【凍結】帝国の緋き皇女の軌跡~七の絆と奇蹟~   作:龍造寺

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芳澤すみれ編18話です。


18ー18ー5・22(13:45~)ーヴァイオレッドとグリムキャッツ。

すみれside

 

ーー1204・5・22・昼過ぎ・13:45・ゴールド・マウンテン社共和国支部内

 

すみれことヴァイオレットとグリムキャッツことジュディスは、ゴールド・マウンテン社共和国支部の屋上から姿を消して侵入していた。

 

何故、ヴァイオレットが共和国の怪盗であるグリムキャッツと一緒にいるのかは、何日間か前に遡る。

 

ヴァイオレットとグリムキャッツが出会ったのは、マダラメパレス内である。ジョーカー達怪盗団が、マダラメパレスから引き上げたのを確認して、ヴァイオレットは、単身マダラメパレスへ侵入する。カルバードから来た徳川義景、一条将斗からの情報により、斑目のアトリエを教えてもらっていた。そんな中、蓮や雪奈達が斑目一流斎を調べ回っていることを確認し、彼らの後を密かにつけていた。

 

蓮達がイセカイナビを使って入ってるのは、カモシダパレスの時に分かっており、ナビを使って入ってきた。パレス内でマダラメの事を調べ回っていた時にカルバードの怪盗グリムキャッツと遭遇したのだ。

 

グリムキャッツ「マダラメのパレスを調べにやって来たけど、貴女は何者かしら?」

 

ヴァイオレット「貴女こそ、何故マダラメパレスにいらっしゃるのですか?カルバードで有名な怪盗、グリムキャッツさんが東ゼムリアの日本に?」

 

グリムキャッツ「私の名前って東ゼムリアにも広まってるんだ…って貴女こそ何者なの?」

 

ヴァイオレット「私が何者かなんて、別に関係ないですよね…。私はただマダラメを調べてるだけですから」

 

ヴァイオレットは、グリムキャッツを無視して先に進もうとしたら、高速か鞭さばきで真後ろへ避ける。鞭をパチパチさせながらヴァイオレットを見据えながらヴァイオレッドに言う。

 

グリムキャッツ「これは警告よ、今度は痛いじゃ済まさないわよ?」

 

ヴァイオレット「なるほど、ただの“痴女”ってわけではなさそうですね」

 

グリムキャッツ「誰が痴女よっ!ってかあんたも大概でしょうが!そのレオタード、Vラインが際どいわよ!」

 

ヴァイオレット「……うぅ……そこを見ないでください!私だって、気にしてるんですから!」

 

ヴァイオレットは、赤くながらもマントの懐から太刀を取り出す。

 

グリムキャッツ「へぇー、あんたもただの露出狂ではなかったのね」

 

ヴァイオレット「だ、誰が露出狂ですか!この痴女!」

 

グリムキャッツ「誰が痴女やねん!」

 

グリムキャッツが鞭をしならせて、振り回す。ヴァイオレットは、太刀を構えながら鞭をかわす。

 

ヴァイオレット「格好はともかく、かなりやりますね。八葉一刀流…紅葉斬り!」

 

ヴァイオレットは、グリムキャッツに紅葉斬りを仕掛ける。グリムキャッツは、寸前で避ける。

 

グリムキャッツ「貴女の格好もどうかと思うけど、中々の太刀捌きね」

 

ヴァイオレット「それは褒め言葉として受け取っておきますね」

 

ヴァイオレットとグリムキャッツは、ある程度の距離を保ちながら対峙する。

 

2人が対峙している最中、マダラメの大声が響き渡る。

 

マダラメ【弟子のモノは、この私のモノ。他のモノではない。全てがこの私のモノと言って過言ではない!】

 

グリムキャッツ「な、いきなりなんなのよ!ってかマダラメね。調べた通りの悪党ね」

 

ヴァイオレット「山田さんや彼らの情報を照らし合わせて、そしてシャドウのマダラメの言葉で、全て確証に変わりました」

 

グリムキャッツ「マダラメ、覚悟なさい!」

 

このマダラメパレスのどこかにいるマダラメの場所へ向かおうとするグリムキャッツをヴァイオレットは掴む。

 

