ようこそ(勘違い)大和撫子の学校生活へ 作:エカテリーナ
年内に更新予定です!よろしくお願いいたします!
それでは、どうぞどうぞ!!
side.Cクラス生
放課後のカラオケルーム。クラスの全員が入っても余裕のあるパーティ用の部屋に、俺たちは集められた。
…俺は実働部隊じゃないから、大体のあらまししか知らない。だが、どうやら他のクラスにちょっかいをかける計画がいきなり想定外の事態を招いたらしい。
クラスのボスの龍園さんも中央で女子達を侍らせていても何時もの3割増し不機嫌そうだった。
「ちっ…。おい、あの
「は、はい…。今、向かっているそうです…!龍園氏」
「…急がせろ。俺だけじゃなく、クラスの他の奴らも待たせてるんだ。迷惑かけんじゃねえって言ってやれ。…後、
「直ちに…!」
「使えねぇ奴らだ…。お前らもそう思うよなぁ?」
「「…は、はい…!」」
側近ポジションの金田が慌てて電話をしに部屋を出る。龍園君も、(多分思ってもないだろうが)周りの生徒に同調を求め、周囲もそれに応える。
既に先月から当たり前になった独裁的な支配がそこにはあった。
無音でいることで、店員からの通報や出禁を防ぐ為、カラオケを歌う女子や楽器を鳴らしている男子たちも本心ではないけど、愛想笑いを浮かべるしかない。
それは、彼の後ろで仁王立ちする山田アルベルトの威圧感もある。でも、それ以上に彼を屈服させた龍園翔というクラスの支配者への恐怖が根底にあるからだ。
そうして2,3分くらいだろうか。「遅れてすいません!」という声とともにドアを勢いよく開ける3人の生徒。必死に走ってきたのだろう。汗が浮かぶその顔や腕、ガーゼや包帯、大きな絆創膏や湿布が痛々しい。
彼らは、今回の事件の
その後、龍園さんが「閉めろ」と言うと入口近くの男子が3人を部屋に引っ張るように連れ込み、扉を閉める。
ガタガタと震えながら龍園さんの前に俯きながら並ぶ3人に龍園さんは顎で促すと、出された書類を受け取る。
「………全治2週間、打撲、捻挫、…ち、骨折がありゃ一発だったんだがな…」
「………」
龍園さんの読んでいるのは、彼らの診断書のようだ。ペラペラとそれぞれの症状を読み進めるにつれ、眉間の皺が深く刻まれていく。
…反対に、3人や
「おい…金田。たしか、重症ってのは…」
「はい、龍園氏。30日以上の加療期間を要するものになります。つまり、3人の状態は
「ちっ…!」
「すいません…!」「「すいません!!」」
金田からの言葉で、俯いていた彼らは更に深々と頭を下げる。それをみて、「はぁ…」とため息をつく龍園さん。ソファに深く座り込むと、
沈黙がカラオケルームを支配する。(勿論、カラオケの曲は流れているがマイクを持っている女子も歌うのをやめている)
沈黙を破ったのは龍園さん―――の、正面に座っている女子…椎名ひよりだった。
「龍園君、お話が終わったなら私は帰ってもいいですか?」
「…!!」「ヒッ…!」ざわっ…
「駄目だ。まだ話は終わって…いや、
クラスでも不思議ちゃんというか、天然な彼女の発言に一瞬騒然となる。
が、怒鳴るでもなく理由を聞こうとする龍園さんに一先ずは緊張は保たれた。
「違います。…でも、今日はお姉様がCクラスに来てくれたと言うのに…私は少ししかお話しできなかったのに…!挙げ句の果てには真鍋さんは
「あ゛?
