ようこそ(勘違い)大和撫子の学校生活へ 作:エカテリーナ
本日から連投予定となっております。
ついては、シーンのキレが良いタイミングで切っていますが
よろしくお願い致します。
今回で撫子視点では、試験終了まで。当然、他の方々目線で島の様子はお送りしますのでよろしくお願いいたします。
では、どうぞ。
―――◇―――
皆様、おはようございます。
もう6度目の朝、衣類を纏ったまま寝起きする事になれた撫子でございます。
そう、
今日まで、Bクラスの皆様と一緒に探索に出かけたり、お料理やお手伝いをしたりして過ごし、とても良くして頂いております。
あまり遠くに行く事は推奨されていませんが、帆波や神崎君と一緒の時は少しだけわがままを言っても良いと言われて甘えてしまっています。
私の予想では、恐らくAクラスは最高に良くて
昨日お会いした堀北さんの様子から、彼女がリーダーなら…、しかし。
予想の範疇を越えない以上、あくまで判断はリーダーの葛城君に委ねる他ありません。私がAクラスに戻ってから試験が終わるまでの時間はそう長くはありません。
なんとか、龍園君のクラスへの支払うポイント分くらいは試験で得なければ…。
・◇・
寝ずの番をしてくれている皆様に朝の挨拶と共に白湯を届けると、朝食の準備に取り掛かります。
昨日手にした魚、探索で手にしたお味噌や食材など等を確認して、料理を始めます。
今日が最終日。まだ日の出から間もないですが、一食分あれば試験を終えるまで大丈夫との事。本日までのお礼も込め、腕によりをかけて作ることにします。
昨日の夕方から夜間の雨も止んで、慣れた手付きでお魚を捌いていると徐々に皆様も起床して瞼をこする姿も。私から挨拶をすると、皆様もきちんと返して下さいます。
…たまに寝ぼけて抱き着いてくる方も居たので、一緒に洗面の為に井戸の近くまで手を引いて連れていったり、お手伝いを申し出る方に指示を出したりと慣れたものです。
「撫子~おはよぅ~」
「っ、こら、帆波。…ダメですよ、料理している時は危ないのですから」
「え~。…他の子が抱き着いた時と対応が違わない?」ギュゥ
「んっ…!こら、やぁ…!」
ここ最近、日に2,3度は必ず後ろから抱きすくめて来る帆波に苦言を呈するも、あまり本気にされない。両手に調理器具を持っていて、抵抗できないのを見越しての確信犯だ。
結局、網倉さんが来て帆波を引きはがしてくれるまでは成すがままにされてしまった。
お手伝いを申し出ているのに、手が遅れてしまったことを詫びてお料理を再開する。
トン、トンと包丁で切る規則的な音と、鍋からの煮える音。…本当は、自らのクラスメイトと挑むべき試験だったはずなのですが…。
若干、後ろ向きな考えを頭を振って追い出す。そう、短絡的な考えはダメ。…私の行いが、巡り巡ってAクラスの為になるとそう信じなさい。
この後の朝の点呼前に、私の拘束は解かれることになるそうです。…そこからが、私の
契約とはいえ毎朝毎晩、点呼について来てくれた金田君には最終日まで島への在留を願う事になってしまいました。試験が終わった後にお礼を言わなければですね。
そうして私は、無人島での最後の朝食を拵えて、
…それはそれとして、まさか全員でお見送りをしてくれるとは思いませんでした。…泣いている娘も。あの、金田君、少しだけ待っていてくださいね?直ぐ行きますから…!
