仕事人『ヘルメス』   作:八坂ノ宮

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遅くなってすみません!


ヨークシン編
ソレゾレ×ガ×ウゴク


 

 ノストラードファミリーの試験に合格したクラピカはファミリーの一員、ボスの護衛として初仕事を始めた。

 最初の仕事はシノギの要である組長の娘、ネオン=ノストラードの護衛。彼女は無意識の念能力、【天使の自動書紀(ラブリーゴーストライター)】による未来予知の占いを持つ。

 

 彼女の父親であり組の長であるライト=ノストラードは娘の占いを他のマフィアのボスや闇世界の重鎮達に情報提供をする事で闇世界でのしあがった。

 故に父親は彼女を失う事を恐れる。

 彼女の能力は多くから欲しがられると同時に消しておきたいと思わせるものであるから。

 

「……敵はいないな」

 

「さすがに真正面から襲ってくる敵はいねぇよな。しかしボスの正体が凄腕の占い師とは……裏社会の顧客が多いらしい」

 

「だからこそ敵が多いのも頷ける」

 

「何かを企んでも対処される可能性があるなんて他の組からすれば潰しておきたいものだしな。それにしても…………あの見た目で人体収集家とは」

 

「………………」

「(ルメーネが話してくれた情報のとおりであるなら今回のオークションで“緋の眼”が出品される。間違いなくボスはこれを欲しがるはずだ)」

 

 クラピカはどうやって落札した“緋の眼”を手に入れるか、を考えながら街へと向かう。

 

 クラピカ達がボスの願いで街への買い物へと向かっている傍ら、近くの荒野をとある四人組が街を目指して歩いていた。

 

 

「一三人が一度に揃うなんて何年ぶりだっけなぁ、覚えてるか?」

 

「三年二ヶ月、と言ても前回から二人入れ替わたよ。四番と八番が別人に変わた」

 

「マチ……四番(ヒソカ)の野郎はちゃんと来るんだろうな」

 

「知らないよ、アタシは伝えた」

 

「ワタシ、ヒソカが嫌いね。それならルメーネが蜘蛛に入ればいいと思てるよ」

 

「まぁアイツはオレらと違う道を行くって言ってたからな……同じ闇でもこっちには来ないだろ」

 

「ルメーネは前よりも強くなってたなぁ。たまたま仕事中のアイツと戦り合う事になったが、ありゃ無理だ。馴染みで良かったぜ」

 

「純粋な身体能力ならノブナガでは無理ね」

 

「んだとぉ……」

 

「そういやアタシもこの前会ったよ。ヒソカからの依頼で天空闘技場に行った時にね。あいつも知り合いに会うとかで今ヨークシンにいるよ」

 

「ならワタシはアイツを見つけてケリつけるね」

 

「また腕相撲か」

 

「引き分け続きで飽きてきたよ」

 

 ルメーネとフェイタンは仕事の時でもない限り、出会うと腕相撲をしている。結果は昔からを含めて81戦してフェイタンが26勝、ルメーネが26勝、そして今は引き分けが29と続いていた。

 

 

◇◆◇◆◇

 

 

「おら、兄貴そろそろ起きろ」

 

「ぁぁぁ〜〜〜、眠ぃ」

 

「ウボォーの寝息がうるさくてこっちが寝不足なんだけど、ルメーネは眠くないのか?」

 

「別に平気、一日寝なくても活動できるようにしてるし。そちらさんよりも仕事量が多くて忙しい時は寝てる暇なんてないんだよ」

 

「はは、大変そうだ」

 

「まーね。って兄貴また寝ようとしてる……ほら起きんかい、朝食できてんだよ!!」

 

 ルメーネはオーラを電流へと変化させてウボォーギンに流し込む。流石の筋肉お化けの彼も電流は防ぎようがなかった。

 

「ががががが!? てめぇ、ルメーネ! いきなり電気流すとはどういうつもりだ!!」

 

