影の獣in 5歳   作:水道館

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地の文が上手くなりたい


到着

関所は大体聖都から5㎞ほど離れている。全員徒歩と言うこともあって大体1時間半弱で着くだろう。

聖都までの道は整備されていて、馬車なども通りやすくなっている。

所々ベンチなども置かれていて、心遣いが見て取れる。

 

「意外としっかりしてるんだ」

「いります?意外って枕詞」

「無いとダメだよ」

「…そうですか…」

「どんだけダメだと思われてるんだ…」

「ここまで来るともはや信頼っすね」

 

特筆する事も無く、歩を進めていく。

…にしても人が居ない。関所にも居なかったし、少々不自然だ。

 

「…こんなに聖都への道って人気が無かったっけ」

「そんなこと無いですよ。もう日もだいぶ昇ってるんで、普通だったらもっと居ますよ」

「じゃあ何で居ないんだ?」

「さぁ?数日留守にしてる間に何かあったのかもしれません。ひとまずは楽に進めると言うことで前向きに捉えましょう」

 

ハサイでもわからないのであれば、今考えても仕方ないだろう。

意識を切り替えてハルに話しかける。

 

「ハル、影の中は窮屈じゃ無い?大丈夫?」

『うん。だいじょうぶだよ』

「影の方から声が聞こえてくるのは中々にホラーだな」

「見た目自体は何にも変わらないっすからね〜」

「聖都に入ったらすぐに回状出すんで、その後なら出れますから我慢してくださいな」

『ぼく、がまんできるよ。とくい』

「そうですか!ハルさんはいい子ですね」

『ほんと? シル、ぼくいいこ?』

「うん、ハルはとってもいい子だよ」

『じゃあぼく、もっといいこになるね!』

「…もっとわがまま言ってくれてもいいけどなぁ…」

 

ハルはあまり自己主張をしない。基本的に私や周りが言うことを素直に聞く。…唯一私の言う事を聞かなかったのが、共に大泣きしたあの時だった。

譲れないものに関してはちゃんと言えてるので良いのだが…。

 

機嫌が良くなったハルの鼻歌を聴きながらそう思った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

800:ハル

 もうすこしでせーとつくみたい

 

801:名無しの転生者

 お、まじか

 

802:名無しの転生者

 ええやん

 

803:特定ニキ

 合流場所とか決めてんの?

 

804:聖都ニキ

 まだ決まらないよ だってイッチの扱いわからんし

 

805:名無しの転生者

 確蟹 

 

806:名無しの転生者

 まぁ【聖人】が言えば受け入れるでしょ

 

807:名無しの転生者

 逆らって死にたく無いだろうしな!

 

808:名無しの転生者

 完全に恐怖政治である

 

809:名無しの転生者

 別に逆らっても殺しには来ないだろ

 イッチを差別したら塵になるだろうけど

 

810:名無しの転生者

 塵(文字通り)

 

811:名無しの転生者

 やだ怖い…やめてください…

 

812:聖都ニキ

 ところで何だが…合流するとしてワイ何すればいいの

 

813:名無しの転生者

 …

 

814:名無しの転生者

 あ…

 

815:名無しの転生者

 ノープランじゃん

 

816:名無しの転生者

 てか英雄2人付いてるのにワイらが付いて何か変わるのか?

 

817:名無しの転生者

 でも聖都ニキそこそこ戦えるって言ってたし…

 

818:名無しの転生者

 そこそこってどのくらいよ

 

819:聖都ニキ

 レベル的には65かな!

 

820:名無しの転生者

 本当にそこそこ

 

821:名無しの転生者

 まぁ強いねってくらい

 

822:名無しの転生者

 英雄にはレベル無いらしいけどな

 

823:名無しの転生者

 あいつらだけ青天井だから

 

824:名無しの転生者

 なんで?

 

825:名無しの転生者

 英雄だから

 

826:名無しの転生者

 この返し強すぎる

 

827:名無しの転生者

 こっちがRPGやってるのに英雄だけは無双ゲーやってるからな

 

828:名無しの転生者

 高レベル冒険者が基本80からだよな

 

829:名無しの転生者

 65は中堅やね

 

830:名無しの転生者

 でも待ってほしい ここに貰ったチートが加わる事で高レベル冒険者よりも強くなるのが俺らだぞ

 

831:名無しの転生者

 聖都ニキは何貰ったの

 

832:聖都ニキ

 ワイのチートは凄いぞ?

 なんと催眠チートや!!!

 

833:名無しの転生者

 催眠おじさん!?

 

834:名無しの転生者

 マズイですよ!

 

835:名無しの転生者

 よくそんなのあったな…

 

836:聖都ニキ

 まぁ自分にしか使えないんすけどね…

 

837:名無しの転生者

 草

 

838:名無しの転生者

 それ唯の暗示って言わない?

 

839:名無しの転生者

 プラシーボ効果で戦うの?

 

840:名無しの転生者

 あの薬より効くと言われてるプラシーボ効果!

 

841:聖都ニキ

 基本的に自分の好きな能力を底上げするチートだよ

 あと擬似的な耐性も持てる

 

842:名無しの転生者

 強く無い?

 

843:名無しの転生者

 耐性マジ?