・◇・
そして、時は正午。場所は試験開始の時の砂浜。集まる生徒の数はクラスによって異なっています。やり遂げた顔、不敵な顔、疲れ切った顔、緊張した顔。その全てを見渡して真嶋先生が成績の発表を行います。
4位はCクラス。0ポイントでしたが彼は既に得るべきものは得ている。その不敵な表情が崩れることはありませんでした。
―――
その献身が実を結ばなかったとしても、私にはAクラスの皆様の為に尽くす責任がありました。
「―――3位は、Aクラス。65ポイント」
この試験が、不首尾に終わるのでしたら―――
―――〇―――
Side.Bクラス男子生徒
その日、俺達は探索を終えてBクラスの拠点に戻っていた。海釣りに出ていた俺達と、森の中から果物を捜していた班で合流してお互いに大収穫であったことを自慢し合いながら進んでいく。
拠点に着くと、見張りの奴や作業をしている奴、その指揮をしてる一之瀬委員長に収穫を伝えに行く。俺たち以外にも探しに出ている奴らもいるから、今日の飯は割と豪勢に出来そうだと喜んでいた。
その後、丁度昼も近かったから魚を調理担当の女子に預けると、その子はバケツを抱えて「撫子せんせー!」とこの拠点に居る別クラスの生徒の所へ走り寄っていた。
「はーい、どうしましたか?」
「撫子先生!男子たちが、こんなに魚を釣ってきてくれたであります!」
「まぁ…大漁ね。皆様、流石ですね♪素晴らしいです…!」
「ま、まあ…なぁ?」「あ、ああ…こんくらい普通だって」
キラキラとした眼差しと、素直な誉め言葉。思わず頭をかいて隣の奴と顔を合わせてしまう。…コイツの顔も赤いけど、俺も多分赤くなってると思う。…おい、女子。こっちみて笑ってんな。
5月の時もそうだったけど、西園寺ちゃん―――みんなが言う所の西園寺先生は高嶺の花というか、済む世界が違うような存在…
いや、めちゃめちゃスタイルが良いし、顔も睫毛が長くてジッと見られたら目を合わせてられないくらい可愛い。
でも一緒に生活を送る中で―――もちろん寝る場所とかは完全に違うけど―――、西園寺ちゃんがちょっと世間知らずな天然なところがあるのも、それを気にしているのも魅力の一つだ。それに今も、クラスの女子たちの輪の中心となって笑っている姿に俺たちが感じていた壁みたいなもんが気のせいだって事に気が付いたんだ。
後、此処に西園寺ちゃんが来る切欠になった件。Cクラスの所に行った奴らの言ってた『西園寺さんがAクラスの連中から見捨てられた』ってのを俺は100%信じている訳じゃない。
いや、だって普通に西園寺ちゃんは優秀だろ?他クラスなのにこんだけ協力的なんだから、元々の仲間のAクラスの奴らに見捨てられるなんて絶対にありえない。
でも、試験だとか契約だとか難しいことは分からないけど、それが理由で西園寺ちゃんがクラスに居られないなら…。俺達が西園寺ちゃんが寂しがらない様に歓迎するのは全然悪くない。…むしろ大歓迎だ。いっそ移籍して来てくれ。
今回に限らず、クラスの垣根を越えた試験がまたあるんなら、―――
「さっき、男子が取ってきてくれた魚なんだけど…」
「これは、…たしか、なんとか、チヌという魚だったかと。一緒に捌いてみますか?」
「ほんと!?食べれるの?…これとかは?身が全然無さそうなんだけど…」
「カサゴ…?だったかと。あ、背びれは触らないようにしてくださいね。毒がありますが、取り除けば―――」
目の前で西園寺ちゃんは、まるでクラスメイトの様にクラスの女子たちに囲われながら魚を捌いている。隣の奴が「まだまだ捕ってくるから、上手いの楽しみにしてるぜー」と軽口を叩くと、こっちに手を振りながら声がかかる。
「―――暗くなる前にお戻りくださいね?腕によりをかけて、作って待っていますので♪」
「…あぁ!楽しみにしてる!」
「今度はもっとデカいの釣って来るぜ!」
クラスメイト達に見送られて、俺達はまた獲物を捜しに拠点を発つ。西園寺ちゃんの分も、…あと西園寺ちゃんのお目付け役?でいる金田って奴の分も…まあ、捜してやらんこともない。あいつもなんか手伝ってるのはみんな知ってるしな。Aクラスに上がる為に、これくらいやってやるさ。Aクラスに負けないと隣の奴らと気を吐いて海に向かう。
…でもまあ、ちょっとAクラスの奴らには優越感すら感じてる。だって、アイツら絶対に西園寺ちゃんの作ったメシなんて食べた事ないだろ?
Aクラス「この戦い…俺たちの勝利だ…!」
※赤点
Bクラス「(結婚したい…!)」
※花丸満点
Cクラス「僕と契約して、金づるになってよ…!」
※評価判定外
Dクラス「俺達が2位になれたのも、全部堀北さんのお陰じゃないか…!」「え?」
※二重丸