ようこそ(勘違い)大和撫子の学校生活へ 作:エカテリーナ
次は月曜か火曜にお願いします。
誤字脱字は助かってます。
では、どうぞ。
ーーーーーーーーー
side.坂柳
『私は、Aクラスの皆さんと
春先なので、お体を大切になさって下さいね』
こちらへの派閥への参加を求めるべく、
「あなたはこれからどうするのですか?」とメッセージを送った返事が、これだ。…
彼女は恐らく、同じようなメッセージを葛城君にも送っていることだろう。
彼女と、彼女に追随する生徒達。数こそ少ないが、キャスティングボードを握るには十分な第三勢力。勿論、こちらにもあちらにも彼女の
それを理解しての、静観。
逆に言うなら、
恐らく、派閥間の争いがクラス戦の不利益となることを嫌ったか。しかし、
それなら4月からあそこまで外クラスでの
それをしなかった理由は、恐らく2つ。
1つは情報収集。勝ち切れるか分からないまま戦いを起こした場合、結果どうなるかは歴史が多くの国々で証明している。
その為に最低限の
2つ目は…
…屈辱的だ。そう、屈辱的な、
西園寺撫子が、
私を必要と、求めてくれている…!
西園寺撫子の、彼女の寵愛を受けるのは私でなくてはならない。その為なら、いいだろう、
そうしてクラスを手にしたその時は、
誰の目にも届かせない。彼女だけの檻を用意して、永遠に私と遊んで貰うのだ。
坂柳有栖は生まれて初めて、欲しいものを見つけて妖艶に微笑む。
丁度、自らの送ったメッセージにも再度の返事が来ていた。
『撫子さんが皆さんを率いては?』
『私が表に立つのは荷が勝ちすぎています。有栖さんのことを
"
「ふ、ふふふふふふ…」
もう堪えられなかった。近くの
あぁ、私は、必ずこのクラスの頂点に立つ。もう少しだけ、待っていて下さいね、撫子さん。
※この後の放課後に、過去問を貰って再びフルフルニィする予定。
ーーーーーーーーー
side.葛城
『これからのクラスについて、力を貸してくれないか?』
そうメッセージを送った相手は、このクラスのーーー否、この学年、もしくは学校でも注目を集める女子生徒だった。
西園寺撫子。その見た目の美しさ、性格から羨望を一身に集めている、俺のクラスメイトだ。
初めて彼女と話したのは、2日目の朝、HRでの事。杖をついていたので身体について(内心)気をつけていた生徒、坂柳有栖とのこの学校に関わる重要な会話。
あの時はよもや、と思わなくもなかった。15年過ごしてきた常識ではあり得ない、騙し討ちのような事をまさか政府主導のこの学校がするとは夢にも思っていなかったのだ。
クラスでも親しくなった友人達も、まさか、という気持ちが強かったが、日に日に疑問は恐怖に変わり、恐怖は俺たちの意識を徹底的に変えた。
部活の先輩方に聞いたら、教えてくれなかった。
上級生のクラスの席が少なかった、ずっと無料の定食を列をなして食べている先輩方が居た。
かくいう俺も、生徒会への入会を希望した際は、「来月改めて来るように」と判断を保留にされた。
その際に、堀北生徒会長に学校のことを聞くと「答えられない。…意味は、自分で考えることだ」…そう、
そこから俺は、自分を慕ってくれるクラスメイト達へ意識改善を促した。生活態度を改める事、部活では全力で尽くすこと、それに注力して勉強を疎かにしないこと。
横目で、「今更気がついたのか」と冷たい目で見てくるクラスメイトを見てやっと俺は
そうして訪れた5月1日。明かされた学校の真実に、驚きがなかった訳ではない。ただそれ以上に、その存在に気付き、100%信じて対策を取った西園寺や坂柳に驚きなのか、あるいは尊敬なのか大きな衝撃を受けた。
今、Aクラスは内部に危険を抱えている。2つの勢力がお互いを敵対視している為だ。1つは俺たち。そして坂柳の陣営だ。彼女たちは2日目の時点で今日の状況を予期して生活態度だけでなく、自信がある部活に所属したり他クラスとの友好を広げたりと非常に戦略的に手を伸ばしている。
内部への信頼と絆は決して劣っているつもりはない。ないが、これから他クラスとの争いになることを考えるとこのままではいけない。Aクラスは纏まるべきなのだ。
