ようこそ(勘違い)大和撫子の学校生活へ   作:エカテリーナ

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当日2連間に合った!

次は明日間に合うかなぁ…頑張ります!
では、どうぞどうぞ!



⑤:龍園パーティの今回の作戦と、京都式『結構なお点前』

Side.龍園

 

「それで龍園、何のつもりなの?」

 

「あ?」

 

 

時間は夜。場所はショッピングモールからの帰り道。西()()()()()()()が上手く行き、上機嫌な最中に伊吹から不機嫌そうな声をかけられる。

二人きり(サシ)で会うのは親衛隊やら、ひよりやら敵が多くなるのを危惧して数合わせに誘ったが、察しが悪いとこれ見よがしにため息を吐く。…不機嫌さが3割増しになったが、いつも通りの仏頂面だ。

 

このまま放っておいても何が出来るでもない。…が、今日の俺は機嫌が良い。頭の回らない手下にも優しく教えてやることにする。

 

 

「伊吹、今回の件で俺たちが一番悪い結果ってのはなんだ?」

 

「………噓がばれて、石崎たちが処分を受ける?」

 

「そりゃ二、三番目だな。当初の計画ならともかく、今は最悪じゃねえ」

 

「ちっ…。ならなんだ、最悪っていうのは」

 

「少しは考えろ」

 

「………」

 

 

ひよりは先に帰らせた為、二人きりだ。…まあなんの色気もないコイツといてなにかムードも何もあったりはしないが。

その後もうんうんと唸っていたが「降参…答えは?」とあっさり諦める。

こういう切り替えの良さは俺も長所だと認めるところだが、何分早い。もう少し考えなければ、手下のままだってのに…。

まあそれでも、他の雑魚よりは役に立つ。言われたことができるなら上々だろう。ふん、と鼻で笑いながら答えに繋がるヒントを出しみる。

 

 

「今回の目的は何だ?」

 

「…Dクラスへの嫌がらせじゃないの?」

 

「それはオマケだ。主目的は、学校側が生徒への罰則でどういう反応(アクション)を起すか知ることだ」

 

「………」

 

「つまり結論から言えば審議の勝ち負けやら、結果やらはどうだっていいのさ。…流石に退学になるようなら話は別だかな」

 

「……じゃあ最悪ってのは、石崎たちが退学になること?」

 

「…さっきと大して変わってねぇぞ。お前、何のために連れてきたと思ってんだ?俺たちが今日あったのは()で、なんであんな()()()()したと思ってんだ?」

 

「………」

 

「退学は二番目に悪い結果だが、最悪じゃあねえ。そもそも実被害をこっちが被っている時点で情状酌量くらいは絶対に()()が勝ち取ってくれるだろうよ…!」

 

「……!そっか、西、…ん、…()()()に話したのって…」

 

 

名前を出しそうになった伊吹を睨みつけると、鈍いながら察して言葉を濁す。ようやく、答えに至ったのか確信を持ってこちらを見据える。

それにニヤリといつもの笑みを浮かべながら、もう一度最初の質問をしてやる。

 

 

「さて伊吹、俺たちにとっての最悪ってのは…なんだ?」

 

「…西園寺(アイツ)が、私達に敵対してしまうこと?」

 

「正解だ」

 

「………」

 

 

そう、その為の会合だ。昼休みの様子を聞くに、西園寺は何故かCクラスを悪からず思っているようだ。

理由はひよりか、それとも他になんかあるのかは不明だが、理由については今すぐじゃなくてもいい。

(※龍園君のためです。)

 

少なくともコレで他のクラス、もっというならB・Dクラスには『Aクラスの西園寺はCクラスに味方をしている』と印象づけることができるだろう。

 

邪魔者を排除して、そして奇襲や闇討ちではなく()()()()()でこの審議を乗り越える。

…たまには正攻法(こんな手)でやるのも悪くねえ。今後の戦略の幅が広がるからなぁ…!

