何もしてないのにヒロインが壊れた!   作:未練

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何もしてないのにジンが壊れた!

こんな事になるならもっと早く私の思いを伝えておけば良かった。

 

「ミレンさん大好き!」

 

「う、うん。ありがとう」

 

私の目の前でバーバラとミレンが腕を組んで前を歩いている。

あぁ、なんでこんな事になったんだろうか。

 

「ジンさんどうしたの?顔色が悪いよ?」

 

後ろを振り向いたバーバラは笑顔だった。

私の目を見て話しかけてくれた。

とても嬉しい事のはずなのに笑えない。

 

感じた事のない痛みが心を蝕んでいく。

嫌だ。

やめて。

取らないで。

 

 

私のミレンを取らないで。

 

 

 

モンドを守る。

 

物心がついたときには既に私はモンドを守る西風騎士になる為の訓練をしていた。

それは私にとって当然のことで、空は青いように当たり前の事だと思っていた。

 

それが他の人とは違うと気づいたのは『森の風・ベストコレクション』から顔を上げ、自分と同じくらいの年の子が楽しく遊んでいる姿を見た時だった。

 

私は異常なのかもしれない。

自分を保つ為に言い聞かせる。

 

「これは正しいことだ。どんなにつらくても、正しいことは全力で行うべきだ」

 

「1人でぶつぶつ何言ってるんだ?」

 

これがミレンとの出会いだった。

ミレンが私を見かけた時はいつも話しかけてくれた。

 

「俺と遊んでくれよ〜、友達がいなくて寂しいんだよ〜。困ってる人を助けるのが騎士なんだろ?」

 

「......それならしょうがないな」

 

今思えばこれは人を助けるという理由がないと動けない私を遊びに誘う為の方便だったのかもしれない。

 

「ジン殿、うちの息子は剣の天才だ!是非とも一度、手合わせを願えないだろうか!」

 

「父さんやめてくれよ、ジンは友達なんだ」

 

西風騎士のミレンの父親がそんな事を言ってきた。

 

「分かりました、ミレン本気で来い」

 

ミレンからやりたくもない剣術を教えられていると愚痴られた事を思い出した。

 

ミレンは体力もないし足も遅いし力もない。剣を振っている所は見た事がなかったが相手にならないと思っていた。

 

親の贔屓目もあるんだろう。

親の前で恥をかかせたくなかったので負けはしないが良い勝負をしている感を出してあげようと思っていた。

 

ミレンの事を舐めていた分だけ、私の木刀が逸らされた時、驚愕も体勢の崩れも大きくなった。

 

回避できない、防御姿勢を取る。

1番防御しにくい場所から木剣が私の首に飛んできた、軽いが鋭い剣だった。

何とか防いだが、完全に体勢が崩れ尻もちをついてしまった。

 

「あ、ごめん。やりすぎた、大丈夫か?」

 

私に手が差し伸べられる。

 

ミレンは私が守るべき弱者ではなかった。

 

 

 

 

「ミレン!勝負だ!」

 

ミレンを探しては剣の勝負を挑む。

これは立派な西風騎士になる為に必要なことだと自分に言い聞かせた。

 

「そんな事より、あっちでみんなと鬼ごっこしようぜ」

 

正直みんなで遊ぶよりミレンと剣の勝負をしたい。

 

「ミレン!勝負だ!」

 

ミレンは天才的な剣の技術に身体能力が追いついていなかったがそれでも十分な程、強かった。

 

「嫌だよ!俺に勝つまでやめないじゃん!身体が持たないよ!」

 

やらなければならない事であって楽しいと思った事はなかった訓練がミレンとなら楽しくやっていけた。

 

「ミレンなんだその格好は?まぁいい勝負だ」

 

「ミレン?誰ですか?私は断罪の皇女の眷属のオズヴァルト・ラフナヴィネスですが......カァ!カァ!カァ!......それでは!」

 

たまに頭がおかしくなるがそれも含めて大好きだ。

 

このまま一緒に西風騎士になって2人でモンドを守っていくんだと思っていた。

 

「だから騎士になるつもりはないって」

 

「まだそんなことを...お前は騎士に向いてる、一緒にモンドを守ろう」

 

いつかは分かってくるはずだ。

何の根拠もないのに両思いだと思っていた。

だから立派にグンヒルド家の使命を果たせたらその時は...私の気持ちを伝えようと思っていた。

 

 

そんな事を考えてた私が馬鹿だった。

モンドのベンチに座って後悔する。

気持ちは伝えないと伝わらない。

私の方が先に好きだったからバーバラと別れてなんて絶対に言えない。

 

なんで私以外の女がミレンの事を好きになる可能性を考えなかったんだ。

 

どうすれば、どうすればいい。

告白するチャンスなんていくらでもあったのに!