―――正直、俺の本心だけ話すなら坂柳に仕切って貰っても構わないと思っている。彼女だけなら、体の事もあるだろう、無理はさせられないと思っただろうが、西園寺の存在が救いとなった。
彼女が居るなら、坂柳は、このクラスは大丈夫だと思ったのだ。あのカリスマは、能力は、俺にはないもので羨む気持ちよりもついていきたいと感じさせる強すぎる魅力を周囲に与えている。
恐らく坂柳も同じように勧誘をかけているだろうが、この俺個人としてはどちらのというよりもクラスの味方で居てくれるなら何も問題ない。
坂柳のやり方を好まないクラスメイトもいるだろうと、陣頭に立つ事を受け入れたがこのまま結果を出して行くなら、俺の存在はクラスに必須ではなくなる。その気が来たのなら、甘んじてリーダーの地位を坂柳、あるいは西園寺に託すのも悪くはないだろう。
…この学校の試験、決して甘くはないはずだ。周囲で坂柳の陣営へ敵愾心を向けるクラスメイトを宥めながら、クラスでの協力の必要性を説き、出来るだけ円満に軋轢を取り除く。
零れ落ちる奴らの受け皿になる。それが、俺がなすべき役割なのだろう。
―――そういうことだよな?西園寺。
『もちろんです。坂柳さんの力も、葛城君の力もクラスには必要なもの。
――――――――――――――――――――――――――――――
Side.Bクラス
「ーーーという訳で、私達Bクラスのポイントは650cpとなり、来月からの、支給ポイントはーーー」
Bクラスで星之宮がSシステムの詳細を話す。それをざわざわとした雰囲気で聞く生徒達。
卒業特典がAクラスのみとなり、また赤点を取ると即退学と言われて情報の多さに受け止めきれなくなる。
騙し討ちのような学校のスタンスに、弱々しく俯く生徒もいる。
それを見て、星之宮が動く。いつもの明るい表情で点数を上げる方法もあること、クラスが一丸となって挑む試験などもあると励ます担任に、徐々に顔を上げる生徒たちに満足そうに頷いて「大丈夫そうだね…!このBクラスのみんなで、Aクラスを目指していこう!」と纏めると、元気な返事がクラス中から聞こえる。
「あ!それと皆に言っておかないといけないことがあります!…特に、一之瀬さんはしっかり聞いてね!」
「…?はい!」
少し真剣そうな顔で星之宮が言ったのは、この情報についての
曰く、5月に入るより前にこの情報を偶然か自力かで掴んだ生徒は教師から口止めされるらしい。
それを聞き、ハッとした皆の視線が再び黒板のクラスポイント一覧を見る。
圧倒的なポイントを誇るAクラス。そのカラクリの一端が暗に明かされた。
居たのだ。最速でクラスにシステムを解明し、信じさせる実行力と信頼を持った生徒の存在が。
それに思い至ったBクラスの生徒に、特に一之瀬と神崎の脳裏にはある生徒が鮮明に思い浮かぶ。
何人かの生徒が一之瀬を心配そうに見ているが、それに頷きで返す。
HRが終わると、ざわざわとするクラスメイトをまとめるべく教壇に立ち「これからの事について放課後に作戦会議をします!…部活動や、予定がない人は参加してほしいな」と伝える。
「了解!委員長!」
「わかった、空けておくね」
「俺は部活だけど、先輩からなんか聞けないか当たってみるよ!」
「あ、じゃあクラスチャットのグループに議事録残しておくね」
一気に纏まりを取り戻すBクラスに、内心ホッとしていると「一之瀬」といつの間にか横まで来ていた神崎が一之瀬に耳打ちをする。
「…なで、……西園寺の事だ。時間を取れないだろうか?」
「…そうだね、行かないといけないかも」
そういってお互いにメッセージでアポを取る。…明日の昼休みなら時間をしっかり取れるらしい。こちらも忙しい身空だ。我が儘は言えない。
先に一之瀬が連絡がついた為、神崎も同席する許可を取り、お互いに頷きクラスメイトへ向き合う。
これから戦う相手
気が抜けない相手に、クラスの力を一つにするべく、二人進んでいく。
(撫子と会ったあの日…あの日から、一体いつ、彼女は学校の秘密に気がついていたんだ…?そうであれば…)
