仕事人『ヘルメス』   作:八坂ノ宮

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バイバイ×サヨナラ×ゾルディック

 

 ルメーネはベッドの上でごろっとしていた。疲労を癒やし少しでもダメージを受けた細胞を休ませる為に。

 

 休み始めて数時間ほどしてからルメーネの部屋のドアがノックされる。その相手はゾルディック家の執事。

 

「ヘルメス様、ゼノ様がお呼びです」

 

「んぇー、了解」

 

 疲労で重たくなった身体を無理やり起こしてゼノの元へと向かった彼女の先にいるのはゼノとリュックを背負ったキルア。

 

「え、キルア⁉︎」

 

「ルメーネ、マジで来ていたのかよ⁉︎」

 

「かっかっか、数日ぶりの再会じゃな。さてとキルよ、ワシとシルバからじゃがお前が自由になる代わりに監視人をつける」

 

「えー」

 

「それはそこにいるルメーネじゃ、オマケに此奴に色々と戦いというものを教えて貰うといいじゃろう」

 

 驚いて監視人を見るキルアはニコッと笑うルメーネと目が合う。悪い事はしないよぉ、と言いたげな顔である。

 

「かはは、キルアは元気ですって報告する為だから安心しなさいな。とはいえ私もヘルメスとして活動しないといけないからずっといるわけじゃないよ」

 

「ふーん」

 

「ヘルメスよ、シルバからも託されたがワシからもキルを頼んだぞ」

 

「任せなさいな、最善を尽くすよ」

「(バイバイ、ゾルディック家……さようなら)」

 

 ヘルメスはゾルディック家との別れを済ませて、キルアと共にククルーマウンテンを下る。

 夜が明け始めた頃、まだ少し寒い中を二人はゆっくりと歩いていた。

 

「ゴン達も来てるんだよな」

 

「勿論だよ、執事さんに聞いたけど今はゴトーさんとゲームをしてるらしいね」

 

「ゴトーとね。まぁズルとかはしないだろうし問題はないか」

 

「だろうね、真っ直ぐ人だよ。ただ熱くなりやすいみたいだから本気で遊ぶかも」

 

 そんな会話をしながら進むと時間がかかる。

 今のキルアは安定しているがいつどうなるか分からない為、リラックスできるように努めていた。

 

 

 執事の屋敷まで残り半分くらいになったタイミング、ルメーネは感じ取っていた嫌な気配がより強くなった事に不快になっていた。堪らず、呼びかける。

 

「出てこい、イルミ」

 

「え!?」

 

 ルメーネが殺気を茂みの方に飛ばし数秒の静寂の後、イルミが茂みからのっぺりと現れた。

 

「気づいてたか、やっぱアンタは面倒だね」

 

「ばーか……屋敷に出る前からアンタがずっと監視しているのは気づいていたよ」

 

「とはいえ今は父さん達から依頼されてるアンタを殺す真似はしないよ。仕事上、やらないといけない時はやるけど」

 

「じゃあ何をしに来た。キルアをまたおかしくしたいのかな」

 

「警告かな、キル……勝ち目のない敵とは戦うな、教えたのを忘れないでよ」

 

「…………」

 

 キルアはただ俯いて黙るしかできない。

 イルミはそれを分かっているからねっとりと笑む、そしてルメーネは無。

 

 怒る事も悲しむ事もなく、彼女は何もしない。イルミに手を出してはいけない……これは彼が誘っているのだから、と。

 

「行くよ、キルア。コイツは何もできな……っと手を出しやがって」

 

 ルメーネが叩き落としたのは彼の武器である数本の針。高速で投げたと言うのに容易く落とされたのをイルミは深く観察した。

 

「ごめんごめん、変な虫がいたからさ」

 

「はぁ……」

 

 面倒臭いから相手にするのをやめてルメーネはキルアを連れて立ち去る。右手でキルアの肩を優しく励まし、左手でイルミが投げてくる針を叩き落としながら。

 

「(アイツを殺すには……父さん達は頼れないから厳しいかもしれないな。ヒソカと俺で、可能性はあるかな)」

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

「なぁ、ルメーネはなんで兄貴を前にしてなんで平気なんだよ」

 

「え? そんなの決まってるよ。私は自分の死をどうとも思っていない、殺されるならそれが運命だからね」

 

「達観してんなぁ」

 

「でも怖いものはあるよ、独りぼっちや知人の死とかね。まぁ私の友人を殺す奴はただでは殺さないけど……かっはは」

 

「……オレは兄貴を前にすると蛇に睨まれたようになっちまう。兄貴には勝てないと思い、何もできない……あの時だってギブアップしていたらオレはきっと誰か殺して失格になってた」

 

 ルメーネは悩む、どう言えばキルアを励ませるのか。イルミの洗脳は念能力で行われている為に根深い。

 

「キルア、今は悩みなさい。どうして動けないのか、どうやったら動けるのか、どうして自分は動きたいのかを悩んで悩んで答えを出しなさいな」

 

「今は悩めって……」

 

「イルミはキルアを大切に思いすぎて根深いモノを残しているけど、それは解決できる。その時こそキルアは本当の強さを得れる」

 

「絶対に?」

 

「絶対に、必ずね」

 

 だって貴方は私が一目見た時から凄い子、面白い子だと思わせたのだから。その才能は保証すると、そう思いながら直接伝えるのは少し恥ずかしいのでルメーネはそこだけ黙っていた。

 

 それからも歩いていると執事の屋敷が見えてくる。扉の前には執事が待っていた。

 

「キルア様!」

 

「キルア様、お待ちしておりました」

 

「よっ、ゴン達いるだろ?」

 

「はい。執事長とゲームをしていましたが今終わりました」

 

「あんがと。おーい! ゴーン‼︎」

 

 ゴンを探していくキルアを微笑みながら見守り、ルメーネはキルアの後を追っていった。




お疲れ様でした。今回は以上になります。
よろしければ評価やコメントをお願いします。
作者のモチベーション向上に繋がります。

コメントをもらうと本当に創作意欲向上してます。
本当にいつもありがとうございます。
評価もいずれは赤に行けるよう頑張ります!

G.W.なので出来る限り毎日更新を目指す感じになりますね。
多分持ちません笑
また、毎日更新をめざすのでおそらく2000字程度になります。

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