 

後悔する私に誰かが話しかけてきた。

 

「ジンさん、私のペットのミニが居なくなっちゃって...」

 

こいつは自分で何とかするって事を知らないのか!

 

「それぐらい自分で探せ」

 

そうだ、自分で何とかするんだ。考えろ、まだだ。まだ終わってない。

 

「ジ、ジンさん?」

 

私のミレンを取り戻す為ならなんだってやってやる。

 

 

 

 

「ジンが俺の部屋に入るのっていつぶりだろ。それで話ってなんだ?」

 

「あぁ、バーバラについてだ」

 

バーバラの事を口実にミレンに会いに行く。

 

「......俺の隠された魅力をバーバラが見つけてしまったって事だ」

 

バーバラには悪いがこれだけは譲れない。

 

「まぁ、取り敢えず酒でも飲んで話そうじゃないか?.....少し暑いな」

 

服を少しはだけさせる。

 

「.......え、なんか優しいな。お前ほんとにジンか?」

 

失礼な奴だ。

胸元がよくミレンに見えるように前屈みになる。

...だめだ、私の顔しか見てない。

こいつには下心というものがないのか。

やはり、あの方法しかないか。

 

ミレンと話をしながらコップが空になった瞬間すぐに新しい酒を注ぐ。

 

「ち、ちょっとジン。もう飲めないって」

 

「私が酌をしたものが飲めないのか?」

 

何度も何度も酒を飲ませて、ようやく酔い潰れてくれた。

 

「エウルア...バーバラは違うんだ...頼むからその剣をしまってくれ...」

 

意味の分からない寝言を言っているミレンをベッドに寝かす。

そして私は服を脱ぐ。

私が脱いだ服をミレンの右手に握らせる。

そして私もベットに横になる、少し狭いな。

 

後は朝を待つだけだ。

 

「あー、頭痛えぇ。ん?.....なんだこれ」

 

ミレンが起きたのは昼過ぎだった。

 

「ようやく起きたか」

 

「え?.....え.....え!?」

 

「おまっ、なんで裸!は?...夢?...あぁ!夢か!...ゆ...め...?」

 

ミレンが頬をバシバシ叩いている。

 

「まさか昨日の夜の事を覚えてないのか?」

 

ここからが本番だ。

嘘がバレないように必死に表情を作る。

ミレンが右手に握らせた私の服を見る。

 

「夜?確か...ジンと酒を飲んで...それから......それから......お互い合意の元で?」

 

酒を飲んで記憶がなくなっていると思っている今のうちに違和感に気づかれる前に畳み掛ける。

 

「嫌がる私を無理矢理にだ」

 

「すみませんでした!」

 

なんて素早い土下座だ。

 

「いや、いいんだ。責任さえ取ってくれればいい」

 

ミレンの為にできることならなんだってやる。

私にはお前しかいないんだ。

だから。

 

「......せ....き...に..ん」

 

「私と結婚して貰うぞ」

 

ミレンの目が死んだ魚のような目になった。

 

 




ここまで見てくれてありがとうございます!
作者です!
モンド限定ですがどのキャラを話に出して欲しいかアンケートに答えてくれると嬉しいです。
1番投票数が多いキャラを絶対に出すという訳ではないですが今後の参考にしたいと思います。

どのキャラを話に出して欲しい?

  • ジン
  • バーバラ
  • エウルア
  • アンバー
  • リサ
  • ロサリア
  • ベネット
  • レザー
  • ノエル
  • ガイア
  • ディルック
  • スクロース
  • アルベド
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  • ディオナ
  • フィッシュル
  • ウェンティ
  • モナ
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