仕事人『ヘルメス』   作:八坂ノ宮

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天空闘技場
トックン×ヲ×ハジメヨウ


 

 仕事を終えたルメーネは空港へと向かい飛行船中でのんびりと過ごしている。

 高い金を払って個室に泊まっている彼女のベッドの上には多くの宝石と裏切りの制裁をとして奪い取った沢山の金や貴金属、たくさんのケースで埋まっていた。

 

「流石は宝石狂いのジュエル……汚れ傷が一切ない。恐らく食べた時も念でコーティングしていたんだな、これなら高く売れるよ」

 

 そんな事を言いながら宝石を一つ一つ大切にオーラのコーティングを行い、購入した宝石を保存する用のケースにしまう。

 その中の一つ“太陽の瞳”だけは売却せずにコレクションに加える為にコートの内側にしまった。

 

 その次はマフィアから奪った貴金属等を数える。中には一つだけで数千万ジェニーの価値があるものもあり恐らく上納金に変える予定だった物もあったのだろう。

 それらを傷がつかないように大切にケースに保管しヨークシンシティにあるアジトに送る用の伝票を金を詰めたケースと共に貼り付けて片付けた。

 

「はー、それにしてもう一五〇階まで行っちゃうなんて私も舐めてたかもなぁ」

 

 ルメーネは天空闘技場の一五〇階に到達したキルア、そして到達するであろうゴンを素直に感心。

 試しの門を突破できるだけの実力があれば念がなくてもそこまでは簡単である事を抜けていたのだ。

 

 まず着いたら何を教えようか、それを考えながら飛行船は天空闘技場へと向かっていく。

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

 それから一晩明けて早朝、目的地である天空闘技場に着いたルメーネはまずは荷物を宅配物として出し、そして闘技場の方へと向かった。

 

「キルアとゴンを呼び出してほしいんですけど、大丈夫そうです? 知り合いなんですよ」

 

「キルア様とゴン様ですね、ご本人様に確認をさせていただき問題なければお呼びします」

 

「はいよー、私はルメーネ=マーキュリー。これを見て貰えばわかると思うよ」

 

 そう言いながらルメーネはハンター証をスタッフに見せる。

 

「っ、ハンター様でしたか。失礼致しました」

 

「いいよ〜」

 

 それから少しすると彼らの姿が見えてくる。

 ゴンとキルアだ。

 

「ルメーネ‼︎」

 

「よっ」

 

「二人とも元気だったかい、かはは。今は何階の方に進んでいるのさ」

 

「今日これから午前の試合があって一八〇階に挑戦! それが直ぐ終われば午後の試合で一九〇階の試合‼︎」

 

「順調に勝てば今日で二〇〇階に進出」

 

「ギリギリセーフだったわけだ、危ない危ない」

 

 それからルメーネは二人にまずは午前の試合を終わらせるように指示を出して、修行場所を探す。

 しかし安全面などの考慮するのが面倒になった彼女は適当に街にある小規模ビル一軒を買い占めて改装を施す。

 大量の食材に寝具、トレーニング器具をあらゆる設備を即日購入してビルに搬入設置掃除までを全て午前中にルメーネは済ませてキルア達を迎えに行った。

 

「お疲れさん。そんじゃ二〇〇階から使う私のビルに案内するよ」

 

「ビル?」

 

「まさかと思うが……」

 

「午前中にビルを購入しただけ。トレーニング器具も揃えてあるし環境もいいよ」

 

 購入しただけと、けろっとした反応をするルメーネを見てゴンは混乱してキルアは突っ込んだ。

 

「バカじゃねぇの‼︎?」

 

「かはは‼︎ 久しぶりに高い買い物だったよ」

 

「高すぎる……」

 

「あれ、ゴンさん!」

 

「ズシ!」

 

「よっ」

 

 会話していたら後ろの方から声をかけられゴンとキルアが反応を示したのを見たルメーネも後ろの方を向くとそこにいたのは拳法着をきた少年と腰元からシャツが飛び出したメガネの青年の二人がいた。

 

「やぁゴン君、キルア君」

 

「ウイングさん! 押忍!」

 

「押忍!」

 

「押忍ってあんたら何やってんの。んでこの人達は…………へぇ」

 

 癖の【凝】で見てみるとズシとウイングは念能力者の様で少し興味を持つルメーネ。

 

「なるほど……念は使えるみたいね」

 

「‼︎」

 

「あ、それ‼︎」

 

 するとキルアが何かを思い出したかのようにウイングを指を刺していた。

 

「ネンってやつこの前、教えてもらったけどそれだけじゃない気がしたんだよ」

 

「ふーん、どんな感じに?」

 

「確かネンとは心を燃やす“燃”で意志の強さ、“点”で心を一つに集中する、“舌”で想いを言葉にし、“錬”で意思を高めて、“発”で行動に移す……だったか?」

 

「かはは‼︎ 間違っちゃいないよ、でもそれは基礎中の基礎……本当の念は全然違う。まぁいいやウイングさんとそのお弟子さんもどうせだったら一緒に来ませんか?」

 

「…………そうですね、私もあなたに尋ねたい事が出来ましたので。ズシもいいかい?」

 

「大丈夫ッス!」

 

 そうしてルメーネ、ゴン、キルア、ウイング、ズシの五人は街を歩きながら目的地まで進む。しかし中々目的地には辿り着かない。

 

「なぁ、まだ?」

 

「もうそろそろだよ、ほら見えてきた」

 

 そこにあった五階建てのビルは元々汚れていたが、建造された直後のように綺麗になっていた。

 ゴン達も驚いているようだ。

 

「これ何⁉︎」

 

「私の買ったビル、ちょっとだけ改装したけどね」

 

「ビル……ちょっと?」

 