 

844:名無しの転生者

 あれか 「俺は耐性を持っている」って自己催眠するとガチで耐性付くのか

 

845:聖都ニキ

 そうだよ

 

846:名無しの転生者

 有能で草

 

847:名無しの転生者

 ちゃんと強いじゃん!

 

848:名無しの転生者

 これは正義の催眠おじさんですね間違いない

 

849:名無しの転生者

 イッチの壁にはなりそうやな!

 

850:特定ニキ

 肉盾ニキに改名しよう

 

851:名無しの転生者

 ひでぇ名前だ

 

852:名無しの転生者

 ガードベントじゃん

 

853:名無しの転生者

 近くにいたお前が悪い

 

854:名無しの転生者

 王蛇やめろ

 

855:ハル

 さいみんってなに?

 

856:名無しの転生者

 イッチ、大丈夫 知らなくていいぞ

 

857:名無しの転生者

 マジでどうでもいいから気にしないで

 

858:名無しの転生者

 そんなことより野球しようぜ!

 

859:名無しの転生者

 中島ァ!

 

860:名無しの転生者

 誤魔化し方が下手くそすぎる

 

861:名無しの転生者

 もうちょいなんかあっただろ

 

862:名無しの転生者

 でも実際マジで壁くらいしか…

 

863:麻呂

 遅れてすまぬ ログは見た

 聖都ニキは戦力では無く連絡役に徹してくれれば良い

 イッチではうまく伝えきれない事も、掲示板に書き込んでくれればやりやすいでな

 

864:名無しの転生者

 ああ、メッセンジャーとして使うのね

 

865:名無しの転生者

 それなら意味ありそうだな

 

866:名無しの転生者

 でもさぁ 変に尾行で着いて行ったら絶対【銀狼】にしばかれるじゃん?  とすると何かしら理由つけてイッチ達に合流せなあかんけど…

 

867:名無しの転生者

 理由かー

 

868:名無しの転生者

 転生者の事言うわけにもいかんしな

 

869:名無しの転生者

 絶対頭おかしいとか思われる

 

870:名無しの転生者

 あんまチートの事とかバレるのはなぁ…

 

871:聖都ニキ

 そこでワイのチートや!

 

872:名無しの転生者

 と言うと?

 

873:聖都ニキ

 催眠で嘘がバレないってかければワイの嘘はバレない!

 

874:名無しの転生者

 そんなことできるの!?

 

875:名無しの転生者

 相手が嘘とか分かる能力あってもバレなくなるのか

 

876:名無しの転生者

 すげー クソ便利じゃん

 

877:名無しの転生者

 なんて使い勝手が良いんだ…

 

878:名無しの転生者

 流石チート

 

879:麻呂

 そう言う事なら安心じゃな 任せたぞ

 

880:聖都ニキ

 おけおけ 何とかやってみるさ

 

881:名無しの転生者

 イッチ 聖都に着いたら自分がどこに居るのかとか周りに聞いて書き込んでくれ

 

882:名無しの転生者

 最悪周りに何があるとかでも良いよ

 

883:名無しの転生者

 画像とかな

 

884:名無しの転生者

 LIVEがまだ改修中だからな…

 

885:名無しの転生者

 おっそーい!

 

886:名無しの転生者

 ワンオペらしいから仕方なし

 

887:名無しの転生者

 ブラック企業かよ

 

888:名無しの転生者

 牛丼屋じゃないんだからさぁ…

 

889:名無しの転生者

 管理者ちゃんカワイソス

 

890:名無しの転生者

 下っ端だからね 仕方ないね

 

891:ハル

 あとでがぞう だすね

 

892:名無しの転生者

 頼むわ

 

893:名無しの転生者

 お願いなー

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

歩き続けて時間が正午手前になる頃に、私達は巨大な門の前に居た。

堅牢な見た目の門は軽く見上げただけでも相当な高さがあるのが分かる。

…まぁ英雄ならこんなの飛び越えれるし何だったら突進すればぶち抜けるけど…。

 

そんなくだらない事を考えていると先に正門の詰所に向かっていたハサイが戻ってきた。開く手続きをしていたとの事。これだけの門は外側からだけでは開かない為、内側との連携が必要らしい。

 

「本当は決められた時間じゃないと開かないんです。まぁ私なので許されますけど」

「まぁトップだからな…」

「流石に一番偉い人を門の前で待たせるわけにはいかないっすよね」

「本来ならもっと楽に出入りさせたいんです。本当ですよ? だって余りにも時間かかるし。ただ私がトップになる前からこんな感じなので、これを辞めさせると同時に仕事が無くなる人が多くて…」

「いきなり職無しを量産する訳にもいかんって事か」

「そういうことです。こういう政治関係は得意ではないので、部下からの受け取りですけどね」

 

…真面目に聖都を治めているのに少し驚く。

善人には基本優しいから、あり得ないとまでは言わないが…だとしても英雄きっての異常者のハサイなので仕方がない。

 

「聖都内なら転移魔法が使えますので、ウチの教団の本部まですぐ行けます。そしたらハルさんも出てきて良いですからね」

『うん、わかった』

 

ハルが返事したあたりで門が開き始める。内側から開かれた先に広がっていたのは─。

 

 

「改めて、ようこそ【聖都ハルドラド】へ。歓迎します」

 

今まで訪れてきた国のどれよりも栄えて、どこまでも広がる街並みだった。

 

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