――――
――
――FANTASY
タヌキの仮面がどこか怒りを示すように鋭く輝く。
――READY FIGHT!
タイクーンの周囲に幻想の力が展開される。足元にはそれを示す方陣が広がっている。
「――ッ!」
果敢に飛び掛かるタイクーン。しかしバッファにはなったジャブは青いエネルギーに阻まれて届かない。
変身前は通った攻撃が失敗に終わり、彼は困惑する。
「……っ無駄よ」
「――ッッ!?」
バーサークローが軽く振るわれタイクーンを吹き飛ばす。まるで羽虫でも払うような動きだったが、それだけで大ダメージを負ってしまう。
(なんだこの威力!? どっちのバックルも既存の物のはずなのに……!)
タイクーンはバッファのドライバーに装填されたバックルを確認する。
フィーバースロットバックルとゾンビバックル。どちらも普通のバックルのはずであり、凄まじい攻撃力を発揮するとは思えなかった。
「……てことは攻撃力のタネはあの角とマント? でも変身前の攻撃は通ってたから無敵ってわけでもなさそうだ。つまり攻撃を通す方法はある……でも一発でも喰らったら戦えないと見ないといけないな」ブツブツブツ
タイクーンは体勢を立て直しつつバッファの力を分析する。
つぶやきに応じて足元の方陣が変化していく。
「……よそ見してる場合?」
「ッ!」
悠長な考察を許すほどバッファは甘い相手ではない。ゆっくりと歩み寄りゾンビブレーカーを振り上げる。
「動きは早くないな……ブーストみたいに加速できるなら対応できない速度を出せばワンサイドゲームにできる。いや、あえて隠してる? その可能性も捨てちゃだめだな」ブツブツブツ
タイクーンは考察を進めつつバッファの攻撃を躱す。
「っちょこまかと――!」
バッファのフィーバーゾンビは“対仮面ライダー”に対しては無類の攻撃力と防御力を誇る。攻撃を一度でも当てればそれは必殺となり、あらゆる攻撃を防ぎきる。仮面ライダー相手ならば攻防一体の最強フォー
ムともいえる。
だがそれは基本性能の話ではない。攻撃力は仮面の角――ゴッズホーンで、防御力は背中のマント――ゴッズウォールで高めているに過ぎない。
つまり機動力は何の
故に素早く逃げ回るタイクーン相手に攻撃を当てようにも、機動力が低いため叶わないのである。
「このままじゃ千日手だ。何かこちらからダメージを通す手段を見つけないと……」
タイクーンの思考と呼応するように拳から鞭のようなものが出現する。
それを振るい、バッファのゾンビブレーカーに巻き付ける。
「ッ」
バッファの防御のタネは攻撃を圧縮して受け流すことにある。
つまり圧縮できない攻撃――例えば今のタイクーンの様に鞭を巻き付けるような攻撃には無力なのである。
鞭を引くことで武装解除させ、続けざまにバッファの胴へと巻き付ける。
「これなら――」
タイクーンはハンマー投げの様に鞭を引いて勢いをつけ、バッファを振り回す。
スイングは次第に強くなっていき、遠心力のままにバッファを地面へと叩きつける。
「~~~~ッッ!」
脳天から地面に叩きつけられたバッファは痛そうに頭を押さえている。
「やっぱり……その防御力は“ライダー”限定だ。無敵ってことは無い……っ!」
「だったら、なんなのよ……ッ!」
バッファのゴッズホーンが輝き、マスクの複眼が妖しく光る。
バーサークローにエネルギーが充填されライダーへ向けた攻撃力が無限大に増幅する。
「攻撃通せたくらいで調子に乗らないで……あんたなんか、一発で」
それを掲げたまま突進してくるバッファ。
だがその歩みは遅く、目をつぶっても攻撃を躱せそうだった。
「当たるわけないだろっ! そんな攻撃っ!」
タイクーンは跳躍してそれを躱す。すれ違いざまにバッファの頭を踏みつけるもそれは青いエネルギーに阻まれる。
着地したタイクーンは攻撃に使えそうなものがないかを探して素早く左右を見回す。そんな彼の複眼にスーツの男が目に入る。
「――そこまでだ」
スーツの男――ジットは呆れたようにため息をつきながら歩いてくる。
「がっかりだ、バッファ……お前の覚悟はそんなものか?」
「ッ……あとちょっとで勝てたわよ……ッ!」
バッファはジットの登場に拳を握り締めている。
強がりなのは誰が見ても明らかだった。
「どうだか……運が良かったなタイクーン、ナーゴ。お前らは“最後のデザグラ”に招待された」
ジットは懐から二枚のカードを取り出す。裏面にはDとRをかたどったロゴマークが描かれてる。
「最後の、デザグラだって……?」
「その通り、その名も――」
――デザイアロワイヤル
ジットが語るのは世界を救おうなどとはこれっぽっちも考えてないデスゲーム。
ライダー同士で争い、最後まで生き残った一人のみ理想の世界を叶えることができるバトルロワイヤル。
「そんな……デザグラは、ジャマトから世界を守るゲームじゃなかったのかよ……ッ!」
「……ああ、そういえばそんな設定もあったなぁ」
憤るタイクーンを嘲笑するジット。
もはやライダー相手に情報の秘匿をしようとする気はないのだろう。
「生憎俺は“世界平和”も、“オーディエンスの
「っ……!」
「そもそもジャマトから世界を守るというのがナンセンスだ――お前は思わなかったのか?
