アルフィンside
ーー1204・5・21・昼前・11:05・クレイユ村の宿酒場《リモージュ》
クレイユ村の唯一の宿酒場であるリモージュ。観光客から猟兵団まで泊まりにくる場所である。猟兵団がいるから治安が悪いように見えるが、クレイユ村は猟兵団のルールで非戦闘地域になってるようだ。クレイユ村は、アルフィンが考えていたように地球のオランダのような村である事がわかる。
アルフィンと明彦は、クレイユ村の駐車場に導力車を停めてから、リモージュを訪れ、空いている席に2人は座る。
明彦「こっち方面に来たら、クレイユ村は外せないからな」
アルフィン「外せない?」
明彦「クレイユ村はな、日本人街でしか食べれない日本料理を出してくれるんだ」
アルフィン「へぇー日本料理が食べれるんですね」
明彦「そうだ。上手いから食ってみろよ」
アルフィン「わかりましたわ」
アルフィンは、メニュー表を明彦から受け取る。そこには日本の料理や他の合わさったメニューが記載されている。
アルフィン「わたくしは、ソバにしますわ」
明彦「ソバか。俺もソバにするか」
アルフィンと明彦は、ソバを注文する。しばらくするとソバが運ばれてきて、2人とも食べ始める。
アルフィン「お、美味しいですわ!」
明彦「そうだろ、日本以外でソバが食べれるとは思わなかっただろ?」
アルフィン「ええ、思わなかったですわ。帝国でも食べれる場所を作ってほしいですわね」
明彦「まあ、帝国の事情はわからないが、食べれるようになればいいな」
アルフィン「ええ、そうなってくれれば良いのですが」
ソバを食べ終えると、アルフィンと明彦は先ほどの話の続きを始める。
明彦「それで、お前さんが来た理由は、斑目の件だったな?」
アルフィン「ええ、そうですわ。斑目の件、日本と共和国で繋がっているような感じがしますわ」
明彦「繋がっているか…。まあお前さんの考えは外れではないな。斑目の件で日本にもCIDの諜報部員を派遣しているのは事実だが…」
アルフィン「そうでしたの。やはりCIDもその線で?」
明彦「まあな。今、斑目の弟子のカルバード人が、カルバードの裁判所に訴えを起こしてる。それでカルバード警察関係が調べに入っている」
アルフィン「なるほど」
前にも説明したが、彼は日本の裁判所で訴えを起こしたのだが、裁判所は訴えを受理をしなかった。それどころか斑目が名誉毀損で逆に訴えを起こすと脅してきた。危険だと思った彼は日本からカルバードへ帰国。カルバードの美術界に斑目の盗作の件を訴えいた。カルバードの美術界は、彼の言った事をすぐに信用したわけではない。とある筋から斑目の盗作の疑いがあると情報を流れた。それからカルバード美術界や経済界も調査に入っている。その流れでCIDも調査に入りだしたというわけである。
明彦「日本の財界や美術界は、斑目から裏金もらっているヤツが多い。だから斑目を告発されるのは困るのだろうな」
アルフィン「…最低のクズばかりですね。理さんや明彦さんが命を掛けて戦ったのに…」
明彦「まあ、俺達の戦いはほとんどヤツが知らないわけだからな」
アルフィン「それでもです」
明彦「まあ、そう言ってくれるのは、嬉しいが……」
明彦の言葉が、一瞬止まる。視線はアルフィンの後ろ側にいる観光客の3人組を見ている。そしてその3人組は宿酒場から出ていく。
アルフィン「どうかしましたの?」
明彦「いや…アルフィン、後ろの…今出ていった3人組、お前さんはどう思う?」
明彦は小声でアルフィンに話してくる。
アルフィン「後ろの出ていかれた3人組ですか……」
アルフィンは、後ろの出ていった3人組の事を調べる。大賢者にスキャンするように命じる。
大賢者「解、ただの観光客ってわけでは無さそうですね。鞄の中に武器の様なものを隠し持っているようです」
アルフィン「やっぱり……そう来ますか」
明彦「どう思う?」
アルフィン「ただの観光客では無さそうですよね」
