シバシ×ノ×ワカレ
キルアがゴン達を探して屋敷の中に入っていき探していくとすぐに彼らと再合流ができた。
ルメーネは嬉しそうなキルアの声を聞いて、ずっと微笑みっぱなしである。
「ゴン! クラピカ! リオレオ!」
「レオリオ‼︎」
「かはは、やってるねぇ」
「あ、ルメーネ‼︎」
ゴンの声に、ルメーネは軽く手を振る。
これでようやく目的達成とルメーネは全員無事に安堵、肩の力が抜けたようだ。
さぁ行こうとするとゴトーがゴンを呼び止めてコインをキャッチしてどちらにあるかを問う。ゴトーの仕掛けを彼女は見破っていた。
「(なるほどねー、視線誘導か。おそらく左で掴んだのを見せて実際は両手にコインがあるオチ……ふふ、面白い)」
その横でゴンは気づかず罠の左手を選択、手を開くと右手にコインと左手には何もなし。
ゴンも間違いないのに⁉︎ と見事なまでに引っかかっていた。
「世の中は正しい事ばかりではありません、お気をつけてください。ゴン君、ヘルメス様……キルア様をよろしくお願いいたします」
「はいよ、ゴトーさん」
ゴトーとの別れを済ませて屋敷を出ると、すでに外は明るく太陽が出ていた。
ルメーネ達はゆっくりと話しながら街の方へと戻り、彼女だけは仕事の電話を受ける為に四人から離れる。
「もしもし」
『お、繋がったか……久しぶりだなヘルメス。カニステルファミリーの若頭、アテモヤだ』
「おぉプルートさんの所の、お久しぶりです。どのような仕事でしょうか」
プルート=カニステルが頭の組、カニステルファミリー。前回も依頼を受けて殺しをした事があるが彼女は良いイメージを持っていない。
何故ならば仕事の結果に無理矢理ケチをつけて報酬を減らしてきた為。
『盗みを頼みたい、可能なら殺しもだ』
「ターゲットは?」
『“宝石狂い”のジュエリー=ジョンだ。奴は親父が購入予定だった世界最大級のルビー、通称“太陽の瞳”を持つ宝石商を殺し強奪しやがった』
「あー、あいつか……確かそれなりの仕事人を返り討ちにするほどの実力があると少し噂になってるアレ」
『奴はヨルビアン大陸の南側にある孤島に建てた豪邸に居る。この依頼は1億ジェニーを用意してある、頼むぞ』
「かはは、冗談でしょ? ジュエリー=ジョンを始末するだけでざっと10億は必要さね。ついでに宝石を無傷回収なら追加で5億」
『テメェ……有名になって調子に乗ってるんじゃないのか?』
「舐めるなよクソガキ、こっちはお前らが最近シノギで大儲けしているのを知ってるんだ。前回ケチりまくった分のお返し料込みなんだよ」
『…………チッ、分かった。15億用意する。その代わりしくってみろ、テメェの大事な物を』
それは彼女の怒りのスイッチを入れる禁断の言葉。ルメーネは即座に反応し、脅しに入る。
相手は知らずに脅しているのだろうがルメーネには心の底から大事にしているのが友人以外で一つだけ存在している。それを危機に晒すならば地獄を見る羽目に遭うだろう。
「殺すぞ」
『ッ⁉︎ いいか、しっかりこなせ‼︎』
仕方がないので依頼を受けたルメーネは飛行船場に連絡を入れて数時間後にヨルビアンに渡る船を予約して友人達の元へと戻った。
「お待たせー」
「お、ルメーネ。悪いがオレ達はここでお別れだ! クラピカはハンターとして活動する為にオレは故郷に帰って医者を目指す」
「そっか、寂しくなるね」
「それでも9月1日にヨークシンシティに集まる予定だからよかったら来てくれよ」
ヨークシンシティと聞いて、ルメーネが思いついたのはその時期に行われる世界最大規模のオークション。
幻影旅団のメンバーもたまにお宝を盗みに参加した事があったから覚えていた。
「え? オークションにでも参加するの?」
「まぁそんなところだ」
「私達はここで暫しのお別れだが、また会おう」
「かはは、そうだね」
そうしてクラピカとレオリオを飛行場で見送り、ルメーネとゴン、キルアの三人が残された。
「さて、私も仕事が一件入ったからそっちにいくよ。それと二人には一つ提案がある」
「提案?」
「キルアは頼まれたからする予定だったけどゴンも強くなりたい?」
「なりたい! オレ、ヒソカにプレートを返せるくらいまで強く!」
純粋なゴンの瞳を見てルメーネはゴンも修行に混ぜる事を決めた。
ゴンとキルアの二人なら相性も良いのでハプニングや危機を突破してくれると判断。
「丁度いいや、なら二人はこれから天空闘技場に向かいなさいな。そこで修行してみなさい」
「天空闘技場?」
「世界第四位の高さを誇る建物だよ、世界各地から格闘家や賞金稼ぎなどが集まる。ついでに勝てば報酬も出るぞ」
「本当⁉︎ それならオークションの資金にもなるかも!」
ルメーネはそういえばオークションに参加すると言っていたのを思い出す。
そのための資金源を確保するのは必要だ。
「いいかい二人とも、これは絶対のルールだから守ってよね。二〇〇階以降になると今の君達では大怪我をするだけだから一五〇階を過ぎたら私に連絡をしてちょうだいな」
「連絡?」
「そ、これだけは絶対に守って……死にたいなら別だよ。私は死んでほしくないから警告しておくけどね」
「連絡したら何をしてくれるんだよ」
「私が死なないための技術を教え込む。“念”と言うんだけどね」
「「……ネン?」」
念という知らない技術の話をされて理解できていないゴンとキルアは互いに顔を見合わせる。それを見てルメーネはくすりと笑う。
「とにかくそこで鍛錬を積んで強くなりましょ、ヒソカを倒すなら念は必須なんだからね」
え、そうなの⁉︎ とゴンは驚く。
そんな様子を見ながらルメーネはコートに入れていた二枚のチケットを取り出し、ゴン達に渡した。それは飛行船のチケット。
「天空闘技場まで直行の便。後、一〇分くらいで出発だから早く行きなさいな。お礼なら賞金でチケット代返してよね」
「えー! 悪いよ‼︎」
「馬鹿、宿代どうするのさ。アンタら貯金もないでしょ……天空闘技場は一〇〇階からじゃないと個室用意してもらえないんだからね」
「あ、そういやオレもそんなに金持ってないんだった。サンキュー」
「う……それじゃあ借りる! ありがとう、ルメーネ‼︎ また天空闘技場で会おうね‼︎」
ルメーネからチケットをもらった二人は搭乗時間が近いので急いで搭乗口まで向かっていった。
彼女もまた、自身の乗り込む飛行船の方へとゆっくりと静かに進んでいった。
三日連続投稿成功。
維持を目指して頑張ります。
お疲れ様でした。今回は以上になります。
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次回はヘルメスの仕事編になります。
宝石狂い、ジュエリー=ジョンはどの様な敵なのか。
お楽しみに……