「ひっ…!ち、違うの!龍園君わわ、私は「聞こえねぇのか?立て!!…おい、アルベルト連れてこい」「Yes Boss」あ、ぁぁ痛い!痛い痛い行きます!行きますから…!」
小声で何かブツブツと呟く椎名さんに、龍園さんの機嫌が急降下する。ガン、と龍園さんが目の前の机を蹴り飛ばすと机の上のジュースや軽食が床に散乱する。
押し殺したような皆の悲鳴と、プラスチックの皿やグラスの落下音が響くがそれに構わず、真鍋さんが引っ立てられる。
ソファから立つと、目の前で蹲る真鍋さんの髪の毛を掴んで視線を合わせさせる。…笑顔ってのは、本来攻撃的なものだと文字通り知ることの出来る邪悪な笑みだった。
「ひ、ごめ、ごめんなさい!龍園く、ごめんなさい!ごめんなさい!!」
「誰が謝れって言ったんだ?なあ、真鍋。俺は立てって言ったんだぞ?そうしたら、お前は立たなかった。だから俺はアルベルトに頼んだんだ。そうだろ?」
「は、はい!そうです!私が立たなかったんでず!」
「だよなぁ?じゃ次だ。ひよりの話じゃ、俺の居ねえ間に西園寺が来たんだな?何時だ?」
「昼休み!昼休みです…!」
「そうかそうか、昼休みか。俺は金田と坂上と野郎三人でシケた面を突き合わせて、今後の計画の修正の為に、飯も食わずに頭を使ってた間に奴が来たんだな?…で?お前アレとヨロシク何をしたって?」
「え?え…?あの、別になに「おい、ひより。見てたなら答えろ。真鍋は西園寺に何を言った?」…待って!言います!『何でここにいるのかって』聞きました!後、あと『部外者は出ていって!』って言いました!」
「………」
「…っ…っぅぅ…!」
本当なのかを見極めているのか、龍園さんと真鍋が視線を合わせるが、真鍋の表情は泣き崩れていてくしゃくしゃだ。引っ立てられたときに床にあった食べ物が着いたのも惨めさを際立たせていた。
だがそれも長くは続かず、髪を掴んでいた手を離すと龍園さんはまたソファに座って椎名さんに声をかける。
「ぎゃうっ…!」ドチャ
「…おい、ひより、どうだ?こいつの言ってることは合ってんのか?」
「正確には違います「待って!嘘じゃない!私は本当に」「おいこいつ黙らせろ。誰でもいい」は言いが「はいっ…!」「んん゛ー!」…はぁ…」
近くにいた女子たちが羽交い締めにしてうつ伏せに組み伏せ、強制的に真鍋の口を閉じさせる。
その様子にガリガリと頭を掻きながら飲み物の入ったグラスを奪い取るようにして飲み干すと、その凶暴な視線を周囲の俺たちに順繰りに向けていく。
「ちっ…。聞くことが増えたな。おい、誰でもいい。昼休みの事を言え。…嘘や誤魔化しがあったら…わかってんな?」
「「は、はい…」」
ほんの少しだけ、当事者を残して帰れるのかと思ったがやはりそううまくは行かないようだ。
――――――――――――
Side.Cクラス(昼休み:午後の授業15分前)
昼休み。それは、学校で最も長い憩いの自由時間だ。
普段は
閑話休題。
つまり、7月が始まりいきなり3人の生徒が顔中に喧嘩の痕を作ってきて登校したのも若干ざわつきが生まれるも
朝イチの担任、坂上先生からの『生徒間でのトラブルがありポイントの交付が〜』というアナウンスにもニヤニヤしている龍園の表情に(ああ、またか…)ともはや諦めに似た感情が湧き出てくる。
そして、午前中の授業が終わり昼休みとなる。各々が好きなクラスメイトと学食に行ったり弁当を机をくっつけて食べたりと思い思いに過ごしているとガラリと教室の扉を開けて彼女が入ってきたのだ。
「失礼致します。1-A、西園寺と申します。入室いたします。」ペコリ
「え?」「……Aクラス?」ざわざわ…
突然の別クラスの生徒が入っできて騒然となるも、一部の生徒のリアクションは違う。それの違いは、彼女と面識があるかないか、この一点だ。
「撫子お姉様!ど、どど…どうしてCクラスに…!?」ガタッ
「あら、ひより。ごきげんよう。ごめんなさいね、急にお邪魔してしまって」
「ぃいえ!大丈夫です!全然気にしないでください…!」パタパタ
「椎名の知り合い…?」「え?だれ…?」「ほら…茶道部の…」ざわ…
いつもの落ち着いた雰囲気など見る影もなく。椎名さんが頬を赤らめて、まるで憧れのアイドルに会ったような反応を返す。そんなレアな光景にクラスメイトに教室中の生徒が瞠目する。
その後、二言三言話して相手の生徒は
「ごきげんよう、あの時は挨拶もなおざりにして申し訳ございませんでした。…お怪我の方は、大丈夫ですか?…どうかご自愛くださいね?」
「お、おぅ…どうも…」
