仮面ライダー:RE   作:大荒鷲

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最新話です。
今回遂に…!まあとにかく読んでください。


CHAPTER-1:『REvengerⅠ』‐⑩

「なにがどうなってんだよ…!」

 

 病院のロビーで繰り広げられる惨劇を前にして哲也は呆然と呟いた。隣で健輔も固唾を呑んで見守っている。

 

 あの蛇みたいなバケモノが何故か急に目標を変え、食堂の外に飛び出していったのは僥倖だった。哲也は僅かな生き残りの人々共々今度は厨房の方に避難し、そこに急増でバリケードを拵えて、当面はそこに立てこもる事にした。待っていれば必ず警察が助けに来る筈だ、と降って湧いた異常事態に怯える人達を励ましながら。健輔の折れた右腕は壊れた椅子を添え木にする形でとりあえずの応急措置を施し、そうして待つこと十分ばかり。建物が砕ける音やバケモノの咆哮と思しき奇声、一時期は銃撃のような轟音すらも鳴り響く中で皆一様に怯え、肩を寄せ合いながら、漸く静寂が訪れたのは実際はそんなもんだったようだが、哲也達には何十時間に感じられた。

 耳を澄ませると微かにサイレンのような音も聞こえ、警察が到着したのか、と感じられた。その段になって哲也は一旦外の様子を見てくる旨を進言し、今ここに至る。周りに止められはしたもののそれでも無理を押してきたのは一重に《スカルマン》の事で確かめたい事があったからだ。あの時自分は咄嗟にあの骸骨男の姿に()()()の影を感じていいた。それだけなら単に自分の思い込みで済むのかも知れないが、アイツはあの時自分の呼び声に瞬時に反応してみせた、それだけあれば自分には十分だった。

 

 何をバカな、と頭の中の冷静な思惟がそんな夢想を嗤う。

 

 彼は――幹斗は死んだ。7年前、今はもうない自分の故郷と一緒に。

 

 常識的な思考ではそうなるのかも知れない。しかし現実問題、哲也は両親は勿論誰一人の死体すら見ていないのだ。政府の公式発表とそれが墓の代わりと言われても到底実感できない無機質な慰霊碑以外、それを裏付けるものは何もない、もしそれが間違っていたとしたら…?そう思ったらこの目で確かめずにはいられなかった、ブン屋の気概とかそんなモンじゃない、成澤哲也という一人の人間の意地だ。

 健輔までついて来たのは少し意外だった。傷に響くから止せ、と言ったのだが「てっちゃんにだけは言われたくない」と至極真っ当な返しをされれば黙るより他なかった。どうやら彼も《スカルマン》の事で何か思う所があるらしい。それが何なのかは教えてはくれなかったが。

 

 しかし半壊した防火扉から顔を覗かせて見ればそこに広がっていたのは更なる惨劇の図だった。まず飛び込んだのは避難者達を虐殺した蛇のバケモノの巨躯。それがどういう訳か全身が炭のような光沢のある黒色に変わり、横たわったまま動かない。死んでいるのだろうか、気にはなったが確認する勇気はなかった。そしてその向こうでは今なおこの世の物とは思えない戦いの光景が広がっていた。紺色のボディースーツにベストという厳つい出で立ちの男達が両手に携えたサブマシンガンを発砲している。それに対するのが――そしてこの戦いの中心にいるのが先程のウニや蛇と異なる第三のバケモノだった。

 

 黄緑色の皮膚に頭部から生えた二本の触角は幼い頃村で捕まえたトノサマバッタを想起させた。中途半端に人と融合したような姿のウニや蛇と比べればまだ人の姿形を強く残した洗練された外見だ。だが今はそれくらいしか分からない。ここからだと遠い、というのもあるが相手が速すぎるのだ。

 その動きはまさに縦横無尽だ。バッタのバケモノは特殊部隊の間を間を縫うように高速で駆けずり回り、かと思えば跳躍して壁や天井を蹴って三次元に動き、両手に備えた鋭い爪や棘で隊員達に襲い掛かる。バケモノが疾風迅雷の如く駆け抜ける度にボディースーツが切り裂かれ、隊員達が血祭りにあげられていった。

 彼らだって警察における選りすぐりの精鋭たちだ、弱い筈がない。だがあのバケモノはあまりにも常識を逸脱しすぎている。内側から食い破るが如く間合いを詰め寄られたせいで銃撃は出来ず、たまに隙をついて発砲してもバケモノはそれをやすやすと回避してしまう。ライオットシールドを構えて防御に回ってもカバーしきれない上側や背面を一瞬で取られ、葬られる。酷い時にはシールドすら貫通され、そのまま串刺しにされた隊員までいた。

 

 まさに一方的な虐殺。戦場どころかこれではただの狩場だ。

 