グリムキャッツ「って何するのよ!?」

 

ヴァイオレット「あのマダラメを…あれはシャドウのマダラメなのよ、あれを捕まえても何の意味もないわ!」

 

グリムキャッツ「シャドウ?貴女は何を言ってるの?」

 

ヴァイオレット「あれは…欲望…斑目から生み出されたもう1人のマダラメ……。ここは、マダラメの認知世界…周りを良く見てください!」

 

グリムキャッツ「周りを良く見ろって……!!何よこれ…」

 

グリムキャッツは、周りの風景を見て驚愕する。ヴァイオレットもそれを見て悲しくなってくる。

 

ヴァイオレット「これは、みんなマダラメのお弟子さんなのでしょう。マダラメにとって、彼らは芸術を生み出す絵ってとこでしょうか…」

 

グリムキャッツ「……イチリュウサイ・マダラメ…とんでもない悪党ってことじゃない…。なおさらマダラメも懲らしめないと!」

 

ヴァイオレット「認知世界のマダラメをどうこうしても現実のマダラメに何かあるわけではない…」

 

ヴァイオレットは、頭の中でジョーカー達怪盗団のことを思い出す。カモシダパレスの事に関しても怪盗団の活動によりシャドウカモシダを追い詰め、鴨志田を改心させることに成功している。

 

ヴァイオレット「それに私達が制裁を加えても意味はないわ」

 

グリムキャッツ「はぁ~、意味がないって、どういうことよ?」

 

ヴァイオレット「貴女は、秀尽学園の鴨志田事件の事は、知ってますか?」

 

グリムキャッツ「知ってるわよ。教師の立場でありながら女子生徒達にセクハラやパワハラなどを繰り返していた最低なヤツね。それとマダラメの件と何の関係が?」

 

ヴァイオレット「鴨志田の件を解決したのは、怪盗団なんですよ…」

 

グリムキャッツ「怪盗団…なんなのそれは?」

 

ヴァイオレットは、秀尽学園で起きていたことをグリムキャッツに説明する。最初こそ疑っていたグリムキャッツもヴァイオレットの言葉が嘘でたらめではないことがわかる。

 

グリムキャッツ「なるほどね、怪盗団ね。噂程度にしか信じていなかったけど、貴女の証言で信じないわけにはいかないわね」

 

ヴァイオレット「斑目の件も怪盗団が何かやっているようです。怪盗団は、ちゃんと斑目の件もやってくれるはずです」

 

グリムキャッツ「怪盗団とやらを私も確かめてみましょうかね」

 

ヴァイオレット「ええ、まずここから出ましょう。話はそれからです」

 

ヴァイオレットにそう言われ、グリムキャッツもそれに応じて2人は、マダラメパレスから出ることにした。

 

 

すみれside

 

ーー前の続き。

 

ヴァイオレットとグリムキャッツは、マダラメパレスから出て、斑目邸の近くの公園にやってきた。時は夕方から夜になりかけていた。すみれは公園のベンチに座る。もちろん彼女は、学校帰りなので、制服である。

 

すみれ「まあ、ここまで来れば、一安心でしょう。というか、グリムキャッツの正体がまさかカルバードの女優のジュディス・ランスターだったとは驚きですね」

 

ジュディス「私も驚きだわ。ヴァイオレットと言えば、私の界隈にも噂が届くくらいのお助け怪盗だって。まさかその怪盗が、高校生の女の子だったとはね。それも変態教師の勤め先の学校の秀尽学園の生徒とは…すみれ・芳澤さん」

 

すみれ「名前を覚えてもらっているとは光栄です。学校の方は、まあそういうことな運命だったのかはわかりませんが、とにかく私は鴨志田先生みたいな人は許せないです」

 

ジュディス「まあ、そうよね。そんな教師がいつまでも教師をしているのは、許せないよね。それで怪盗団が制裁…改心させたってわけね…」

 

すみれ「ええ、私が知る限りですが…」

 

すみれも直接改心現場を見たわけではない。雪奈や蓮達の会話から聞いただけである。それと鴨志田の学校で謝罪したこともある。

 

ジュディス「1日で蹴りをつけるために、カルバードから来たというのに…どうするかな」

 

すみれ「1日ですか…」

 