タイクーン――緑谷は仮面の下で目を見開いた。
確かに言われてみればその通り。世界を守るというお題目があるのならばゲーム形式である必要はない。
デザイアドライバーを訓練された者へ渡し、バックルも大型バックルのみに絞りブーストと併用して使用させる。
最強のライダー軍団は瞬く間にジャマトを殲滅し世界を救ってくれることだろう。
「我々デザイアグランプリは、数多の世界、数多の時代を舞台にリアリティあふれる
ジットはタイクーンを追い詰めるように両手を広げる。
それはさながら舞台役者のようであった。
「それを遥か未来、お前ら古代人にとって遥か未来の世界の
衝撃の事実に膝をつくタイクーンへ向け、ジットはデザイアロワイヤルの招待状を放る。
「せいぜい最後まで楽しませてくれ。お前たちの醜い争いをな」
ジットが姿を消すと、バッファは静かに変身を解除する。
「……バカみたいよね。世界を守るんだ、って必死に戦ってきた結末がこれよ」
牛込の目に光は宿っていなかった。
全てを諦めたかのような、虚ろな目だった。
「所詮、あたし達は奴らの手のひらの上で踊らされていただけなのよ……だったらあたしは……ッ奴らのせいで消えてった人を生き返らせたい」
彼女は呆然と膝をついているタイクーンと倒れたままの葉隠を一瞥する。
「……だから、邪魔はしないで」
ふらつくように立ち去る彼女の背を、タイクーン――緑谷は呆然と眺めることしかできなかった。
――――
――
「――すべてのライダーと戦うデザイアロワイヤル。最後まで生き残ったライダーが理想の世界を叶える、か」
神殿の
物間は吐き捨てるように招待状をテーブルへ放り投げる。
「ご法度だったプレイヤー同士の戦いを最後に解禁して、鬱憤の溜まっている
エースもまたため息をつく。
もはや建前すら見せない運営に呆れてしまっているのだ。
「……僕は戦いたくない。世界を守るための力を内輪もめのために使うのはバカげてる」
そうつぶやくのは緑谷だ。デザグラの真実を知って混乱していた感情は、エースたちに説明することである程度整理がついていた。
「私も、嫌だよ……どうして私たちが争わなきゃならないの?」
葉隠もまた戦いに否定的だった。バッファにやられた傷は手当されており、透明な体を包帯で浮かび上がらせていた。
「だったら君達二人を斃せば理想の世界まで王手だねぇ?」
「「ッ!?」」
「……冗談だよ」
冗談めかした調子だった物間は緑谷と葉隠に睨まれ肩をすくめる。
「とはいえ、君たちが戦いたくなくてもやる気満々な牛さんがいるんだ。一筋縄ではいかないさ」
唯一、デザロワに招待されながらこの場にいないライダー――バッファ。
彼女だけは理想の世界を叶えるため全力で立ちはだかってくることだろう。
「変身状態の攻撃が一切通らないんだろ? 嫌になっちゃうなぁ……そんな能力」
「うん……多分僕の
緑谷はブジンソードバックルを掲げてみせる。
それは伴野の奇行によって奇跡的に生み出されたものだ。ジャマトバックルと緑谷の
「ライダーの攻撃を無効化して、一発が即死級の攻撃を繰り出す。こんなチートじみた性質の装備なんてあの運営が用意するはずがないよ」
ライダー同士の争いを観戦したい
バッファが本気を出せばただのワンサイドゲーム――正にバッファ無双を繰り広げるだけとなる。
「僕らが戦いに否定的になるのは
「……そうかも、だけど……何か、見落としてるような……」
物間の指摘ももっともだったが、緑谷は別の可能性に考えを巡らせる。
脳裏に浮かぶのはジャマトとして暴走していた時の記憶。
おぼろげながら、バッファと戦っていた時の記憶が蘇る。
――『ッその子は関係ないでしょ……! やるならあたしをやれよっ!』
あの時、緑谷――タイクーンの意識はなく命ぜられるがままに戦っていた。
ブジンソードの圧倒的なスペックでバッファを蹂躙し――
