影の獣in 5歳   作:水道館

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徹夜

「わぁぁ…すっごくいい感じの家ですね!!!」

「まぁ放置されてたのでだいぶ荒れてますけど、掃除すればこれくらいならすぐ住めると思いますよ」

 

聖都中央区の路地裏。そんな場所に完全に周りから浮いている邸宅があった。明らかに建てるのに金がかかってるのが見て取れる程だ。

 

「私が聖都のトップになる前に居た役人の1人が作ったようでして、国の金横領してたのが分かったのですぐ殺したんです。それでここもそんな国民の血税で作られた邸宅と言うわけです」

「だからこんなに豪邸っぽいんですね!」

「最初は取り壊そうと思ったのですが…周りが住宅なのもあって、先延ばしになってたんですよね」

「なるほど、よく分かった。して聞きたいのは─」

「どうして私と麻呂さん呼んだんですか?」

 

ハサイさんにそう尋ねると眉を顰めながらこちらに視線を飛ばしてくる。

 

「いやぁそれがですね、「出る」そうなんですよ」

「出る?何がですか?」

「幽霊」

「? アンデットならハサイさんが瞬殺出来ますよね?」

「そうなんですけど私には知覚出来ないんです」

「「え?」」

 

英雄であるハサイさんが知覚出来ない幽霊…?

 

「そんなのに麻呂達連れてこられてもどうしようもなくない?無理じゃない?」

「そ、そうですよ!無理無理カタツムリですよ!?」

「え、でもマロさんって魑魅魍魎が出たら呼べって言われてるんですよね?」

「はい???」

「昨日たまたま私の仕事部屋の前を通りかかったスレミンの方達がそう言ってたので…マロさんの名前ってヤベノヒコマロだったんですね。知りませんでした」

「え?マロ…ヤベノヒコマロ…魑魅魍魎…はぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?」

 

麻呂さんがエネル顔してる。そりゃそうだ。

だって意味わかんないし。

 

「待て待て待て!それは麻呂達の元の世界の…何というか…物語と言うか…創作話…とかそんな感じのやつじゃ!」

「でもマロなら同じじゃないですか?」

「名前で決まるわけじゃねぇよ!ええい!麻呂は帰らせてもらう!」

「まぁどの道私は知覚出来ないのでどうしようもないんですよね。でもスレミンの人達なら何とかなるかもしれないので。行きましょうか」

「やめろ離せ帰らせろ!クソ!何と言う腕力!振り払えん!栞!栞ネキ!ぼすけて!」

「は、ハサイさん…こんなに嫌がってるし勘弁してもらえないですか…?」

「そう言えばシオリさん確かハルさんと一緒に遊びに行きたいとか言ってましたよね。でもシルさんからまだ許可出てないとか。この件手伝ってくれたら私が掛け合ってもいいですよ?」

「麻呂さん頑張りましょう!これも人助けです!」

「買収されてんじゃねーよ!やだ!小生やだ!苦手なんだって幽霊とかそう言うの!世にも奇妙な物語見た後は絶対眠れないで徹夜するタイプなんだってば!」

「よく分からないですけど見なければ良いのでは?」

「だって気になるし!」

 

そんなやり取りをしてると荷物を家の中に運んでいた…えっと…ミドネ?さんが近づいてきた。

 

「ハサイさん!荷物全部入れ終わりました!」

「ああ、終わったんですね。じゃあ掃除しましょうか。二重の意味で」

「? 二重…ああ、掃き掃除の後拭き掃除するんですね!任せてください!私綺麗好きなので!」

「どうせ掃除は支配した魔物にやらせてたんでしょ?」

「何で分かるんですか!?エスパー?」

「貴方の思考回路は大体理解しました。したくなかったけど」

 

バタバタと邸宅に入っていくミドネさんを尻目に私はハサイさんに耳打ちする。

 

「あの…もしかしてミドネさんって…」

「はい。私でも知覚出来ない幽霊がいる事を知りません」

「教えないんですか?」

「言おうとしましたが人の話聞かないし何よりこれ以上アレに時間取られたく無いんですよ。なのでさっさとここにぶち込んで終わりにしたいんです。アレが来てからぜーんぜん仕事が進まないので」

「ああ…うん、まぁ、そうですね…」

 

ミドネさんは何というか…だいぶ面倒くさいタイプの人だ。

ハサイさんも中々に強烈な性格だが、この人はある程度の常識は弁えてる。…と思う。善人にしかその常識は適応されないが。

 

「いや何2人して麻呂放置してるんじゃ?放置するならするでここに捨て置いてはくれんか?」

「麻呂さんにも礼はしますから。どうかお願いできませんか」

「礼とは?」

「私への貸し一つ、欲しく無いですか?」

「麻呂とて幾度となく修羅場を通ってきた身。この程度で怖気付く訳にはいかぬよなぁ」

「一瞬で切り替わった…」

「強かなんですね」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

50:ハル

 みてみて! 【画像】

 

51:名無しの転生者

 おー美味そうなホットケーキ

 

52:名無しの転生者

 使ってもらったんか?

