ようこそ(勘違い)大和撫子の学校生活へ   作:エカテリーナ

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第六話。更新いたします。


今回は坂柳視点も入れてみます。
中々進んでませんが、気長にご覧下さい。

また、アンケートは次回登校時に反映したいと思っています。
ご協力、ありがとうございます。


2日目②:好敵手、そして養護教諭

その後、いつもより遅めに(なぜか疲れた顔で)来た担任を合図に、ひとまずの落ち着きを見せるAクラス。真嶋からHRで伝達事項を聞き、授業の支度を進める。休憩時間では先ほどの様な雰囲気ではないものの、各々が密やかに―――小声で、あるいはスマホを介してチャット―――相談を重ねていく。

 

そんな雰囲気とは裏腹に窓際の席で微笑む、このクラスの特異点―――西園寺撫子はスマホを見ながらタン、タン…と画面をタップしている。それを坂柳や葛城、一部の生徒たちは一挙手一投足を注視し警戒を強める。

 

クラスの大半の生徒は初日の一幕から、彼女が非常に優秀で、またいかなる手段かこの短期間の内に情報収集を重ねそれ共有する寛容さ。あるいは、能力の高さに惹かれていた。

 

坂柳有栖は自他ともに認める天才だ。そんな彼女がAクラス(自分の手駒)を掌握する為に障害と考えていた生徒は2人。葛城康平と西園寺撫子だ。昨日の質問からその後の動きで感じたものは、葛城にはクラスを纏める力(リーダーシップ)を感じ、西園寺撫子からは底知れない実力を―――あるいはもしや、自分を超えるほどの分析力となにか(特典)を感じた。

 

もちろん、自分が信じた予想が外れる事は無く、葛城はクラスメイトを率いて派閥を作り出した。逆に、西園寺はその行動が不明だった。ほとんどの生徒があの日は遊びにモールへ出向いていた。

昨日()()()なったお友達からも目撃証言は無かった。彼女が次に姿を見えたのは夜。スーパーで買い物をする姿で、誰とも一緒ではなかった。そして部屋に帰っただけかと思えば朝は隣のBクラスの女生徒と登校。その後も情報収集をさせてみたらBクラスの男子生徒とも()()()友人という事だ。つまり、彼女の行動は自派閥を外部に作る為―――そう推測される。

 

―――彼女には自信があるのだ。自クラスを後回ししても、坂柳有栖と葛城洋平を上回れる自信が。既にクラスメイト達の心に植え付けた実力という才と、それを無償で与えようとする献身(アメ)。来月になればより堅固な信頼という名の石垣が築かれるだろう。

 

…なんということだ。私や、私よりは劣るとはいえリーダーの才を持った葛城が考えた事はクラスの掌握だった。いざというときに信用できない、あるいは、実力が分からない駒を使う打ち手はいない。特にクラス間での争いが必須となるであろう事まで予測した上での行動。

 

彼女にはあるのだろう。他クラスの生徒にクラスを裏切ってでも、自分の味方をさせる自信が。能力が。もちろん他クラスと友好を持つなんてことをすればクラスでの立場を失うだろう。

ただそれは、()()()()の話だ。今は未だ、それが判明する前なのだ。当然私と彼女は確信しているだろうが、末端の末端まで行けばこのクラスですら信じていない生徒(ふりょうひん)がいるだろう。彼らはきっと、来月も再来月も今と変わらない不自由のない生活が来ることを信じているんだろう。

 

 

…認めよう、西園寺撫子。彼女は私が、坂柳有栖が全力を以て見据え、挑み、そして超えるべき存在であることを。

―――偽りの天才を葬る。それ以外にも出来た新たな目的に、自らの胸の高鳴りを感じる。ガタリ、とあえて音を立てて椅子を後ろに押し立ち上がる。クラス中の視線が集まるのを感じながら、坂柳は好敵手(なでこ)の元へ向かう。

息を飲む者、口元を抑えるもの、目を見開くもの様々だが二人の様子を静観している。

 

 

「………西園寺さん、少し、よろしいでしょうか?」

 

「坂柳さん。…えぇ、なんでしょうか?」

 

 

スマホを見るのを止め、机に仕舞ってからこちらを見据える。…丁寧なのか、それともスマホを盗み見られるのを防ぐためか?一瞬考察するも、目的を優先させる。胸に手を当て、相手に見られたときに信頼を最も得られる表情、仕草で彼女へと話しかける。

 

 

「せっかく同じクラスになったのに、いつまでも苗字で呼び合うのは少し寂しいです…ですので…」

 

「…!では、私の事はどうぞ、撫子と呼んで下さい」

 

「ありがとうございます。では、私の事も有栖と。これからも、よろしくお願いしますね」

 

 

