ようこそ(勘違い)大和撫子の学校生活へ 作:エカテリーナ
ランキング乗っていて驚きました。
今回からよう実スタートになりますね。
アンケートのご回答もありがとうございます。
作成のプロットに有効活用致します。
それでは、どうぞ。
①:真実と、プチパニック
その後、Aクラスーーー、もとい、すべての一学年の教室でこの高度育成高等学校の
クラスポイント、全てはクラス単位で評価がなされ、一人の成績がクラスに齎され、全員の価値に直結される。
プライベートポイントは、説明のとありとあらゆることに活用できる。食事や権利、場合によっては罰則の打ち消しも叶う。
※初日の水泳の見学の権利も説明された。
そして、この学校の校是は【実力主義】であること。
クラス対抗。これからの3年間を共にするクラスメイト達が、文字通り運命共同体であることを説明される。
『この学校が将来を約束するのは、
その宣言を聞き、あるものは愕然と、あるものは当然とそれを受け取り、あるものは将来…とは?と首を傾げた。
その後に真嶋はもう一つの用紙を黒板に張り出す。生徒の一覧の名前と順位、そして点数が書いてある。
「これは先のテストの点数表だが、みんな見事な成績だ。平均点も4クラストップ。…特に満点が二人もいて、これは
その言葉に自分の順位を下から探していた生徒たちは一番上を見る。…すると、上には西園寺撫子、坂柳有栖の二人の天才の名前がある。
誰からともなく拍手が起き、二人もそれに応える。「こらこら、ホームルーム中だぞ?」と真嶋も窘めるが歓声などあげてはいないので考課には影響はない。
真嶋も教師としてのポーズで言っている節がある。それを、HRの始めとの温度差から理解した生徒達は朗らかな雰囲気だ。
その後も、真嶋はAクラスのことを歴代最高の点数であること、次回の期末テストで赤点を取ると退学であること。(流石に一瞬ざわりとした)
そして「Aクラスのお前たちなら問題なく達成できると
すると葛城から挙手があり、ポイントの増加をするにはどうしたら良いか聞く。
今更そんなことを聞くのかと、
「ちなみに、このクラスでいうと西園寺が生徒会に所属となった事でクラスポイントが50ほど追加されていた筈だ。皆も、部活などで高い成績を残すことを目標に頑張ってくれ」
ざわざわと囁きが大きくなるが、本人は曖昧に微笑むだけだ。
(半ば強引な入会だったが)生徒会に入った実力と、今回のテストでの満点。既に撫子の評価はAクラスで間違いなく
その後、HRを終える予鈴が響くと真嶋は貼っていた紙を片付けてクラスを去る。
途端に、坂柳と葛城の周りに集まるクラスメイト達。
それを座ってみている撫子と、数人の生徒たち。
既に、Aクラスでは実力至上主義の闘争が起きているのだ。坂柳と葛城、Aクラスを二分する程の勢力となったそれを止められるのは
撫子は何なら別のことに頭を悩ませていた。
その視線の先にはスマホがあり、先程から結構な頻度でメッセージを受信している。
『あなたはこれからどうするのですか?』
『これからのクラスについて―――』
『少し話せるか?朝の―――』
『撫子、聞いたよ!これから―――』
『―――について、相談したいことがある、放課後―――』
『この前の件で―――』
「………」ポチポチ…
Aクラスからは坂柳と葛城が、Bからは帆波と神崎から。生徒会メンバーからは南雲副会長と、堀北生徒会長から。
それぞれが内容に細かな差があれど、メッセージや電話、直接など様々だが話をしたいことを主目的としている。
いくつか隣のクラスから聞こえる怒号や悲鳴をBGMに、撫子は爆速でスマホのメッセージに返信を繰り返すのだった。
この後めちゃめちゃ忙しかった。
結果だけ言うと、昼休みの時点で撫子のプライベートポイントが
撫子はよく理由を分かっていなかったが、(まだ)誰も不幸にはなっていない。つまり無問題だ。
ーーーーーーーーー
その日の午後、真嶋が書類仕事をしていた職員室に一人の生徒が来た。
次の授業が本日最後のコマの為か、結構な数の教師が居たが、礼儀正しくお辞儀とよく通る声で入室の許可を取り、担任の真嶋に会いに来たこと伝える。
どこからともなく「ほぅ…」「今年のAクラスは…」と感嘆の声が漏れる。
