ようこそ(勘違い)大和撫子の学校生活へ   作:エカテリーナ

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今回は番外編。

もしも、撫子がBクラススタートだったら?
…実はプロットにそれぞれタイトルを付けているんですが、今回は一之瀬病み堕ちルートです。

ちょっと百合や暴力、NTR要素がある為に肝心なシーンはぼかしています。
…R-15の範囲で収まっていると思います。多分。

それでは、よろしければどうぞ。


IF
【番外編】IF:西園寺撫子がBクラスだったら?


Bクラスに入学した場合。

 

―――◇―――

 

朝の通学路、撫子は先月の引継ぎを経て生徒会長と成った帆波と一緒に登校していた。

2年生となり、A()()()()として邁進するクラスメイト達の表情は明るく、帆波もそれに手を振って応えていく。

 

 

「一之瀬さん、西園寺さんおはようございます!」

 

「撫子ちゃん、帆波ちゃんもおはよう!」

 

「撫子先生!帆波()()もおはよう!」

 

「にゃはは…皆おはよう!」

 

「ええ、皆様もごきげんよう、今日もよろしくお願いします」

 

 

クラスや学年を問わず、撫子や一之瀬に挨拶を返された生徒は皆、黄色い歓声や顔を赤くしている。

…学校屈指の美少女二人の微笑みは、老若男女を問わず効果抜群だった。

 

 

「ねえ!帆波ちゃん、撫子ちゃんも今日の放課後に一緒に遊びに行かない?」

 

「…っあ、そうですね、今日は―――」

 

「ごめんっ今日は大事な生徒会の用事があるから無理なんだ~」

 

「そっか…じゃあまた声かけるねっ」

 

「うん、ありがとうね~!」

 

「…ありがとうございます、っ…」

 

 

少し残念そうなクラスメイト達に撫子が手を振っていると、帆波に握られていた右手にギュッと熱を感じた。

 

 

「………昼休み」

 

「…はい」

 

 

小声で、隣だけに聞こえる様に囁かれた声。

もう()()()()()()なのだ。…撫子は、それに表情を変えずに頷くのだった。

 

 

・◇・

 

 

昼休み、生徒会室。2人だけの密室で、私はいつもの日課をしていました。明かりもつけていない暗い部屋。()()()()()()()()が視線を向けた先。カーテンの切れ目から刺さる陽の光が、ひどく眩しく感じます。

 

 

「…ぅ、…っ、ぃ…、ぁ…あ゛…」

 

「なんで…なんで…?」

 

「あ゛…っ………!ぁ、…ぁあ゛……ぅ」

 

「ねえ、なんで?なんでなの撫子…」

 

「…あ゛は…が…ぃあ゛、あ゛……ほな……、…っ」

 

 

帆波に押し倒され、馬乗りになり囁かれる。潤んだ声。激情を孕んだ瞳。…その瞳から零れる涙を手で拭おうとするも、私の手は帆波の腕を掴む事しか出来なかった。

 

 

「なんでっ!なんで私以外の人にあんな笑顔で!嘘つきっ!嘘つき嘘つき嘘つき!」

 

「い…ぎ、…う…あ゛ぁ………あ゛っ…!」

 

「一緒に居るって!私だけだって言っていたのに…!それなのに!!」

 

 

今日は首でした。これなら、そんなに後を引くことにはならない。そう安堵していると、ズキリとした鋭い痛みを首筋に感じる。多分、帆波の爪先が首筋を傷つけたのだと感じる。

朱い雫がプツリと浮かび、それが帆波の指に垂れると彼女はガバリと身を引いて、両手を前に震えていた。

 

 

「あ…血…あ、ああぁああぁあぁごめんっごめんっ!ちが、違うのこれこれはこれは…」

 

「ごほっ!、ごほごほ、…はぁ、はぁ…帆波…」

 

 

首を絞める手から解放され、咽込(むせこ)んでんでいると帆波は違うの、違うのと言って身を捩って泣いている。

 

私には、そんな彼女を抱きしめて背中を摩る事しかできない。

 

 

「う、うぅ…ごめんなさい…ごめんなさい、撫子…わ、私…違うの」

 

「大丈夫です、帆波。大丈夫…」

 

「私、私の事だけ見てて欲しくって…だから嫌いにならないで…!お願い…」

 

「大丈夫です、ずっと帆波のことを見てますよ」

 

「なでっ、…んぅ…!」

 

「ん………」

 

 

そう言って泣く帆波にキスをする。最初は帆波からされた友愛の目合ひ(まぐあい)も、いつの間にか私からする事の方が多くなっていた。

 

―――切欠は、なんだったろうか。

帆波の罪を告白された時?クラスから退学者が出た時?…それとも私が―――

ずっと支えると誓ったのに、気が付いたら、帆波は壊れてしまっていました。

 

 

「撫子…!撫子ぉ…!!」

 

「……大丈夫、大丈夫です。…良い子、良い子…♪」

 

