【凍結】帝国の緋き皇女の軌跡~七の絆と奇蹟~   作:龍造寺

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アルフィン編6話です。


6ー6ー5・21(23:45~)ークレイユ村攻防戦。

アルフィンside

 

ーー1204・5・21・夜・23:45・共和国軍基地に続く街道。

 

共和国軍基地の内部の方からサイレンが鳴り響いている。そしてその中から猟兵達が出てきている。猟兵団のリーダーらしき人物は、誰かに連絡をしている。

 

猟兵団リーダー「依頼の通りに共和国軍基地を制圧したぜ」

 

???「ご苦労、それで例の3人組は来たのかね?」

 

猟兵団リーダー「いえ、約束の時間になっても来ませんが?」

 

???「そうか、クレイユ村にCIDが出向いていたようだからな。もしかすると捕まったのかもしれんな」

 

猟兵団リーダー「良いのか?捕まったままで?」

 

???「構わんさ、どうせ知っていることはほとんど無いからな」

 

猟兵団リーダー「そうなのか」

 

???「奴等が捕まったと想定して、計画を早めなければならない。幸いにも奴等がクレイユ村に火を放ってくれたようだしな」

 

猟兵団リーダー「…火を付けたと……」

 

???「クレイユ村は、猟兵団同士の非干渉地帯、非戦闘地帯にしてるのはわかっている」

 

猟兵団リーダー「わかっている。大きな事を成し遂げるためには、小さい犠牲は払うものだと……」

 

???「そうだな。我々も我々の理想のためにやっているのだからな」

 

猟兵団リーダー「わかった」

 

猟兵団リーダーは、スマホの通話を切ると猟兵の団員達に話し出す。

 

猟兵団リーダー「次の作戦は、クレイユ村になる」

 

それを聞いた団員達は戸惑いを見せる。当たり前だろうクレイユ村は、猟兵団同士の不干渉地帯、非戦闘空域になっており、それは暗黙のルールである。リーダーはそれを破ろうとするのかと戸惑いなんかが見える。

 

猟兵団リーダー「今回の作戦、抜けることを許可しよう。場所が場所だけにな、クレイユ村に思い入れがある団員は抜けてくれても構わない」

 

リーダーからそう言われて団員達は、ざわざわが無くなり、リーダーのために作戦遂行のために決意するのであった。

 

猟兵団リーダー「ありがとう、みんな。さて…共和国軍基地の兵器郡でクレイユ村を襲撃を開始する」

 

猟兵団員達「ヤー!!!」

 

猟兵団員達は、声をあげて共和国軍基地にある兵器郡、軍用挺20、導力戦車40両、装甲車30両、補給車、3台を次々と動かして、クレイユ村を目指す。

 

こうしてクレイユ村の一番長い1日が始まるのである。

 

 

アルフィンside

 

ーー1204・5・22・夜・0:10・共和国軍基地の近く。

 

アルフィン「ええ、共和国軍の基地の兵器郡がクレイユ村に向けて進軍中ですか……。今目の前の街道をまさに進軍中ですわ。それも共和国軍兵士ではなく、猟兵団のようにも見えますわ」

 

明彦「なるほどな。おそらく内密に内通者が手引きして共和国軍基地を制圧したのだろう。もしくは共和国軍基地の兵士達そのものが、内通者なのかわからないがな」

 

アルフィン「このまま進軍させたらクレイユ村が大変なことになりますわ!!」

 

明彦「大統領に許可申請している。共和国軍を動かすようにってな」

 

アルフィン「許可が申請される前に、クレイユ村が……」

 

明彦「わかっている。だから俺やお前さんがいるだろう?こっちは、クレイユ村の人々の避難誘導は完了している」

 

アルフィン「避難誘導は完了されたんですね」

 

明彦「ああ、クレイユ村に関してだか。……ふっ、共和国軍基地から出撃してきた武装ヘリがクレイユ村にやってきている…。これから迎撃を開始する。お前さんも……」

 

明彦との通信が遮断される。

 

大賢者「告、おそらくは妨害導力波が出てる模様。真田様はクレイユ村にて、武装ヘリ部隊と戦っているようです」

 

アルフィン「大賢者、こちらも共和国軍の基地の陸上部隊が目の前に来てますわ」

 

アルフィン「そうみたいですね」

 

