ちゃんと書きます、はい
「─ではここに残ってまだ任務を続行しろと?」
『えぇ、お願いできますか?ゲンジ』
端末のホログラムに投影された映像に移る指令書とゴリラ。現在のオーバーウォッチの事実上の司令官のウィンストンだ。
『DAの方には私から連絡しておきます。後で指令書は受け取ってください。』
「分かった。」
ホログラムが黒く染る。通信の切れた端末の電源を切り、時計を見ると12頃。そろそろランチの開店時間だ。急いで戻らなければ。
自室のテーブルに端末を置き、階段を駆け下りた。
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「じゃー私たちは行ってくるから!お店番よろしくね~♪」
千束がたきなを連れ外に出ていった。今日はそっちの仕事か。
「ゲンジ、今日はキッチンを頼めるか。」
「お安い御用です。ミカさん。」
ミカさんに指示を貰ってキッチンに入る。
喫茶リコリコのランチは知る人ぞ知る有名店…的な扱いだったのだが、最近は名前が売れすぎたのか日によっては行列ができる。
ホールが今日はミズキさん一人なことを考えるとかなり頑張らないと行けないだろう。
いつもなら11時には準備が終わっていないと行けないのだが、たきな殿の配属とオーバーウォッチとの通信で時間を食ってしまった。
「ふぅーっ……」
目を瞑り深呼吸をする。呼吸は必要ないが。
──!
目を開き、包丁を手にする。普通の包丁より少し長めなその刃を2回、3回回し、目の前の食材を見据え──
「龍神の剣を喰らえェェッ!!」
凄まじい速度で食材の下処理を行うのであった。
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「ふぃーっ…落ち着いたかなぁ…」
「お疲れ様です、ミズキさん」
コップに水を注ぎミズキさんの前に置く。ありがと、と水をそのまま一口でミズキさんは飲み干した。
「ランチはもう終わりでしょう。拙者は一通りキッチンを片付けてきます。」
「よろしくね〜…」
へなっ、という擬音が似合いそうな体制になったミズキさんの前に水をもう一度出すとキッチンにむかう。確かに今日はやけに忙しかった。
「…むぅ」
シンクに置かれた大量の皿を見て一瞬やめようかとも思ったが、自分がせずに誰かがやってくれる訳もないと皿洗いを始める。
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「千束さん、ゲンジさんは何者なんですか?」
「あー、ゲンジ君?サイボーグで〜忍者で〜」
「それは分かります。知りたいのは何故オーバーウォッチが協力しているのか?という話です。」
「あー…」
街を歩きながら千束に問う。ゲンジさんは明らかに異様だ。DAの管轄である日本に何故オーバーウォッチが介入しているのか。なによりも…
「ゲンジさんはサイボーグではなく…オムニックなのではないですか?」
「いやいや!ゲンジ君は人間だよ!?元人間!!」
オムニック。北米で開発された、簡単に言えば人工知能搭載ロボットの総称だ。人の暮らしを豊かにそして人類の良き隣人となるよう開発されたオムニックは世界中で受け入れられた。しかし、数年前に事態は一変。後にオムニック・クライシスと呼ばれるオムニックに対する大規模ハッキングやそれに伴う工業用や軍事用、警備用オムニックの人類へ対する攻撃。故に今ではオムニックの製造や流通は固く禁じられている。
「DAはオムニックに頼っていたオーバーウォッチや他国軍の介入を嫌っていると聞きました。なぜオーバーウォッチが?」
「それはね〜…あっ、あそこだよ!」
走って千束さんが警察署の方に走っていってしまった。何かを隠している、と確信するには十分すぎる行動だがとりあえずリコリスとしての仕事を全うする為、その疑問は隅に追いやった。
オムニック・クライシスがないとオーバーウォッチが生まれないけど原作OWのマップの感じとか短編アニメーションから見るに、都市が破壊され尽くした訳では無いor復興まで一瞬だったと思ったので、各地で散発的に起こったロボットの反乱って設定にしました。
なのでこの世界のオーバーウォッチはヒーロー集団というより、便利な戦闘集団って感じになってますね。