 電流を受けてなお騒げるあたりウボォーギンの頑丈さに驚かされるルメーネであったが髪型が大きく変化しているのを見て吹き出してしまう。

 

「かはははは!!! 兄貴、昔みたいな髪型になってる! 良いアフロに仕上がったねぇ、くひひ」

 

「確かに懐かしいかもね」

 

「このやろ……直しやがれ!」

 

「はいはーい」

 

 その後ウボォーギンとシャルナークは彼女の用意した朝食を食べ、ルメーネはアフロになったウボォーの髪型を元に戻すためにオーラを駆使、食べ終わった頃には元通りになっていた。

 

「ほら戻ったよ兄貴」

 

「美味かったぜ、今度は数倍の量を頼むな」

 

「次は連絡寄越しなさいな」

 

「ルメーネはこの後どうするんだい」

 

「知り合いに会う」

 

「そっか、それじゃあここでお別れだね」

 

「そうだ……フェイには私の家の場所を教えないでよ、襲撃されかねないからさ。腕相撲で済みそうにない」

 

 シャルナークが分かったと話して、来訪者の二人は去っていった。一息をついたルメーネは朝食を置いたキッチンへと戻るとそこには貼り手紙がある。

 

 “ワインセラーにあった高そうなワイン、頂いていくぜ。それと冷蔵庫にあった酒のつまみになりそうなのもな”

 

「クソ兄貴がー!! せめて一声かけろ!」

 

 ちなみに盗まれたワインは70年代製造の最高級ワイン、その価値は一本で数千万はくだらない。

 とはいえ、彼らが来た時によくある事なのでルメーネはそこまで怒らずに食器などを洗い準備を整えて外出をした。

 

 

 

 その頃、ゴンとキルアはヨークシンのオークションに合わせて開催されている通常市場を見て歩いていた。

 

 彼らはここに来る前に、ゴンの父親“ジン”の情報があると思われるハンター専用ゲーム“グリードアイランド”を手に入れるためにオークションやフリーマーケット、ギャンブルなどをして資金を作ろうとするも失敗。

 天空闘技場で稼いだ八億も五百万弱へと減り、この先どうしようかと考えながら市場を見ている。

 

「早朝だけど凄い人集りだね!」

 

「確かに、ここは競売の市場ではないみたいだけどみんな暇人なのか? それにしても……昨日のレースは後ちょっとだったのにな。第四コーナーからあの馬が差さなければ今頃いい線いってたのに」

 

 そう言いながらキルアは露店で買ったフルーツを口の中に放り込む。その味は酸味が強く彼は咳き込んだ。

 その様子を呆れたゴンは賭け事に対して注意する。

 

「ギャンブルなんかするからだよ」

 

「つってもゴンだって元金から大して増えてないじゃねぇか。二週間でたった一万弱って」

 

 ゴンは素直過ぎる性格が祟り、オークションで購入した商品を高く売り込むことに失敗してしまい雀の涙ほどの増加であった。

 

「キルアよりは増えてるから勝ち! そういえばルメーネとレオリオとクラピカはどうしてるんだろ」

 

「レオリオは午後、クラピカはもういるらしい、でルメーネに関しては音信不通だから分かんね」

 

「でもルメーネならもう来てそうだよね」

 

「確かに、既にオレ達を観察してるかもしれないぜ。影からジロジロと観察する変態みたいにさ」

 

 キルアが冗談混じりで彼女の話をすると誰かがいると感じとる。錆びた機械のようにぎぎぎと振り返るとそこにいるのは。

 

「誰が変態だって?」

 

 ルメーネ=マーキュリー本人である。

 

「げっ……!?」

 

「ルメーネ! 久しぶり!!」

 

「かはは、久しぶりだね。ところでキルア……どこの誰が影から人をジロジロと観察しているストーカー系の変態だって?」

 

「いやそこまで言ってない」

 