夜中にふさわしくない爆音をならしながら進軍してくる共和国軍基地の陸上部隊。どうやら陸上部隊を指揮している人間は共和国軍の兵士ではないようだ。そのリーダーと思われる人間は、導力戦車のハッチを開けたまま身体を出している。その人物はアルフィンに対して

 

猟兵団リーダー「なんなんだ、お前は?」

 

アルフィン「わたくしは、貴殿方にクレイユ村を焼かせないようにする者ですわ」

 

猟兵団リーダー「なるほど、例の3人組を確保撃破したのは、お前のようだな?」

 

アルフィン「ええ、そうですわね」

 

猟兵団リーダー「なるほど。どこの差し金かは知らないが、我々の目的を邪魔するというのなら、容赦はしない」

 

猟兵団のリーダーが手を上げる。

 

大賢者「告、マスター、陸上部隊からの攻撃が来ます!」

 

アルフィン「わかってるわ!」

 

猟兵団のリーダー「戦車部隊、奴を撃て!!」

 

猟兵団のリーダーの掛け声で、アルフィンに向けて導力戦車の弾丸を発射する。それだけではない、歩兵部隊がアルフィンに向けて、マシンガンや対導力戦車砲やロケット砲などを撃ち込む。普通の女の子にやるような行為ではない。

 

猟兵団のリーダー「やったか?」

 

猟兵1「これだけの攻撃で、何も残らないでしょう!」

 

猟兵2「これで生きていたら化け物ですよ」

 

猟兵3「普通に死んでるだろうよ…」

 

砂煙が無くなり攻撃をしたところが露になる。だがアルフィンが無傷でその場にいる。全然のダメージを与えたようにも見えない。猟兵団の中にも焦りの色もで始める。

 

アルフィン「わたくしのような普通の一般市民にそのような攻撃をなさるんですね」

 

アルフィンは砂煙で汚れた服をパタパタとして払う。彼女は髪の毛にも目がいき

 

アルフィン「折角、温泉にも入ったのに、髪の毛にも砂煙がくっついていますわね」

 

猟兵団のリーダー「何が一般市民だ。一般市民がこんな場所には来ないし、先程の攻撃で無傷でいるわけがない!再び攻撃開始!!」

 

再びアルフィンに対して戦車の砲撃、対導力戦車砲、マシンガン、ロケット砲を撃ち込んでくる。轟音が夜の空に鳴り響く。

 

猟兵3「今度こそ、やれたか?」

 

猟兵2「わからんさ、死体を確認しないと」

 

猟兵1「今度こそ、死んでくれよ!」

 

猟兵団のリーダー「今度こそ……」

 

砂煙が徐々に無くなっていき、アルフィンがいた場所は小さな穴が空いていた。アルフィンの姿はどこにもなかった。それを見た猟兵団の連中は騒ぎ出す。

 

猟兵団のリーダー「ふっ、やったな!」

 

猟兵1「跡形も無くなってしまいましたね!」

 

猟兵2「今度こそ、やったか!」

 

猟兵3「難敵でしたね、リーダー!」

 

猟兵団のリーダー「そうだな、何とか倒したな…」

 

アルフィンを倒したと騒ぎ出した猟兵団。だが

 

アルフィン「何をそんなに喜んでいらっしゃいますか?わたくしは全然無傷で大丈夫ですよ?」

 

アルフィンは小さな穴が空いた場所から、街道の両脇に立ち並ぶ樹木の幹の上にいた。ちょうど猟兵団の連中を見下ろす位置でもある。

 

猟兵3「な、なんで生きているんだ!」

 

猟兵2「マジで化け物なんでは?」

 

猟兵1「あわわ…どうするんだよ!」

 

猟兵団のリーダー「これでもくらえ!」

 

猟兵団のリーダーは、アルフィンに向けてロケット砲を放とうとするが

 

アルフィン「そう何回も撃たせるとでも思いですか?」

 

アルフィンは、高速移動で猟兵団のリーダーのロケット砲を蹴り飛ばし、踵落としを脳天に食らわした。踵落としを食らった猟兵団のリーダーは、そのまま白目を向き倒れてしまう。それを見た猟兵団の連中は向かってくる猟兵もいたが、逃げ去れる連中もいた。

 

アルフィン「あらら、簡単に逃がすわけないでしょう」

 

アルフィンは、左手を逃走する猟兵達に向けて気合い砲を放つ。

 

逃走中の猟兵達は、気合い砲をまともにくらいその場に崩れ落ちる。

 

猟兵3「くらいやがれ!」

 

