ようこそ(勘違い)大和撫子の学校生活へ   作:エカテリーナ

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よう実最新12巻、
7/25に販売決定と公式ツイッターから報告あり!

テンション上がったので連投します。

新章、クラス内投票編スタートです。
どうぞどうぞ。


3月〜クラス内投票編〜
①:△ セーブ しますか ?


―――◇―――

Side.西園寺 撫子

 

 

バレンタインが終わった後、鈴音や真澄の誕生日にお祝いを贈ったり、B…失礼、Aクラスの帆波達のクラスへ勉強会を開いて学期末の試験の対策を開いた。

部活の引き継ぎ式を行ったり、何故か雅会長から豪華な夕食にお誘い頂いたりする内にあっという間に2月も終わりました。当然、試験も無事に終わり今日は週明け。その発表日です。

 

真嶋先生がお持ち下さった順位表には、上から私と有栖の名前があり、順位が明かされます。今回も危なげなく皆様が試験を熟し、今年最後の試験への激励を頂戴します。

 

有栖の掲げた、「Aクラスへの復帰」を胸に皆様は心をひとつにしています。

やる気に満ちた声や歓声を一身に受ける有栖にだけ伝わるよう手を振ると、気付いてくれたのか手を上げて返礼。…少し前まで体調が優れないのかと思っていましたが、もう平気みたいですね。

 

こうして一念発起した私たちBクラスでしたが、事態は急速に。そして不意打ちのように私たちを混乱に陥れました。

翌日、3月2日火曜日。朝のホームルームに真嶋先生から告げられた、()()()()によって。

 

 

 

 

「今年の一年生は、特別試験や期末試験における退学者が出ていない。―――よって、学校側は追加で特別試験を実施することとなった」

 

「そんなっ」

 

「な、なんですか…それ」

 

 

皆様が混乱するのも分かります。ですが、そんな皆様より、誰よりも沈痛な表情の真嶋先生に二の句が継げないようでした。

ざわめきが収まるのを待ってから、真嶋先生は絞り出すように説明を続けます。

 

 

「皆の不満もよく分かる。…だが、学校生活に限らず、社会に出てからはどんなに、…どんなに、理不尽なことであろうと、不本意な事であろうと、一つの組織に属するものとして受け入れなければならない」

 

「先生…」

 

「この試験、私たち担任も非常に重く受け止めている。」

 

 

その言葉に、この試験が真嶋先生。…いいえ、おそらく他の先生方も本意ではない事がわかります。その後、真嶋先生はホワイトボードを使って試験の説明を始めます。

 

 

――――――――――――

【追加試験】クラス内投票

 

 

試験内容

賞賛票、批判票が各自に3票ずつ与えられ、クラス内で投票する。

 

 

・賞賛票から批判票を引いた値がその結果となる。

 

・賞賛、批判問わず自分には投票できず、同一人物を複数回記入すること、無記入、棄権などの行為も一切認めない。仮に欠席しても、投票は行う。

 

・他クラスへ賞賛票1票も必ず記入、投票する。

 

・首位と最下位が決まるまで投票を繰り返し、最下位は退学。

 

・・・

 

 

――――――――――――

 

 

「退学…!?」

 

「そんな、あんまりだろ…?」

 

 

 

そこまでを説明した真嶋先生の言を遮るように、皆様が驚きの声を上げるのものも当然でした。これまで協力して試験に挑んできた私たちが、内輪で争う様な試験。予想だにしないことに言葉も出ません。

しかし、スッと上がる手に皆様の注目が集まります。真嶋先生は硬い表情のまま、挙手をした有栖に発言を認めます。

 

 

「先生、この試験は退学者が出ていない事実を危惧した学校側による、追加試験という扱いで間違いありませんか?」

 

「…ああ、その通りだ」

 

「ありがとうございます。…では、最下位が退学となるペナルティ。なら首位は?おそらく、同等の価値がある何かを得られると思うのですが?」

 

 

その指摘にハッとなる。…もちろん、これが退学者を出すだけの残酷な試験の可能性があります。ですが、先生は先ほど首位も決めると説明をしました。皆様も気が付いたのか、真嶋先生に注目が集まります。

 

 

