SS投稿速報に投稿している処女作のIFストーリーでもあります。興味のある人はそちらも見ていただけると幸いです。
ちなみに、処女作本編はSS投稿速報限定、今作を含めたいくつか構想があるIFストーリーはハーメルン限定となっています。
「何に忠を尽くすべきか…」
「それが分かったから、私はここにいる。」
それが、私の出した答えだった。
横須賀鎮守府 執務室
大将「現時刻をもって、貴様を除籍処分とする。」
??「…何故ですか?」
大将「言わねば分からんのか?」
??「除籍というからには、それなりの理由があるんでしょう?」
大将「大した戦闘力を持たず、目立った戦果も残していない駆逐艦など必要無い。」
大将「それに…」チラッ
秘書艦「…」ガタガタ ウツムキ
大将「コイツのように従順ならともかく、貴様のような危険思想の持ち主を我が鎮守府に置いておくわけにはいかん。」
??「そうですか…」
大将「何が《艦娘の為の理想郷を作る》だ。兵器である貴様ら艦娘に許されるのは、我々人間に勝利と利益をもたらす為に利用される事のみ。」
大将「意思や思想。そんなものを持ち、あまつさえそれらが尊重されるなど言語道断だ!」
大将「…もう貴様の顔も見たくない。直ぐにこの鎮守府から出ていけ!!」
??「分かりました。」
??「…司令官、今までお世話になりました。」ガチャッ パタン
大将「チッ!全く忌々しいヤツだ!!」
・
・
・
艦娘寮 114号室
ガチャッ
??「睦月ちゃん、夕立ちゃん。」
睦月「ん?」
夕立「ぽい?」
??「私と仲良くしてくれてありがとね。」
睦月「急にどうしたの?」クビカシゲ
夕立「大事な仲間だもん!仲良くするのは当然っぽい!」ポイポイ!
??「仲間…か。」
??「そんなふうに思ってくれてたなんて…嬉しいなぁ。」ニコッ
睦月「本当にどうしたの?」
夕立「変な物でも食べちゃったっぽい…?」
??「心配かけてごめんね。私は大丈夫だよ。」
??「…二人にはちゃんと話しておこうかな。」
睦月・夕立「「?」」
??「私…、この鎮守府から出ていくよ。」
睦月・夕立「「!?!?」」ガタッ
睦月「なんで!?なんでなの!?」アタフタ
夕立「夕立の事、嫌いになったっぽい!?」ウルウル
??「ううん。大好きだよ。」
??「さっき司令官に呼ばれてね。…除籍処分だってさ。」
??「大した戦闘力を持たず、目立った戦果も残していない駆逐艦など必要無い。」
??「貴様のような危険思想の持ち主を我が鎮守府に置いておくわけにはい かん。」
??「…だってさ。」
睦月「そんな…!」
夕立「ヤダヤダ!そんなのやだぁ!」ナミダメ
??「二人とも、元気でね。」ニコッ
??「…さようなら。」
睦月「やだ…お別れだなんてやだよ…。」ポロポロ
夕立「行かないでぇ!」ポロポロ
睦月・夕立「「吹雪ちゃぁぁぁん!!」」
大丈夫。二人は強い子だから、私がいなくても生き残れるよ。
鎮守府のみんなも、今までありがとう。
いつの間にか私がいなくなることが鎮守府全体に広まって、艦娘全員が正門に押しかけて私を引き止めてくれたけど…
司令官の命令には逆らえない。だから、私の除籍処分が覆らないことも、全員分かっているはずだ。
それでも…
私の姿が見えなくなるまで、声を枯らしながら引き止めてくれて、最後まで私の名前を呼んでくれて…
ありがとう。
さようなら。
あれから10年の年月が過ぎた。
私は鎮守府から除籍という形で追い出され、行くあてもないまま旅をしていたが、今は海沿いに小さな小屋を見つけてそこに住み着いている。
“ある人”のおかげで生きるのに困らない程度の技術は身につけていたので、小屋を修繕・補強して人が住めるようにした。
食料は海に潜って魚を獲ったり、すぐそばにある山に入って食べられる野草や山菜、キノコなんかを収穫して何とかなっている。
今日は釣り竿を使って釣りをしている。
釣り竿は妖精さんが作ってくれた。私が鎮守府から出ていくときにこっそり荷物に紛れて私についてきたんだとか。結構な人数がついてきてたけど、こんなに妖精さんがいなくなって横須賀は大丈夫なんだろうか?
妖精さん「フブキ、サカナツレナイネ」
吹雪「ね〜」
妖精さん「ナンデキョウハモグラナイノ?」
吹雪「今日はのんびりしたい気分だからだよ。」
妖精さん「ソーユーモンナノ?」
吹雪「そーゆーもんだよ。」
グググ
妖精さん「ア!ヒイテルヒイテル!」
吹雪「よしきたぁ!合わせるよ!」
妖精さん「セーノ…」
吹雪・妖精さん「それっ(ソレッ!)!」グイッ!
