【凍結】帝国の緋き皇女の軌跡~七の絆と奇蹟~   作:龍造寺

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芳澤すみれ編17話です。


17ー17ー5・14ー徳川義景と一条将斗。

すみれside

 

ーー1204・5・14・夕方・渋谷セントラル街裏路地。

 

渋谷セントラル街の裏路地にて、すみれと義景と将斗が出会ったのである。

 

将斗「まさか、自分の故郷で八葉の人間に出会えるなんて驚きだよ」

 

義景「日本には、八葉の支流の九島派がなかったか?」

 

将斗「あるにはあるけど、八葉の本流の太刀捌きとはまた違うから。彼女の太刀捌きは本流そのものだった」

 

義景「なるほど、彼女は本流の流れ組むと言うわけか」

 

すみれ「えーと…私…そろそろ行かないと…」

 

義景「俺達の正体を知られたわけだし、そのまま行かせるわけには行かないんだよね…」

 

将斗「義景、ちょっと悪人みたいだよ。まあ確かに俺はともかく義景は不味いよね」

 

すみれ「…カルバードの諜報部員…CIDの…」

 

すみれは、ちょっと後退りをしてしまう。

 

将斗「怖がらなくて良いから。彼はカルバード人だけど、俺は日本人だから」

 

義景「俺だって先祖は日本人だがな」

 

将斗「とにかく…義景、このダットを君のお仲間に引き渡すんでしょ?このままだと日本の警察が来てしまうよ」

 

義景「そうだな」

 

義景がスマホを取り出し、どこかに連絡をしている。彼は何やら指示を出してから連絡を終える。そしてしばらくすると、黒服の仲間と思われる人達にダットを連れていかれてしまう。

 

すみれ「すごい……」

 

義景「なあーに別にすごくはないさ。カルバードを守るためにやってるのだから。君がやっている人助けと同じでしょ、芳澤すみれ君…いやヴァイオレッドと言うべきかな」

 

すみれは、表情が険しくなる。当たり前だ。正体を知っているのは、親友のアリスとカウンセリングの丸喜しか知らないのだから。

 

すみれ「……どうしてそれを…?」

 

将斗「女の子のプライベートを除くのはどうかと思ったけど、君の変身した時と解除の時を見てしまったからね…。ただ見たのはタマタマだから」

 

すみれ「………」

 

義景「すまないな。カルバードにも同じように現れる怪盗がいるから。ついつい仕事柄で君の正体を暴くような事をしてしまった」

 

義景と将斗は、2人共頭を下げた。すみれも申し訳なさそうにしながら

 

すみれ「もう良いですよ。私も確認をしなかったのがいけなかったのですし…」

 

将斗「君の正体は、誰にも言わないから、安心して」

 

すみれ「はい」

 

すみれと義景と将斗が話していると別の方向から話しかけられた。

 

丸喜「すみれ君に…義景君に将斗君?君達知り合いなの?」

 

すぐに丸喜からカウンセリング事務所に入ることを言われる。すみれ達の話しは裏路地で話す内容でもなかった。だから丸喜が自身の事務所へ入れることにしたのだ。

 

ーー1204・5・14・夕方→夜・渋谷セントラル街裏路地→丸喜カウンセリング事務所。

 

普通の雑居ビルの一室に丸喜カウンセリング事務所を構えている丸喜。彼はここでカウンセリングを行っているのだ。一応すみれ達は自己紹介をやった。

 

丸喜「まさか、すみれ君と義景君と将斗君が知り合いだとは思わなかったよ」

 

義景「知り合いというかさっき知り合ったばかりですがね」

 

将斗「丸喜先生と芳澤さんが知り合いだったことも驚きですが…」

 

丸喜「すみれ君は私のカウンセリングの患者さんかな。まあお世話になった方の娘さんでも良いのかな」

 

義景「なるほど」

 

将斗「そういうことだったのか」

 

すみれ「それでお2人と丸喜先生とは、どういう関係で知り合うことに?」

 

丸喜「話せば長くなるんだけどね」

 

丸喜は、義景と将斗との出会いを話し始めた。

 

丸喜と義景と将斗の出会いは、とある事件の容疑者の心の状態を知るため、凄腕のカウンセリング治療を行うを丸喜に依頼して来たことが始まりであった。

 