「…その通りだ。坂柳が言った通り、首位となった生徒にはプロテクトポイント、またはクラス移動チケットを()()で与えられる」

 

 

「プロテクトポイント?」

 

「クラス移動っ!?」

 

「それに匿名って…!?」

 

 

驚く声の中、真嶋先生は説明を続けます。それによると、プロテクトポイントは一度だけ退学処分を取り消す権利が。そして、クラス移動チケットは指定した生徒を好きなクラスに移動させることが出来るというもの。

 

名前通りの効力に皆様が色めき立ちましたが、私は首を傾げる。

 

 

「(…なぜ匿名に?混乱を防ぐ為でしょうか?)」

 

「先生、お話しの途中に申し訳ないのですが、質問をさせて下さい」

 

「…構わない、なんだ?」

 

「このクラス移動チケット。…今やBクラスの私たちや下位のクラスにとっては有用ですが、Aクラスの方からすれば不要。退学に見合わないのではありませんか?」

 

 

私の疑問は有栖が言って下さいました。しかし私は、いえ有栖もでしょう。質問をする表情も緊張が感じられる。同じ推察をしているとしたら、この試験は一筋縄ではいかないかもしれません。

 

 

「このクラス移動チケットは、大きく分けて2つの効果がある。1つ目は文字通り、取得した生徒が好きなクラスに移動を可能とする効果。そして2つ目は退学処分を受けた生徒を"再びクラスに戻す"効果だ」

 

「それって、じゃあ今回の試験で退学になった生徒に使えば…!」

 

「その通り、退学処分を受けた当日に限り、再びクラスの一員として学校生活を続けることが許される。…ああ、断わっておく。退学処分を受けた本人がクラス移動チケットを使い自分のクラスに戻ることはできない。その場合はプロテクトポイントを使わねば退学は取り消せない」

 

「…他人はともかく、自衛にはプロテクトポイントが必要という訳ですね?」

 

「その通りだ。また、どちらの特権も譲渡はできない。もらった人が頼まれて使うことはできても、最終判断は本人が決めるんだ」

 

 

…不味いですね。皆様から弛緩した雰囲気が発せられます。確かに先ほどまでの、必ず生徒が退学するという重圧から解放されたのだから当然です。

ですがそれでは、先生の表情がこうも固い理由にはなりません。すなわち、そんな抜け穴を用意するなら、こんな試験はそもそも意味がありません。

 

―――だからこそ、この試験の報酬は匿名なのでしょう。

 

 

「なんだよ、じゃあ心配は要らないってことか?」

 

「良かった…もし退学になったらって…」

 

「話を最後まで聞く様に。1つ目の効果についてだ」

 

 

緩んだ空気を、真嶋先生が再び引き締めました。その表情はやはり硬く、皆様も再び緊張を取り戻します。…この予感が、予想が外れてくれればと思いますが、そう上手くはいかないようです。

 

 

「クラスの移動の件だが、この対象は自分のクラスに限られない」

 

「………え?どういうことですか?」

 

「それって…」

 

「ああ。つまり、退学者を救わずに他のクラスに移動するのも、他のクラスから生徒を移動させることも出来るという事だ」

 

 

ざわり…そう、クラスから声が漏れたのが分かりました。

 

 

「そして投票順位。これは上位下位問わず、2位と3位が発表される。最下位は退学になる為に発表されるが首位の生徒は公開されない。…どちらの報酬を得るか、首位の生徒の自由であり生徒の軋轢や孤立を防ぐ為の処置だ」

 

「つまり、全部で5人。退学する生徒を含めた5人以外、誰が首位になったかは誰も分からないということですか?」

 

「そうだ。…無論、公開を希望する場合は学生手帳にその旨を記載するか確認をする」

 

「あのっ他のクラスからの移動って…?」

 

「文字通りだ。チケットを使用したその日付で、対象の生徒は伝えられたクラスへと移動となる」

 

「…退学する生徒の、救済処置については?」

 

「2000万ポイントだ。…今回の試験、退学そのものがペナルティとなる為、それ以上のクラスポイント等の罰則はない」

 

 

有栖や葛城君、皆様の質疑応答。そして先生の言った言葉を咀嚼する。

つまり、この試験のもう一つの側面は…生徒の奪い合い。その後に続けられた、「退学処分にクラスへのペナルティはなく、取り消しには2000万ポイントが必要」という説明が信憑性を強くします。

 

…2000万ポイント。先日まではAクラスにあったであろう貯蓄も、今はない。しかし他のクラスは?

