アルフィンside
ーー1204・5・21・朝・07:30・帝都ヘイムダル・バルフレイム宮にて。
アルフィンは、ソファーに座って、ここ最近のカルバード共和国や日本などで起こっている問題の資料を見ていた。彼女はなぜこんな資料を持っているかと言うと、カルバードにいる真田明彦や帝国に滞在している結城理からもらったものである。
アルフィン「ここ最近でよく耳にするのは、斑目画伯のことですわね」
大賢者「解、斑目一流斎、日本の画家。自身の代表作、【サユリ】で、カルバード芸術祭で、大賞を取った。その後も次々と賞を獲得していく…とされてます」
アルフィン「サユリなら、帝国の美術館にも飾られてますわね」
帝国美術館にも斑目一流斎の絵は一通りは、展示されている。
大賢者「解、マスターの読んでいる資料には、斑目画伯が盗作や虐待の常習者と記されていますね」
アルフィン「これが事実だとすると、すみれさん達が追っていた事件に繋がるかもしれませんわ!」
以前すみれ達が追っていた事件。ゴールドマウンテン帝国支部の事件と山田真奈美の事件と斑目の事件と繋がるかもしれないとアルフィンは考えた。
大賢者「問、マスターはこれからどうするつもりでいるのですか?」
アルフィン「もちろん、斑目画伯の件が気になりますし、アルトライアには、分身を行かせますわ」
大賢者「やはり、そう来ましたか」
アルフィン「そうと決まれば、善は急げですわ!」
アルフィンは、分身を登場させる魔法を使い、自身の分身を呼び出す。
分身が呼び出された後、アルフィンは、前と同じようにするように言い聞かせた。分身には、アルトライアの制服を着せ、自身は旅人の格好(アニエスみたいな服装)をする。
アルフィン「お頼みましたわ」
分身「アルフィン様のままに」
分身は、アルフィンのアストライア女学院の制服を来て、学院に行く準備に入る。アルフィン自身は、旅支度の準備を整えてから、頃合いを見計らってバルフレイム宮を出るのであった。
アルフィンside
ーー1204・5・21・朝・08:25・帝都ヘイムダル・バルムフレイム宮
アルフィンはいつもの隠し通路からヴァンクール通りの裏通りへ出てきた。今は通勤通学時間帯で表通りはあまり歩けない。
裏通りは、表通りと違い治安があまり良くないイメージがあるが、カール・レーグニッツ帝都知事の改革のおかけで、治安が良くなっている。
大賢者「問、マスターはこれからどうするつもりですか?」
アルフィン「そうね…本当なら帝都ヘイムダル中央駅から大陸横断鉄道に乗って、カルバードの首都イーディスへ行きたいけど、それは無理そうだし」
帝都ヘイムダル中央駅から大陸横断鉄道に乗ることは簡単だ。だが必ず身分証明をする区間がある。その時に身分がバレる可能性が十分に高い。ならどうするか、飛行船で行くか?
飛行船も身分証明が必要である。
残っている手段は、徒歩&走ること。
大賢者「問、まさかと思いますが、歩いて行くとかの発想なんでは?」
アルフィン「まさか、もちろん途中までは、座標移動で行くわ」
大賢者「問、マスター、帝国やリベールや東ゼムリアの日本内ならどこまでも座標移動で一瞬で行けるでしょうが、未踏のカルバード共和国には座標移動では行けないかと。あれをカウントすれば、完全な未踏ではないですが」
アルフィン「わかってるわ、それも含めてね」
大賢者「告、カルバード共和国に行くためには、1つ目は帝都ヘイムダルから鋼都ルーレを越え、そのノルド高原を抜けて、カルバード共和国の国境の村クレイユ経由でイーディスに入るルート。2つ目は、クロスベル経由で、アルタイルを通ってイーディス入るルート。3つ目は、第3国ルートで、カルバード共和国首都イーディスに入るルート。の3つがありますが、ちなみにマスターはどれで行きますか?」
アルファン「2と3は無いわね。1もルーレまではいらないわね。ノルド高原経由で行きましょうか」
大賢者「解、マスターはいばらの道を進むのがお好きなようで」
アルフィン「別にいばらの道が好きな訳じゃないわ。最善策を選んだまでよ」
アルフィンをそう言うと座標移動(ムープホイント)で帝国北部のノルド高原へ飛んだ。
アルフィンside
ーー1204・5・21・朝・09:10・帝国北部のノルド高原。
アルフィンが座標移動で移動してきたのは、ノルド高原の北部の場所である。ノルドの民がいる集落は、ここより南部の方にある。ここから先はカルバード共和国側に踏み込むことになる。
ノルドには観光資源があるのは、確かだが、今はそれは置いておこう。トールズ士官学院の帝国史にも出てきたとおりに、アルノール家の人間にとっては、縁深い場所である。