――『緑谷さん、あなたはそんな人じゃ無いハズです……ッ!』
とどめを刺そうとしたとき、ツムリとよく似た少女――浮世
――『何……これ?』
――理想の世界が叶う瞬間と同じ、鐘の音が鳴り響いた。
「ッ思い出した!」
緑谷はバッファが力を手にした瞬間を思い出し立ち上がる。
「そうだ、バッファの力は運営の差し金なんかじゃないんだ。あの時奇跡的に起きたことがきっかけで……でも何がきっかけだ? あの場にいた人の中でそれらしい個性を持っている人はいなかったし……可能性があるとすれば
「お、おーい」
自分の世界で考察を始めた緑谷。そんな彼を引き戻そうと葉隠は顔の間で手を振る。
「ッご、ごめん! でも一つ分かったことがある。もしかしたら……運営を出し抜けるかもしれない」
我に返った緑谷はバッファに力を与えた少女――浮世
無個性であるはずの少女。だが確かに奇跡を起こしバッファに力を与えたこと。
「――僕も確証はないし、利用するみたいで気分はよくないけど……僕たちが運営を上回ることができるとしたら
「でも本人は無個性だって言ってたんだよね? 本当に
葉隠は緑谷の考えに反対のようだった。
「もしミドリヤの言葉が本当だとして、バッファに対して力を使ったなら運営に目をつけられてしまったかもしれないね」
「彼女が本当に力があるかどうか、僕の個性を使えば簡単に確かめられるさ」
物間の個性は
「決まりだね。私たちのやるべきことは大きく分けて二つ――」
一つ、ジャマトから人々を守ること。
エースたちの遭遇した“人に寄生する”ジャマトは運営も想定していなかったジャマトだが、彼らは対処する気配すら見せていない。ならばライダーたちが自主的に戦って人々を守るしかない。
二つ、浮世
緑谷の記憶が正しく、彼の推測通りなら彼女は他人に力を与える能力を持っている。その力を使いバッファに対抗できる力を与えてもらう――無敵のバッファから自衛でき、かつ干渉してくるであろう運営側の戦力に対抗できる力を手にする。
「待ってよエースさん。もう一つ、やらなきゃいけないことが残ってると思う」
エースの挙げた“やるべきこと”に異を唱えたのは緑谷だ。
「僕はバッファも――牛込さんも、助けたい」
緑谷の挙げた3つ目――それはバッファ、牛込を助けること。
「さっきは僕も頭に血が上って戦ったけど……牛込さんも僕たちと同じ、皆を助けようと思っているはずなんだ」
――“デザイアグランプリで退場したすべての人がよみがえった世界”
それは牛込が再エントリーしてから掲げていた理想。かつてデザグラで退場してしまった幼馴染も、自分を助けるために退場してしまった名もなきヒーローも、他の人たちも全て救いたい。
奇しくも緑谷と同じ理想を掲げていたはずだった。
「だとしても、バッファはデザグラの真相を知った上で運営側についたんだろ? 僕たちと戦って、自分の
「そうだけど……っそうなんだけど……っ!」
物間の指摘はもっともだった。
牛込は自分の理想を叶えるために運営の言いなりに――ライダー同士で争うことを良しとするゲームへ積極的に参加する道を選んだ。
たとえ理想が叶わなくなるのだとしても、悪辣なゲームには参加しない。その意思表示をせず戦う道を選んだのである。
「僕と戦ったバッファは……牛込さんは、迷っているように見えた。圧倒的なアドバンテージがあるのに、僕を仕留めきれなかった。あと、言葉にするのは難しいんだけど……牛込さんは、どこか
その言葉に、葉隠は目を見開く。
かつて緑谷が無個性だったころ――デザグラに巻き込まれ始めて出会ったときと同じ言葉を発し、葉隠は彼の意図を悟る。
理屈では説明できない、助けを求めている人の想いを受け止め手を差し伸べる。
「……助けよう! 牛込さんだけ仲間外れなんて、私は嫌だよ」
「だってさ、パンクジャック。私も彼らの意見に賛成だよ――救いを求める人がいるなら、手を差し伸べる。それが
