ようこそ(勘違い)大和撫子の学校生活へ   作:エカテリーナ

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第四話です。

正直、登校→入学式→学校説明→保健室で夕方は急すぎる気がしましたが、
その辺はご都合主義で申し訳ないですがお願いします。登校時間が午後からだったとか、
まあそんな感じで。うまく表現できるようになりたいです…。


今回は夜のみ。短めになります。
週末にもう一話作れるといいな…。

では、どうぞ。


登校初日編③:寮での一幕+α

夜の自室。シンプルなベッドと机、郵送された荷物のみの部屋。撫子は荷解きをしながら、今日の出来事に思いをはせる。

 

新しいクラスメイト達の事。親切な教師の方たちの事。再会して、友人になった神崎隆二の事。そういった事を脳内ノートに記しながら、鼻歌交じりに荷解きに一区切りつける。

少しぶりに()()をしてしまった為、鞄からビニールに入れて貰った()()()()()()()()を取り出し洗濯の用意をする。

入学前ならともかく、今はオーダーメイドのサイズの衣類を用意するのにも時間もポイントもかかる以上、節約を心掛けようとする撫子。

 

「くぅ…」と自己主張する空腹に、よし、と夕飯の支度をしよう備え付けの冷蔵庫を開けると、―――もちろん、何もない。むしろあったら怖い。

 

 

完璧に忘れていた買い物の為、仕方なく上着を羽織り、近くのスーパーで夕飯の材料を買いに向かう。道中、同じように買い物目的で外出した帰りなのか、ビニール袋を持つ生徒とすれ違う。その生徒たちを道しるべに、―――横切る際にも様々な視線を感じ(胸を見られ)ながら―――目的地のスーパーにたどり着く。

 

すると商品の中に無料のものがあることに気が付く。冷凍の合い挽き細切れ肉や、カット野菜のフリーズドライ、パックに詰められた白米。袋に詰められた少々小ぶりなジャガイモや玉ねぎ、販売されている量の半分でカットされている食パン等々。その他にも沢山の食材が唸っている。

 

賞味期限が間近なのかと手に取ってみるも、別段そんなことは無い。首を傾げつつも、先ほど節約を心掛ける事を誓った撫子の手は淀みなくそれらを掴む。買い物かごが半分ほど埋まり、ルンルン気分でレジに向かおうとするとある看板が目に映る。

 

[無料食品!一人3点まで!]

 

 

…。

 

ちょっと顔を赤くしながら商品を戻す撫子だった。

 

 

その後、最初につかみ取った合い挽き細切れ肉と食パン、玉ねぎや実費で購入した卵や調味料でハンバーグを作り、初日の夕飯を終える撫子。当然、(花嫁修業として)料理のスキルもカンストしている。

最初にタネを複数つくり、後日の弁当用に冷凍保管するのも忘れない。夕飯を終え、皿を洗うとようやく一息付けた。

 

明日の授業に必要なものを纏め、着ていく制服の支度をし、寝間着と朝用の着替えを用意する。歯を磨き、トイレにも行き、一番大きなボディタオルをリビングに敷いて、傍にタオルと()()()()()()を用意してから浴室へ向かう。

 

―――撫子が入浴するのは、その日の就寝直前だ。現在の習慣になったのは今年の初めだったか、末だったか、それとももっと最近だったのか。いつまで経っても慣れないが、日課をした後に体が汚れてしまったり、汗をかいてしまう為にそういった習慣を取るようになった。

 

お試しサイズのシャンプーやコンディショナー、ボディーソープの3点セットで780ポイント。実は自分で選んで買ったのは初めてだったが使ってみて特に違和感や抵抗は無い。強いて言うなら、パッケージに書いてあった回数分よりももっと早く使い切ってしまいそうで、これが虚偽広告かと戦慄する撫子だった。

―――ただ単に贅沢に多く使っているだけです。※旧華族クオリティ:節約とは無縁。

 

その後しっかりと肌を拭い、髪を乾かす。一糸纏わぬ姿でリビングに戻ると、敷いていたタオルの上に座り、一呼吸。

その上で()()を終える。荒い息を整えながら、汗を拭うとそのままベッドに入り毛布に包まる。

撫子は寝るときに何も身に着けない。そのスタイルから、着る服を選び大体が窮屈な思いをする反動から寝る時は大抵生まれたままの姿(バースデイスーツ)だ。一番リラックスモードになった撫子は、部屋の明かりを消し、目を閉じる。