 

53:ハル

 シルがつくってくれたの!

 

54:名無しの転生者

 そりゃよかった

 

55:名無しの転生者

 ホットケーキって端っこのカリカリしたとこ好きなんだけど同士おらんか?

 

56:名無しの転生者

 義によって助太刀してもいいぞ

 

57:名無しの転生者

 上から目線の助太刀初めて見た

 

58:名無しの転生者

 ゆっくり食いな!

 

59:名無しの転生者

 しばらく食ってねーな ホットケーキ

 

60:名無しの転生者

 割りかし作るってなると手間だしな

 

61:名無しの転生者

 ホットケーキミックスなんてこの世界に無いし…

 

62:名無しの転生者

 1からやらないといけない時点でな…

 

63:名無しの転生者

 それをサラッとやる辺りやっぱ料理上手いな【銀狼】

 

64:名無しの転生者

 俺の料理チートとどっち上だろ

 

65:名無しの転生者

 お前料理人かぁ?

 

66:名無しの転生者

 だったらお前が持っていたほうがいいだろ?

 

67:名無しの転生者

 グルメスパイザー!

 

68:名無しの転生者

 プラゴミ

 

69:名無しの転生者

 洗うの面倒

 

70:名無しの転生者

 手の劣化

 

71:名無しの転生者

 散々で草

 

72:名無しの転生者

 料理チートってなんぞ?

 

73:名無しの転生者

 食べたやつを超強化出来るぞ!

 

74:名無しの転生者

 具体的にはどのくらい?

 

75:名無しの転生者

 DCSくらいかな

 

76:名無しの転生者

 ドーピングコンソメスープじゃん

 

77:名無しの転生者

 至郎田正影かよ

 

78:名無しの転生者

 食いたくねぇ…

 

79:名無しの転生者

 モンハン飯の方がいい

 

80:名無しの転生者

 アイルーに代わってくれ

 

81:管理者

 あの…すいません…改修今終わりました…

 

82:名無しの転生者

 おそいよぉぉぉ!!!

 

83:名無しの転生者

 何やってんだ管理者ぁぁぁ!!!

 

84:名無しの転生者

 遅い!遅い!何たる遅さ!

 

85:名無しの転生者

 穴があったら入りたい!

 

86:名無しの転生者

 自戒する煉獄さんじゃん

 

87:名無しの転生者

 もう全員合流しちゃったよ!

 

88:名無しの転生者

 遅すぎる スロースターターでも付いてんの?

 

89:名無しの転生者

 管理者ちゃんレジギガス説

 

90:管理者

 だってワンオペなんだもん…前回侵入されたからそれの対策もしてたんだもん…私だって頑張ったもん…

 

91:名無しの転生者

 もんじゃねーよ

 

92:名無しの転生者

 ああ、あのなりすましな

 

93:名無しの転生者

 確かに対策は必要か

 

94:名無しの転生者

 これ以上情報取られるわけにもいかんしな

 

95:名無しの転生者

 まぁあのタイミングで改修許可した俺らも俺らだし…

 

96:名無しの転生者

 サイバンチョ!判決は!?

 

97:サイバンチョ

 無罪

 

98:管理者

 やったー!

 

99:サイバンチョ

 もしくは有罪

 

100:管理者

 どっち!?

 

101:名無しの転生者

 ケースバイケースなのね〜

 

102:名無しの転生者

 唐突なコテハン生えてて草も生える

 

103:名無しの転生者

 こんな適当な裁判長居てたまるか

 

104:名無しの転生者

 でも逆転裁判の裁判長って相当適当じゃね?

 

105:名無しの転生者

 ゲームの都合だから…

 

106:ハル

 かんりしゃちゃんってなにしてたの?

 

107:名無しの転生者

 管理者ちゃんはお仕事してたんだよ

 

108:名無しの転生者

 1人でな!

 

109:名無しの転生者

 大したモノですね

 

110:ハル

 かんりしゃちゃんってスレ民?

 

111:名無しの転生者

 いや、違うかな

 

112:管理者

 あくまでこの掲示板を管理してるだけですよ

 …ハルさんとは会ったこと無いですね

 

113:ハル

 けーじばんのおせわしてくれてるの?

 

114:名無しの転生者

 管理をお世話とはこのリハクの目を云々

 

115:名無しの転生者

 節穴定期

 

116:管理者

 そうですよ お世話してます

 

117:ハル

 そうなんだ!いつもありがとう!

 

118:名無しの転生者

 優しい

 

119:名無しの転生者

 あったけぇ…

 

120:管理者

 少し、泣く

 

121:名無しの転生者

 …冷静に考えてみれば俺ら掲示板使いまくってんのに何一つ感謝の言葉言ってなかったな…

 

122:名無しの転生者

 管理者ちゃんいつもありがとう!