 

後ろで不満げにしている伊吹に背を向けて、俺はスマホで石崎に電話をかける。

直ぐに出た手下に、今後の作戦を話す。今回の事件の根幹を揺らす、特大の真実(おおうそ)を。

 

 

「石崎、連中にも伝えろ。審議ではこう言ってやれってな。

C()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()ってな。…詳しくは明日―――」

 

 

こうして週明けに待つ審議は、波乱混じりになるのが確定したのだった。

 

―――――――――

Side.堀北 鈴音

 

 

事件現場、特別棟の近くの和テイストの部室の立ち並ぶエリア。

その一室、茶道部の部室に私は居た。

…こんな所でお茶を飲むなんて、幼い頃に一度あったか無かったかで自分でも緊張しているのが分かる。

 

なんとか表情に出さない様に努めているものの、目の前の彼女に果たして誤魔化せているのか…。

最初にあったときからそうだ。彼女に見られると緊張と、よくわからない感情。…嫉妬のような、焦がれるような…。悶々とした思いから態度が固くなり、言葉が喉で詰まってしまうのだ。

…本当はもっと―――

 

「…粗茶ですが、どうぞ」スッ…

 

「っ、…(そちゃ?…粗茶、よね?出されたってことは飲んで良い…のよね?あれ?回…して?何回……っ?)…頂くわ」キリッ

 

「………」ジー

 

「…(え、たしかこう、2回?回して、正面からは…あぁ!礼をするんだったハズよね?先?先よね?)…」ペコ

 

「………」ペコリ

 

「…(合っていた?合っていたわよね?だから返してくれたのよね?いや、でも西園寺()()()は優しいから合わせてくれただけかも…?)……」クル、クル…

 

「………」ジー

 

「…(見てる…!お姉様がみてる…!あ、味なんてわからない…で、でもなにか言わないと、失礼よね?あ、あ、あぁ…でも、どうしたら…助けて、兄さん…!)…ごくっ…」ズズ…

 

「………いかがでしたか?」

 

「…(…たしか、以前みたドラマだと…)結構な、お点前だったわ。御馳走様」スッ

 

「(…!)…どう、いたしまして…」

 

「…(合ってた?合ってたわよね?あぁ、どうしてこういうときに綾小路君は櫛田さんと佐倉さんの説得に行ってるの!?どちらかでいいでしょう!?)…それで、西園寺さん。今回の用件に移っても良いかしら?」コトッ

 

「…!」

 

 

一口で飲むのははしたないと思い、半分ほど残して湯呑みを置く。改めて、と背筋を伸ばして本題を告げる。

 

(櫛田さん経由で)アポを取っての会談だったが、相手が場所として茶道部を指名したため、部室には二人きりの状況だ。

これなら雑音なく意見を聞けると、今回の会合は―――あわよくば()()()()()()()()()()()と親しくなりたいという欲目もあり―――期待を膨らませていた。

 

しかし、当日にアポを取ってもらった櫛田さんと暇そうな綾小路君は別件で戦線離脱。もう一人の目撃者と出かけて行ってしまった。

 

時間を取って貰った手前、断るわけに行かず一人でここに来たのが、一連の顛末だ。

 

 

「…(なるほど、()()()()()()…ということでしょうか…)わかりました。申し訳ありません、お時間を頂いてしまって」ペコリ

 

「…気にしない、で頂戴(あ、あ、あっ…!お姉様が…お姉様が私に、頭を…何なの…この、背徳感?罪悪感?なに?分からない…!なにかが満たされるような…、磨り減るような。ダメ、駄目よ…!…堪えないと…いつも…。いつも通りに…)…」ギリッ

 

「では早速ですが、用件を伺いましょう」

 

「…そうね(兄さんとの生徒会の様子とかはこのあと聞けば良い…。一先ずは、事件のことに集中しましょう)じゃあ―――」

 

 

その後に聞いた内容に不審な点は無かった。生徒会の用事で特別棟にいた事、現場に駆けつけたときには被害にあった3人だけがいた事。そして、その手当ての為に手を尽くした事。

ここまでは事前に予想できたとおりだ。問題があるとしたら、この後。堀北は改めて質問に移るために視線を鋭く撫子を見据える。

※緊張しているだけ。  

 

 