3対1、自分が圧倒的に少数派となってしまった物間は呆れたようにため息をつく。
「……まったく、これだからヒーロー志望は」
物間もまた渋々と言った風に同意するのだった。
――――
――
「……あたしはやれる……あたしは、理想を叶えて……」
亡霊のような足取りで自分の家へと帰りついた彼女は自分に言い聞かせるようにつぶやき続ける。
――『お前がすべきことは他のライダー全員を戦闘不能にすること。退場させても、脱落させるのでも構わん』
ジットから持ち掛けられた取引は非常にシンプルであった。
自分以外のライダーを戦闘不能――恐らく退場させるのが一番簡単だろう――にすること。
――『我々は撤収の準備で忙しい。そして撤収するとわかれば反抗する奴らが毎回いてね』
つまりは後片付けの手伝いをしろ、ということだった。
あわよくばその様子を
「あたしは……っ!?」
そんな彼女の眼前に虚ろな目の緑谷が姿を現す。ジャマトに侵食され体中がツタのようなもので覆われている。
彼の瞳は牛込を非難するかのように冷ややかだった。
「ッ」
しかしその姿はすぐに消えてしまう。
「ッ……そうよ、あいつは……ギーツが……!」
ギーツ――エースはいとも簡単に緑谷を救い出して見せた。牛込が苦悩の末“理想の世界を叶えてもらう”という手段で救おうと決意した矢先のことだった。
自分の決意をあざ笑われているかのような、凡人の決意などあざ笑うかのような活躍に、牛込の心は折れる寸前まで追いつめられていた。
「……いやっ……戦いたくない……っ!」
思わず本音が漏れ出てしまっていた。
ちゃぶ台の上に置いたドライバを手に取ると、叩き壊そうと腕を振り上げ――
「っ……でも、あたしには、これしか……っ!」
寸前のところで思いとどまり、そっとドライバーを置きなおす。
結局のところ、彼女が理想を叶えるためには、デザグラに頼るしかないのである。
「……これしか、ないのよ……っ!」
ぽたり、と畳に雫が落ちる。
気が付けば、牛込の瞳からは涙が零れ落ちていた。
――――
――
今後の方針を決定したライダー達――エース、緑谷、葉隠、物間は各々の目的のために動いていた。
ジャマトから人々を守るために戦う葉隠、物間。
そして――
「――お前が仮面ライダータイクーン、緑谷 出久だな」
牛込を説得し、共に運営に抗う仲間にするため彼女の下へ向かう緑谷。そんな彼の前にスーツを着崩したガラの悪い男――ケケラが姿を現す。
「その名を知ってるってことは……あなたもデザグラの関係者ですか?」
「ああそうさ。俺はケケラ、バッファのサポーターだ」
ケケラは慇懃無礼にお辞儀するとスーツの懐からライズカートリッジを取り出す。
「僕に何の用ですか?」
「お前、バッファを説得して仲間に引き入れようとしてるんだってな」
「ッ!」
仲間内の会話が知られていることに驚き緑谷は思わず口元を手で押さえた。
「内緒話がしたいなら場所を考えるんだな。神殿内はサポーターに筒抜けだぜ?」
ケケラはわざとらしく耳元に手を当ててみせる。神殿内の様子はサポーターへ向けたカメラを通じてすべて筒抜けなのである。
ゲームで戦う様子だけではなく、彼らの些細なやり取りすら見世物とする、それがデザグラのやり方だった。
「全く……折角あいつが自分の
――PREMIUM KEKERA
ケケラはレイズライザーにカートリッジをセット、プレミアムケケラへと変身する。
「……サポーターなら」
「あん?」
「サポーターなら、なんで寄り添ってあげないんだよ」
緑谷は静かにブジンソードバックルを取り出す。
その手は恐怖で震えることは無く、しっかりとバックルを握り締めることができていた。
「牛込さんは、苦しんでいるのに……なんでお前は寄り添ってあげていないんだッ!」
――SET AVENGE ...