 

123:名無しの転生者

 管理者ちゃんのおかげでこうしてレス出来てます!

 

124:名無しの転生者

 管理者ちゃん最高!

 

125:管理者

 何も出ませんけどお世辞はいくらでも受け付けます!

 

126:名無しの転生者

 言い切ったなこやつ

 

127:名無しの転生者

 やりおるマンじゃん

 

128:名無しの転生者

 ウーマンでは?

 

129:名無しの転生者

 そういや聖都ネキと麻呂何してんの

 

130:名無しの転生者

 特定ニキとコピーニキと願いの杖ニキは今飯食いに行ったよ

 

131:名無しの転生者

 なんか【聖人】に連行されてったよ

 

132:名無しの転生者

 あそっかぁ…

 

133:名無しの転生者

 いい奴だったよ…

 

134:名無しの転生者

 勝手に終わらすな

 

135:名無しの転生者

 にしても何でこんなに英雄生えてくるの?タケノコ?

 

136:名無しの転生者

 【支配者】まで来たんだっけ

 

137:名無しの転生者

 でも今クソ雑魚らしいぞ

 

138:名無しの転生者

 ワイらでも勝てるんか?

 

139:名無しの転生者

 勝てるらしい

 

140:名無しの転生者

 マジで弱くなってんじゃん 何があったし

 

141:名無しの転生者

 詳しくは聞いてないなぁ

 

142:名無しの転生者

 【支配者】がシンプルクズだってのは聞いた

 

143:名無しの転生者

 それまじ?

 

144:名無しの転生者

 イッチに変な影響与えなければいいけど…

 

145:名無しの転生者

 イッチは会ったんだよな?どんなやつ?

 

146:ハル

 えっとね シルにあったらダメっていわれたからあってないよ

 

147:名無しの転生者

 保護者NG出てたか〜

 

148:名無しの転生者

 どんだけアレなんだよ

 

149:名無しの転生者

 【聖人】よりある意味アレなんでしょ

 

150:名無しの転生者

 英雄の中でマトモなのって何にんだっけ

 

151:名無しの転生者

 3人くらいじゃなかったっけ

 

152:名無しの転生者

 10人中3人かぁ…

 

153:名無しの転生者

 じゃあ次会う英雄もやべーやつだな!

 

154:名無しの転生者

 会うこと前提かよ

 

155:名無しの転生者

 会いたくねぇ…

 

156:名無しの転生者

 ハズレの確率高すぎるだろ!

 

157:名無しの転生者

 祭りのくじやでももうちょい当たりあるぞ

 

158:管理者

 すいません 言い忘れていました

 ハルさん以外でもLIVEが出来るようになりました

 ただ理由のないLIVEは控えてください

 

159:名無しの転生者

 俺らでも出来るのか

 

160:名無しの転生者

 まぁ…そんな要らないかな…

 

161:名無しの転生者

 見たいのはイッチの状況だからな…

 

162:名無しの転生者

 使い所さん!?無いですよ!

 

163:名無しの転生者

 出来ないよりは出来た方がいいから…

 

164:管理者

 じゃあデスマーチが終わったので私は寝ます

 おやすみなさい

 

165:名無しの転生者

 おつ

 

166:名無しの転生者

 徹夜してたのか…

 

167:名無しの転生者

 改修始まってもう1週間はとっくに過ぎてるけど

 

168:名無しの転生者

 神だから平気なんでしょ

 

169:名無しの転生者

 神神神ィ!!

 

170:名無しの転生者

 鬼かな?

 

171:名無しの転生者

 管理者ちゃん可哀想

 

172:名無しの転生者

 可哀想というのは可哀想なんですよね

 

173:名無しの転生者

 可愛いでは無いんだな

 

174:名無しの転生者

 小泉構文で初めて安心したかもしれん

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「ハル、美味しい?」

「うん!とってもおいしい!」

「そっか。よかった」

 

配達が終わった後、ハルと一緒にホットケーキを食べていた。

初めて作ったから少し不安だったが、喜んでいるようで何よりだ。

笑顔で食べるハルを見ているとこちらも釣られて笑顔になってしまう。

 

「今日も頑張ったね。お疲れ様」

「でもシルもいっしょだったよ?」

「少ししか手伝ってないよ。殆どハルがやってくれたんだよ?」

「そうかな…」

「うん。ハルは凄いね」

「…えへへ、ありがとう」

 

ハルとそんな話をしてると部屋の扉がノックされる。

…来客は珍しい。もう少し、時間をずらしてくれてもよかったのに。

 

「ハルはそのままでいいからね」

「うん。わかった」

 

椅子から立ち上がって扉に手をかけ、そのまま開ける。

 

「はい。どちら様ですか?」

 

そこに居たのは─。

 

「「「た、たすけて…」」」

「I am GHOST」

 

マロとシオリと【支配者】、そしてその2人を両脇に抱えている白のワンピースに黒くて長い髪で目しか見えない女だった。

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