 あのバケモノはさっきまでの奴らとは違う。哲也は戦慄と共にそう思った。先程のバケモノ――《ガンガゼヴェルノム》や《コブラヴェルノム》――は確かに常人を上回る圧倒的な力があったし、毒針や毒液と言った強力な武器を備えていた。だが本質的にあれらは獣に近い、知性や理性とは無縁で本能のまま暴れるだけの存在だ。だが奴はアレらと同質の武力を備え、武器を真っ先に破壊し無力化する、防御に対してはその構造的な隙に付け入り、必要とあらば相手を心理的な盾としても利用してみせるという知恵を見せるその様は憎たらしい程に“人間”そのもの。最早“バケモノ”という言葉では形容出来ない、人の知性に獣の力を併せ持つ存在――まさしく“怪人”としか形容しようがない存在だ。

 そう言えば、と思い哲也は周囲を見渡し、ここに来た目的――《スカルマン》の姿を探した。だがどこを見渡しても本来なら必要以上に目立つあの姿は見られない。もう撤退したのだろうか、それとも――?バッタの怪人に目を向けながらその可能性をチラリと思い浮かべたその時、ロビー中央に放置されたままの蛇のバケモノの死体がピクリと動いた――ような気がした。

 

 いや、気がした、ではない。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。白かった皮膚は砂色の鱗で覆われており、より蛇らしく、より攻撃的な姿に進化したのは一目瞭然だった。

 

「ジャアアアアアアアアアアアアアアアァァァァァァァァッッッッ!」

 

 《コブラヴェルノム》が歯牙を剥き出しにして咆哮し、僅かに生き残った特殊部隊の隊員達に襲い掛かった。尻尾の薙ぎ払いで吹き飛ばされる者、その巨体に圧し潰される者、顎に呑まれ、食い千切られる者、そして――毒で焼かれる者…。先程の悪夢の再来だった。

 成す術なく蹂躙されていく命に哲也は恐怖と――そして依然無力でしかない己を自覚し、暗澹たる絶望を感じた。理不尽に命が奪われていく。理由などない、ただそこに居合わせたというそれだけの理由で。そして自分は相変わらずそれを眺めているだけだ。

 

(忘れるな――お前はまだ何者でもないんだ…!)

 

 脳裏に勉叔父さんの声が響いた。

 

 その言葉はいつだって哲也にとって心が折れそうな時の最後の砦であり――そして消えない呪いだ。叔父さん、あの日から俺は何も変わってないよ、自分が何者かも分からないまま、何者にもなれないままだ。今だってこうして目の前に理不尽に奪われている命があるのに何も出来ない。ペンは剣より強し、なんて理想を掲げてこの世界に飛び込んだ訳じゃないけど、やっぱり自分は何も出来ないままだ、という不実を改めて突き付けられただけだった。

 

 あの特殊部隊の隊員達にも家族がいるのだろう。怪物になってしまったあの子どもはどんな夢があったのだろう。怪物に変貌してしまった我が子に焼かれて消えた母親は今わの際に何を思ったのだろう…。ゲンさんも、ゴロウさんも、他にも今この場で突然命を消し去られた人達にだって明日があった。それを無惨に奪われた時、人はどこに行くんだろう…。残された人達は何を思えば良いのだろう…。

 《スカルマン》の強さを、この時少し羨ましいとそう思った。奴のようになりたい、という訳ではない。だがもし今の状況を変えられるとしたら――そのための力だったら欲しい、と哲也は思った。なんでも良い、今の自分を超えられるような、そんな何者かに――。

 

 ()()()()()()()()()()()()()、と。

 

〈Ultimate…Activate…〉

 

 そんな子どもじみた夢想を吹き消すように。

 

〈VANISHING END…!〉

 

 だが確かに勝鬨を上げるように。

 

 声が上がった。

 

「アイツは…」

 

 健輔が呟いた。声のした方に目を向ける。そこに立っていたのはボロボロの鎧を纏った、まだ少年の形容が通じる姿。額から血を滲ませ、覚束ない足取りながらもしっかりと地面を踏みしめて立ち上がり、強靭な意志を宿した強い瞳でバケモノをしっかりと見据えていた。

 

「あああああああああああああああっっっっっっ!!!!!!」

 

 絶望を吹き散らすように、少年は雄叫びを上げた。

     

・・・・・・・・・

 

〈タツオ、聞こえてますか!?聞こえてるなら早く立って!〉

 

 誰かが頭に直接呼びかけているような気がした。それが柚月のものだと分かり、弛緩した体に僅かに力が籠るのを辰雄は知覚した。

 

