ようこそ(勘違い)大和撫子の学校生活へ   作:エカテリーナ

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大変お待たせしました。
2巻本編です。そして連投2つ目。
朝イチに一話投稿済みなので、まだの方はそちらもご覧ください!

そして、もう一つ完成しています。
では、どうぞどうぞ!!


7月~暴力事件 学校裁判編~
①:レスキュアーとマリーシア。+西園寺撫子の応急処置講座


その日、撫子は生徒会の用事で特別棟にいた。

―――生徒会の仕事は多岐にわたる。生徒たちの仲裁・差配、その他の生徒が絡むあらゆる業務には生徒会の手が入るといっても過言ではない。

 

ただ、いきなり上級生や部活の活動内容の視察や監査など新人(いちねんせい)の仕事ではない。彼女が行っているのは備品の確認だった。

特別棟は文字通り、通常の授業以外の実験や情報処理など机上以外での授業を主に行ったり部活動や特別試験などで利用することがある教室のある建物だ。

 

普段使わないからこそ、特別な時に不備があってはならない。生徒会長(堀北先輩)の言だ。その教えに従い、撫子は手元のクリップボードのリストにチェックを入れていく。

教室内の机や椅子、チョークの数など確認をして破損は無いか等をテキパキと確認し、次の教室へと順に進んでいく。

 

そうして特別棟の上層階から作業を進めていく撫子だが、7月が見え始める梅雨明けのこの季節は、非常に蒸し暑く感じる。それを考慮しても尚、特別棟は()()()暑い。普段の教室や廊下は、空調を完備しているが特別棟は文字通り()()使()()()()()教室だ。そんなものは無い。

 

すこしだけため息を吐きながら静かな校内で作業を進めていく。そして、3階を終えて2階に辿り着く撫子だが、階下からの物音に気が付く。

 

「…っ!…!!…!」

 

「!!っ!…!」

 

「?(誰か…校内にいる?)」

 

 

男子生徒の微かに話す声と、衝撃音。異変に気付き速足で1階へを降りるとそこには地に伏す男子生徒たちの姿があった。

 

 

「…っ!大丈夫ですか…!」

 

「…え?」「…ぅぅ…」「…ちょ、なんで」

 

「もう大丈夫です、直ぐに―――」

 

 

顔中に殴られた跡や、首元や手先には青い痣が出来てしまっている。一部の生徒は鼻血がシャツを汚して非常に暴力的(バイオレンス)な様子だ。

撫子は一番近く、そして一番症状が悪そうな男子生徒に近づき意識確認のために処置をしようと駆けよる。

 

周囲に彼らを()()()人物はいない―――安全確認。

声掛け、肩を叩いた事への反応がある―――意識確認。

手首や脈、また出血や頭部への症状―――顔が赤いこと以外なし。

 

一先ず、命の危険が無いことを確かめると次の助けを呼ぼうとする…が、こちらに駆け寄ってくる足音に気付き、目を向ける。

 

 

「大丈夫か!石崎!!」

 

 

龍園翔。Cクラスの、以前相談に乗って貰った男子生徒だった。

 

 

「龍園君…!?どうしてここに?」

 

「こいつらに相談されてたんだ…!石崎…!くそ、俺がもっと早くかけつけてりゃ…」

 

 

そこには普段の冷静な姿は無かった。拳を震わせて俯く彼の表情は見えなかったが、この事態が彼にも予想外だったのか驚愕や焦りのような気配を撫子は感じ取る。逆に、倒れ込んでいる生徒達からは安堵したような、それでも不安そうな気配を感じた。

一番落ち着いている自分が、この場を取り仕切らねば。そう思い、努めて落ち着くために深呼吸を一度しておく。

 

駆けつけたクラスメイトに安心したのか、撫子が初めに安全確認をした生徒が口を開こうとすると龍園が体を支える様にして姿勢を整えて声をかける。

 

 

 

「りゅ、りゅうえ「大丈夫か!!石崎!誰がやりやがった!」…プッ…」フルフル

 

「龍園君、彼の怪我が一番…。私が診ま「いや!石崎は俺のダチだ!…俺がみる!」…は、はい…!」

 

「「…ク、フ…フフ…」」プルプル…!