「…ありがとう、西園寺ぉ、…さんの、事件に関わってしまった経緯はわかったわ…ちなみに兄…いえ、生徒会は今回の件ではどういう役割を果たすのかしら?」

 

「今回の審議…その判決を下すまで、生徒会が一切を取り仕切ることになります。担当されるのは、先輩方の何方かになるでしょう。私は今回、一生徒と何も変わらない立場で証言をするのみです」

 

「そう…よく、分かったわ。…ありがとう(先輩…兄さんが来てくれるのかしら…うぅ…緊張しそう。どうしたら…)」

 

「いえ。お気になさらず」

 

 

内心、事件のことよりも兄との邂逅(予想)に心を奪われているが義務教育で培ったぼっち歴は伊達ではない。傍から見たそれは彼女のビジュアルもあってか、知的な美少女が深慮を巡らせている。そんな佇まいだ。

※内心パニック中。

 

 

「…!(審議まではもう時間がないけど、練習はしておいた方がいいわよね…。どんな流れでやるか茶柱先生に相談を…、そうよ…!当日審議に誰が立ち会うか茶柱先生なら知らないかしら…!?)」キリッ

 

「………」

 

「……っ(これは別に、私情ではなく必要な…。そう、必要なことなのよっ…。裁判だって、時間や担当する裁判長の人柄を作戦に組み込むのは当然のこと…!決して不自然ではないわ)」カッ!

 

「………?」

 

「………//(直接兄さんに聞いたら叱られるわよね…でも、もしかしたら…。いえ!茶柱先生に聞きましょう!…なんポイント必要なのかしら…あまり余裕はないけどこれは必要経費…!仕方のない支出なのよ…!)」モンモン…

 

「………あの、堀北さん?」フリフリ

 

「っ…!?し、失礼したわ。忙しい立場でしょうに、悪かったわね…(うぅ…恥ずかしい…醜態よ…!)」

 

「いえ…。お気になさらず。…お時間、大丈夫ですか?」チラッ

 

「そ、そうね…。(もしかして時間を気にしてる…?忙しいのね…)失礼するわ。…また、(兄さんとのこと)よろしくお願いするわ」キリッ

 

「はい。(審議の時は)よろしくお願い致します」ペコリ

 

 

目の前で振られた撫子の手に、漸く現実に戻ってきた。その後、関係を深めるための質問が全て飛んでいってしまった堀北は足早に部室を去るのだった。…お互い、()()()()を抱えたまま。

 

――――――――――――

 

堀北が去った後の茶道室。撫子は()()()()()()湯呑みをみて悲しそうな顔をする。

※親衛隊や過保護勢が見たら事案発生待ったなし。

 

今日の会は、かねてより準備に準備を重ねて堀北会長にも話題など、アドバイスを貰った上で挑んでいた。今後の関係も含めた親睦の意味も込めていたのだが、相手からは早々に()()()()()()()しまった。 

 

 

「はぁ…(私も、まだまだですね。もっと、精進しないと…)」シュン…

 

 

その後、片付けを済ませると撫子は助言をくれた先輩や貸し切りで部室を貸してくれた先輩にお礼の連絡をするのだった。

………普段よりも、気持ち、落ち込んだ声で。

 

――――――――――――

 

龍園「良いかお前ら…作戦は、【みんな素直に】…だ!」

 

三人「「「!?」」」

 

伊吹「…(タダ飯だったし、まあ良いや)」

 

――――――――――――

 

堀北「…結構なお手前で(西園寺…お姉様…!//)」キッ…!

 

撫子「…っどう、いたしまして…(く、口に合わなかったのかしら…)」ガーン

 

――――――――――――

 

撫子「本日は、ありがとうございました…」シュン…

(明らかに元気ではない声)

 

茶道部「は?」

 

親衛隊「は?」

 

過保護勢「はぁ?」ビキビキ

 

兄北「鈴音…!?」パリーン




読了、ありがとうございました。
はい、初の堀北さん視点でした。第一話からの伏線?の回収がやっとできました。
が、仲良くなるまでは時間がかかります(笑)
まだまだ続きを書いていきます。年末まで駆け抜けていきますね!
よろしくお願いいたします!

あ、感想と評価お待ちしております!!(直球)

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