ジュディス「女優の仕事の休みの時に日本へ来たのよ。それが今日…。明日にはカルバードにいないといけないし」

 

すみれ「女優の仕事って忙しいのでしょう?」

 

ジュディス「そうね、大変よ…。でもね、それ以上にやりがいのある仕事なのよ」

 

すみれ「そうなんですね。自分も学生をやりながらお助け業の両立は大変ですが、依頼をこなした後に感謝の言葉や笑顔を見ると、やってて良かったと思いますしね」

 

そんな話を2人でしていると、斑目邸を訪れる客がいた。ファンが訪れるような感じではないし蓮達怪盗団でもない。スーツを着た男とリクルートスーツで身を固めた女性の計4人である。すみれとジュディスは、近くの建物に身を隠して様子を伺う。

 

ジュディス「なんなの、あの連中は?この国のお偉い方?」

 

すみれ「違うと思います。あれはおそらくゴールド・マウンテン社の幹部達だと思われ…」

 

ジュディス「ゴールド・マウンテン社って帝国でろくでもないことをしていた企業じゃないの!まだ潰れてなかったのよ!?」

 

すみれ「日本内外から批判され、経営陣が総入れ替えにはなったんですが、新社長が獅童正義の元秘書をしていた人のようです」

 

ジュディス「政義・獅童…日本の騒動になっている張本人ね。今年の日本の総選挙では、首相になれるのではとかまで、出ているわね」

 

すみれ「ええ、日本国内では、少しずつでありますけど、獅童正義人気が出てますね」

 

ジュディス「そんな獅童やゴールド・マウンテン社が斑目と……」

 

すみれ「おそらくですけど、獅童達は斑目から資金援助をもらってる可能性もあるんじゃないかと思ったりしたんですが」

 

ジュディス「資金援助ねぇ…。もしくは、斑目が獅童達に資金援助されてる可能性もあるわね。もう1回パレスに侵入して探るか」

 

すみれ「いますぐ探るのはリスクが大きいと思いますよ」

 

ジュディス「どうして?今、探るのが先決でしょ?」

 

すみれ「あの黒服の連中以外にも潜んでいますよ。見張り役が…。そうとうの警戒をしているみたいですね」

 

ジュディス「じゃあ、どうするの?このまま帰れって言うのかしら?」

 

すみれ「そうは言ってません。ただ…」

 

すみれはそう言うと、手の甲に小さな炎の塊を出した。ジュディスは驚き

 

ジュディス「な、なんなのそれ…?」

 

すみれ「まあ、見ていてください」

 

すみれは小さな炎の塊を斑目邸の方へ投げた。炎の塊は、すぐに見えなくなり、斑目邸の中に入って行った。

 

炎の塊

 

すみれが建物とかに侵入するために中を調べるために放つ術。炎の塊が、すみれの中に知りたい情報を送ってくるのだ。

 

すみれ「ジュディスさん、斑目とゴールド・マウンテン社の幹部達が会合しますよ」

 

ジュディス「すると言われても…何もわかんないけど!」

 

すみれ「これで観てください。映りだされると思うので」

 

すみれは、鞄から導力タブレットをジュディスに渡す。

 

ジュディス「導力タブレット…これがどうかしたの?」

 

すみれ「その導力タブレットを観ていてください」

 

すみれがそう言うと、何も映っていない導力タブレットに斑目邸の内部が映し出される。映っているのは、斑目一流斎と先程の4人組だ。彼らは対面にて何かを話している。

 

??「我々と斑目先生とは初対面ですので、自己紹介からやりましょうか。私は、天川 保文。対外交渉担当官という身分であります」

 

斑目「ほぉう、対外交渉担当も変わったわけか。なら前任者から聞いておろう。まず何をするべきかを」

 

天川「伺っております。斑目先生、これをお納めください」

 

天川は、残りの3人に例のモノと称されるトランクを持ってこらせる。トランクの中には、大量のミラが入っている。

 

斑目「ふっ、わかってるではないか。それでなに様で参られたのだ?」

 

天川「斑目先生がカルバードの裁判所から訴えられてます。そのことはご存知ですよね?」

 

