ようこそ(勘違い)大和撫子の学校生活へ 作:エカテリーナ
アンケート結果から、苗字は西園寺で確定と致します。
ご回答いただきました皆様、ありがとうございました。
さて、今回の被害者は…!?お楽しみに!
朝、カーテンの下から明かりが差し込み、小鳥の鳴き声が聞こえ出す時間帯。
もぞり、と毛布から生まれたままの姿で身を起こし、軽く欠伸をする撫子。
その後、朝のシャワーをして意識を完全に起こすと身支度を制服を身に纏い、昨日買った食パンとヨーグルト、ミルクをグラスに注ぎ朝食タイムを迎える。
食事の際はきちんとした姿勢で頂きます、と誰もいなくとも挨拶をして食べ始める。
自分で作ったものを食べるのは新鮮で、専ら作ってもらうことが多かった撫子は料理への関心をぐぐっと上方修正する。
実家で作った際は自分の口に入ることはなく、先生方の口に入りアドバイスを貰うことが主だった為、昨日の晩御飯が初めての自炊だった。
なんなら、昨日スーパーに入ったのも初めてのお買い物。ポイントを使うときなど内心大丈夫かな?とかなり緊張していた。
未だ2日目にも関わらず、撫子は一人暮らし学園ライフをエンジョイし始めていた。この学校には初めての経験が溢れて、それをするたびに充実感が溢れる。
ーーーに言われた男性の友人も1人目が出来て、そう思った撫子は頭に靄がかかった様な気持ちになるも、軽く頭を振るい、施錠して部屋を出る。
「「あ…」」
偶然、隣の部屋の生徒と出る時間が被ったのか目を合わせ会釈をする。
相手の女生徒ーーーピンクブロンドの長髪で、青い瞳を大きく見開くーーーに向き合い、綺麗なフォームで挨拶をする。もちろん、通学の時間よりかなり早い時間である為、遅刻など起こさないのは確認済みの行動だ。
「おはようございます。私は西園寺 撫子と申します。昨日より、お隣の部屋に入室しました。よろしくお願い致します」
「………//」フリーズ
「…?あの…?もし…?…!」
何故か顔を真っ赤にしてあわあわしている隣人に失礼します、と声をかけ顔を近付ける。「ふぁ!?」と声が聞こえ、身を仰け反られるもしっかりと肩を確保。廊下の壁に優しく押さえつけると、薄紫と青い瞳が見つめ合うことになる。
「少しだけ、動かないで下さい…」
「あ、ああの私、初めてで初めては…あう…」
「私もするのは初めてです。上手くできるか分かりませんが、任せてください」
「は…初めて…」
「でも…」や「神…君のかの…」など、何か言い淀んでいるも、構わずに真剣な表情で顔を寄せる。
ちなみにこの至近距離、当然学年トップクラスと敷地内ナンバーワンのお山が無事な訳はなく、それはそれは立派に押し付けあっている。
間に入ると男は死ぬ。入ろうとしても殺される。百合は尊い。
壁から背中に伝わる冷たさもかき消すほどの熱。左心房から発せられる鼓動は、ドクンドクンと緊張状態をリアルタイムで発している。
数秒か、数十秒かの沈黙の後、潤ませた瞳を閉じて「ん…」コクリと頷く。
未だ誰もいない朝の廊下。壁ドンされた美少女、一之瀬帆波の顔を独り占めに撫子はそのまま距離を近づける。
それを心臓が飛び出そうな程の、胸の高鳴りを感じながら待つ一之瀬。
ーーーギャルゲーや乙女ゲー、○○ゲーを嗜む諸兄ならよく見る表情、通称キ〇顔で待つ。
そして、二人の距離はゼロになる。
「(ごめん…神崎君…)」
一之瀬は、内心で(何故か)クラスメイトの神崎に謝罪しながらその時を待っていた。もちろん、一之瀬と神崎にそういう関係はない。単なるクラスメイトである。
…が、違和感を感じる。待ち構えていた唇ではなく、額に熱を感じる。
「…」
「……?」
「……」
「………ぁ、あの…?」
「やはり、熱いですね…」
「ぇ…?」
パチパチ、とまぶたを瞬かせると眼前にはコツンッ、と
「(睫毛…長い…)あ、あぁ、(うわぁ…近、近い…!)熱?、にゃあ…?」アワアワ…
「熱が…あるのではないですか?春先とはいえ、夜はまだ冷えます。お身体は大切になさってくださいね?」
「…にゃ、ああぁぁぁあぁ…!」