「ズシ、こういう人もいるんだよ」

 

 そう言うウイングも引き気味である。

 そんな事を気にせずルメーネはビルの中に入っていき、四人を手招きした。

 

 一階には端っこの方に鉄の塊があるくらいで無人ビルのように見えるが床や壁は綺麗に掃除されているようで輝いている。

 

「感心するのはいいけどさっさと乗りなよー」

 

 ルメーネはエレベーターに乗り込み、コートからカードキーを取り出して差し込むとエレベーターは動き出す。

 

「ちなみにカードキーがないとエレベーターは使えない仕組みにしてあるから」

 

「どこに行くの?」

 

「ん、二階だよ。私室用にしてある」

 

 二階に入るとそこはフロア丸ごとが生活空間に変わった部屋となっていた。

 

「すっごーい!」

 

「凄いっす……泊まってる宿の数倍は綺麗っす」

 

「どんだけ金を使ったんだよ」

 

「建物込みで大体、六億ジェニー」

 

「六億⁉︎」

 

 大富豪並みとはいかないが盗みの仕事でついでに盗んだ物を競売や金稼ぎのギャンブル、そして一ヶ月辺り平均数十億ジェニーを稼ぐなどで現在彼女の預金は千億弱あるらしい。

 ちなみに癖になってる馬鹿喰いで毎月数百万使ったり、毎月三十億ほどはどこかに送金している。

 つまり彼女の金銭感覚は狂ってるのだ。

 

「さてとそこのソファーに座ってお話ししましょ、コーヒーでいいかな?」

 

「オレ、ジュース」

 

「オレも‼︎」

 

「すみません、できれば自分も……」

 

「かはは! 素直でよろしい、ほれジュース」

 

 キルア達の前に置かれたのは一リットルは入る大きなピッチャー、中身は最高級オレンジジュース。

 ルメーネとウイングは彼女のお気に入りのブレンドコーヒーを。

 

「さてゴン達には伝えていたけど、ここで教えるよ。燃ではない念をね」

 

「ちなみにどのように教えるつもりなのでしょう」

 

「この二人は午後の試合で二〇〇階に到達する、だから外法でやるしかない」

 

「やはりそうですか……危険性は高いですが彼らの為には必要になりますね」

 

「どう言う事?」

 

 ルメーネとウイングの話を理解できないゴンが何を話しているのかを問う。

 何をされるか不安そうな顔を見た彼女は安心させる為に微笑みながら答えた。

 

「本来なら一定期間、瞑想などで念の感覚を掴む必要があるんだよ。今回行う方法は私の念でゴン達の身体を刺激して念……つまりオーラを無理矢理出させるって感じ」

 

 それからもルメーネは、まずは二人に念を出せるようにしてから四大行の一つ【纏】を覚えさせる事から始めたい。

 そしてそもそも“念”とは身体から溢れるオーラのような生命エネルギーを自由自在に操る能力の事であり、それを肉体に留める技術を【纏】と呼ぶのを伝えた。

 

「ズシはその念を使えるからオレの攻撃を耐えれていたのか……」

 

「へぇ、やるね。ズシ君」

 

「きょ、恐縮っす」

 

「でもそれをコントロールするのにはセンスが必要、まぁ二人なら問題ないだろうけど」

 

 それを伝える流れで彼女は自分も念は師範に無理矢理こじ開けて解放してもらった事。そして最初は【纏】が出来ずに何度も気を失った事を伝える。

 決して油断してはいけないという事を伝える為に。

 

「今日の試合予定は夜七時だったよね、ならば今は一時だから移動時間を含めて六時までには終わらせよう」

 

「分かった!」

 

「よし、やるか」

 

「ウイングさんはこの方式でいいと思う?」

 

「問題ないと思いますよ。この階であれば気を失って試合に出れなくてもフロア降格になるかならないかで済むでしょう」

 

「なら良かった。じゃあ三階に行くよ」

 

 ルメーネの案内で五人はエレベーターに乗り三階へと向かう。二階と違い、淡いグリーンの壁紙や座禅用の座布団が置かれた癒しの空間が広がっていた。

 

「ここは念能力を鍛える為の部屋。【纏】をするには落ち着いた空間の方がしやすいからね」

 

 ルメーネが部屋の真ん中の方に歩いて行くと突然「そうだ!」と声を上げて、ゴンとキルアにある物を投げてきた。

 

「これ鉄球?」

 

「軽っ」

 

「そりゃ軽いだろうけど砕けないでしょ、多分今のズシ君でも厳しいんじゃないかな」

 

「流石に鉄球は……」

 

「これから念の恐ろしいところを見せてあげる……よーく見てなさい」

 

 軽く彼女が念を込めると鉄球は簡単に砕け散ってしまった。すると破片を拾い集めて、再び彼女は力を入れると……

 鉄球はどろどろに溶けてしまった。

 

「念の使い方によっては壊すのも簡単だし、性質に変化を加える事も不可能ではないのさ。だからこそ念を扱うのは細心の注意が必要だから気をつける事だね」

 

「(師範代……この人怖いっす)」

 

「(この人は私よりも念について長けた人のようだ……でも安心しなさい。この人は悪い人ではないよ)」

 

「二人とも覚悟はいいね? ここから先は危険なトレーニングになるから気をつけなさいよ」

 

「「押忍!!」」

 

 こうして、ルメーネによる念能力の修行が始まるのであった。




お疲れ様でした。今回は以上になります。
よろしければ評価やコメントをお願いします。
作者の創作意欲、モチベーション向上に繋がります。

ルメーネによる修行が始まります。
厳しい代わりに環境は最高のものを揃えているので、ゴンとキルアが成長するには格好の機会。どこまで成長できるのかお楽しみに
(原作の天空闘技場よりかは強くなる予定です)
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