「あ…はい」「え…うん…はい…」
それは石崎を筆頭に、昨日の件の被害者役の3名だ。Aクラス生徒―――西園寺さんは丁寧にお辞儀をするとその三人の身体を労わって?様子を見に来たのか、話しかけた。逆に声をかけられた連中の方がキョドっている。この来訪がイレギュラーである事の証左だった。
三人は顔を赤くしながらも、怪我の心配をしている西園寺さんに「これくらいどうって事ないって!」「お、おう昨日はサンキューな…」と返事を返している。
「では、昨日は保健室でお怪我の治療をされたのですね?…その後は、どうしましたか?」
「え?いや、そのまま寮に戻ったぜ…なぁ?」「あぁ」「そうだな」
「…念の為、
「ねえ、ちょっと」
怪我やその後の事を話している最中、女子から声がかかる。クラスの男子から(+一部女子も)の視線に好意的なものが混じって面白くないのは、当然女子だ。言葉を止めて西園寺さんが振り向く。そこに居たのは、クラスでも強い発言力を持つグループのリーダー格、真鍋志保だ。
「はい?いかがしましたか?」
「西園寺さんだっけ?なんでAクラスの生徒がCクラスに居るの?」「おかしいよね…」「…うん」
「………?(この子…警戒、不安、後は…)」「…っ!」
取り巻き達と一緒になってクラスに来ている
「なに?椎名さんには関係ないでしょ?引っ込んでてよ。私は部外者の西園寺さんと話してるんだけど」
「…撫子お姉様は部外者ではありません。今回(龍園君)の件の目撃者です。それを粗末に扱って、困るのはどちらですか?その責任は、誰が取るんですか?」
「それは…」
「…彼女のおっしゃる通りですね」「え…?」
思わぬ反撃に怯む真鍋に、西園寺さんは近づくと深くお辞儀をした。ざわつくCクラス。悲鳴を上げる椎名さん。固まる真鍋。
その後、西園寺さんから「事前連絡せずに来た件の謝罪」「見舞いで来たと用件の説明」「昼時に他クラスから邪魔をした不徳」、それを懇切丁寧に弁解された。もはやクラス中の(取り巻きを除く)視線が真鍋を責め立てるような、あるいは冷め切った色を示す。
引っ込みがつかなくなったのか「なら用事は済んだでしょ!早く出てってよ!!」とクラスから出る様に責め立てる。
「…はい、では失礼します。ですが、その前に真鍋さん」
「なによ!もう用事は済んだでしょ…!?」「志保…!」「マズいって…!」
後ろの取り巻き達は小声で真鍋を制止するが、それに気付いてももう止まれない。このままでは手が出てしまうんじゃないかと危惧していると西園寺さんは真鍋に近づき、そっと…抱きしめた。
「…ふぇ…………?」
「真鍋さん、ありがとうございますね?」ギュッ
「え、え…!?」「なに?」「お姉様…!?」ざわ…
抱きしめられた真鍋は突然の事に完全沈黙しているが、西園寺さんは彼女の背中をトントンと叩くと「大丈夫、大丈夫です…」と落ち着けるように声をかけていた。突然の光景にクラス中が騒然としていると、ハッとした真鍋が「と、突然にゃ、何するのよ…!」と身を捩る。西園寺さんは抱きしめるのを止めると抵抗する真鍋の手を両手で包み込む。
すると既に赤かった顔が更に朱く染まり、目もぐるぐると泳いでいく。それに畳みかける様に撫子は頭を撫でながら真鍋を褒めだした。
「真鍋さんは、Cクラスの皆が大切なんですよね?…だから、他のクラスの私が突然来て、不安になったんですよね?」
「………そ、そうよ…//」
「私も、Aクラスの皆さんの事を大切に思っています。でも、それと同じくらい他の方々も。…そうですね、生徒会の皆さんも茶道部の皆さんも大切です」
「…ふ、ふん…じゃあ
「そんなことありません。確かにこの学校は、クラス間の競争を駆り立てるカリキュラムを組んでいます。でもそれは、実際に社会に出てからの経験として生かすための意味もあるのです」
「…社会に出てから?」
既に険悪な雰囲気は解けており、西園寺さんと真鍋の間での会話にクラスは耳を傾けている。
(※若干一名、真鍋を親の仇のような目で見ている生徒も居たが…)
「はい、社会ではきっと他社と競う事もあるでしょう。でも、他社と協力することもきっとあるはずです」
「…でも、この学校じゃあAクラスしか…」
「そうです。だから、これから私と競う事があるかもしれません。…でも、今回、私はCクラスの
「「「…!」」」ざわ…
「…西園寺さんが、石崎たちが怪我をしたのを見たって…あれの事だよね?」
「ええ。そしてその証言をする為に、私は今日、この教室に参りました。…突然の訪問は申し訳ございません。しかし、急ぐ必要のある理由があったのです。どうか、ご容赦頂けませんか?」