 その声から察するに自分は意識を失っていたらしい。何秒か何分かはよく分からないが、とにかく《スカルマン》――改め《バッタヴェルノム》はどうなった、と思い、鉛のようになった瞼をスッと開く。右目がやや不鮮明で視界はボンヤリとしているが、周りの状況くらいは分かるだろう、そう考えた矢先に警察の特殊部隊達が一方的に蹂躙される鮮烈な光景とそれを引き起こしている二体の怪物が目に入り、辰雄はそれだけで一気に現実に引き戻される心地を味わった。

 一体は髑髏男もといバッタのバケモノ、そしてもう一体は先程仕留めたと思っていた《コブラヴェルノム》だ。より皮膚が硬質化・鋭角化し、より戦闘的な姿になって特殊部隊を一方的に屠る様に辰雄は歯噛みした。

 やられた。あの時あの《ヴェルノム》は本物の蛇のように体の表皮だけを敢えて炭化状態にさせる事で自らの死を偽装し、その下で新たな戦闘形態への進化を行っていたのだ。あの時確実に止めを刺そうと思えばさせた筈なのに目の前のターゲットを優先して碌に確認もしなかった。その結果がこれなのだとしたら、完全に自分の迂闊さが招いた事態だ。

 

 寝てる場合じゃない、ここで今度こそケリを付けねば――。鎧の重量に骨が軋み、筋肉が断裂するような気さえしたが、構ってはいられない。まるで酒か薬にでも溺れたように手が震える。指先にも力が入らず、ともすればそのまま滑り落ちてしまいそうだったが、左手で包み込むように添えて無理矢理ベルトのスロットルを握らせた。

 二日酔いのように頭がふらつき、吐き気さえこみ上げてくる。気を抜けば崩れ落ちてしまいそうな膝をどうにか支えながら、辰雄は力任せにスロットルを捻った。

 

〈Ultimate…Activate…。VANISHING END…!〉

 

「あああああああああああああああっっっっっっ!!!!!!」

 

 体が燃え滾る。丹田を中心に全身に力が流れ込んでいくのが分かる。それと比例して最早堪えようがない激痛が全身の責め苛んだが、辰雄はそれを振り払うように雄叫びを上げた。

 

〈――なにやってるんですか!?これ以上は危険です、今すぐに退却を――〉

 

 車内で恐らくこちらのバイタル等をモニターしてるに違いない柚月が自分のしている事に気付かない道理はないだろう。いつもの平静さを完全に失った声で絶叫したのはそれはそれで貴重な光景だと思ったが、戦闘中に叫ばれると鬱陶しいので辰雄は首に掛けた骨伝導スピーカーを剥ぎ取り、床に投げ捨てた。

 背水の陣。本来なら想定にないどころか硬く禁じられてきた3回目の全開放もそうだし、今取れる最後の手段もそうだ。先程の戦闘で落としたヴァニシングエッジを取りに行っている時間はないし、他の武器にしても然りだ。何よりあの《コブラヴェルノム》に有効な武器など今はない。とすればこれからする事は特攻紛いの最後の手段だけ。刺し違えてでも奴らと心中する気なんてさらさらないが、せめて自分の不始末くらいは拭わなければならないし、それに――、辰雄は《バッタヴェルノム》の方に目を向けた。

 こうして拳を交えれば分かる。アイツは死を恐れていない。だがそれは死んでも良いという捨て鉢さに依るものではない、文字通り己が命を賭けても為すべき事があると思うからこそ奴はここまで全てを敵に回して戦ってこれたのだ。決して奴の心根に感化されたと思うことはないが、せめて自分も同等の気概を以て当たらなければ永遠に奴に勝つ事など出来ない、ただそれだけだ。

 

 だから柚月、俺は行くぞ…。後で謝罪ならいくらでもする。そう一言付け加えて、辰雄は床を蹴って走り出した。狙うのは奴の頭頂部、硬質化した鱗に覆われている中で先程斬撃を加えたあの箇所の回復がまだ完全ではないのが一瞬だが確かに見えた。逆にあそこが治れば外敵からの備えがほぼ完全になるという事だ。それだけは何としてでも阻止する。辰雄は踏み出す自分の脚、その右一点に《エースゼロ》システムの全エネルギーを集中させるようスーツを操作した。

 こちらに向かって走ってくる影の存在に漸く気が付いたのか《コブラヴェルノム》が鎌首をもたげるような体制でこちらに振り向いた。威嚇するように一回唸った蛇のバケモノは躊躇う事なく、《エースゼロ》に向けて毒液を放出した。銃弾のような速度と機械の如き正確さを以て放たれたその毒は当たれば一瞬で辰雄の体など溶解させていただろうが、神経も肉体も極限値にまで研ぎ澄まされた今の状態にとってはそんなものは影絵に等しい。毒液が眼前に迫り、あわや直撃という事態になったその瞬間を見計らい、辰雄は地面を蹴って飛び上がった。