 

涙声となり、幼子のように抱きしめる。そうすれば、きっと大丈夫。彼女は、何時ものように…。何時ものように、()()()()()()に戻ってくれる。

落ち着いた彼女の泣き痕や乱れた髪を直す頃には、昼休みももうわずかとなっていた。

 

 

「―――これで、もう大丈夫。髪も…これで良し」

 

「うんっありがとう!撫子。―――あっ、先生に用事があるの忘れてた…!…あ、でも書類が…あぅ、あう…」

 

「ふふっ。…なら、こちらは任せて下さいな」

 

 

そうして帆波を見送ると、扉を施錠する。そうして私も手鏡を取り出して、身なりを整える。はだけた首元も、皺の寄った制服も。…赤く染まった首筋も。腕に残る鬱血した手の痕も。少し薄くなったお腹の青い痕も。手当ても処置も、もう()()()ものなのです。

時間は無いだろうけれど、生徒会役員には月に3度まで、生徒会業務遂行の為に通常授業の免除が認められています。

 

 

「んっ…()、ぅ……?」

 

 

予鈴を聞き流しながら包帯を直していると、施錠を解く音にハッとする。帆波?いや、さっきの今だ。そんな訳はない。

…ワイシャツを、はだけたままの姿でかき抱くように凍り付いていると、廊下から差し込むの明かり。…そこに居たのは、B()()()()の生徒会役員、堀北鈴音でした。

 

 

「鈴音…何故ここに?」

 

「…!()()()…これ…!、また、一之瀬さんに…!」

 

「いえ、これは…違うんです、鈴音」

 

「違いませんっ!…お二人が付き合っていても、これはもう傷害…ドメスティックバイオレンスという立派な犯罪です…!」

 

 

以前から、鈴音からは心配をされていた。最近、生傷が増えている事も、それが、帆波と付き合ってからだという事も。

…鈴音は、私と帆波と付き合っている事も知っている、数少ない大切な親友だ。今までは、なんとか誤魔化していたけれど薄々察している様子だった。…バレないように気を付けていたのに、まさかこんな所で…。

 

 

「…私は、大丈夫ですから。…それに、帆波だってその、()()の後は謝ってくれるんですよ?優しいままです」

 

「それは優しさではありません!お姉様に甘えているだけです!!…このままだと、絶対に二人の為になりません!」

 

「鈴音…」

 

「もう止めて下さい。…私だけじゃない。他のクラスの椎名さんだって、坂柳さんだってお姉様の事を心配しています!」

 

 

また、泣かせてしまった。『帆波との関係を見直せ』と、いったのは、鈴音が初めてではありません。生徒会の先輩である堀北前会長も、み…南雲前会長も、Cクラス()()()龍園君も。

…クラスメイト、()()()、神崎君…も、皆様、そう言ってくれました。…それでも私は、帆波と離れることは出来ないのです。

 

 

―――私が悪い子でも、撫子は、見捨てない?ずっと一緒に、居てくれるの?

 

―――ええ、ずっと一緒です。…帆波のことは、私がずっと守ってあげますからね。

 

 

1年生の3学期。心身ともにボロボロになっていた帆波を、私はそう言って抱きしめた。そして、帆波はもう一度立ち上がってくれた。…あの約束がある限り、帆波が私を必要としてくれる限り…私が帆波から離れる事はないでしょう。

 

 

「…大丈夫よ、鈴音。…でも、心配してくれてありがとうね…?」

 

「お姉様…!」

 

 

強がりで、弱みを見せたがらない鈴音の表情をみない為に、抱きしめて背中を撫でる。…鈴音からも抱き返されて、背中の傷跡がピリリと痛むけれど、決して気付かれない様に身体を強張らせる。

 

その後、落ち着いた鈴音が背中から手を解く。落ち着いたのかと思い、頭を撫でようとすると―――再び、背中に衝撃を感じる。視界に映るのは、天井と、以前より短くなった黒髪。そして、赤。

 

…押し倒されたと気が付いたのは、こちらを見下ろす鈴音の眼差しに()()()()()()が込められていたから。

 

「………?っ!痛っ…鈴音っ…?なにを…!」

 

「お姉様…、()()()()()()()()()

 

「―――っすず、ん、ん…!?」

 

 

―――鈴音の目は、やはり兄妹というべきなのでしょう。堀北前会長と同じ、炎のような揺らめきを眼に宿している。

押し倒した姿勢のまま、鈴音に唇を奪われた。…勘違いなんかじゃない。彼女は、この私に、帆波と同じ感情を向けているのだと、火照った身体とは裏腹に、冷め切った頭は認めてしまう。

 

酸欠で意識が遠のく間際で、解放されて呼吸を求める。…その度に、鈴音によって口内まで自由を奪われる。舌で、指で、その一つ一つに身体が反応してしまうのを、顔を赤くして耐え続ける。

 