斑目「知っているとも。不肖の元弟子が、日本で訴えが受理されなかったから、カルバードで訴訟を起こすとは…全くだよ。それでカルバードの裁判所から出頭命令が来ているんだが」

 

天川「それにつきましては、無視でよろしいかと。共和国支部の方に裁判の差止め、訴訟を起こした本人の殺害なども考えてますが、いかがされますか?」

 

斑目「裁判の差止めとかできるのか?日本では上手くいったが、カルバードでは上手くいく保証はあるのだろうな?」

 

天川「それにつきましては、共和国の反移民団体や政治結社などにお金を渡しております。差止めはできなくとも、本人を殺害するのは他愛もないでしょう」

 

斑目「わかった、それでいくとしよう。できれば、6月5日までに蹴りをつけてもらえるか?」

 

天川「6月5日、日本での個展博が終わる日までにと?」

 

斑目「そうだ、それからはまた製作作業に入る準備をしなければ、ならないのでね」

 

天川「わかりました。そのように共和国支部に伝えておきますので、斑目先生、これからも宜しくお頼み申します」

 

 

 

ーー

 

すみれとジュディスは、斑目と天川と言われた人物の会話を訊いて驚いていた。

 

すみれ「……アレが斑目の本性ってこと」

 

ジュディス「みたいね。カルバードで裁判をおこしてる元弟子を殺そうとしているけど最低最悪ね」

 

すみれ「……すぐにでもカルバードへ行きたいですが、学校もありますし、どうしよう…」

 

すみれは、学校をサボってまでお助けチャンネルの依頼をするわけにはいかない。どうするかで悩んでいたらジュディスが

 

ジュディス「私が先に戻って、ゴールド・マウンテン社の共和国支部を調べておくわ。で土曜日や日曜日なら来れるの?」

 

すみれ「まあ、土曜日、日曜日なら来れますね。普通の手段や裏の手で来ることも」

 

ジュディス「裏の手って何!?」

 

すみれ「ジュディスさん、耳を貸してください」

 

ジュディス「耳を貸す?」

 

ジュディスは、耳をすみれの方に傾けた。すみれもそっと答える。

 

すみれ「瞬間移動ですよ…。座標移動(ムーブポイント)っていって瞬時にそこへ移動する…」

 

ジュディス「……にわかには信じれないわね」

 

すみれ「…でしょうね。それでは…あることをして見せますね」

 

すみれはニコニコと手を2、3回振った。すると彼女の手には、ジュディスの下着(白のブラ、白のショーツ)が握られていた。

 

ジュディス「……ブラとショーツ……!?わ、私の!?」

 

すみれ「正解です」

 

ジュディス「って…どうやって!?」

 

すみれ「ジュディスさんのブラとショーツが、瞬間移動して私の手にやって来たというわけです」

 

ジュディス「ぐぬぬ……瞬間移動…信じるしかないわね…」

 

すみれ「ふふっ、信じてもらえたようでなりよりです」

 

ジュディス「って…ブラとショーツ、ちょっと返しなさいよ…」

 

すみれ「アハハ、ブラとショーツはお返ししますね」

 

その後ジュディスは、誰にも見られない場所にてすみれに剥ぎ取られたブラとショーツを身につけるのだった。

 

 

 

すみれ「コホン、気を取り直して…一度は共和国支部に乗り込む必要があるかもですね」

 

ジュディス「ゴールド・マウンテン本社じゃなくて?」

 

すみれ「ええ、本社からの意向を実行に移すのは、共和国支部ってことになりますよね?」

 

ジュディス「確かに……」

 

すみれ「とにかく、早めに動く方が言いようですので、5月22日にゴールドマウンテン共和国支部を調べることにしましょう、それで良いですよね?ジュディスさん?」

 

ジュディス「まあ、いいわ。共和国ってことは、私にとっても都合が良いし」

 

すみれ「私は正規ルートで行きますから。新体操部の合宿が共和国のイーディスであるので。22日の朝にはイーディスに到着して、ホテルにチェックインしたら、22日は自由時間ですので、調べることはできますから」

 

ジュディス「なるほどね。新体操やってるから身体が柔らかったわけね」

 

こうしてすみれとジュディスは、ゴールドマウンテン共和国支部に潜入することになった。

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