ちなみにここまで撫子は完全に善意100%で行っている。隣人に挨拶→顔が赤い→風邪かも?→熱を測ろう。当然の流れである。※多分当然ではない。
完全に勘違いに勘違いを重ねて〇ス顔をして晒してしまった一之瀬は、頭から湯気が出るほどの羞恥にかられ、目をぐるぐるさせている。
この後、何とか体調の誤解を解いて一緒に登校することになった一之瀬と撫子。当然、手は繋いだままだ。
方や顔が赤い相手を気遣っての善意。方やニコニコしている
朝早くとはいえ、通学路は、当然他の生徒の姿もちらほら見える。(あらあら)と口元を手で隠しながら見守る上級生や、目が合ったのに声をかけようとしないクラスメイト達。キマシ…という声が聞こえた気がする。
なんとか手を離せないかともにょもにょしながら手汗が出ていないか手の握りを確かめていると、すっ…と手が離れる。
「あっ…」
少し残念そうな声が思わず出てしまう。気付かれないように手を引こうとすると、今度は指も絡めてぎゅっと繋がれてしまう。
―――恋人繋ぎだ。
周囲から悲鳴のような声が飛ぶ。「…きゃっ!」ザワザワ…「お姉さまと一之瀬さんが、そんな…私なんかじゃ…」…「尊い…」
今度は気のせいではない。普通に耳に届く。というか昨日部屋に来たクラスメイトがショックを受けていた気がする。
「にゃぁー…(にゃー…!にゃー!!)」
「…♪にゃー?」ニコニコ…
既に猫語のみの思考力まで落ちた一之瀬と、猫ごっこかと思い鳴き声で返事をする撫子。
幸い二人は気付いていないが、鼻を抑えて蹲る犠牲者が割と出ている。寝不足な
―――――――――――――――――――
猫語交じりに自己紹介を交わした一之瀬とも分かれ、Aクラスに入り来ている生徒へ挨拶をして、席に着く。遠巻きに何人かのグループが出来ているのを目の端で捕えさてどうするかと思考を沈ませる撫子だが、幸いにも声をかけてくるクラスメイトが居た。
「おはようございます。西園寺さん」
「坂柳さん。ごきげんよう、昨日はお誘い頂いたのに、お断りしてしまって申し訳ない事を…」
「いいえ、用事があったなら仕方ないですよ。私も、昨日は偶然いい出会いがあって…ふふ…。友達も出来たことですし、結果オーライというやつですね」
「…?そうですか…。それは何より、です…?」
この場に居ない誰かの事だろうか、思い出し笑いをする坂柳に不思議そうな顔をするが、クラスメイトが嬉しそうなのでOKだ。何の問題もない。一瞬窓際の女生徒が顔を顰めた気がするが、此方に興味をなさそうな様子なので意識から外す。
「…ところで撫子さん、昨日の今日で申し訳ないのですが、…
「…という事は、坂柳さんも…?」
「えぇ、きっと同じことを…」
「…!」「…?」ザワザワ…
クスリと笑いながら意味深な表情で撫子に質問をする坂柳。周囲のクラスメイトは何のことかと不思議がる大半と、驚きを見せる少数に分類された。その少数の内
「…流石ですね、西園寺さん。昨日の質問からお気付きになったのでしょう?あの質問の意味も…違いますか?」
「はい。他にも監視カメラや上級生のクラスの席の数、そして各クラスの雰囲気や無料の学食や販売商品があって―――」
他にもあれやこれや、(そんなことまで…)(え?昨日のうちにそんなに調べたの?)と坂柳や
(あれ…?真嶋先生は…?)と首を傾げて、お口ミッフィーで席に行儀よく座る撫子を中心に、「西園寺はどう思う?」「西園寺さん…?あの…」「西園寺お姉様…」とかなり大きな輪でHRの時間は過ぎていくのだった。
※Aクラスの外の廊下
「ちょっと…!真嶋君、なんでもうSシステムについて―――」小声
「…」首ブンブン
「いくら自分のクラスだからって贔屓は…」小声
「これは流石に、ちょっと問題だと…」小声
「いや…俺は何も…」ダラダラ…
その日、1年の全てのクラスのHRが半分ほど遅れた。
週末更新に間に合わなかった…。申し訳ありません。
また2,3日に一件ペースでの投稿になりそうです。
次回に期待ください。
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