緑谷はバックルを装填すると、決意を固めるように拳を握り締める。
絶対に牛込を救うのだと、その決意を込めて拳を固める。
「変身……!」
――BLACK GENERAL
緑谷の姿がタイクーンのエントリーフォームへと変化する。
その体は死を想起させる黒い靄には覆われていなかった。装甲が装着され、その仮面がバイザーで覆われる。
――BUJIN-SWORD
暗く閉ざされていたその瞳が赤く光り輝く。
輝きはバイザーを赤くまばゆく輝かせた。
「僕はお前を斃す。そして牛込さんを助けてみせるッッ!」
「それが余計だってんだよ……!」
――READY ... FIGHT... !
――――
「――うぅ……ジャァ」
街中では人々が寄生ジャマトに寄生されその姿を異形に変えてしまっていた。
「っ次から次へと……っ!」
「対処療法はもう限界みたいだね……寄生ジャマトの出どこを叩かなきゃ解決しなさそうだ」
――SET
葉隠と物間はそれぞれバックルを装填。
「「変身!」」
――FANTASY
――BEAT
ナーゴとパンクジャックへ変身すると寄生ジャマトへと立ち向かっていく。
「――あんたらは、ぶっ潰す」
――Hit! FEVER ZOMBIE!!
だがジャマトに注力させまいと戦いを挑む者が一人。
バッファはゴッズホーンを輝かせながらナーゴとパンクジャックへと迫っていく。
「っ待って! 私たちは戦うつもりないのッ!」
「そっちに無くても――あたしにはあるのよ……っ!」
――READY FIGHT!
――――
「――浮世
下校途中、彼女の前に現れたのはジット。
不審者丸出しな仕草だったが、にじみ出る凶暴な気配のせいか
「誰、ですか……?」
「ふむ……見れば見るほどツムリと似ているな。そんなお前が“創世の力”を宿しているのも何かの因果か」
――ZILLION DRIVER ... !
ジットはシニカルな笑みを浮かべつつ懐から白金のドライバー――ジリオンドライバーを取り出して装着する。
「さあ我々と共に来てもらうぞ……?」
捕食者のような暴力的な笑みを浮かべたジットは
「――女の子のエスコートの仕方もしらないのかい?」
指の弾く音。
刹那、ジットは飛び退き狐火の爆発を逃れる。
「それとも強引に迫るのが未来人のトレンドなのかい?」
ゆっくりと姿を現すのはギーツ。既に変身しておりギーツバスターを油断なく構えている。
「あなたは……?」
突如現れた見知らぬヒーローに困惑する
ギーツはそんな彼女を一瞥すると仮面の下で微笑む。
「ギーツ、君を助けるヒーローの名さ」
「……邪魔をするなギーツ」
ジットはギーツの妨害に苛立ちつつも、戦いの機会が生まれたことに歓喜していた。
「君達が手を出すということは、どうやら彼女の力は本物のようだね」
「お前らも“創世の力”が目当てか?」
――REGAD ACCESS
ジットは待ちきれないと言わんばかりにドライバーのスティグマメトリクサーへ指を押し当て認証を行う。
「そうだと言ったら、その言葉を君は信じるのかい?」
「……フン。変身……ッ!」
――GENERATE
彼はギーツとの問答を嫌うかのように腰のカードシリウスカードを取り出しリーダーへ読み込ませた。
――ENFORCEMENT OF VIOLENCE:REGAD
オーディエンス用カメラ――オーディエンスアイがジットへ集約され装甲を展開する。
黒と金を基調とした装甲はその力を誇示するかのように輝き、全身にくまなく配置された瞳はくまなく周囲を見回している。
グレアやゲイザーと同じ造形の仮面は赤と黒を基調とし禍々しく輝いている。
「御託はいい……今は――
変身してもなお、ジットの凶暴性は仮面の奥からにじみ出ていた。
ギーツ、終わってしまいましたね。私は絶賛ギーツロス中です。本作がロスの軽減になれたら幸いです。
ifルートその2も終盤に突入です。最終回を受けてプロットを変えようか悩み中なので更新は遅くなるかもです。