猟兵3は、アルフィンに格闘戦を仕掛けてきた。

 

アルフィン「貴方はお逃げにならなくて?」

 

猟兵3「逃げないのか?ふざけた質問をしているのか?」

 

アルフィン「ふざけていませんわ!」

 

猟兵2「このアマ!ようやく捕まえたぜ!」

 

猟兵2は真後ろからアルフィンの身体を拘束する。

 

アルフィン「拘束されちゃいましたわ」

 

猟兵3「ナイスだ!これで攻撃が当たるぜ!」

 

猟兵2「さっさと当てろ!」

 

猟兵3は、アルフィンを猟兵2が拘束しているため身動きが取れないと思っているため余裕をもって攻撃をしてくる。

 

アルフィン「わたくしの動きをそれで封じてるおつもりですの?」

 

猟兵2の拘束は解け、そのまま猟兵3の攻撃を猟兵2は食らい、声を上げる。

 

猟兵3「…ちぃ!こしゃくな真似を!」

 

猟兵3は、短剣を抜きアルフィンへ向けてその短剣を振り下ろしてくる。

 

アルフィン「その短剣をそのまま振り下ろしてきてもわたくしには効きませんよ?」

 

猟兵3「ちょこまかと!」

 

猟兵3は、短剣を無茶苦茶に振り回すが、わざとやってるわけではない。それに気づいた彼女も

 

アルフィン「貴方、無茶苦茶に短剣を振っているのかとも思いましたが、わたくしの行動を読むために…」

 

アルフィンの服のところどころが破れており、それは猟兵3の仕業でもあった。

 

猟兵3「そうだな、この短剣は魔術が掛けられてるらしいからな!」

 

猟兵3は短剣をアルフィンに斬りかかる。アルフィンはすぐさま避けるが、スカートの一部が斬られる。

 

アルフィン「スカートが……!貴方、わたくしの大好きなスカートを……」

 

猟兵3「悪かったな、だが…死ぬんだからそんなこと気にしても仕方がないだろう!」

 

猟兵3は、アルフィンにめがけて、短剣の魔術を発動させる。短剣から目映い光が立ちアルフィンに向かって発射される。

 

猟兵3「死ねよ、小娘!」

 

発射された目映い光は、アルフィンの左手によって弾かれる。

 

アルフィン「わたくしはあのような光では、死にませんわ!」

 

猟兵3「な、ならば、これならどうだ?」

 

猟兵3は、短剣をアルフィンに向けて走り出した。それも通常の速さではなく、日本の魔法である加速魔法を使って。そしてアルフィンに対して高速斬りを浴びせる。

 

彼女の右腕に傷を入れることに成功する。彼女の右腕の傷から赤い血が滴り落ちている。

 

アルフィン「加速魔法に加速による高速斬りですか…。わたくし少々甘く見てましたわ……と言うか貴方ただの猟兵ではありませんね?」

 

猟兵3「確かにただの猟兵ではないが?お前こそ、ただの旅人ではあるまい?」

 

アルフィンと猟兵3は、ある程度距離を保ちながらお互いに様子を見ている。

 

猟兵3「まあ、この猟兵団(波の花)は終わりだろうが…。俺の本元は簡単には壊滅するところじゃないんでね」

 

アルフィン「本元…貴方の本当の所属元って…まさか!?」

 

猟兵3の一部の服が破れ、赤い星座の猟兵団のマークが現れる。

 

大賢者「告、あれは西ゼムリア最強の猟兵団の1つである赤い星座です」

 

アルフィン「わかってますわ」

 

猟兵3「波の花から赤い星座に依頼があって受託したものだが、こんなつまらんことだったとはな」

 

アルフィン「クレイユ村の襲撃のことですか?」

 

猟兵3「当たり前だ。クレイユ村を襲撃するよりか、強者の村や強者達と戦えるなら嬉しいがな」

 

アルフィンと猟兵3がそんなことをしゃべっていると、クレイユ村の方から閃光弾が上がって、花火のように見える。

 

猟兵3「ちっ、撤退命令か…。お前さん、悪いな」

 

アルフィン「クレイユ村での戦いも終わったんですか?」

 

猟兵3「ああ、無茶苦茶な波の花の作戦だったからな。向こうの波の花の団員が戦闘不能になったのだろう。俺達赤い星座がこれ以上付き合う必要もないのさ」

 