 

「お二人共、大丈夫ですか?意識は、ありますか?」

 

 

痛みからか、小刻みに震えを見せるCクラスの生徒に撫子は意識確認から症状の診断をする。

当然、その最中にもスマホから星之宮先生にコールし、場所と怪我人。症状などを伝えるのも忘れない。

 

通話は繋げっぱなしの為、星之宮側にも逼迫した状況がリアルで伝わっている。彼女は職員室の教員を複数引き連れて特別棟に走りだす。

龍園も友人の石崎?君を壁に寄りかからせると症状を聞くためか、勇気づける為だろうか、会話をしている様子だ。時折こちらを見て、「大丈夫そうだ」と頷き、ずっと励ましの言葉をかけている。

 

その後、楽な姿勢を取らせて脈を測ったり、目の動きをみたり(手を手で取ったり見つめ合ったり)記憶の混乱はないか(自己紹介し合ったり)している内に震えも収まった二人は、痛々しい腫れやたんこぶのある顔からも安堵を覗かせる。

 

 

こういう際に、怪我人は不安に陥りやすい。龍園君のそれに倣い、撫子は二人の手をしっかりと握り笑顔で声をかけ続ける。

…勿論、実際にはないが手を握られた二人の生徒には撫子の背中に羽が、頭上には天使の環が幻視されていた。

 

 

「大丈夫です、直ぐに、星之宮先生が来ますからね、大丈夫ですよ…!」

 

「…は、はい…(天使…!)」

 

「ありがとう、ございます…(女神だ…)」

 

 

………

 

 

「りゅ、龍園さん…(俺もあっちが良かったな…)」ブワッ…

 

 

「どうした!?石崎!…クソ、誰だ!誰がやりやがった!!ただじゃ済まさねえ…!よくも俺のダチの石崎を…」

 

「「「ブフッ…」」」プルプル…

 

 

何故か同時に腹を抑えて蹲る3人。それに「腹部?…お腹ですか?お腹が、痛いのですか?…星之宮先生、生徒達は腹部に強い痛みを…」としかと症状を伝達する撫子。

 

まさに完璧な対応。その後、一次応急処置をしっかりこなし、励ましの言葉をかけ続けた撫子にBとCの担任名義でAクラスへのcpの付与申請が成されるが、この場では関係ないので割愛する。

※事情を聴いた学年主任(A)からも申請される。

 

この件は、生徒会の先輩や星之宮先生と坂上先生その他の先生たちも駆けつける騒ぎになった。

発見者となった撫子からの症状の説明、そして星之宮先生の直接の診断で恐らく大事ではないとされると、男性の教師たちが肩を貸して彼らを保健室へ運んでいく。

 

 

そうして7月の始まり、そして新しい事件の幕が上げるのだった。

 

 

 

――――――――――――――

Side.堀北(学)

 

 

 

「―――以上が、昨日あった件の報告になります」

 

「よくわかった。報告、そして当日の対処もご苦労だったな、西園寺」

 

「いいえ…私がもっと早く気が付いていれば…」

 

 

生徒会室で西園寺の口から、昨日あった特別棟の暴力事件の報告がなされる。

偶然とはいえ、その場に生徒会役員が居たのは非常にありがたいのが本音だ。

これが即、罰則になるのかそれとも審議を挟むことになるのか…。いずれにしても、大切になるのは完全に信用できる発言、証人になるのは間違いないのだから。

 

目の前で他の役員達に「西園寺が責任を感じることは無い」「一緒に居たら襲われていたかも…」と慰められている西園寺だが、その活躍はめざましいものだったそうだ。

怪我人の応急処置や養護教諭に連絡、救助を呼んで彼らが運ばれるまで懸命に声をかけ続けたらしい。

 

学年主任(真嶋先生)養護教諭(星之宮先生)、そして被害生徒の担任(坂上先生)から連名でAクラスへのcpの付与が申請されたらしいが西園寺は固辞したらしい。

理由は以下の通り。

 

「自分は報酬の為に彼らを助けた訳ではないし、生徒会役員として当然の事。他の役員の先輩の方々もきっと同じことをする」―――との事。

当然、それを聞いた面子の表情が崩れたり、良心が痛んだのか胸を押さえていた。

 

 

「…さて、西園寺。これからの流れについてだが、今一度確認しておこう」

 

「はい、よろしくお願い致します」

 

「まず、お前にはこの後に証人としての立場を求められる可能性がある」

 

「…はい」

 

「実際の所、この件は被害者生徒から暴行した相手生徒の情報も得ており犯人捜しの手間はない。しかし、それだけで白黒結論をつけることが出来ない。…分かるか?」

 

「はい、…つまり、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。そういうことでしょうか?」

 

「っ…!それは…「そういう事だ」…」

 

 

思わず、という様に口を挟まもうと橘の声を封殺する様に言葉を重ねる。西園寺の発言に否は無いし、実際のところ事実だからだ。

自作自演。虚偽報告。この学校のみならず実社会でも十分あり得る可能性だ。冷徹に、そして中立にその判断を下すのが、俺たち生徒会なのだから。

 

 

「西園寺、これから加害者として名の上がった生徒。Dクラスの須藤健がどういった動き(アクション)を見せるかでこちらも動きを変える必要がある()()()()、そして()()()、だ」

 

「はい。かしこまりました、堀北会長」

 

「よし、ではこの後の動きについて、ある程度の方針は決まっている。まず初めに…」

 

 

訴えが起きた場合、起きなかった場合、生徒会審議の流れ、注意点、その他を他の役員に被害者役や加害者役を任せながら疑似体験的に教えていく。

それに頷きや確認を挟みながら進行していく。…願わくば、彼女が立派な未来の()()()()として後進を任せられる存在になることを祈りながら。

 

 

※この後めちゃめちゃ過保護に後輩を教育した!!