(撫子…、寂しがってないかな?あんまりAクラスの人の事は言ってなかったから、…もし、そうなら私が…)
…若干
――――――――――――――――――――――――――――――
Side.副会長
最近、あまり眠れていない。
詳しい事情については開示されていないし、今こちらから彼女へアプローチをかけて聞き出すのは更に状況を悪くするだろう。
西園寺撫子。見た目も能力も最上の女だ。実は、堀北会長が懇意にしているのかとも思ったが、あの距離感では違うか、
ファーストコンタクトは失敗したが、人は評価が悪い、あるいは嫌いな相手が見せた好意や好成績に強い衝撃を受けるものだ。この立ち位置からでも十分彼女と
そう自分を宥め、次の日に学校に登校すると下駄箱に手紙があった。…別にこういうのは初めてではない。すれ違ったクラスメイト達に冷やかされながらもクラスで読んでみる。
時期的には1年生か、あるいは3年か?同学年での支配は終わっている。そう考察しながら、水色の便箋に目を走らせる。
【お前を見ているぞ】
「―――」
絶句である。単刀直入な一行の文字。脅迫文にしては、達筆でしかも肉筆だ。何なら丁寧に自分のクラスと名前まで書いてある。自分の知らない1年生の女子生徒だろう。本名なのかまた本人なのかは調べないと分からないが、ここまでハッキリとストーカー宣言されたことは無い。
クラスメイトから「ラブレターか?下級生なら優しくしないと後を引くぞ?」と声をかけられるが、引き攣りながら「あ、あぁ…」としか返せない。
その日はサッカー部のヘルプもそこそこに、足早に自室へと帰るのだった。…途中、振り替えるも自分を見ている生徒の姿はない。
ところが、次の日も手紙が入っていた。今度は3通。クラスメイトからの歓声も嫉妬交じりの視線にも、「は、ははは、まあな」と、引き攣っていないか不安な笑みしか返せなかった。
…なずなの訝しげな表情が目に入るが、こんなこと頼れん。恐る恐る便箋を開ける。
【撫子お姉さまに近づく害虫め】
【百合の園に立ち入る狼藉は万死に値する】
【西園寺さんを悲しませるなんて絶対に許さない】
やはり、脅迫文だった。…というか、生徒会の新人の関係者だと判明した。今度もしっかりと名前が書いてあり、今度は上級生からも来ていた。思い当たるのは先日の一件。彼女の婚約者絡みの地雷を踏み抜いた件だ。
どこから漏れた?…いや、生徒会の中の誰かだろうが、俺の失脚を望んでいる誰かの陰謀かもしれない。配下を使って探ってみるも、
何とか2年の連中の誤解は解けたはずだが、他の学年からの認識がこのままなのは不味い。堀北会長との
そして5月1日。朝のHRでこの学校のSシステムについて公開される。HRの終わるのと同時に送信予約をしていたメッセージで彼女を生徒会室に呼び出した。
「1-A、西園寺です。入室致します」
「ああ、待っていたぞ
「いいえ、南雲副会長。とんでもございません。それで―――」
「ご用件は…」と続ける彼女の声が徐々に小さくなる。急に頭を下げた事で、意表はつけただろう。
慌てた様子で頭を上げる様に言ってくるが、被せる様に前回の件の詫びをする。
「非常にデリカシーのないことをした」「しっかりとした謝罪をしないと、俺は自分を許せない」「お前が俺を許せないなら、副会長の役職を辞しても構わない」
そう矢継ぎに捲し立てると、少しの沈黙の後にしっかりと謝罪を受け取った事を告げられ、「ありがとう、本当にすまなかった」と言い頭を上げる。表情を見るに、不信感やそういった感情は無さそうに見える。
その後は急に呼び立てた件と、謝罪の意味も込めてプライベートポイントを振り込む。当然、固辞されたがこれは
「こちらからのお願いばかりで悪かったな。そっちからも、なんか相談があったら何時でも頼ってくれ」
「ありがとうございます、南雲副---」
「雅、って呼んでくれないか?南雲だと少し余所余所しく感じてな。…俺は来期、生徒会長になる」
真剣な表情で西園寺の、…撫子の目を見ながら目標を告げる。コクリと頷く撫子に一転、朗らかな表情を作って「そうなったら、生徒会の役員同士は下の名前か、あだ名で呼び合うようにする。フレンドリーだろ?」と聞くと、クスクス笑いながら「分かりました、雅副会長」と返される。
