ようこそ(勘違い)大和撫子の学校生活へ   作:エカテリーナ

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更新しました!短めですが、続きをガンガン書いています。
お楽しみに!


④:D(etective)クラスの動向

Side.綾小路

 

須藤の事件が学年で周知されてから、俺たちDクラスは動き出すことになった。

平田などの部活に所属している生徒は部活仲間から。他のクラスからの情報収集は櫛田が率先して行ってくれた。

 

その中で俺は堀北と共に事件現場を見に行くこととなった。

…どうしてこうなったかと思えば、一応の友達である池と山内が逃亡した為だ。クラス内の総意として、須藤本人が事件を調べてたりするのは逆効果と結論が出た。須藤は今日も部活に参加しているのか、自宅でおとなしく謹慎しているのかは定かではないが、堀北からガンガン釘を刺されていたからこれ以上の事件は起こさないと信じよう。…起こさないよな?

 

すると、一番圧をかけて来る須藤が居なくなった為かあの二人は「俺たちも俺たちで色々調べてみるぜ!」「じゃあな!」と9割噓っぽい発言で颯爽とクラスを去っていった。

正直、朝一の教室で須藤への不満が真っ先に出たあいつらに期待など出来ないので、誤差の範囲だ。とはいえ、友人関係とは儚いものだと思わずにはいられず、ため息が漏れる。

 

 

「はぁ…」

 

「何かしら、綾小路君。その気の抜けるため息は。…こちらの気も滅入ってくるのだけれど」

 

「いや、友人関係の儚さについてな…」

 

「友人なんて、弱い人間が群れを己を守る為に作った不毛な関係よ」

 

「…かもな」

 

 

特別棟に向かう道すがら、いつものように堀北節を聞く。ある程度、態度が緩和したとはいえ俺への態度は4月から変わらないままだ。

そうして歩いていると、堀北から目撃者についての情報があった。

 

 

「多分だけど、喧嘩の目撃者は佐倉さんよ」

 

「…佐倉?Dクラス生徒だよな?」

 

「ええ、須藤君の近くの席の、メガネを掛けた大人しい女子生徒ね」

 

「あぁ、あの…」

 

 

山内がなんだったかいつものホラを吹いていた生徒だ。スタイルが良いが猫背で、基本一人で誰かと一緒に居るところは見ない。そんな彼女が目撃者?疑問を堀北に伝えると、茶柱の朝のHRでの伝達で反応を示していたことを挙げられた。確かに確認が必要になると思った…が、丁度事件現場に辿り着き、二人で歩を止める。

 

 

「ここが事件現場か…」

 

「須藤君の話ではそう。…監視カメラは、なさそうね」

 

「あぁ…」

 

 

天井や壁、窓の外を見るが本館にある教室や廊下のような監視カメラは見当たらない。明らかに事件が起きても判断つかない事がよく分かる。物証や傷、証拠が残っていないかと注意深くあたりを見て回るが特にはない。それよりも、気にかかる事が温度だ。

 

 

「…暑いな」

 

「えぇ、普段、使わない以上、空調が動いてないのでしょう…」

 

 

堀北も辛そうだが、これは割と重要な情報だ。()()()()()()()()、こんな場所に来る生徒は居ない。人目につかない。即ち、()()()()()()()証拠は残らないのだ。

そうすると、更に気にかかることがある。

 

 

「堀北、目撃者は俺たちのクラスの佐倉、そしてAクラスの西園寺だったよな?」

 

「…それがなに?」

 

「…(やはり西園寺の名前を出すと反応が悪いな)いや、西園寺はともかく佐倉は何の用事があってこんな所に来たのか、と思ってな…」

 

「………」

 

 

生徒会役員の西園寺はともかく、Dクラスで部活にも所属していない佐倉が何故こんな所に来て、そして須藤とCクラスの事件を目撃したのか。何一つ情報がない現状では、一つずつ疑問を解消していくのが確実だと堀北に伝える。

顎に手を当てて考える堀北。少しだけ沈黙が支配するが、少しすると、彼女が返事をしようとする。しかしそれは、廊下に響く足音によって中断される。

 

 