「まぁ別に良いや、そういえば昨日何回も連絡くれていたみたいだけど電話に出れなくてごめんね」

 

 前日キルアはとある目的のためにルメーネの電話番号に連絡を入れていたが、彼女はウボォーギンとシャルナークの食事を作ったりしていたせいで電話の電源を入れてすらいなかった。

 

「あー、そうだそうだ。ルメーネにお願いしたいことがあって連絡していたんだった」

 

「ほぅ、なんだい?」

 

「二〇〇億ほど貸してくれ」

 

「え、無理」

 

 ギャンブルで金を使い果たしたキルアはどうやって金を得るか悩んでいた。その途中で、金融屋の看板を見かけた彼は闇の住民で金遣いの荒い大金持ちである自分の師である彼女のことを思い出し連絡していた。

 それもたった今、一言で断られる。

 

「さすがに二〇〇億はおかしいでしょ。何なの、高額オークションにでも参加しようとしているの?」

 

「そ、ゴンの親父が作ったと言われているグリードアイランドってゲームを手に入れたいんだ」

 

「グリードアイランド……知ってる。なるほどねー、それを今回のオークションで落札したいわけか」

 

「何とか金を工面しようとしたんだけどキルアはギャンブルで破産、オレもちょっとしかプラスにならなくて」

 

 ルメーネは頭を悩ます。

 弟子であり友人の二人の願いは叶えてあげたいが二〇〇億は彼女にとっても大きい。

 

 彼女の貯金はマーキュリー財団が傾いた時に使用できるように貯めていた。現在は一千億弱のため、五分の一を使用するのは躊躇うのも仕方がない。

 

「うーん……さすがに大金すぎるよ」

 

「ダメかぁ」

 

「ごめんね、ルメーネ」

 

「ん、気にしないでいいよ」

 

 それから合流した三人はゴンが未だに携帯電話を持ち歩いていない話になり、マーケットで購入をすることになった。

 

「いらっしゃい、携帯を探しているのかい? それならこの安心と信頼のポンム社の薄型携帯はいかがかな。後はこっちは一番人気のカードサイズの極薄型! 所在地モードが付いていて便利だよ」

 

「へー、持ち運びしやすそう」

 

「んにゃ、その薄いのは止めときなさいな。携帯は機能や利便性を重視した方がいい、それは薄い分ちょっとした衝撃で壊れるよ」

 

「ルメーネの言う通りだぜ、ゴン。そいつは防水機能もないし電話をするためだけの携帯、お前には向いてねぇよ」

 

 振り返るとそこにいるのは午後に合流する予定であったはずのレオリオ。彼は「よっ」と額に当てた指をピッと下ろし挨拶をする。

 

「ちなみに俺のおすすめはビートル07型。重さがあるし値段も張るが全世界屋外での圏外なし、二〇〇種類の民族言語通訳機能付きでテレビも録画もできる万能品だ」

 

「マジかよ、俺もそれに機種変しよ!」

 

「良い携帯を選択するね。それなら活動していく上でも簡単には壊れないし機能も良いものばかりだ」

 

「じゃあオレもこれにしよ!」

 

 購入予定の携帯を買おうとするとレオリオが店主と値切り交渉を始める。周りにもギャラリーができるほどに交渉は白熱し終わった頃にはギャラリーから拍手をされた。

 ルメーネやキルアは十の位でも値切ろうとするレオリオに若干引いている。

 

「そんじゃ適当にレストランで食事でもしましょう。二〇〇億は無理でもその席くらいなら奢るよ」




お疲れ様でした。今回は以上になります。
よろしければ評価やコメントをお願いします。
作者の文章作成へのやる気向上になります。

今回からヨークシン編の序盤も序盤ですが次は腕相撲辺りまではなんとか書けるように頑張ります!

ちなみにルメーネはバッテラ氏ほど資産はないです。
富豪並みではありますが。
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