 

まだ九時を過ぎた位で寝るには早い時間だったが、入学の疲れからか、直ぐに寝入ってしまう撫子。荒かった息も次第に収まり、規則的な呼吸音になる。今まで夢を見たことがない撫子だったが、その日は何故か、初めて夢を見ることができたのだった。

 

 

 

――――――――――――――――

 

 

※撫子と別れた後の神崎の部屋。

 

荷物は雑に放り投げ、ベッドにうつ伏せに倒れこむ。寝転がり、天井を見上げると未だに熱を感じる右手に目を向けてしまう。

 

 

「…ふー…」

 

 

手を開いたり閉じたり、握ったりしながら天井の明かりに再開した少女の姿を想像してしまう。思い出よりも表情豊かで、非常に成長した姿だった。

 

 

「…柔らかかった、な…。…?」

 

…ピロンッ!…ピロンッ!…

 

 

ポケットの中の端末が小刻みに震えている。継続する音では=電話の呼び出しでない為、メッセージの受信音が複数回届いている様だった。

Bクラスは早い段階で、中心となる生徒が仕切ってくれた為、クラス全員+(何故か)担任のチャットグループを作ってくれた。

 

誰かがそのグループにコメントを打ち込んだのだと思った神崎だが、出る気にはなれず無視をする。…しかし、その音は鳴りやむ様子がなく、次第に頻度は多くなるばかりだった。

 

 

「…」

 

ピロンッ…ピロピロンッ……

 

「……」

 

ピロピロンッピロピロンッ、ピピピピピピピピピピピピロピロンッ!!

 

「っ…なんだ!…一体…。……っ!?未読、112件…だと?なにが…」

 

 

余りにもしつこい為、乱暴気に端末を取り出し《Bクラス+ちえ先生!》のチャットを開こうとするが、あまりのコメントの多さに一瞬フリーズする。軽く息を飲み込み、落ち着く様に息を吐いてチャットを開く。

 

 

『さっきのって本当なの!?神崎君が告白されたって!』

『マジだって!あのAクラスの―――』

『―――あ、私も見たよ!仲良さげに―――』

『手を繋いで―――』

『あ、私も見たよ。―――』

 

「………………………………、なっ…ぁ………………にぃ…?」

 

 

神崎、もう何度目かのフリーズ。書いてある文字の意味を理解すると、キャラ崩壊するほど神崎は混乱した。見られた?いつ?とプチパニックを起こすが、当然である。

あんな寮の近くの目立つところで、クラスメイト(女子)に見られながら、少女漫画ばりにラブコメをすればこうなる。

 

震える手で画面を【未読から読む】をタップし、流し読みをする。最初は少人数のみだったが、手を繋いで帰る写真やそれを見たという生徒が書き込んでから一気に加速した。すぐさま誤解を解こうと読み進める神崎だったが、最新のコメントを見て今度こそ完全に凍り付く。大人のメダルゲーム店なら万枚間違いなしだろう。

 

 

『神崎くん、少し話があります』ちえ 既読:40

 

「…………終わった…」

 

 

このコメント以降、クラスメイトのコメントが来ることは無かったが、返信のコメントを考えている最中にインターフォンが鳴る。恐る恐る扉の覗き穴を見ると、我らが担任が満面の笑みで立っていた。

 

 

―――神崎はめちゃめちゃ誤解を解いた。

 

 

 

――――――――――――――――

 

 

※初日の夜、どこかの部屋の隣の住人と来客の会話。

 

 

『んっ…あぁ…んっっ!ふ、ふぁぁっっ!』

 

 

「「…………///」」

 

 

『ふー…!ふー…!ん、んんぅ…!』

 

 

「あ、あの…一之瀬さん…これって…」

 

 

「…にゃー…///」

 

 

『んっ、ふっ、ぁんんっ……あぁ…!!』

 

 

 

次の日、相談を受けた担任の目が死んだ。

 

 

 




読了ありがとうございました。

次回の5話投稿時に、3話のアンケート結果を苗字に反映して書き進めていきますね。

また次回をお楽しみにしていてください。
次回は、そろそろ我らが坂柳さんとも対面できると良いな…。

撫子の苗字は?(実際の華族から抽出)

  • 柳生
  • 蒔田
  • 東郷
  • 相馬
  • 九条
  • 千秋
  • 西園寺
  • 上杉
  • 仙石(※この字で合ってます)
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