 

 常人を遥かに凌駕するその脚力によってあっさりと怪物の頭部に届く距離まで達した体を一回転させ、遠心力さえも味方につけた《エースゼロ》は右足を前方に突き出した。エネルギーの集中した右足に紫電のような力場を纏った《エースゼロ》はその態勢――跳び蹴りの姿勢を維持したまま、鋭い鉾となって《コブラヴェルノム》に突進していった。

 

「うおおおおおおおおおおっっっっっっ!!!!」

 

「ギシャアァァァァァァァァァッッッッッッッ!!!!」

 

 《エースゼロ》――辰雄と《コブラヴェルノム》の声が重なった。目がなくともある程度は己の位置が探知できるのか、《コブラヴェルノム》が顔を上げたが、もう遅い。二度目の毒液を吐くための照準すら定める暇はなく、《エースゼロ》の体が怪物の頭頂部――ちょうど人間だった時の首が生えている辺りに突き刺さった。

 

 これが《エースゼロ》の最後の手段――。普段はシステムの稼働や肉体のアシストに割いている分を最低限度まで残して、一点に集中させる事で他のどの専用武器よりも高い破壊力を生み出す、文字通りの特攻だ。窮鼠猫を嚙むとはよく言ったもので全ての武装を喪失してもなお、その肉体こそが最大の武器になり得る。まさに「AS計画」の神髄だ。

 表皮を覆う頑強な鱗は暫くはその跳び蹴りに対抗してみせたが、それもほんの1秒程度だった。言うなれば硬い盾に鋭利な鉾を突き立てたようなもので、ちょうどヴァニシングエッジで斬り込みを入れられていた事も手伝い、その切っ先はやがて表面の鱗を抉り砕き、その下の筋繊維までもを貫いた。

 

 勿論ただの蹴りでコイツを殺せるとは思っていない、本領はここからだ…!

 

 それと同時に《エースゼロ》の足先から紫電のような光と共に放たれた“Cウェーブ”――ヴァニシングエッジの刀身と同じく《ヴェルノム》を殺しきる事が可能なエネルギー波がその巨体に殺到した。ちょうどマイクロ波が分子を加熱するが如く、瞬く間にバケモノの全身の筋肉を焼き尽くし、水分を沸騰させ、神経という神経を破壊し尽くしていった。

 

「シ〝ャア〝ア〝ア〝ア〝ア〝アャアッッッッッッッ!!!」

 

 各部が破裂したように《コブラヴェルノム》の鱗の隙間という隙間から血が噴き出る。その激痛に身を捩らせた《コブラヴェルノム》は頭を無茶苦茶に振り回して、そこに食らいつく《エースゼロ》を振り払おうとしたがそれよりもそのエネルギー輻射が肉体を貫通する方が早かった。傍目には《コブラヴェルノム》の頭部に相当する部分が風船の如く膨張したように見え、次の瞬間どす黒い血糊をまき散らしながら爆裂した。それより早く頭部を蹴って離脱した《エースゼロ》は残された尻尾部分が地面に倒れ込む光景を見ながら着地した。

 

 これで今度こそ完全撃破だ。呆然といった佇まいでこちらを見ている《バッタヴェルノム》の存在が視界に入った辰雄は少しばかり溜飲が下がった思いでニヤリと口元を歪めた。これが俺達の力だ、と。だがまだ終わりではない、コイツを倒さなくては本当の意味で自分の為すべき事は為されないのだから。再びベルトのスロットルを捻ろうとした刹那、直接脳髄を殴られたような衝撃が遅い、急速に四肢から力が失われていく。世界から音と光が急速に褪せていくのを実感しながら、成程これが力の反動か、使いすぎるなよ、と言われたその意味が漸く分かった…と今更実感したのを最後に辰雄は急速に意識を失った。

 

 

・・・・・・・・・

 

 

 やったのか…?

 

 鎧を纏った少年が跳び蹴りをバケモノに向かって放ち、それが命中したと思った次の瞬間にはバケモノの頭部はもう電子レンジで温められた卵の如く爆散していた。後に遺されたのは本体から置き去りにされた末尾のみで、トカゲの尻尾か陸に打ち上げられた魚のようにのたくっていた。

 バケモノを撃破した少年はなんとか着地したようだが、既に体は限界を超えていたらしい、バッタのバケモノを見据えながら、そのまま膝から崩れ落ちるように倒れた。

 

 静寂。先程までの争乱から打って変わってロビー内にシンと凍えるような静けさが訪れた。バッタのバケモノも生き残りの特殊部隊達も呆然と目の前の光景を眺めていた。特殊部隊は既に大半が血溜まりの中に沈んだままピクリとも動かない。息があるのはせいぜい片手で数えられるくらいでその分にしても深手を負っているのか、息が荒く、立つ事すらままならないようだ。