Bクラスは融通してくれたからわかりませんが、Cクラスはほぼ確実に、Dクラスも可能性は十分あるでしょう。

 

以前の試験で退学を回避したことに後悔はありません。ですが、今回の試験をプラスの結果に持っていくには少々厳しいかもしれませんね。

 

その後、先生は試験日を週末の土曜日に行う事を告げて教室を去ります。残された私たちは自然と立ち上がった有栖に視線を集めます。

コツコツと杖をつき、ゆっくりと教壇に立つ有栖はにっこりとした笑顔で告げます。

 

 

「では、Aクラスとしての方針をお伝えします。推薦票は私、葛城君、撫子さんへ。そして批判票は戸塚君を記入して下さい」

 

「なっ…!」

 

「っ…!?」

 

「はぁ!?」

 

「…ああ、批判票のあとの2人は誰でもいいですが、必ず戸塚君の名前は入れて下さいね?皆さん」

 

 

そう言って教壇を降りようとする有栖を止め、声を荒げたのは渦中の戸塚君。当然と言えば当然ですが、退学処分を受けると言って混乱しているのでしょう。ですが、私が声をかける前に葛城君が彼の肩を掴んで席へ座らせました。

 

 

「落ち着け、弥彦!…坂柳、推薦者について俺を入れたのは何故だ」

 

「あら、不思議ですか?…撫子さんは当然ですが、貴方もひとかどの存在としてクラスを纏めている。…私だって、個人的な好き嫌いでそれを蔑ろにするつもりはありませんよ?」

 

「…そうか。なら「ですが」…!」

 

「もしも、今回の結果によって私や撫子さんが…。いえ?葛城君以外が首位となって、その方が名乗り出ず、()()()()()()()()選択をしたとしても…認めてあげて下さいね?それが、クラスのリーダーとしての器量というものでしょう?」

 

「っ!?」

 

「…それは」

 

 

泣きそうな顔になる戸塚君。ですが、言っていることは正論です。誰が首位になるにしろ、その結果に得た権利はその生徒のもの。クラスの皆様が投票して、そして権利を得るに能うと認められた証明です。

 

・・

・・・

 

―――なら、私のするべきことは?

 

1.『有栖の言う通りにする。…そう、これで、いいはず…』

2.『…嫌な予感がする。葛城君の意見も聞くべきでは?』

3.▲『…決められない。私には選べない』

 

 

「有栖。私も、一つだけいいかしら?」

 

「…っ、撫子さん。ええ、かまいませんよ?」

 

「ありがとう。…先ほどの推薦の件だけれど、私は辞退するわ」

 

「え?」

 

「っ、西園寺?」

 

 

驚いた様子の二人。…いいえ、皆様になるべく不安を与えないように話しかける。今回の試験でもし私が首位を取ったとしても、私にはあまり価値を感じられない。請われるままにそれを投げ出してしまうかもしれない。もしかしたら腐らせてしまうかもしれない。…無責任かもしれないですが、それはこれまで真摯に試験に挑んだ皆様が得るべきだと思った。

 

 

「ですが…もし」

 

「大丈夫。…それに、私よりも推薦に値する人はきっと居るわ」

 

 

もし最下位を取っても、きっと私は受け入れられる。そう伝えると、なんどか瞠目した有栖は俯きながら同意してくれた。どこか寂しそうに見えた彼女を一度抱きしめて、頭を撫でてあげる。

 

 

「あ…」

 

「大丈夫、自信を持って?貴女なら、きっと大丈夫」

 

「………はいっ!」

 

 

花が咲いたような笑顔で、頷いてくれた有栖。

少しだけ明るくなったクラスを見回す。こうして始まった追加試験。

 

―――これが、私がこのクラスで挑んだ、最後の特別試験になるだなんて。

その時はまだ、思いもしませんでした。

 

 

 

―――〇―――

Side.坂柳 有栖

 

 

「さて、集まったぜ姫さん」

 

「…ありがとうございます、橋本君。ご苦労様です」

 

「いいさ」

 

「…それで、なんの話?」

 