「…いいよ、私もごめん…。なんか性格悪いこと言っちゃって…」「志保…」「…」
真鍋の態度に、多かれ少なかれクラス中が驚いた。いつも勝気で、悪く言えばスクールカーストを笠に着るタイプの彼女は取り巻き以外から嫌われている面もある。そんな彼女が、会って1時間もしていない相手に謝るなど誰も想像出来もしなかった。
※廊下で偶然通りがかり、自分のクラスで騒動が起きていると思ってスタンバってた坂上はハンカチで目元を拭っている。
「ありがとうございます、ええと…」
「真鍋。真鍋志保。志保って呼んでよ。…こっちが藪と、山下」「はい…」「その、よろしく…」
「ありがとう、志保さん。二人も。…私の事も撫子と呼んで下さい」
「う…じゃあ…撫子…さん…//」
気恥ずかしい表情で名前を呼ぶ真鍋に、笑顔で「はい、志保さん」と返す西園寺さん。Cクラスの大半の生徒は思った。「羨ましい…」と。その後、改めて石崎たち三人に病院に行くこと、確り検査して診断書を貰い、適切に治療にかかることを伝えると西園寺さんはクラスから去っていった。(出る時もかなり丁寧だった)
その後、クラスに入ってきた坂上先生が3人の体調を気遣い早退+病院に行くことを勧めたり、3人がそれに同意して早退をしたりとクラスはわちゃわちゃしたが、誰も西園寺さんの悪口を言う生徒は居らず、そしてそれは、真鍋たちも同様だった。
―――――――――――――――――――――
Side.龍園
「…という感じです、龍園さん」
「なるほどな…道理でお前らにしちゃ、頭が回った事をすると思ったぜ」
「はい…」「「…はい」」
駒から昼休みの件を聞くと、今の今までそんな騒動を伝えなかった連中に視線を飛ばす。それにビクリと肩を揺らすもの、目を逸らすものまちまちだったが…
予想以上に、自分たちに運は向いてきている。学年屈指の影響力を持つ西園寺がこちらに着くと言っているのだ。イレギュラーが無ければ、どっちでも良かった審議でも確実に勝てる。その為には、有効に使える手段は、何でも取るべきだろう。
「おい真鍋」
「は、はい!」
「お前のやったことは、最悪クラスの3人の処分を重くして、クラスポイントを削るハメになりかけた失態だ。失態は、成功で返さねえとなぁ?」
「は、はい…」
怯える真鍋に
あの西園寺が味方になった以上、奇策はいらない。正攻法で十分勝ち筋はある。
そう、勝てばいいのだ。どんなことをしても、勝てば正義だ。
彼らには今後の流れや方針についてはより念押しして伝えた。…俺はこれから、西園寺に会って詰めないと行けない話がある。早めに集会を切り上げるべく、話を閉める。
「…分かったな?お前ら。しくじったら殺すぞ」
「了解です、龍園氏」「わ、分かりました!」「はい!」
「Yes Boss」「はいはい」「もう終わりですよね?」
「わかったわ、龍園君」「わかりました…」「はい…」
不安そうな顔、張り切った顔、真剣な顔…バラバラだが、席を立つとこいつらに伝える。
「お前ら…勝つのは俺たちだ。…黙ってついてこい」
「「「はい…!」」」
※この後(若干名除く)皆でめちゃめちゃカラオケを歌ってから退店した!
―――――――――――――
Cクラス退室後
撫子「坂上先生…?」
坂上「西園寺さん…ありがとうございました」
撫子「…?…?…どういたし、まして…?」キョトン
坂上「…ええ。(うちのクラスに来ないかなぁ…)」
―――――――――――――
真鍋「西園寺…さん…//」
ひより「この…泥棒猫…!」
バスケ部+1「めっちゃいい匂いした」「めっちゃ可愛かった」「お前ら…」
龍園「この
読了ありがとうございました。
ちょっと年末忙しくて遅れて申し訳ありません。
今日かけるだけ書いて書き貯めするので、もう少しだけお待ちください!
撫子は一人で夏用の水着を選ぼうとしている…!偶然、エンカウントしたのは…!?:(※新しいキャラに会わせたいので、推奨は上ですがもちろんレギュラー陣でもOKです。)番外編で投稿予定。よろしくお願いしますね!
-
佐倉 愛里(依存)
-
長谷部 波瑠加(友好)
-
王 美雨(尊敬)
-
松下 千秋(興味)
-
伊吹 澪(加虐)
-
姫野 ユキ(緊張)
-
山村 美紀(…?)
-
朝比奈 なずな(関心)
-
茶柱 佐枝(庇護)
-
※作者任意:Aクラス生徒
-
※作者任意:Bクラス生徒
-
※作者任意:Cクラス生徒
-
※作者任意:Dクラス生徒
-
※作者任意:教職員