丸喜カウンセリング事務所は、各国諜報機関からも依頼が来ることもあるが、カルバード共和国からの依頼が一番多い。

 

それはカルバード共和国の諜報機関CIDのとある人物と交流があることも1つではあるが。

 

すみれ「そうだったのですか」

 

丸喜「僕も最初は、カルバードのCIDからの依頼だったから驚いたよ」

 

義景「丸喜先生、貴方はカルバードのとある大学で独自カウンセリングの産み出していた。それがCIDの目に留まったってことかな」

 

丸喜「僕は心が病んでいる人々を助けたい一心で産み出した療法なんだ。それでも犯罪心理学も学んだからね」

 

将斗「そのおかけで、丸喜先生にはアドバイスをもらったりして、なんとか依頼を完遂することができてますけどね」

 

すみれ「でも将斗さんは、十師族のあの一条家のご子息ですよね?それなのに…!なぜ探偵業を?」

 

すみれは、将斗になぜ探偵業を営んでいるのか。十師族の一条家。日本の北陸エリアを領土に持つ。先の大亜、新ソビエトによる侵攻時、佐渡や東北、北海道にて新ソビエト軍を撃退している。

 

そんな家の生まれだが、将斗は現一条家当主の双子の兄弟の弟である。一条家の十八番である爆裂魔法を使える。だが将斗は、その十八番の爆裂魔法が使えない。

 

だから将斗は、自分自身に負い目を感じていた。そんな将斗に対して、兄の将輝も感じていたし、両親もである。

 

だが一条家の分家や一条家を支える家系の人間達が、将斗を出来損ないの子として揶揄していた。両親や将輝に迷惑をかけまいと中学生になる前に、カズヤ・アレイスターの元へ行き探偵業を学んだ。カズヤ・アレイスターの計らいで、飛び級でアラミス高等学校に通った。

 

将斗は、魔法力は劣っていても学力は一条家いや十師族の子供達と比べても飛び抜けていたのだ。

 

そんなアラミスを今年(2年)で卒業し探偵業に付いたのだ。アラミス始まって以来の天才児とされ、カルバードのCIDからもオファーが来たが、それを断り探偵業に付いたのだ。だが一条探偵事務所の依頼は、CID絡みばかりであり、丸喜と知り合ったのも先月である。

 

義景「本当は、CIDに入って欲しかっただがな。探偵事務所を開いたと言ってもCIDからの依頼ばかりだろ?」

 

将斗「まあ、そうなるかな。ご飯が食べれるのは、CIDのお掛けでもあるけどな」

 

丸喜「将斗君、親御さんやお兄さんや妹さん達には報告はしたのかい?」

 

将斗「手紙と導力通信で報告はしましたよ。両親も兄も妹達も祝福してくれました」

 

義景「それは良かったじゃないか。両親達はともかく、お前を劣等扱いした連中を見返せたんじゃないか?」

 

将斗「どうだろうね…あの人は爆裂魔法が使えない時点で俺のことを劣等とかかんがえてないから」

 

すみれ「将斗さん……」

 

義景「お前は劣等なんかじゃねぇ!カルバード共和国のCIDがお前を勧誘しようとしたんだ!それだけじゃね!帝国の情報局もお前を勧誘しようとしてた噂があるんだ…だからお前は劣等なんかじゃねぇんだよ!」

 

義景は将斗にそう言ったのだ。彼は将斗の能力以外でも買っている。人柄や性格なども含めて。歳は5歳も違うがダチのように接している。

 

将斗「義景…ありがとう。もうそのことは気にしていないから」

 

丸喜「義景君と将斗君はこれからどうするんだい?カルバードに帰るのかい?」

 

義景「ダッドは、他の連中に任せるが、俺と将斗は別件で来てるんだ」

 

丸喜「別件?」

 

義景「ああ、丸喜先生、すみれは知っているだろうが、斑目一流斎って画家だが」

 

丸喜「日本人で初めてカルバードの賞を取った斑目一龍斎画伯の事だよね?」

 

すみれ「斑目一流斎…画家……!あの方のお姉さんの!」

 

