官の独断だった。これを知ったら、ユーシスやマキアス達はなんて言うかわからないと2人は心に思った。
ヴァンダイク「──話は戻すがあの旧校舎はずいぶん不思議な逸話があってのう─あの石の守護者(ガーコイル)などもその1つになるじゃろう」
達也「あれは…どう考えでもあれは異常ではない魔獣でした。まるで─」
ユフィもあれは魔物って言った方がいいと思った。
ヴァンダイク「うむ、魔獣というよりも魔物といった方がいいじゃろう。しかも放っておけば、いつも間にか元通りの石像へと戻ってしまう」
達也「やはり……そうか」
ユフィ「達也さん?」
達也「いや…そんなことを言ってるジョルジュ先輩達が、いたなって思い出しただけさ」
ヴァンダイク「うむ、ゆえに昔からこの学院では生徒達の修練と腕試しにあの地下が使われてきたのじゃ。─しかしここ一年ほど少しばかり状況が変わってな。無かったはずの扉が現れてたりどからともなく声が聞こえたりと不思議な報告が相次いでいるのじゃ」
達也「………うん大体は聞いてた通りだな。ジョルジュ先輩達も先の先輩達から聞いた話しだから詳しくはわからないって言ってたな」
ユフィ「学院長は、わたくし達にそういう現象の確認をすると言うのが依頼なのでしょうか?」
ヴァンダイク「うむ…そういうことじゃな。頼みたいのは、地下を一巡りして先月末と違った事が起きていないか確認してもらいたいということじゃ。君たちなら適任じゃろう?」
ユフィ「確かに…─承りました。何とかやってみましょう。あのがーコイルが復活していたら…わたくしと達也だけじゃ…厳しいかもしれませんが?」
ヴァンダイク「そのときはとっとと引き返すじゃな。それとこの依頼はⅦ組全員に対する依頼じゃ。他のメンバーについても協力を頼めそうな仲間がいたら声をかけて一緒に入りなさい」
達也「はい。なるべく協力して入ります」
学院長から鍵を受け取り、達也とユフィは、共に旧校舎に行くことにする。達也はARCUSで協力を求めやすい人物に連絡してみた。結局連絡とれたのはリィンとエリオットとガイウスだけだった。
ユフィもマキアスに連絡しようと思ったが、コレットの時もあるし、第2チェス部に行ったばかりの彼を呼び出すのは気が引けたのだ。結局5人で旧校舎地下探索をやることに。
ユフィは、5人では心細いかも知れないけどやるしかないと静かに決意した。
再び5人で旧校舎に入り地下への扉に繋がる階段のところまでやってきた。
エリオット「うう……またこの場所に来るなんて。ど、どう考えても無謀だと思うんだけど」
達也「まあ確かに。気が進まないなら無理にとは言わないが」
エリオット「ううん来週は、実技テストなんていうのもあるみたいだし──少しでも魔導杖の扱いには慣れておきたいから。それに達也やリィンやガイウスやユフィだけだって…4人だけじゃ心配だよ」
リィン「ありがとな。エリオット」
ガイウス「そうか……助かる」
ユフィ「ありがとうございます、エリオットさん」
しかしすぐに異変に気がつくユフィ達。明らかに先月の入学式でオリエンテーションをやったときの雰囲気はあるものの、何かが違う。
エリオット「…あれ?………見たところあの化け物は見当たらいね。不気味な石造とかもないからね。どういうことだろうね?……この部屋……?」
達也「いや……何か変だと思っていたが……俺達があのあの化け物と戦った時よりも部屋が小さくなっている」
ガイウス「おそらく…2回り以上──おまけに見覚えのないものまで現れているようだな」
ユフィ「あれって………前に来た時には、扉なんて無かったはずですわ」
リィン「ああ無かった。──正直、半信半疑だったんだけど」
達也「とにかく降りて扉の向こうを調べる必要があるな」
ユフィ達は、階段を降り、旧校舎地下1階へと足を踏み入れた。
ーー旧校舎地下1階ーー内部
達也「こいつは驚いたな」
エリオット「ってここ完全に別の場所じゃない?ぼくたちこんな場所なんて通らなかったし」
リィン「ああ~間違いない。《どうやら地下の構造が完全に変わった》みたいだな」
エリオット「そんな…」
ガイウス「徘徊している魔獣の気配も変わっているようだ。──どうする、達也、リィン、ユフィ?」
達也「────学院長は地下の異変の確認だ。こんな状況になっている以上手ぶらで帰れない。行けるところまで言ってみよう」
ユフィ「そうですわ。ヴァンダイク学院長から頼まれましたから、やらないわけにもいけませんわ」
エリオット「はぁ、仕方がないか」
ガイウス「───女神の加護を。行くとしよう」
ユフィは上手く【戦術リンク】を使いながら、地下1階の奥地までたどり着くことができたが、奥地では突然現れたミノスデーモンとの戦いになった。
ユフィ達の《戦術リンクを上手く使いながら、ユフィと達也で、リィンとガイウスでエリオットはアーツも使いながら、最後はユフィと達也の紅葉斬りとリィンの十文字斬りでけりをつけたのであった。