にこやかに挨拶を交わす二人。傍から見たらそれは、友達になった微笑ましい光景だろう。しかし、このクラスの情勢をつぶさに掴もうとする者たちには別の目的を感じさせる一幕だった。

 

 

坂柳有栖と、西園寺撫子の()()

 

 

未だ友好の輪が狭い生徒も、どちらに着くべきか考える風見鶏にも、その光景は深く、強く印象に残るのだった。

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

突然、名前呼びを求められて驚いている撫子だったが、丁度良いとばかりに椅子から腰を浮かし、有栖へと近づく。

 

 

「…!…あ、出来ればお願いがあるんですが…」

 

「?」

 

 

そういうと撫子は有栖の耳元に顔を寄せ、彼女だけに聞こえる様に小声で囁く。

―――当然、抱き寄せられるような姿勢になり胸元がぶつかってくる。かなり一方的に。通学途中の騒ぎの規模ではないが、軽く声が上がる。キャーキャーと控えめな声が耳に届く有栖だったが、そんな事よりも彼女の視線の先は自分に押し付けられる二つの無駄な脂肪(おっ〇い)だった。有栖が窓側に顔を向けている為、若干悔しそうな顔を見た生徒が居ないのは彼女にとって救いだった…はず。

 

 

「実は、相談したい事がございまして。お時間がある時で構いませんので…」

 

「…はい、分かりました。それでは、次の週末の休みの日に。時間は、後日にでも」

 

「ゃ、休みの日…はい、ではよろしくお願いいたしますね」

 

 

そして離れると、不敵な笑みを向け、流し目を使って席に戻る有栖。さっきよりもざわめきが大きくなったクラスで、再び撫子はスマホを取り出す。

その画面に出ている文字を眼で追い、ポーカーフェイスを保ち落ち着いてタップをする。

 

 

 

【指紋認証が設定されていません。操作を有効化するには指紋の設定を行って下さい】

 

「(指紋認証とは…一体…?すまーとふぉん?の使い方を聞こうと思ったのですが…)」

―――彼女は2日目にして最大の困難と直面していた。

 

 

――――――――――――――――

 

 

その後、昼休みとなり彼女は昼食の弁当を取り出し、一人で食事を始める。有栖から学食へ誘われたが、あまり人が多い処へは行きたくない()()がある撫子は、教室での食事を選んだ。

 

弁当用に解凍したハンバーグに80点の自己採点をしていると、クラスのスピーカーから部活動の説明会が放課後に開催される旨の伝達がされる。

食事をしたことにより、睡魔との闘いに挑むクラスメイトにクスリとしながら授業を受ける。目と手は真剣に動かしつつも、部活についてどうすべきかを考える撫子。

 

体調が万全とは言えない今は、運動系の部活は難しいだろう。そうなると文科系の部活になるが、そうなると入ってまでやりたいものはあまりなかった。男子生徒と友達になる為に入った方が良いかも、と漠然と考えてはいるものの部活に入るという事はどうしても衆目に晒(視〇)される事となる。

どうすべきかと悩むものの、まずは説明を聞いてから、次いで見学後に決めればよいと結論付ける。

 

その後何事もなく授業を終え、部活説明会の為に第一体育館に移動―――する前に、保健室へ向かう。

 

そろそろ()()()なってきた為、星之宮先生に()()を頼む為だ。幸いBクラスのHRも早く終わったのか、保健室への道中で合流できた。

 

なんでも、疲れた顔で言われたのはこれから夜の日課も星之宮が部屋に来ること。そして毎日来ることは難しい為、部屋を別の所に移動する可能性がある事、いけない日は連絡をする為、絶対に自分一人で日課(さく〇ゅう)をしないようにと注意を受けた。

その理由(生徒の相談)については特に何も言われず、体質の事への素早い対処に撫子は感激していた。

 

 

鍵をかけ、カーテンをして更にベッドカーテンも引いてベッドに腰かける。正面から「ゴクリ」と声が聞こえ、上目遣いで見ると顔が赤い。指摘するも大丈夫だと言われ、脱衣を再開する。しゅるり、プチ、プチ…と一つずつ(撫子にその意図はないが)焦らしながら脱衣(スト〇ップ)していく。

 

汚れては困るからと、膝立ちになりスカートにも手を伸ばす。「ヒュッ」と今度は喉から音が漏れる。手を止めて。再び目を向ける。一秒、二秒と目が合い、撫子は星之宮の様子を伺うが問題なさそうなのでゆっくりとスカートを下げていく。いよいよ下着姿のみとなり、ブラを外す為に両手を背中に回す。当然、胸が前に出ると星乃宮からは「フー、フー、」と荒い息と見開いた目をそれに向ける。

 