 どうすれば良い?哲也は自問した。確かに最大の脅威と思えた蛇のバケモノは倒されたが、まだアイツが残っている。警官も待っていれば増援が来るとは思うがいつになるかは分からないし、先程の惨状を見ればあの怪物に勝てるとは到底思えない。つまり依然危機は去っていないという事だ。自分達二人と奥にいる数名の人達全員で生き延びるためにはどうすれば――。

 

 あの少年が使っている装備は何なのだろうか?とふと考えた。見た所腰の辺りに取り付けられたベルト状の機械、それに付いているスロットルを捻る事で先程の常人離れした身体能力を得ていたように哲也には思えた。機械的な装置に依るものならそれを使って自分もおんなじ事が出来る筈ではないだろうか…。

 

 確証はなかった。あの鎧が一種のパワードスーツでベルトはただの制御装置なのだとしたらそれだけあっても何にもならない。大体あの少年は何者なのだろうか、警察関係者にしては若すぎるし、あんな装備が警察で開発されたなんてニュースは少なくとも聞いた事がない。

 明後日の方向に思考が行きかけたのを自覚し、哲也は頭を振ってそれを追い出した。今は難しく考えてる場合じゃない、迷っているとあの少年も、残りの警官隊も、奥にいる人達も、俺達もみんなあのバッタのバケモノに殺されるぞ――。

 そんな自問のサイクルにはまったこちらの迷いを見透かした訳ではないだろうが、バケモノの方が先に動いた。倒れたままピクリとも動かない少年を一瞥すると、そのままゆっくり彼に向って歩み出す。その指先に展開した鋭利な爪が妖しく輝く。

 

 マズイ――!その殺気に満ちた仕草に止めを刺す気だと悟った哲也はそれ以上考える事もなく走り出していた。咄嗟に倒れている隊員の方に駆け寄り、その右腿に装着されたオートマチックピストルを剥ぎ取った。ズシリと想像以上に重い感触を受け止めながら、映画等で見た記憶を総動員してスライドを引く。弾が薬室に装填されたのを確認すると両手で銃を握りしめながらそれをバケモノの方に向けた。冷静に考えられたのはそこまでで後はせいぜい外れてくれるな、それだけ祈って力任せにトリガーを引いた。

 

 ガァン!と乾いた激音が木霊した。同時に両掌にバットで殴られたような衝撃が襲い掛かり、その反動に哲也は思わず顔を歪ませた。結果として発射された弾はバケモノには命中せず、その頭の側面を掠めるに留まったが、それで怪物の注意は哲也の方に逸れてくれたらしい。動きを止め、こちらの方に振り返ったのを見逃さずに続けて二発目を発射した。覚悟はしていても拳銃の反動というものは想像以上で連発すれば掌が潰れるのでは、と感じたがそんな事は気にしてはいられない。自分より小さい子どもが無理を押して戦っていたのに俺が我が身を可愛がっていられるか、という半ばヤケクソの境地だ。

 しっかり頭を狙ったともりだった二発目は僅かに逸れて相手の右肩口に突き刺さった。呆然としていたバッタ男のそこに銃弾がめり込み、赤い血が飛び散る。その体が僅かに傾き、よろめいたのをしっかりと見た哲也はとにかく銃は効くらしい、という確信を得た。たった二発撃っただけで掌がじんじんと痛むがとにかく当ててさえしまえば勝機はある事を見出し、続けて三発目を発射しようと狙いを定めた。

 

 しかしそこから先は流石にバケモノの方が早かった。反動で僅かに上を向いた銃口を向け直すその数瞬の間にバッタ男は急速に哲也の手が届く範囲にまで距離を詰めてきた。

 早すぎる――!焦った哲也はもうゼロ距離でも良いとトリガーを引き絞りかけたが、直後スライド部分を掴まれ、それ以上の行動は阻止された。揉み合いが拮抗したのはほんの数瞬だけ、すぐにバケモノの尋常ではない握力によって強化プラスチックで構成された本体は破壊され、そのまま哲也は振り払われるように放り出されていた。

 

「てっちゃん!」

 

 健輔の声が聞こえた。痛むのか右腕を抑えて顔を顰めながらもヨタヨタとした足取りでこちらに駆け寄ってくる。思わず来るな、と叫びかけた所でその背後に打ち捨てられたバケモノの尻尾が不意にのたうち回るのをやめたのが見えた。それだけなら今度こそ完全に死んだのだろうと思う所だが、その断面部分に急速に吸盤状の口蓋が再形成されていくのが見えた。

 

 ゾクリ――とイヤな予感が背筋を震わせる。

 

「ツッチー、逃げろ!!」

 