身動ぎをする私の身体を、鈴音の指が楽器を弾く様に弄んでいく。肩で息をする程に呼吸を荒くすると、ようやく鈴音の手が止まる。出来るだけの虚勢で言葉を重ねるも、彼女には全く響かない。

…まるで、私を姉と慕う鈴音は、もういなくなってしまったように感じてしまう。

 

 

「ん、ふ、ぅ…はっ、鈴音っ…おやめなさい!私には、帆波が…!んん…!」

 

「その割には、体は正直に反応してくれていましたね。…私なら、一之瀬さんよりも撫子お姉様を愛せます。こんな、こんな酷いことは、絶対にしませんっ!」

 

「やっ…ダメです!…鈴音っ!こんな事「―――私を選ばないのなら、帆波さんとの、怪我の事を学校側に報告しますっ!」…………鈴音っ!」

 

 

思わず、凍り付く。それは、いってしまうなら、脅迫だ。

私達の関係がいかに間違っていて、咎められるとしても、帆波への気持ちを裏切らせる、最低な行為だ。

視線にその気持ちが籠っていたのか、鈴音は怯むような表情を一瞬浮かべるも、直ぐに肩を押す力を込めて、私に思いの丈を告げる。

 

 

「こんな…それが、鈴音の…なんで…っ!」

 

「私は…本気ですっ!」

 

「……っ」

 

 

纏まらない言葉は、本気の眼に力を失ってしまう。…鈴音は本気で、帆波の事を排除しようとしている。

こんな事、間違っている。この過ちは、私と帆波の関係だけじゃない。きっと、鈴音の心も傷つけてしまう確信がある。

 

 

「………鈴音……どうして…そこまで…」

 

「…お慕いしています、お姉様…!」

 

「…っ」

 

 

きっと、ここで鈴音の手を取れば。彼女は優しく、私を癒してくれるだろう。…愛してくれるのだろう。

彼女は真剣だ。今までの鈴音の事を思い出せば、この行為も私に手を伸ばして貰う為の荒療法だったのかもしれない。…でも。

 

―――それでも、私は…帆波のことを思うと、その手を取ることは出来なかった。

 

 

「………()()()()…申し訳、無いですが…私の心は、貴女に捧げる事は出来ません」

 

「――――っ!!」

 

 

悲しい顔をした鈴音から視線を外して、私は心を凍らせようと覚悟を決める。

 

帆波を選ぶ。鈴音にも応える。…最も罪深いのは、きっと私なのでしょう。鈴音を非難する資格なんて、私にはない。

 

伸ばした腕も、指先も。…力を抜いて、完全に脱力する。床の冷たさを感じていると、少しだけ現実逃避が出来た。

 

目の前では鈴音が私の頬に手を伸ばして、優しく撫でて来る。触れた掌からは熱を感じて、罪悪感がまた溢れそうになる。

 

目を逸らして為すがままでいる私と、呼吸を荒げて手を伸ばす鈴音。はだけたままのシャツを優しく脱がして、お互いに生徒会室であられもない姿になる。

…堀北会長が居たら、きっと叱られますね。神聖な生徒会室で、こんな事。

 

 

「ごめんなさい、お姉様。でも、()()()()私は…」

 

…どうか、優しくしないで欲しい。

 

「一之瀬さんよりも、優しく、っしますから…」

 

…出来るだけ、痛くして。辛くして。

 

「いつかきっと、私を…私だけを…っ!」

 

…少しでも、私が罪悪感を覚える為に。…帆波のことを、好きで居続ける為に。

 

「は、あ…!お姉様…。撫子お姉様っ!!」

 

ごめんなさい、鈴音。…ごめんなさい、帆波。

 

「……………っ、あ…」

 

 




読了、ありがとうございました。

DVメンヘラ一之瀬と、NTR妹キャラ堀北の三角関係ENDです。
この後、帆波にバレないように情事を重ねてドンドン要求が大きくなる鈴音と、
不安になる度に暴力を振るって泣きだす帆波。
その2人をどっちも見捨てられず、自分を削り続ける撫子。間違いなくバッドエンドですね。


また、神崎君や龍園君は退学済みです。クラスから退学者が出ている帆波は、もう容赦ありません。
撫子も、ものすごく悩みながらもクラスの総意には逆らえず龍園の排除には協力しました。
クラスメイトを庇った神崎君の為にも、その彼の為にクラスのリーダーを張り続ける帆波の為に、撫子は帆波が燃え尽きるまでずっと近くに寄り添います。

ちょっと燃え尽きたので、Bクラスvol.一之瀬ヤンデレ√はここまで。
次回の募集もまた意欲が出たらアンケートをするかもです。お待ちください。


今回の話は番外編として、別章扱いで投稿いたします。
また別の番外編が出来た際にもこちらに追加しますので、お楽しみに。

次に番外書いてほしいクラスは?

  • Aクラス
  • Bクラス
  • Cクラス
  • Dクラス
  • 2年生
  • 3年生
  • 教師
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