「…あれ?綾小路君と、……あなたは…」

 

「…」

 

「お前は…一之瀬と、神崎…だったよな?」

 

「……あぁ」

 

「うん、そうだよ!()()()()、事件の調査なのかな?」

 

「…()、という事はお前たちも?」

 

 

Bクラス、一之瀬と神崎が廊下奥から姿を覗かせた。どうした訳かと疑問を呈すると、あっさりと理由を話してくれる一之瀬。…いいのか?それで…。

 

 

「そうなんだよ~。ウチもCクラスの生徒から結構、ちょっかいを掛けられてて…。今後の警戒の為もあるかな!」

 

「そうなのか…」

 

「うん!それで、綾小路君たちは何か進展はあったのかな?」

 

「それは―「待って」…堀北?」

 

 

適当に茶を濁そうとしたが、堀北が待ったをかける。前回の図書室でのやりとりから、まだ一之瀬との接触は危ういかと思い俺が先導したが、堀北が前に出るなら俺は引っ込むだけだ。自然に堀北に向き合うように下がり、(あくまで自然に)イニシアティブを譲るようにする。

 

 

「…初めましてではないけど、堀北よ」

 

「うん、そうだね。…一之瀬帆波、Bクラスだよ」

 

「神崎隆二だ」

 

 

よろしく、とは言わずに自己紹介を済ませる堀北とBクラス。ピリついた雰囲気を察するが、クラス対クラスレベルでのやりとりなら俺が出張る必要はない。双方のやり取りを見守ることにした。

 

 

「一之瀬さん、今回の件はDクラスとCクラスの問題。なぜ、Bクラスのあなたが調べているのかしら…?」

 

「いやいや、言った通りだよ?ウチのクラスもCクラスから迷惑を掛けられてる。()()の為に、対策を取るべきなのはクラスの為に当然じゃない?」

 

「だとしても、「それに!」…っ」

 

「…一之瀬」

 

「うん、ありがとう神崎君。ふぅ…」

 

 

堀北の言葉を遮った一之瀬。らしくない態度に神崎が気遣うと、彼女は深呼吸をする。…これ以上、場が荒れることは無さそうだと内心安堵する。

 

 

「堀北さんが、クラス間での()()に真剣なのは、最初に桔梗ちゃんに聞いたときから知っていたよ。でも、()()Dクラス(キミたち)の事情!」

 

「…!」

 

「私たちはクラスの和を第一に(みんな仲良く!)、そして他のクラスとも可能なら手を取り合って上に行く!そっちの事情がそれならそれは良いけど、こっちの事情はまた別って訳!…分かるかな?」

 

「…っ、…ええ、()()わかったわ…」

 

 

傍から見ても一之瀬が優勢だ。言葉をそのまま受け止めるとクラス間での友好も歓迎している様子だが…。

だが、前回の喫茶店前のやりとりから一之瀬が堀北を良くは思っていないのは伝わっているはず。そして、D()()()()()()()と、()()()()()()…。要するに彼女はこう言っているのだ。

 

 

『そっちが助けが要らないなら、こっちから手を貸すつもりはない』

 

 

それを理解したのか、堀北の表情にも苦いものが混じっている。しかし、プライドが高い堀北は直ぐに自分の非を認めることは出来ないだろう。やっとクラスでの関係が緩和されてきたが、他クラスとのやり取りは4月の時のままだ。

それを察して、話が終わるのを見ていると神崎から視線を感じる。お互い無言だが、意図は伝わる。多分だが『苦労するな』だろうか。俺も『まあな』とため息を吐く仕草で返す。

 

 

「…じゃあ、またね!綾小路君、堀北さん。()()()()応援してるね!」

 

「あぁ、ありがとうな一之瀬。…神崎も」

 

「またな。何かあれば連絡してくれ」

 

「おう…」

 

「………」

 

 

そうして二人は去っていく。見送る時も唇を噛んでいる堀北に、俺は何も言う事は無かった。

結局、その日の収穫は「特別棟に監視カメラは無かった」「目撃者候補は佐倉」「何故特別棟に居たか」この3つ程度だ。

 

 