将斗「どうしたの、すみれさん?」

 

 

すみれは、ゴールデンウィーク前に受けた依頼の話を詳しく教えるのであった。

 

 

すみれside

 

ーー1204・5・14・夜・丸喜カウンセリング事務所

 

すみれは、とある依頼から帝国へ赴き、帝国が抱えている問題点と遭遇したこと。帝国の問題に日本人も多数関わっていること。日本自体の問題も帝国の問題と連動していること。

 

ゴールドマウンテン社の問題が日本国内では揉み消されていること。

 

帝国で問題を起こした容疑者であるゴールドマウンテン社の幹部達を乗せた輸送挺が何者かによって東ゼムリア海に沈められたこと。

 

ゴールドマウンテン社の帝国支社がやらかした問題を、秀尽学園の元教師である鴨志田に全てを押し付けていること。などのを話したのだ。

 

義景「なるほど……。学生の身分でそこまで調べたのか。すごいな、今からでもCIDに勧誘したいものだな」

 

すみれ「私が1人で調べたわけではありませんよ。親友のアリス、理さん達もいらっしゃったわけですし」

 

将斗「桐条首相の片腕の結城理さんに十文字家の分家の御嬢様であるアリス嬢…すみれさんの人脈は凄いね。義景が勧誘したくなるのもわかるな」

 

丸喜「2人とも、すみれ君の将来を勝手に決めるのは良くないよ。ちゃんと彼女が決めて進まないとね」

 

すみれ「アハハ……」

 

すみれは、苦笑いするしかなかった。まだ将来何になるなんてまだ決めていなかった。高校3年間のうちに決めようとも思っていた。丸喜は義景と将斗に先程の話をふった。

 

丸喜「で、君達の話は斑目一流斎画伯の話だったけど、彼に何かあったのかい?」

 

義景「ああ、斑目一流斎に盗作の疑惑がCIDに情報がもたらされたのだ」

 

丸喜「カルバードのCIDに?告発するなら日本の警察庁とか日本の美術協会とかに告発するんじゃ…」

 

すみれ「警察庁、美術の協会じゃ斑目の権力で潰されてかねないから。だから斑目が賞を取ったカルバードで告発をしたんじゃ」

 

将斗「なるほどね。それはあるかもしれない…」

 

義景「カルバードなら第3者として捜査してくれると思われたってことか…」

 

丸喜「でも難しくはないかな。仮に斑目画伯を調べるにしても日本の警察権力がそれを認めるとは思えないけど…」

 

義景「そこは大丈夫っすよ、丸喜先生。将斗の実家の一条家、七草家、十文字家の許可は取れましたし」

 

丸喜「なるほどね、その3家を味方に付けれれば、なんとかなるかな」

 

すみれ「私も、斑目の事は調べなくてはいけないんです。依頼人からの頼みでもあるのでお願いします」

 

すみれは、義景と将斗に頭を下げる。山田さんのお姉さんと斑目の関係性、彼女の作品を彼が盗作したのか否か調べる必要があるからだ。

 

将斗「義景、どうするの?探偵の俺からすれば、協力するのもアリだと思うけど?」

 

義景「まあ、確かに彼女の能力は、CIDに勧誘したいものだな。だが…俺はカルバードのためにやっているわけだ。別に人助けのためにやってるわけではないが………」

 

義景はふと天井を見上げる。すみれの願いを拒否しようとは思ってはいない。ただ手を組める物を探しているのだ。すると彼女があることを言い出す。

 

すみれ「私が手に入れた情報は、義景さんと将斗さんに渡します。その代わり、そちらで得た情報を教えてもらえないでしょうか?」

 

義景「取り引きってことだな。…わかった、それでいこうか。将斗、それで構わないな?」

 

将斗「俺は構わないよ」

 

すみれと義景、将斗は、取り引きを成功させた。すみれの得た情報と義景達が得た情報を交換することを。

 

丸喜「えーと、僕が得た情報は、すみれ君や義景君達にも提供するよ」

 

すみれ「ありがとうございます」

 

義景「すまないな、丸喜先生」

 

この日は、互いにこれまでの情報を交換するだけであった。これからすみれ達の斑目に対しての捜査が始まる。

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