一部、苦い顔をする教師も居たがそれを生徒に向けるような真似はしない。意識して真剣な顔を作る。ここにいるのは、皆、生徒に尊敬される大人たちなのだから。
※例外もいます。
「…西園寺か、どうした?」
「真嶋先生、お忙しい所、申し訳ございません。予約もなく来たことも…」
「いやいや、気にするな。生徒の相談に乗ることも、教師の仕事の内だからな。要件を聞こうか」
突然来た教え子。自分の要件の前に先に失礼した事を詫びる姿に(本当によくできた子だ)と鼻高々になりながらも、
次の授業まで10分もない。生徒指導室に行くか迷うが、「ここでいい話か?」と聞くと「大丈夫です」と言われるので、湯呑みのコーヒーに口をつけながら先を促す。…残り半分と少しで冷めてしまっていたので一気に煽る。
「実は、真嶋先生…」
「あぁ」ズズ…
「昨年度の、中間の期末試験の問題を頂きたいのですが…」
「ブブッ…!!」
むせた。なんとか眼の前の教え子にかけぬよう顔を背けるが、卓上の書類は全滅だろう。
「ゴホ!ゲホ!!」「真嶋先生!大丈夫ですか…!?」
ざわざわ…
「馬鹿な…早すぎる…」「おい、今年の…って…」「ああ、まだ決まって…」
そんなことに気が付かない程、咳込んで呼吸を整えようとする真嶋。
むせる教師、背中を撫でる生徒、ざわめく教師陣。職員室がプチパニックに陥った。
その後、なんとか落ち着いた真嶋が職員室中の視線を集めながら西園寺に先程の質問の意図を聞く。
教師陣の注目に首を傾げながら、彼女は落ち着いた様子で返事を返す。
「?…真嶋先生は朝に、
「それで、過去問か」
「はい…ここが学校で、先輩がいる以上過去問があると思いまして」
「まさか今日の時点で、過去問の存在にたどり着くとはな…流石、歴代最高のAクラスだな」
「??…ありがとう、ございます?」
更にざわざわする職員室。過去問。一年生最初のテスト問題は
つまり、その存在に気がつけば退学のリスクは大幅に軽減できる。
例年、察しのいい生徒や他の学年との交流がある部活の先輩後輩経由で気がついて利用される。
―――そして、この件は上級生にもルールが制定される。
『1年生に売ってもいいテストの
それぞれ、A〜Dの保有クラスポイント、所持プライベートポイントによって大凡の範囲が決められる。
今日はまだ5月初日で、この後に2年3年の学年主任とも相談して決める予定だった。
その数字の範囲で、話を持ちかけられた上級生が「〇〇ポイントで」「誰にも言うなよな」と言って契約を交わし、
クラスの担任などに「〇〇クラスの☓☓と契約をしました。過去問を送ります」と話すことで契約を完了する。
―――このような形になったのは、以前に詐欺行為を働いた生徒がいた為だ。
所謂、暗黙のルールだ。契約などに不安がある下級生を教師が保護する為にそういうお達しが各2年、3年に送られている。
話を戻すと、真嶋も、そしてその場にいる誰もが、まだ過去問の金額について決めていない状態だったのだ。
これには内心、真嶋も唸る。例年通りの金額を提示しようにも、相手はAクラス。金額面でDクラスが払えるような金額では即払ってしまうだろうし、
逆にAクラス相当の金額を指定すると金欠なDクラス生徒は手が届かなくなる。
自分の教え子に手助けをしたい気持ちを抑え、やむを得ず様子を見守っていた3年の学年主任に視線を向ける。
(直接この場で聞かなければ先輩の所へ行くようにといくらでもアドバイスを言えたが、仕方ない)
相手も、首を左右に振った。つまり、
「…西園寺、過去問は確かに保管がある。ただ、その問題を一年生が
「問題…ですか?」
「そうだ。過去問とはすなわち、前年度に実際に行われたテスト問題。お前たちが受けることの出来なかった、本来
「はい、先生のおっしゃる通りだと思います」
コクリと頷きながら相槌を打ってくれる教え子に、周囲の教師も「うんうん」と頷いてくれる。素直な子で良かった。心からそう思う。…決して、
「その金額は…100万ポイントだ」
「100万ポイント…ですか」
「そうだ。我々
あまり驚いたようには見えない曖昧な表情の西園寺。恐らく、彼女自身が必要としたわけではないのだろう。そして、あまりに