 怖気が瞬時に全身を駆け巡り哲也は叫んだ。バッタ男もバケモノの残骸の異変に気が付いたらしく、爪を展開してそれに襲い掛かろうとしたがお互いにその判断は遅きに失した。バッタ男が走り出した時にはその尻尾の断面部には円形に歯列が並んだ円口類(ヤツメウナギ)を思わせる“口”が新たに作り出された。変異した《再生態コブラヴェルノム》はまるでそれが本能であるかのように一番手近にいた目標――健輔に飛び掛かり、その首筋に食らいついた。

 

「うああああああああああっっっっ!!!」

 

 絶叫と共に健輔の体が倒れた。変異型はそのまま体を回転させ、尚も深く肉を抉っていく。まるで健輔の肉体に入り込み、乗っ取ろうとしているようにも思え、哲也はゾッとした。

 しかし数秒もしないうちにバッタ男の手がその尻尾部分を掴み、それ以上はさせないとその体を健輔から引き剥がそうとした。しかし変異型もヤマビルの如きしつこさで離れようとしないらしい、業を煮やしたバッタ男は腕部分に生えた棘を展開し、力任せにその体を叩き斬った。どす黒い鮮血が飛び散り、健輔とバッタ男の体を濡らした。引き裂かれた変異型も流石にそれ以上は肉体を維持するだけのエネルギーがなかったようで力が抜けたように健輔から離れて地面に落ちた所をダメ押しとばかりにバッタ男に踏みつけられて今度こそ完全に塵へと回帰して、霧散していった。

 

「ツッチー!」

 

 健輔に駆け寄ってその体を抱え起こす。既にその首筋は血塗れになっており、意識も混濁しているのか視線も定まっていない状態だ。口端から泡を吹き、各所には異常発汗と共に疹が浮き出ている。その様はバケモノに変異する前のゴロウさんやあの男の子、もしくは《黒禍熱》の如き症状で悶死していった被害者達と全く同じ状態だった。

 

「ツッチー…死ぬな…おい…死ぬなよ…!こんな所で…まだ…こんなのって…!」

「…てっちゃん…お、おれ…」

 

 体を揺さぶって懸命に呼び掛けた事が功を奏したのか、虚ろだった瞳に僅かなりとも光がともる。だが体は依然として高熱状態な上にチアノーゼ反応のように顔色が悪い。不意に健輔が右手を哲也の方に伸ばして肩の辺りを掴んだ。震えながらも肉に食い込むほど強い力だ。

 だがその事実に哲也はハッとなった。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()、なのに――。

 

 まさか――!肩の方に目を向ける。健輔の手は――既に表面が滑りを帯びた黒色に染まっており、その指と指の間には水かきのような器官が形成されていた。既に二の腕辺りまでが染まっており、徐々に肩口の辺りまで浸食されていく。

 

 怪物化が始まっているのだ…!時期に健輔もあのウニや蛇のバケモノのような姿に変異するというのか――!

 

「やめろ!バケモノになんかなるな!お袋さんや藤田に会うんだろっ!こんな所で終わるなよ…!」

 

 肩を揺すって懸命に呼び掛けるがもう何の反応も寄越さない。白目を剥き、破傷風のように体を痙攣させる姿に哲也の声が届いているのかは定かではない。滑り気のある皮膚はもう体の半分ほどを覆っている。

 

 畜生――!どうして――!またこんな風に――!

 

 幾千もの後悔と自問が押し寄せ、涙と鼻水で顔をグシャグシャにしながら哲也は健輔の胸の辺りに拳を何度も打ち付けた。

 

 死ぬな――!帰ってこい――!お前まで俺を置いていくな――!

 

 懇願と半ば八つ当たりを込めて心臓を叩く。意味のない事だと分かっていてもせずにはいられなかった。

 

 だがその刹那――。

 

 まるで破裂寸前の風船が萎むように、痙攣が止まり、急速に高熱が引いていくのが感じられた。黒くなっていた皮膚も元の色を取り戻していき、最終的には元の土枝健輔という“人間”の腕へと戻った。よく見ると首の傷も塞がっており、治った腕もそのままのようだ。

 

「――止まった…?」

 

 荒い呼吸のまま呆然と呟いた。当の本人は完全に意識を失ったのかぐったりとしたまま目を覚まさない。それでも呼吸は安定しているし、高熱も嘘のように引いている。何があったのかよく分からないがその事に哲也はひとまず安堵した。

 ふと視線を感じて振り向くとバッタ男もまた呆然といった感じでこちらを見ていた。無機質な能面のせいで表情は窺えないが醸し出す雰囲気からなんとなく驚いているかそんな感情が伝わってくる。哲也は困惑した。今のバッタ男からは先程までの特殊部隊を相手にしていた時の殺気や闘気が全く感じられないのだ。さっき哲也と闘った時だってその気になれば一撃で屠れた筈なのに武器を破壊しただけ、あまりに落差がありすぎる。

 

 そこまで考えた時に一つの可能性が頭をよぎり哲也はハッと顔を上げてバッタ男を見据えた。さっきのウニや蛇のバケモノは元は人間が変異したものだった。この場にさっきいた筈の《スカルマン》の姿が全く見えない事を考慮すると――自ずと答えは一つしかないように思えたのだった。

 

 お前は《スカルマン》なのか?それがお前の本当の姿なのか…?