大賢者「解、ここがかの有名なドライケルス大帝の挙兵された場所ですか。のどかで気持ちいい場所ですね」
アルフィン「ええ、わたくし達にとっては、とても大事な場所であり大切な隣人よ。今は…領土紛争の種になってますが…」
大賢者「解、帝国と共和国がお互いに領土主張をし過去に何度も紛争になっていますね」
アルフィン「わたくしは、この綺麗なノルド高原を戦火の火で焼きたくはありませんわ」
大賢者「解、マスターの気持ちもわかる気がしますね」
ノルド高原の綺麗な空気、吹き抜けていく、ひんやり冷たい風。帝都ヘイムダルにいては、味わえないものばかりである。
大賢者「告、カルバード共和国方面から、何かの一団がやって来ますね」
アルフィン「何かの一団?商人の方々でしょうか?」
大賢者「問、マスター、どうされますか?」
アルフィン「どうするもなにも、商人の一団の方々ならなにも警戒する必要もないでしょ?」
大賢者「解、確かにそうですが万が一に備えるのも大事だと思われますが」
アルフィン「わかったわ、大賢者。あなたがそう言うなら警戒度はあげるわ」
アルフィンは、そう言うと神経を研ぎ澄ませて、一団がやって来る方向を見ている。一団もゆっくりとこちらへ近づいてくる。怪しまれないようにアルフィンもカルバード共和国方面へ歩き出す。
商人「今時ノルド高原のこの街道を使う者がいるなんて珍しいな」
商人の一団のリーダーの方と思われる人に話しかけられた。
アルフィン「ええ、わたくしは、古い街道を使って旅をするのがロマンがあって好きですわ」
商人「近頃の若者にしては、見る目があるじゃねーか。1人旅なのかい?」
アルフィン「そうですわね」
商人「カルバードでは、女性の1人旅は珍しくはないが、帝国では珍しいのでは?」
アルフィン「確かに帝国では珍しいかもしれませんが、これから流行るかと思いますわ」
商人「そうだといいな。それじゃあ、ノルドの各集落を回らないといけないから、オレ達は失礼するよ」
商人の一団は、ノルドの各集落へ向け再び歩き出した。アルフィンはそれを見送ると彼女も商人の一団がやってきた方向へ歩き出す。
大賢者「解、普通の商人の一団でしたね。色々とスキャンで調べましたが、何もなかったです」
アルフィン「私の目で見ても普通の炎の色の方々だったですわ」
大賢者「解、あの商人の一団は、月2回ほどカルバード共和国からノルドの民達に物資を運んでるみたいですね。それも共和国側に協力的、傘下になったような部族だけに物資を運んでるようです」
アルフィン「……帝国も帝国に協力的、傘下に下ったノルドの方々達だけに補強物資を運んでるみたいだしね」
大賢者「問、政治的駆け引きってとこでしょうか?」
アルフィン「そう言うことになるわね。オズボーン宰相と共和国のロックスミス大統領の駆け引きってことでしょうか」
ノルドが抱える問題を話ながら、アルフィンは、帝国から共和国側へ入る。そこは帝国側とそんなに変わらないが、すぐに丘陵になりノルドの南部にある古代遺跡群が立ち並んでいる。
アルフィンは、崖の部分から遠くを眺めてみる。近くに共和国軍の基地があるのが確認でき、共和国軍の基地の向こう側に帝国軍の監視塔が見える。共和国軍の基地は、街道沿いにあるようだ。
大賢者「問、マスター、どうされますか?共和国軍の基地で、必ず検問に引っ掛かると思われますが?」
アルフィン「……一か八かの座標移動を使うとか?イーディスには、“彼”がいるでしょうし」
大賢者「解、それは、彼…ヴァン・アークライド様に座標移動するってことになりますが?」
ヴァン・アークライド。黎の軌跡の主人公になるのだが、今はまだ駆け出しの裏解決屋(スプリガン)である。彼の仕事は、遊撃士や警察が受けたがらない依頼などをこなしているのだ。とあることで、とある少女を、とある勢力から守り抜いて、とある家族の元へ届くようにやったのだ。
アルフィンは、とある少女とヴァンがとある勢力に襲われていたところに加入して、それからヴァンと共に行動しとある少女をとある家族に送り出したのだ。
そのあとにアルフィンとヴァンは、連絡先を交換したが何も寄越してはいない。
アルフィン「まあ、便りがないのが元気の証拠とも言いますし、こっちから押し掛けてあげましょうかね」
大賢者「解、ヴァン様が迷惑にならないようにしないとなりませんね」
アルフィン「ヴァンさんに会うためには、あの共和国軍基地を越えなきゃなりませんね。近付いてちょっと確かめましょうか」
大賢者「解、危なくない程度にしませんと、万が一見つかりでもすれば、大変なことになりかねませんから」
アルフィン「そうね、帝国と共和国の問題にもなってしまいかねませんからね」
そう言ってアルフィンは、様子を見るために警戒しながら近づくのであった。