「…帰るか」

 

「…えぇ、そうね…」

 

「…(佐倉は櫛田に任せるとして、西園寺にも会う必要があるかもな…それにしても)」

 

 

二人して特別棟を去る。夕焼けが見える校舎から出ると、漸く外気が肌を撫でて涼しさを感じる。梅雨明けとはいえ、既にかなり暑い。季節は知っている。しかし、春も、夏も、秋も冬も。全てが白く塗りつぶされたあの部屋では知ることのない知識だ。四季(それ)を感じる今を、俺は堪能していた。

 

―――――――――――――――

Side.櫛田

 

 

「うん、そう…そうなんだ」

 

「…」ギュウゥ…

 

「へぇ、佐倉さんが…?」

 

「…」ツンツン

 

「っ…そっか…じゃあ明日、私から声をかけてみるね!」

 

「…♪」ナデナデ

 

「え?…あ、あはは…お風呂出たばかりだから、冷えちゃったのかも」

 

「…♪~」フー

 

「っ!…、ん、…うん、じゃあまた明日ね、お休み…」ガチャ

 

「…、ッ…!」

 

「もう!撫子…!電話の時に悪戯しないでっていつも言ってるでしょ!絶対、綾小路君にも変だって思われたよ…//」カア…

 

「…、……。…」パタパタ

 

「いや…確かにつらい時は抱きしめたりしてって頼んだけど…」

 

「………」シュン

 

「…別に、二人の時は嫌じゃないから…いいよ」

 

「…!」ギュ

 

「きゃ、って…もう。ありがとうね」ボソッ

 

「…?」キョトン

 

「…ううん、なんでもない♪…そういえば、撫子は今回、証人になるんだよね?私と一緒に居て良いの?」

 

「…!……、…」ニコニコ

 

「ふ~ん…。そ。じゃあ良いけど…」プイッ

 

「…、……?…」トコトコ

 

「あ、じゃあココアお願い出来る?疲れた時に良いんだよね~ココア」

 

「…!…♪」

 

「…(突然来たのになんでかと思ったら、心配してくれてたのかな…自分だって大変でしょうに…)」

 

「…?」コト

 

「あ、ありがとね。…美味しい」

 

「♪……。………」

 

「え?もう行っちゃうの?」

 

「…、……」

 

「そっか…忙しいのに、ありがとね。今回の件が終わったら、また遊ぼ」

 

「………!」パァ…

 

「ふふ…分かってるって、じゃ、お休み!」

 

「………」ガチャ

 

「ふぅ…」ズズ…

 

 

ココアを飲みながら明日の予定に思考を向けようとするが、体に感じる彼女の余熱に意識を持っていかれる。ベッドで彼女の腰かけていたところに頭を押し付ける。

彼女に匂いに悶々としながらも、櫛田桔梗の意識はゆっくり落ちていくのだった。

 

―――――――――――――――

 

 

「あれ…?あの人…Aクラスの…。ここって、櫛田さんの部屋よね…?」

 

 

―――――――――――――――

 

 

堀北「友達/zero(`・ω・´)キリッ」

 

綾小路「あちゅい…お外…楽しい…(´・ω・`)」

 

一之瀬「…(あれが…堀北鈴音…)」スン…

 

神崎「…(沈黙が痛い)」シュン…

 

―――――――――――――――

 

撫子「イイコイイコ♪」ナデナデ

 

桔梗「ナデコナデコー♪」ニコニコ

 

―――――――――――――――

 

?「あの二人…もしかして…?」

 

 

 

 




はい、今回は全員Dクラス視点でした!次回をお楽しみに!!
書き貯めして年内に審議まで行って見せます!頑張ります~!

また、アンケートありがとうございました!
水着パートは、佐倉さんと一緒に行います!

次点人気の茶柱先生には、別の機会を設ける予定です。
ありがとうございました!

アンケートのネタが尽きました…。逆に、アンケートして欲しい事ありますか?

  • 今後のストーリーについての相談
  • イベントをするキャラについて
  • 話のペースなど、構想について
  • 更新ペースや、定期的な更新について
  • R-18版の投稿について(百合のみ)
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