大分打ち解けた雰囲気は作れた。おおよその
若干素で慌てて時間を聞くが、まだ余裕をもって間に合うらしい。来た時と同様に、綺麗な礼で退出する撫子に手を振って見送る。
…
……
………
「ふぅ…」
一人きりになった生徒会室で、マナーモードで振動するスマホに出る。
「どうだった?」
「―――」
「そうか、ご苦労だったな」
「―――」
「あぁ」
ピ、と通話を終える。内容は親衛隊の目に今回の
生徒会室に向かう廊下、その廊下に繋がる階段全ての踊り場と空き教室に
西園寺撫子の後にその廊下に向かう
取り纏めていた奴からの電話では、2人居たらしい。その2人が速足で去った後に、撫子も廊下を通って移動したらしく、ほぼ確定だろう。
今回の一件、俺は2年生を中心に今日この場所に西園寺を呼ぶことを仄めかして拡散した。それにより、親衛隊をそれとなくこの場に誘導し、俺からの謝罪現場を(気付かれない振りをして)目撃させる。
これにより、事態の鎮火を狙ったのだ。
撫子の事は欲しいと思うが、それは今じゃなくてもいい。完全勝利を決めて、3年となりウィニングランを走る際に《目をかけて》やればいい。
計画通りに進んだことに、南雲は隈が出来た表情で一安心だと微笑む。
※そんな彼がまた撫子から爆弾を投げられるまで、後、--日。
――――――――――――――――――――――――――――――
Side.生徒会長
「会長、お待たせいたしました」
「いや、急に呼び出したのは俺だ。気にするな」
屋上に、新しい生徒会の仲間を呼び出したのはある事を相談する為だ。
生徒会室では他の役員や教師、生徒の急な訪問が邪魔になる。生徒の模範たる俺達がそれをいちいち邪険にする訳にも行かず、結局は人気のない個室か特別棟、そして屋上のような、邪魔の入らない場所が一番都合がいい。
別件から少し遅れたことを詫びられるが、これから頼む事は生徒会の中では彼女にしか頼めない。
…もし、アレがこの学校で成長を望むなら、この頼みは生徒会長として出来る最高の手助けになるだろう。
…だがもしも、もしもこの眼の前の少女の属する歴代最高のAクラスの打倒を目指すのなら、これは兄として最低の裏切りになるだろう。
実は彼女が来るまで、らしくもなく考え続けた。気にかけてやってくれと、単純な言葉一つで済ませても西園寺なら嫌な顔一つせず手助けをするだろう。…しかし、それでは何も変わらない。俺も、鈴音もあの頃の幼いままになってしまう。
少し、心配そうにこちらを見ている西園寺に正面から見据え、静かに告げる。
「西園寺、お前に頼みがある」
「はい。何でしょうか?」
「俺の、…妹のことだ」
「妹…?」
そうして俺は眼の前の年下の少女に赤心を吐露する。妹が心配な事。兄の背を追うばかりで、他をなにも見ない、他者を見下す傲慢な生徒になっている事。このままではこの学校の試験で傷付き、立ち上がれなくなってしまうのではないかと不安な事。
…もっと恥ずかしい事を言ってしまったかもしれないが、西園寺は一度も笑わずに俺の話を聞いてくれた。最後に兄として、頭を下げて妹の事を頼む。自分ではダメなのだと。突き放して傷付き合うしかできないのだと赤の他人に希う。
言葉を尽くしたのを皮切りに、ガバリと頭を下げる。驚く彼女が何かを言う前に被せるように自分勝手な頼みを後輩にする。みっともなくて、泥臭くても妹の事を思えば、なんでも出来る。なんだって、してみせる。
…間に合わなかった後輩に、まだ助けられる妹を助けてくれと、どんな面で言っているのか、自分でも分からないが言葉と誠意を尽くすしかない。
膝をついて、目を見開く彼女に懇願する。
「頼む…!西園寺!妹を、鈴音のことを助けてやってほしい。ポイントでもなんでも、俺ができることなら何でもする!…俺は、俺ではダメなんだ…!俺が会えば、鈴音は駄目になる!!…そうなる前にーーー」
「………っ!」
「!?」
むにゅん。
…
……
………なにが、起こっている?