明彦「やはり、お前さんもそう思うか。実はな、斑目の件の他にテロリスト達の予告もあって、このクレイユ村に来たのだ」
アルフィン「テロリストによる予告ですか」
数日前、警察やCIDにテロリストによる犯行声明が出た。犯行声明を出した組織名は、反大統領を唱える政治結社【月影】であったため、密かにCIDは動き出していたのだ。
アルフィン「その政治結社も反移民を掲げているんですの?」
明彦「そうだな。過激の事を平気でやる連中だ。ただ他の政治結社と比べて、頻繁にやるわけではない。何か前後にある時なんだ」
アルフィン「何か前後にある時……。今回って何かあります?」
明彦「特別には何もないが……いやイーディスでは、革命の決起した月であるため、お祝いみたいなのはやってるが…クレイユ村付近では関係がないはず……」
アルフィン「カルバード革命、王政を倒した革命でしたわね。カルバードの方々にとってはとても大事な月でもあるんでしょうね」
明彦「かもな。世間話はここまでにして、あの3人を追ってみるぞ」
アルフィン「わかりましたわ」
アルフィンと明彦は、ソバ代のミラを払ってから酒宿場《リモージュ》から出たのだった。
アルフィンside
ーー1204・5・21・昼前・11:35・酒宿場《リモージュ》→クレイユ村内。
酒宿場《リモージュ》から出たアルフィンと明彦。すぐさまに3人の旅行者の追跡を開始する。
3人組は、クレイユ村の入り口付近までやって来て何か話している。気づかれないようにアルフィンと明彦は、観光客として化けて様子を見る。1人は好青年に見えるヤーマン。
ヤーマン「クレイユ村で待ち合わせで良いのか?」
タロス「ああ、ここで間違いない」
2人目は、真面目そうな青年のタロス。
カインズ「………だーな」
3人目は、チャラチャラしている男であるカインズ。そんな3人組で構成されている。
ヤーマン「カインズ、なんだその返事は?」
タロス「どうした、カインズ?」
カインズ「別にどうもないけど……」
うわのそらのカインズの視線を2人は追う。すると1人の女の子に行きつく。それはアルフィンである。
カインズ「か、彼女良いなぁ…」
ヤーマン「お前な、俺達はナンパしに来たんじゃないんだぞ!」
タロス「そうだぜ。ナンパなら暇なプライベートでやってくれ」
カインズ「2人共、そんなに詰め込んじゃ、潰れるよ。俺みたいに遊びも入れなきゃね」
ヤーマン「全くお前と言うやつは……」
カインズ「彼女、旅行者かな。ちょっと声を掛けたい気がしてきた…」
ヤーマン「バカ、任務中に旅行者等に接触してどうする?計画の失敗とか考えないのか?」
カインズ「別に成功するって」
カインズの目線は、アルフィンあるため、ほとんどヤーマンとタロスの言葉は聞こえてない。
ヤーマン「もうすぐ、俺達に依頼が入るはずだ。とにかく結社のために失敗は許されない。それだけは覚えておけ」
タロス「はい」
カインズ「はいはい」
カインズは返事をするとアルフィンの方を見てニヤニヤしていた。するとノルド方面からの冷たい風がクレイユ村を吹き抜けていく。カインズは、風でアルフィンのスカートが巻き上げられることを期待したが、そんなこともなく、ガッカリしていたのだった。
一方3人の様子を見ていたアルフィンと明彦は、距離を取りながら話していた。
アルフィン「3人のうちの1人がわたくしたちを見てますわ。気づかれたのでしょうか?」
明彦「いや、気づいてはいないだろう。まあそれでも警戒はした方がいいだろう」
アルフィン「ええ」
明彦「うん、あの3人、別の1人と話始めた。その1人は、クレイユ村の外から…イーディス方面からやってきた」
アルフィン「その最後の1人って、依頼者でしょうか?」
明彦「わからん。ここからでは聞こえないからな」
アルフィン「明彦さん、ちょっと待って下さいね」
アルフィンは、耳を研ぎ澄ませ3人+1の会話を聞くことにする。
ヤーマン「……22、火に包まれる…クレイユ村……西にある共和国軍基地……」
タロス「わかりました」
カインズ「へいへい…」