 

 

 

―――――――――――――――

 

「そういえば撫子、応急処置なんて出来たんだな。先生方がえらく褒めてたが…どうやったんだ?」

 

「ええと実際見せた方がよいでしょうか…。先輩、少し協力頂いてもいいですか?」

 

「え?私?…大丈夫よ」←2年生、女子

 

「まず…周囲の安全確認をします。次に、反応があるか確認します。…大丈夫ですか~?」

→相手を抱き寄せて耳元に囁く。

 

きゃっ…ん゛ん…はい」

 

「次に、助けを呼びます。そして、怪我をしていないか、呼吸があるかを確かめます」

→顔を相手に近づけ目を合わせる。

 

「ん゛んぅ…//」ドキドキ…

 

「…ちょっと呼吸が乱れているみたいですね(先輩、優しい…私に付き合って演技してくれてる…!)…ちょっと失礼します」

→一瞬で抱え上げて、押し倒す様に長机の上に身を横たえる。

 

「きゃ…!ぁ、あの…」カオマッカ

 

「…西園寺さん、凄い…」「良いなぁ…」

 

「次に気道を確保し、胸部の圧迫を行います。…軽く、失礼しますね」ボソッ…

→顎クイ+胸に手を置く。

 

「は、はい…//」カオマッカ

 

「そして最後に、人工呼吸をします」

→顔を相手に近づける。

 

「あ、あぁぁぁ……!」メヲトジル

 

「えっ!本当にするの…!?」「キマシ…!?」

 

「先輩、失礼し「そこまででいい。西園寺、ご苦労だった」…あ、はい。…先輩も、ありがとうございました」

 

「ふぇ…?//」キョトン

 

「えと、こんな感じです、雅先輩」

 

「お、おぅ…凄く分かりやすかった。流石だな。…ん?」

 

「…どうした、南雲」

 

「いや、たしか被害生徒達って全員野…男だったなって…」

 

「「「!」」」ガタッ! ざわ…ざわざわ…

 

「はい、皆さん男子生徒でしたが…それが、なにか…?」キョトン

 

「………ちなみに昨日は…これ、()()()()やったんだ?」ダラダラ

 

「「「…」」」ゴゴゴ…。

 

「?昨日は、意識はハッキリしていましたので先生を呼んだ後は手を握って声をかけ続けました。…怪我をすると、皆不安になってしまうので…」

 

「そうか…良かった。()()()()()()()()()()…」チラリ

 

「「「…」」」スンッ…。

 

「えぇ、そうですね。大事がなくて何よりです」ニッコリ

 




龍園「石崎!しっかりしろ石崎!」

石崎「」腹筋崩壊

撫子「(龍園君、友達思いなのね…!)二人とも、大丈夫ですよ…!
!もう少しだけ頑張ってください…!」

バスケ部A「は、はい…(手…柔らかい…)」

バスケ部B「ありがとうございます…(見…見え…!もう少し…!!)」

ーーー

会長「育成てねば!」使命感

副会長「やりすぎだろ…」汗

撫子「先輩、ありがとうございました」

二年役員「…あ、うん…//(さいおんじ、なでこ…さん)」ポー

他役員「(俺たちの西園寺なのに…)」「(羨ましい…)」「(おい、被害者の名前、控えておけよ)」「(もちろんです!)」「(お姉様お姉様お姉様…!)」


――――
高評価、感想待ってます!あるとやる気に繋がります!お願いします~!
次は明日の7時です!どうぞどうぞ!

撫子は一人で夏用の水着を選ぼうとしている…!偶然、エンカウントしたのは…!?:(※新しいキャラに会わせたいので、推奨は上ですがもちろんレギュラー陣でもOKです。)番外編で投稿予定。よろしくお願いしますね!

  • 佐倉 愛里(依存)
  • 長谷部 波瑠加(友好)
  • 王 美雨(尊敬)
  • 松下 千秋(興味)
  • 伊吹 澪(加虐)
  • 姫野 ユキ(緊張)
  • 山村 美紀(…?)
  • 朝比奈 なずな(関心)
  • 茶柱 佐枝(庇護)
  • ※作者任意:Aクラス生徒
  • ※作者任意:Bクラス生徒
  • ※作者任意:Cクラス生徒
  • ※作者任意:Dクラス生徒
  • ※作者任意:教職員
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