そしていよいよ、パチ、と背中から金具の外れる音が聞こえ、特注サイズ(オーダーメイド)とはいえ負荷のかかっていた肩のヒモ部分が緩むとスルリと二の腕に流れる。慣性と乳房の()()のみでかかっている下着を両手で抑え、外すのを留めると、「ぇ…な、んで…」と呟きお預けをされた星之宮と目が合う。

 

 

「先生…あの…」

 

「ど、どうしたの?撫子ちゃん…?下着、邪魔になっちゃうよ…?あ…あぁ!ずっと見てて…あはは、は…。は、恥ずかしかったかしら!?でもでも、先生相手だから、だだ大丈夫でしょ?」

 

 

焦った声で何かを誤魔化す様に早くになる星之宮。それに微笑みながら撫子は首を傾げて見当たらない()()について聞く。

 

 

「先生…昨日お預けしたものは?」

 

「え…あ、…あぁ!そう!そうだったわね!ごめんなさいね!今すぐ持ってくるわね!!」

 

 

バタバタと駆ける音と、戸を開く音。そして「も、も、持ってきたよ!はい、これ!」と()()になった機器を持ってくる星之宮。さあこれで出来るわよね!?と言わんばかり張り切っている。見えない耳や尻尾がパタパタを動いているような姿を幻視しそうなほどだ。その様子にクスリと笑みを零し、下着をポトリ、と外す。

 

 

「あ…あぁ…あぁぁぁぁ……!」

 

「それでは先生…本日はこの後予定があるので、お早く済ませて頂きたいです。…手早く、よろしくお願い致しますね?」

 

「はい…!早く…早く…!」

 

 

羞恥を誤魔化す為、足を組み、両手を上半身を支える様にベッドへ「ギシ…」と沈ませる。その姿は妖艶で、APP18の対抗ロールに失敗した星之宮は、口からは絶えず意図せぬ喘ぎとよだれが零れてしまう。―――どう見ても、人から性を搾り取り、堕落させる淫魔(サ〇ュバス)とペットそのものだった。

 

 

※この後めっちゃ喘ぐのを噛み殺した。なんなら搾り取られた(物理)のは淫魔(サ〇ュバス)の方だった。

 

 

―――――――――――

 

その後、荒い息を落ち着ける為にベッドに横に合っていると、星之宮からタオルで汗を拭われる。玉のような汗と潤んだ瞳から溢れた雫は、純白のシーツに薄いシミを作る。それに申し訳ない気持ちを抱くが、星之宮は文句ひとつ言わずに後始末を手伝ってくれている。(と、思っている撫子)

 

たまに「ん…」や「ちゅ…」と声が聞こえるが、撫子はその巨峰が邪魔で、枕なしに仰向けになると向こう側が見えなくなってしまう。敏感になり、汗や()()拭いて貰っている時も反応する体を呪い、声を押し殺しながら心の中で星乃宮に謝罪をする。

 

口を塞いでいない方の手でシーツにぎゅっ…と、シワを作っている撫子は気付かない。タオルで誤魔化しながら、()()()()()()ではバレない様に「ん、…勿体、ない…よね…っちゅ…」となるべく音を立てないように()()()()()()()星之宮の痴態を。その瞳にはハートマークが浮かんでいる気がする。

 

「ごくん…」という声を共に、汗をぬぐい終わった星之宮から着替えを手伝ってもらう。着替えを終えて、身支度を整え時計を見ると16:42。スマホの使い方を聞いている暇はない。撫子は星之宮へお礼を言うと少しだけ速足で保健室を去るのであった。

 

 

―――撫子が去った保健室。星之宮は内側から再び施錠をする。その後のベッドにダイブし、口で、鼻で、全身で全力全霊の深呼吸をするのであった。

 

 

「すぅぅぅぅ………!!あぁ、あ”あ”ああぁ…ぁぁ…ぁ…!!き、っっったぁぁぁ…………!!きたきたきた、あぁぁぁぁぁ…!!!」

(ダメなのに…生徒の、生徒なのに生徒生徒生徒の、汗…匂い…うぅぅうぅ…溶けちゃうぅ頭、頭溶けちゃう…!)

 

 

足をバタバタさせ、脳の裏側に今日の五感で感じた全ての記憶を焼き付ける。今日はこれで終わりではない。夜にも、会える。そう考えた星之宮は、この後やる仕事の事が一瞬よぎるも―――ベッドから()()飼い主(なでこ)の匂いに、鼻頭ぐりぐりと押し付けるのであった。

 




星乃宮先生、キャラ崩壊回でした。(一日ぶり、2回目)
お気に入り登録がすごい増えていてうれしかったです。

また励みになるので、ご意見ご感想お待ちしております。
では次は、部活説明会。お楽しみに。

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