???「検討を祈る」
そう言って???はクレイユ村の外へ出てイーディス方面に帰っていく。
アルフィン「明彦さん、全てはわかりませんでしたが、22、火に包まれる…クレイユ村…西にある共和国軍基地……って…」
明彦「うーん、22、火に包まれるクレイユ村……?西にある共和国軍基地…」
22、火に包まれるクレイユ村、西にある共和国軍基地とは何を指しているのか、アルフィンと明彦にはわからなかった。
大賢者「告、マスター、ちょっと宜しいですか?」
アルフィン「大賢者、どうかしました?」
大賢者「解、先程の言葉、22日共和国軍基地の部隊によりクレイユ村が火に包まれる、なのでは?」
アルフィン「大賢者!ナイスですわ!」
大賢者「解、ただ真田様にどう伝えるかでしょうが」
アルフィン「そうですわね…」
アルフィンと大賢者とそんな話をしていて悩んでいると明彦が
明彦「あの3人が近づいて来るぞ」
アルフィン「ええ、わかってますわ」
ヤーマン、タロス、カインズは、アルフィンと明彦の前を通り過ぎていく。その中のカインズがアルフィンと明彦に一礼をやっていく。アルフィンと明彦も頭を下げる。そのまま、彼らはノルド高原の観光客の中に混ざってノルド方面の方に行ってしまう。
アルフィン「明彦さん、どうしますか?」
明彦「…深追いするのは、危険だが……ここは情報も欲しい。行くしかないか」
アルフィン「そうですわね」
明彦「ちょっと待ってくれ。仲間にも連絡をしておく」
アルフィン「ええ、わたくしは、あの3人を遠くから見張っていますね」
アルフィンは、第3の眼で3人を見張ることに。今のところは、おかしなことはしていない。別状なんな観光客と変わらない行動しかしていないのだから。
そのまま、時間だけが過ぎ去っていくことに。
ーー1204・5・21・18:30・クレイユ村
すでに日が暮れ始め、太陽も西のノルド方面の方にある。アルフィンと明彦は、ずっと3人組の動向を伺っていたのだ。彼らは、ノルド高原の遺跡郡、共和国軍の基地の見学などのツアーを楽しんでいるように見えた。
アルフィン「あの3人組、ツアーを楽しんでるようにしかみえませんね」
明彦「確かにな。CIDの方にも連絡は入れたが、イーディス方面も別状何にもないそうだ」
アルフィン「やはり、クレイユ村が標的なんでしょうか?」
明彦「お前さんが予測した22日、共和国軍基地から部隊が出てクレイユ村を火に包まれるというヤツだが、外れではないかもしれん」
アルフィン「やはり……」
明彦「ああ、先ほどのツアーの時に、共和国軍基地の連中にこっそり話を聞いた。そしたら共和国軍基地の内部の導力戦車や武装ヘリなどが数両数台無くなってるようだ。共和国軍も共和国政府もそのことは伏せている。見つけ次第、破壊か拿捕するように言われているが、お前さんはどう思う?」
アルフィン「そうですわね」
大賢者「告、マスターはどう思われてるのですか?」
アルフィン「わたくしはまあ、そうですわね…まず共和国軍基地の中に内通者がいる可能性を考えます。いるかいないかでは、全然目的達成も違いますし」
大賢者「解、なるほど。確かにそうでしょうね。外部からの侵入者だけだと、応戦され失敗する可能性が高い。ですが内部に内通者がいる場合は、手招きで作戦効率もあがりますね」
アルフィンは、そんなことを明彦に説明をする。明彦も同じような事を考えていた。
明彦「内通者の可能性も考えていた。だがまだ証拠も無いから、踏み込むわけにもいかないからな」
アルフィン「今日のところは、クレイユ村で様子を見るしかありませんよね?」
明彦「確かにそれしかないな、それよりお前さんは良いのか?帰らなくて?」
アルフィン「別に構いませんわ、わたくしの分身がちゃんとわたくしを努めてくれてますから」
明彦「なるほどな、俺達を助けに来た時みたいにか…」
アルフィン「そうですわ」
そんな感じでこの日は、アルフィンと明彦はクレイユ村に一泊する感じになってしまったのだった。