頭部を覆う柔らかい肌感に、先程までのすべてが頭からかき消えている。
感じるのは熱と、規則的な心音。頭を抱きしめている両の腕に、かすかに震える様な、耐えるような彼女の息遣い。
抱きしめられている。無様に年下の女子生徒へ土下座をする男を抱きしめて泣いている。「大丈夫、大丈夫です。…大丈夫…っ」と頭を撫でられながらいると、不思議と不安や恐怖が薄れていく。
その後、数分間だったのだろうが「大丈夫だ、西園寺…もう、」とくぐもった声で伝えると開放され、妹のことを伝えてから見ていなかった彼女と目が合う。
彼女は、泣いていた。しんしんと、泣き声を上げずに泣いていた。
「何故、お前が泣く?」
「…会長が、泣かないから、…かもしれません」
「…俺は生徒会長だぞ。後輩の前で泣く訳がないだろう」
「そう、ですね…そうかもしれません」
儚げに笑う西園寺に、ハンカチを差し出す。「ありがとうございます」と言い涙を拭うと、「妹さんの件ですが…」と本題を切り出され、身を正す。
お互いに屋上で座り込んでいるのは滑稽だったが、しかし大切な妹の為の話し合いだ。真剣に向き合う。
「妹さんは、私と同じ新入生としていらっしゃるのですね?」
「あぁ、…Dクラス、堀北鈴音。不肖のふぃもふとだーーー、何をする」
抱きつかれる距離だから、当然相手の顔に手が届く。突然手を伸ばして頬を引っ張る西園寺に苦情を言うと、珍しく不満げな表情で「大切な妹さんのことを、不肖の。なんておっしゃらないで下さい」と叱ってくる。
思わず
立っているならともかく、胡座をかいて座る今は踏ん張りが効かない。文字通り、目と鼻の先。否、間くらいの距離で見つめ合う。
根負けして目を逸らすと、
思わず非難混じりの目を向けると、口を尖らせて「大切な、妹、です」と言ってくる。
諦めてため息混じりに、「そうだ。俺の大切な、妹の鈴音のことを助けて欲しい。頼めるか?」と伝えると、満足げに微笑んで頷いてくれる。
「かしこまりました。全身全霊で望みます」
「いや、そこまで本気じゃなくていい。彼女がこの学校で挫けぬように、適度に目を向けてやってほしい。…出来るなら、彼女と友達になってやってくれ」
※中学時代、妹が友達を一人も家に連れて遊ばないのを本気で心配した兄。
「そうですか…?では、適度に助けますね」
「そうしてくれると助かる。…すまない、俺たち3年生もこれからよりハードな試験に挑むことになる。頼みきりになってしまい申し訳ないが…」
「いえ、どうぞ、お気になさらないで下さい」
「そうもいかん。これは、多分に私情が入っている頼みだ。…心付け程度だが、受け取れ」
ピロン、と通知音が彼女と俺の端末から鳴る。確認した西園寺が慌てたように返そうとするが、速攻で端末の設定を変えて受け取りを拒否する。
2、3回は固辞されるがこちらが譲らないと分かると渋々受け取ってくれた。「ポイントを貰うのは今回で最後にして下さい」と言われたが、今日初めて彼女に我を通しせたことに満足感を覚え、「わかった、わかった」と適当に返す。
その後、彼女と軽く相談をして屋上を去る。廊下で見送られながらクラスに戻る帰路。
鈴音を見たその日から続く憂鬱が、少しだけ晴れるような気分だった。西園寺撫子。彼女との出会いは、きっと天佑だったのだろう。
妹と後輩、二人の事を考えながら学は歩を進めるのだった。
※金で妹の世話を頼む最低な先輩だと気付き、生徒会長がかつてなく落ち込むまであと5分。
番外編、ありがとうございました。
真嶋「胃が…」
星之宮「大好き!(性的)」
茶柱「見守らねば」
坂柳「欲しい(意味深)」
葛城「欲しい仲間的な意味)」
神崎「気になっている」
一之瀬「大好き!(親愛?)」
白波「撫×帆…?いや、帆×撫…?」
龍園「俺が手に入れる」
?「お姉さまお姉さまお姉さま」
堀北学「柔らかかった」
橘「守護らねば…」
南雲「いずれ自分のものに…」
また次回から進んでいくので、気長にお待ちください。
感想待ちしております。
AクラスとDクラスとの関係は?(割と重要な分岐になるかも。また、所属するクラスメイトとの関係は別とします)
-
盟友レベル(最高)
-
同盟レベル
-
友好レベル
-
他人レベル(原作並み)
-
敵対レベル
-
嫌悪レベル
-
削除レベル(最悪)