それにコクリと頷き、「少々失礼します」と一言かけてからスマホを取り出す西園寺に返事をして周囲を見渡す。学年主任の教師が頷いていたり、事態の着地を予期して観戦していた教師陣も次の授業の支度へ戻っている。
「真嶋先生」
「ん、ああ、すまない、よそ見をしていた。過去問の件、どうする?」
「はい、それなんですが…」
少し意地の悪い質問だったか。端正な眉を顰める西園寺に罪悪感が向く。こんな時期に、100万どころか50万ポイントすら持っている生徒など居たことが無い。そろそろ時間もないと退出を促そうとすると、西園寺から端末が差し出される。
「ん?西園寺?」
「100万ポイント、お支払します」
「……………………………は…?」
真嶋は、思わずポカンと差し出された端末を見て呆然としてしまう。なんなら周囲の教師たちもほとんど同じような表情でフリーズしている。
キーンコーンカーンコーン♪
「……な、なに!?も、もう一度、言って貰っていいか!?西園寺!」
「…?はい、100万ポイントで過去問を売って頂きたいです」
予鈴と共に再起動する職員室。周囲の関係のない教師も思わず、という雰囲気で差し出された端末を凝視する。
《PP:1,140,061》
114万ポイント…。思わず二度見するが、数字が変わることは無い。
「………」ポカーン…
「………?」
「………」汗ダラダラ…
「…あの、真嶋先生?」
「………………あ、ああ…」
「…大丈夫、ですか?」
「あぁ………大丈夫、だ…」
なんとか「少し待て」と言葉を絞り出し、来賓用のスペース(パーテーションで覆われている)に行くと、察して来てくれた学年主任で打ち合わせをする。
Aクラスとはいえ、過去問を100万ポイントなんて金額設定をしたら、どんなに調整してもDクラスの生徒すら20万ポイント以下で配布することが出来なくなる。
赤点生徒、終了の危機だ。流石に学校としても、救済要素を潰して退学者を量産したい訳ではない。三者の意見は一致していた。
結論、何とか過去問の料金を
三人で西園寺の元に戻り、青い顔をしている
※この後めちゃめちゃ値引きをした。だいぶ苦戦した。
なんなら午後の最後の授業開始が遅れたり、自習になったりした。
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その日の放課後
「あ、有栖さん、少しよろしいですか?」
「は、はい、どうしました?撫子さん…」肩ビクッ
「こちら、昨年のテストの過去問らしいです」
「はぁ…過去問、ですか…」キョトン…
「はい、真嶋先生から
「…」ポク…ポク…ポク…
「…」ニコニコ
「………!!」チーン…♪
「………?」首傾げ
「ふ、ふふふふふふ…!分かりました、ええ、お任せ下さい。必ず、結果に出して御覧に入れましょう」
「は、はい…。よろしくお願いしますね…?」
「ふふ…流石、撫子さんですね。撫子さんは、またご自由に動いて下さい。Aクラスの事は、
「(上機嫌だから良いのでしょうか…?)はい、それではごきげんよう」
「ええ、またよろしくお願いいたしますね、
この後めちゃめちゃ神室に頼んでコピーした。そして両リーダー主導の元、他クラスへの情報規制を徹底させた。
Aクラス、初の期末テスト合格内定の瞬間である。
次回は番外編です。
各クラスの知り合い視点を番外編で投稿予定です。
現在、予定しているのはBクラス、坂柳、葛城、堀北生徒会長、南雲副会長の視点を予定して1話を作成しています。
割と進んでいるので、また明日にでも出せると思います。
少しだけお待ちください。
またご感想、高評価あると嬉しいです。よろしくお願いいたします。
他者視点の番外編の頻度は?
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1月に1~2回くらい(今くらい)
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もっとあってもいい。
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あんまりいらない。