 

 それに何よりも――お前は幹斗なのか…?

 

 先程マスクの下側から見えた口元の連なった黒子を見た時哲也は反射的にそう叫んでいた。だが理性はそれを全力で拒否している。そんな筈はない、だってアイツは――()()()()は7年前に俺の故郷と一緒に…。

 

 だがそれは本当に正しいのか。脳内のもう一つの意思がその思考を打ち消した。俺は両親も含めて誰一人の死すらこの目で確かめていない。もし政府の発表が真実と違うものであったとしたら?現に俺は件の少女に確かに“あの娘”の面影を重なていたではないか――。

 あり得ない。だがあり得ないなんて事はあり得ない。今日1日だけで散々非常識を見せつけられた身には最早それは目の前で起きている事を否定する根拠にはならなかった。

 

「…お前は幹斗なのか…?」

 

 バッタ男を見据えながら呆然と呟いた。その言葉に目の前の怪物の顔が僅かにピクリと動いたのを哲也は見逃さなかった。

 やはりそうなのか――!疑惑が僅かに確信の方に傾きかけたその刹那、別の冷静な部分が鎌首をもたげてきた。

 だが仮にアイツが幹斗だったとしてその心までもが幹斗である、と何故言える?事実ゴロウさんやあの男の子は理性も何もかも失い、本能に任せて暴れるだけの怪物と化したではないか…。むしろ何故目の前のこのバケモノだけが理性を保っていられると思うか…。

 

 その可能性に哲也は僅かに後ずさる。だがやはりバッタ男はジッと自分と健輔を見るばかりで一向に動こうとしなかった。

 なぁ…お前は一体何者なんだ?再びそう問いを発しようと口を開きかけた時、急速に怪物の体から冷気のようなものが発せられ、その体躯が萎んでいくように哲也には見えた。

 なんだ――?怪物が誕生した時の爆発的なエネルギーの奔流、あれと似ているが明らかに異なる緩やかさに哲也は急に周囲の空気が冷えていくような心地がした。やがてドライアイスの気化を思わせる冷気の放出が終わったと思った時、果たしてそこに佇んでいた影は――。

 

「――よぉ?久しぶり…7年ぶりか…?あんま変わんないな、お前…」

 

 7年前より少し背が伸び、痩せぎすだった肩幅は幾分かたくましくなってはいたが、彫刻めいた端正な顔立ちも理知的な瞳の色も、僅かに皮肉っぽく曲げられた口元も――。記憶の世界で会う姿とは少し変わっているが、紛れもなくかつて失ったと思った親友が――山城幹斗がそこに立っていた。

 

「お前――」

 

 まるで一週間かそこら会ってなかっただけのような気安い仕草で挨拶する友人に対して哲也はそう呟くのが精いっぱいだった。それにしたって掠れ声が喉から漏れただけで碌に言葉になったかすら怪しい。とにかく何か言葉を紡ごうとした哲也は目の前に佇む男の首から下の様子を見て今度こそ息を呑んだ。

 あちこちコンクリート粉や怪物の血で煤けてはいるし、更に言えば破けたり欠損している箇所も多数だが、幹斗が身に纏っているその服装は――黒いレザーに銀色のプロテクターという出で立ち――間違いなくこの1年間散々日本を騒がせた《スカルマン》が纏っていたものと同じものだった。

 そんな哲也の視線に気付いたのか幹斗は「ああ、コレか?」と襟元の辺りを引っ張ってみせた。

 

「俺の一張羅だ、なかなか良い趣味してるだろ?」

 

 まるで自分のお気に入りの服を自慢するかのような気楽さでそう嘯く。それは言外に「俺こそが《スカルマン》だ」と誇示するのと同じことだというのに――。

 その言葉に頭の芯が瞬間的に冷え、断線してショート状態に陥っていた思考回路が急速に復旧していくのが感じられた。怒りなのか悲しみなのか混乱なのか、或いはそのいずれかも含むものなのかそれは分からないが、哲也は「…ふざけろよ…!」と咽頭から声を絞り出した。

 

「なんで…なんで…こんな事やってんだ!この1年の事は全部お前の仕業だってのかよ!?この状況だってお前がやった事なのか!?答えろよ!!」

 

 なんで《スカルマン》なんかになった。お前が生きていたなら梗華は、柚月は、他の皆はどうしているのか。あのバケモノは一体何なのか。なんで幹斗がそれに変身しているのか。それも全て「あかつき村事件」と繋がっている事なのか…!