「………」

 

 

私は追加試験…クラス内投票が発表された今日、この日の内に、橋本君を使ってクラスの内2()9()()を集めた。理由は単純、相談(わるだくみ)の為です。

何分急いでいたこともあり、身近な真澄さんや鬼頭君にも事情を話せませんでしたが協力的でなにより。この場には私の派閥、葛城君の派閥から離反した方、そして撫子さんの(どちらでもない)派閥の方が集まってる。時間もない。さっさと意思の疎通から始めなくては。

 

 

「皆さん、ご足労ありがとうございます。…では、前置きの時間も勿体ないので早速始めさせていただきます。…今回の試験についての、お話しです」

 

「…うん」

 

「そう、だね。…」

 

「………」

 

 

いつもの様子であるお三方はともかく。その他の生徒の表情は暗い。…前回の試験とは異なり、今回は自らの手を汚す必要があるからでしょうか?…下らない感傷ですね。

パン、と手を叩き注目を集める。まずはそう、この皆さんの意識を()()()()()理解させることから始めましょう。

 

 

「良いですか、皆さん。まず、この試験の本質について説明します」

 

「試験の本質?」

 

「ええ、まさかたった一度、Bクラスに落ちたからと諦めて、考えるのを放棄した方はいませんよね?」

 

「………!」

 

 

露骨な挑発にカッとなったのか、怒りを表情に浮かべる生徒が多い。…結構です。これで後ろめたさ、羞恥を覚える方は役に立たない。その生徒の優先順位を下げることとする。

 

 

「時間も無いので結論から。この試験は、デメリットなしでクラスの足を引っ張る生徒を削除する事が出来る貴重な機会と私は考えます」

 

「まあ、そりゃそうだな。…退学ってなると、前の試験みたいにペナルティが有って当然だ」

 

「ええ。そして、首位の報酬。PP(プロテクトポイント)と、クラス移動チケット。これはAクラスであったなら、あるいはプライベートポイントに余裕があったなら余裕を持って扱えます。…お判りですね?」

 

「…2000万ポイント」

 

「ちっ…マジであの野郎」

 

「………」

 

 

自然に、クラスのヘイトを再び()に向ける。そう、これで良い。少なくともこれで、彼に推薦票を入れるような生徒は出ないでしょう。内心ほくそ笑んでいると、珍しく森下さんが手を上げる。

 

 

「…はい、どうしました?森下さん」

 

「坂柳有栖、ポイントがあったらとは退学者を2000万で救いクラス移動チケットで西園寺()()を護るという事であっていますか?」

 

「…!その通りです」

 

「?護るって、どういうこと?」

 

 

意外にも理解が早いですね。内心、評価を向上させつつ真澄さん、その他の皆さんの疑問に答える。

この試験で厄介なのは、クラス移動のチケットが誰に対しても使えるという一事だ。退学者を救うことに使えば、例えば2000万ポイントを溜め込んでいるだろう龍園君(Dクラス)が「西園寺撫子をDクラスに」とした際にどうしようもない。

ならどうするか?…こちらもクラス移動チケットを使い、「西園寺撫子をBクラスに」移動させればいい。真嶋先生に確認したら、クラス移動の効力は同じくチケットを使い打ち消すことが出来る。…実質、行き来させるだけなので移動なしで処理するらしいです。

 

その説明をすると、漸く皆さんの表情に理解と危機感が浮かびます。

 

 

「じゃあ、葛城派閥が戸塚を救おうとチケットを使ったら…撫子ちゃんを取られた際に防げないってことか…!?」

 

「…そんなっ!」

 

「なら…()()()()()()()()()()()()()()()()()()()じゃないか!」

 

「…!」

 

 

そう、これでいい。これでごく自然に、そして必然的に私に票が集まる。そうすれば当然、戸塚君は救わないし撫子さんを奪わせやしない。

ですが…ダメ押しはしておくべきでしょうね。

 

 

「…この試験で、退学者を出さない作戦が一つあります」

 

「マジっ!?」

 

「ほんとかよ、姫さん」

 

「…どうするの?」

 

「ですが、先に皆さんに伝えておくと私はこの策を使うつもりは()()にありません」

 

「え…?」

 

 