猟兵3が空に左手をかざした時、中型の飛行挺が突如現れ上から紐みたいなものが垂らされおり、猟兵3はそれを掴む。掴みながら

 

猟兵3「気絶している連中は、波の花の団員さ。調べるつもりなら調べるがいい」

 

アルフィン「どういうつもりなの?」

 

猟兵3「波の花の連中は、日本の暴力団とも繋がりを持っている。もちろんお前が知りたがっている情報を持っているはずだ」

 

アルフィン「何故そんな情報をわたくしに?」

 

猟兵3「別に大したことではねぇ。波の花の連中は前から気に入らなかっただけだ。それとお前には俺の名前を教えてやろう、セシール・ガルボ・ダークス、赤い星座の所属だ。生きていれば、どこかで会うこともあるだろう」

 

アルフィン「セシール・ガルボ・ダークス、貴方の名前は覚えましたわ」

 

セシールを抱えた中型挺は、そのままクレイユ村の北東方面に飛んで行った。

 

 

アルフィンside

 

ーー1204・5・22・夜・01:00・共和国軍基地内

 

セシールが中型挺で逃げ去った直後、クレイユ村の方から明彦や共和国軍の将官がやってきた。それだけではなく遊撃士もやってきた。

 

アルフィンは、明彦にここでの出来事を説明し、クレイユ村を襲撃しようとした猟兵団【波の花】の猟兵達を拘束していた。もちろん逃走した猟兵達もCIDによって確保されたのだった。

 

クレイユ村を襲撃した猟兵団【波の花】・3人組のヤーマン、タロス、カインズは、共和国軍基地の中の留置場に入れられている。もちろん取り調べをする目的のため。持ち出された共和国軍の導力戦車、装甲車、軍用挺、武装ヘリ補給車等などをクレイユ村の襲撃に使用するつもりだったようだ。

 

ヤーマンら3人組や猟兵団【波の花】のリーダーが依頼を受けた人物はわからずじまいである。

 

彼らを使ったとされる謎の人物は、イーディス方面に向かったとされる。これ以上は彼らから情報を得ることは難しいだろう。

 

アルフィンと明彦は、共和国軍基地の一室を借りてそこで仮眠をさせてもらうことに。

 

明彦「お前さん、こんな場所で本当に良いのか?」

 

アルフィン「別に構いませんわ」

 

明彦「そうか…まあ、これは良しとしてだ。クレイユ村の件、考えていたよりも闇が深そうだな」

 

アルフィン「帝国との軋轢、共和国内の反移民勢力などが…色々と駆け巡ってるようですね」

 

明彦「そうだな、どっちとも長年の問題であり課題である。

 

アルフィン「そうですわね」

 

明彦「で、お前さんは、どうするんだ?帝国に戻るのか?」

 

アルフィン「戻りませんわ。ちゃんと替え玉は用意してきたのですから、心配はございませんわ」

 

明彦「替え玉って…俺達の戦いの時からそんなことをしてたのか?」

 

アルフィン「もちろんですわ」

 

明彦「ははっ、全くたいした皇女様だよ…」

 

アルフィン「褒め言葉として受け取ってますね」

 

そして今日の予定を明彦が喋り出す。

 

明彦「今日の朝方には、CIDの本部へ戻らないといけない。報告もかねてな」

 

アルフィン「そうですの、わかりましたわ」

 

明彦「それで、お前さんはどうするんだ?斑目の件を調べるのか?」

 

アルフィン「当初の目的はそうでしたし。クレイユ村の件も気になりますが…」

 

明彦「クレイユ村の件は、CIDが直接介入する。警察も介入するだろうが…。共和国軍基地の件は、共和国軍との合同になるだろうが」

 

アルフィン「まあ、そうなりますよね」

 

明彦「斑目の件は、イーディスで調べた方が良いだろうな」

 

アルフィン「わかりましたわ。イーディスで調べたいと思います」

 

こうして、アルフィンと明彦は、それぞれの目的のために動き回る事を決意した。

 

 

明彦「ところでアルフィン、お前さんこの部屋で寝るのか?」

 

アルフィン「そうですわ。別にわたくしは明彦さんと同じ部屋で寝るのは嫌ではありませんわ」

 

明彦「嫌ではないって……。立場ってものが…!」

 

明彦がそう言ったが、アルフィンはすでに夢の中へ落ちていた。

 

だが明彦は、アルフィンの寝相で、あまり眠れなかったのは言うまでもない。

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