 他にもそんな幾多もの疑問が浮かび上がってくるが言葉にすらならなかった。興奮のあまり息を吸いすぎたのか、漂っていた粉塵が気管支に入り、哲也は激しく咳き込んだ。そんな様子に幹斗は「落ち着けよ」と苦笑する。

 聞き分けのない子どもをあやすような口調だ。いつだってそうだ。いつも自分だけが大人であるように振る舞って、世の中を冷めた目で見てる。長らく忘れてた友人の悪癖を久しぶりに思い出して哲也は逆にああ、紛れもなくコイツは幹斗だと確信が持てた。

 

「話したいのはやまやまなんだがな…如何せん時間がない。間もなく警官の増援が来るし、そうすりゃ俺だって素顔晒してる訳にもいかない。だから単刀直入に言うぜ、俺と来い」

 

 最後の言葉がやけに耳に響いた。咄嗟に何を言われたかも分からず目を白黒させている哲也に幹斗が手を伸ばす。

 

 ――だがその刹那。

 

 静寂を打ち破るようにけたたましいクラクションの音、そしてエンジンの音がロビー内部に飛び込んできた。ちょうどバッタ男の後方の位置する所に殆どガラスが粉砕され、フレームだけになった窓枠をぶち破り、ロビー内に踊り込んできたそれは1台のバンタイプ車両だった。大手運送会社のロゴと車体カラーが印刷されているが、何故かそれは壊れたディスプレイのように不規則に明滅しており、車体の各部にもよく見るとあっちこっちにぶつけたような跡がある。

 

 急に雪崩れ込んできた奇妙な新手に哲也は唖然とした。最初はてっきり警察の増援か救助が来たのだろうか、と思ったのだがこんな非常識極まりない登場を日本警察がするとは思えないし、第一あの奇怪な車両で乗り込んでくる意味もない。

 おまけにそれは躊躇う事もなく、幹斗に向かって突進してきた。改造を施しているのか目も眩むほどに強力なハイビームが前方に照射され、幹斗は思わず顔を覆った。ぶつかる――!そう思った矢先に幹斗は常人離れした跳躍を見せ、車そのものを飛び越えてみせた。そうなると分かっていたのか、車は先程幹斗が立っていた場所から10メートル程滑って止まった。

 

「全く…感動の再会に水差すな…っていうか轢かれたらどうするつもりだよお前!」

 

 絶体絶命になりかけた割にはどこか楽し気に幹斗が車に向かって怒鳴った。あの運転手と知り合いなのか、と疑問に思った直後、右サイドのドアが開き、ひらりと人影が着地した。警察――では絶対にない、薄汚れたジャンパーにジーンズという出で立ちは公職にある者ではないだろうし、何よりその立ち姿はあまりにも華奢すぎる。

 

「どうせ避けるんでしょう?」

 

 幹斗に向かってその人影が凛然と言い放ち、両手に持ったオートマチックピストルを構えた。姿から分かっていた事だがそれは間違いなく女、それも年若い少女のものだと分かった。無骨なピストルのフォルムとそれを握り込む少女の手の細さがあまりに不釣り合いな気がして、哲也は思わず少女の方を見つめる。少女もこちらの方に意識を向けたのか、一瞬だけこちらの方に視線を向けた。

 哲也は思わずドキリとした。ややつり上がった大きな目に肩までかかった黒髪、バランスよく整った顔立ちに対してややオーバーサイズ気味な煤けたジャンパーが不釣り合いな印象があったが、逆にそれが造り物めいた少女の造作を人間らしく引き締めている。その姿はまさしく立木の似顔絵にあった少女に間違いはない。同時に――こうして目の辺りにする事でかつてより抱いていた疑惑が確信に変わった。或いは直前に死んだと思っていた親友と顔を合わせた事も無関係ではないだろう。

 

「兄さん、これ以上こんな事はやめて下さいっ!」

 

 明らかに手馴れている仕草でピストルを構え、少女は――山城柚月(やましろゆづき)は叫んだ。

 

 

 




という訳で最新話でした。あーここまで書くの長かった…

今までぼかして書いていたこの作品の主要人物が出てきました。ここを書くために今までの展開があったようなものです。

スカルマンの正体は山城幹斗。
彼を追う妹の山城柚月。

この作品の主要な登場人物です。是非記憶に留めておいて下さい

次回でこの章も終わりかと思います。一つの終わりと新たな始まりにご期待ください。
それではまた次回…



PSイチローとルリルリっぽいなと思ったけど偶然です。
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