皆さんの表情が凍り付きます。…ですが、こればかりは()()()()()

これ以上、あの方を。…撫子さんを傷つけることは出来ない。

 

 

「…ちなみに、どうするか聞いて良いか?」

 

「構いませんが、故意にしろ気づかれるにしろ、結果的にこの作戦が()()()()()()()()()、実行に移された場合。次にこういう試験が出たら橋本君に()()()して貰いますが構いませんね?」

 

「っ………、あ、ああ。当然だろ」

 

「…ああ、そういうことですか。なら私も坂柳有栖の作戦に従います」

 

 

一足先に考えに至ったのか、森下さんが同意を示す。疑問符を浮かべる皆さんに、犠牲者ゼロ作戦の概要を伝える。

 

 

「至極単純です。…クラス中の票を操作し、撫子さんを批判票1位にする。…彼女を退学者に選びます」

 

「はぁ!?」

 

「どういうこと!?」

 

「落ち着いて下さい。…この作戦は取らないと伝えたでしょう。続けますよ?」

 

 

いきり立つ方は鬼頭君が一歩近寄ると、小柄な方は怯みましたが一部は全く動じない。特に女子生徒の方が強く反発している。…流石ですね。これ以上、勿体ぶるのは危険と思いさっさと作戦を伝える。

 

作戦に当たって、他のクラスには「西園寺撫子が自分を犠牲に退学者へ立候補し、クラスの私たちもそれを認めた」と噂を流布する。当然、一之瀬さんらは激怒し龍園君も気を逃さず撫子さんの獲得に動くでしょう。

そうして残った私たちのクラス。推薦者の名前の2位と3位には私と葛城君が来るように調整する。1位は誰でもいいですが、まあ真澄さんと仮定します。

 

そうなれは他のクラス目線、私たちが実は撫子さんを救うつもりなのかが分からなくなり、自分たちのクラスへ移動させて撫子さんを退学から救います。

 

後は、1ヵ月でも2カ月でも良い。2クラス。もしかしたら3クラスかもしれませんが、彼らがチケットを使い切ったのを機に私たちのクラスに撫子さんを取り戻せば良い。

 

そこまで説明したところ、私は皆さんの表情からこの相談(わるだくみ)の成功を確信する。

私は何も強制していない。私は何も求めていない。私は何も嘘をついていない。

 

()()()()、こうしてクラスを操り、支配している。

…安心して下さい、撫子さん。今度こそ、私は貴女を護ってみせます。

 

 

―――〇―――

Side.―――

 

 

「私です。―――ええ、はい。問題ありません。はい」

 

『―――、―――?――』

 

「承知しております。ええ、では…」

 

「………」

 

「お待たせしました、―――先生」

 

「いえ…。っそれで…、先日の件はいったい、どういう…」

 

「ああ、来年度実施されるのOAA―――Over All Abilityアプリについては?」

 

「一応、資料は」

 

「結構。そのアプリを導入するにあたって、生徒の端末を全てアップデートします」

 

「………その、話がみえないのですが?」

 

「いえいえ、ただの世間話ですよ。それで、このアプリですが業者曰く、非常に大きなデータを入れる兼ね合いでデータが消失する可能性がある為、生徒の端末のバックアップデータを学校側のサーバーで保管するようにと念押しをされましてね?」

 

「………」

 

「何分、私も多忙な身です。この件は()()()から同僚の先生方に伝えて下さい」

 

「は、はあ…。分かりました」

 

「お願いしますよ?…これを伝えないと、()()()()()()メールや録音、動画ファイルなどの端末のデータが事故で消えても…取り返しがつきませんからねえ」

 

「………っ!!?」

 

「ねえ?―――先生、くれぐれも、よろしくお願いしますよ?」

 

 

 




読了ありがとうございました。
予想していた方、ぜひ感想欄に!
そして今後の予想を立てた方、ぜひぜひ感想欄に!!

皆様のお声を糧に、当作の更新スピードは変化します。
これからもお楽しみに!!

クラス内投票、経過や試験結果などの反応が気になるクラスは?

  • 引き続き坂柳クラス
  • 上り調子な一之瀬クラス
  • 不和を乗り越えた綾小路君たちのクラス
  • 現在最下位龍園クラス。
  • 胃薬必須な教師陣
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