RE.個性【宮本武蔵】のヒーローアカデミア   作:きつねうどん食べたかった

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プロローグ

 それは昔々の出来事、どっかの国で光る赤ん坊が生まれたというニュースがあってからの事。

 それ以降各地で超常が発見されていき、時間の流れと共に超常は現実へと変わりかつてのフィクションは現実へと変わった素敵な世界。

 付け加えれば世界人口の約八割が何らかの特異体質となったあっちこっち何処を見ても超人だらけで、昔は想像の中にしか存在してなかったらしいヴィランがいて、ヒーローという職業が脚光を浴び国から収入や名声を貰えてしまうイカレタ世界での俺の物語だ。

 

『ちょっと一心、お姉さん達の事忘れないでよ!』 

『そうだよ、私達でしょ?』

 

 ……訂正、これはこの超常社会での俺と宮本武蔵達の物語だ。

 

 ――――――

 ――――

 ――

 

 

「うわぁ、今日も町の景色は混沌ですってか」

 

 中学三年生の三学期。

 具体的に言えば一月下旬の冬のこと。

 進路も決まり受験を控えた俺がいまいるのはいつも通る通学路、うるさい音が気になってそっちの方を見てみればそこには巨大な人型の化物がおり、鉄を纏って武装しながら町を破壊していた。

 

「それにしてもすっげーでっけー(ヴィラン)

 

 感心するように呟いてみれば。こっちに逃げてくる人や消防車に救急車が慌ただしく出動していて、見るからにただ事じゃない事が分かる。今のご時世では見慣れた光景だが、やはり目の当たりにすると驚いてしまうものがあるな。 

 

『どうするの一心、倒しちゃう?』

「いや武蔵さんよ、個性使っちゃダメでしょ」

 

 驚きながらも野次馬根性で事の顛末を見守ろうとしてみれば、体の中から女性の声が聞こえてきた。

 この人類の八割が個性という力をもったこの社会で、攻撃的な個性を使うにはヒーローになるしかなく、あんなでっかい化物を倒すのに個性は必須――ので、こういう時ヒーローが来るのを待つのが吉なのだ。

 

『でも木刀持ってるでしょ? それにただの技なら個性じゃないし行けるんじゃない?』

「いやいや灰都さんや、それこそ個性使ったって疑われて面倒くさいですよ。というか、二人ともなんで学生である俺を敵と戦わせようとするんですか?」

 

 いままで落ち着いていたのになんでこの二人は今日に限ってこんなに好戦的なのだ。

 確かにもうすぐ高校の入試があるが、そこにいけば戦えるんだから落ち着いてくれても――――いや待ってくれ、あの敵の進行方向的にもうすぐ俺の気に入っているうどん屋があるよな。

 放置すればわんちゃん壊され――よし、ぶっ飛ばそう。

 

 なんか言われても個性使ってないですっていってめっちゃ否定して乗り切れば行けるし、俺の個性のメインって中の二人だからバレる可能性はゼロに近い。何より、もう一つの能力は動体視力の強化なので攻撃的な個性には該当しない。つまり行ける。

 いちおうバレないように親から貰った天狗の面でも付けて準備は完了。

 

 背中に背負った木刀。それを二本抜いて構え、足に力を込めて疾走。

 獲物までの距離を直感で測り、そこから必要な力を自分の体の中から引き出して――。

 

「俺に近づくんじゃネェ!」

「うっせーな! そっちこそ暴れてるんじゃねぇよ! うどん屋が壊れるだろうが! 【一刀延鉄(いっとうのべかね)】」

 

 放つのは何年かかけて習得した間合いを無視した殺気の攻撃。

 密度の濃い殺気を相手にぶつけてノーシーボ効果を強制的に引き起こして、死に追い込む技だが、流石に全力でそれを使ってしまえば相手が死んでしまうので、そこは手加減して相手にぶつける。

 

「やっぱり殺すのは不味いからな」 

 

 莫大な殺気に晒された相手は当たり前だが怯んでしまい、俺に対して隙を晒し――その間に俺は木刀に力を込めて相手の脳天をぶっ叩いた。

 衝撃を与える目的で技を放ったおかげか、鉄に包まれた相手にも攻撃が通り相手は頭を地面に晒しその場に倒れ――それと同時に遠くから枝が伸びてきてヒーローがやってきた事を知る。

 

「あっまず……速く逃げなきゃ捕まる」

 

 やってきているだろうヒーローは、今現在人気急上昇中のシンリンカムイ。

 拘束が得意なヒーローに補足されてしまえば逃げられる可能性が一気に減ってしまうし、今すぐ逃げなきゃやばい。

 

『さぁ一心、うどん食べに行くわよ!』

『というか、今日試験じゃなかったっけ?』

「…………やっば」

 

 灰都さんに言われて思い出したが今日は学校の試験があり、それは高校受験に響く物なのでサボれないし遅れられない。

 

「個性使うか、頼む灰都さん」

『そんな事で使われるのはなんかヤだな』

「本当に使わせてくださいマジでやばいんで」

『……いいよ、その代わり今度の修行はキツくするからね』

「…………了解です」

 

 許可を取り個性を使う事を認められた俺は瞬時にナイフを取り出し首を掻き切って個性を使い、身体能力を強化して目標である学校へと向かうことにした。

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