ググググググググ!!
吹雪「重い重い重い!」ズリズリ
妖精さん「コリャアオオモノダ!」
吹雪「全員集合!一気に釣り上げるよ!」
妖精さん達「「「「「マカセロ!!」」」」」ワラワラ
中々釣れないなんて思ってたら、いきなり大物が掛かった!私一人じゃ持ち上がらず、逆に引っ張られるもんだから堪らずに妖精さん達に集合をかける。巨大な野菜を引っこ抜く絵本のように、私を先頭に全員が一列に繋がる。妖精さんは小さな体に似合わず、艦娘の私よりずっと力持ちだからこれでイケるはず!
お願いだから持ちこたえてね、妖精さん印の釣り竿!
吹雪「みんな!せーので行くよ!」
妖精さん達「「「「「リョウカイ!」」」」」
全員「「「「「せーのっ!!」」」」」
ザッパーン!
吹雪「やったやった!すんごい大きな…!」
??「」プラーン
全員「「「「「…さかな?」」」」」
・
・
・
吹雪の小屋
妖精さん「ココ10ネンデ1バンビックリシタヨ」
吹雪「私だってそうだよ。」
二人「「まさか艦娘が釣れるとは…」」
??「…」
そう。先程全員で協力して釣り上げた魚の正体は艦娘だった。
駆逐艦や潜水艦ではない。体格(主に胸部装甲)を見るに重巡以上だと思う。道理で重たいわけだよ。
横須賀には居なかった艦娘なので、名前までは分からない。
流石に濡れた服を着せたまま放置するわけにもいかないので、小屋まで引きずってきてから服を脱がせ、私の布団で休ませている。
あ、もちろんこの布団も妖精さん印。すっごく気持ちいい。
吹雪「どこの艦娘だろう?」
妖精さん「ワカンナーイ」
吹雪「…」ジー
吹雪「艤装は大破、艦娘本人は傷だらけ…」
妖精さん「ネンリョウモダンヤクモホトンドカラッポダヨー」
吹雪「それに、明らかに戦闘でできた傷じゃないものもあるよね?」
妖精さん「フシゼンダネー」
そう。妖精さんが言うように不自然極まりない。
戦闘で大破したならば、被弾した箇所とその周辺を負傷するはずなのに、この人の怪我は明らかに被弾箇所と違う場所にあった。それどころか、被弾した形跡すら無い。
??「ぅ…」ピクッ
吹雪「!」
??「ここ…は…」
吹雪「気が付きましたか?」
??「だ…れ……?」
吹雪「私は…」
どうしよう…
10年前に除籍されちゃってるけど、“吹雪”って名乗っても良いのかな?
…念の為に偽名を使おう。うん。この名前ならバレないだろうし。
吹雪「私は…フォックス。」
吹雪「スノウ・フォックス。」
??「…外人…みたい、な…」
吹雪「アメリカ出身なんです。」
嘘は言ってない。
実際、かなり長いことアメリカに居た事はあったし。この名前はその時に“ある人”から貰ったものだ。自分でも気に入っている。
吹雪「釣りをしてたら魚じゃなくて艦娘が釣れたのでビックリですよ。」
??「…?」クビカシゲ
吹雪「自分でも何を言ってるのか分かんなくなりそうなので、あんまり深く考えないでください。」
??「…そうね。」
何言ってんだコイツって目で見られちゃった。多分私が同じ立場でもそう思うけど、事実だから仕方がない。
??「まだ状況が飲み込めてないけど…助けて頂き、ありがとうございます。」
吹雪「だいぶ意識もハッキリしてきたみたいですね。自分の名前、言えますか?」
??「私の…名前…?」
吹雪「そうです。」
??「私は…大井…。」
大井「軽巡洋艦、大井です。」
…えっ、軽巡!?
舞鶴鎮守府前 深夜2時
ザザッ
吹雪「舞鶴鎮守府に到着。」コソッ
大井『予定通りね、吹雪。』
大井『ブランクがあるなんて信じられないわ。』
吹雪「…フォックスって呼んでください。傍受される可能性がありますから。」
大井さんを釣り上げてから一週間後、私は“昔の装備”を引っ張り出して舞鶴鎮守府に来ていた。大井さんは妖精さんと一緒に小屋から無線でサポートしてくれている。
何故こんな事になっているのかというと、話は数日前に遡る。
・
・
・
数日前 吹雪の小屋
大井「すっかりお世話になってしまったわね。」
吹雪「大井さんが元気になって良かったです。」ニコッ
怪我と空腹で動けなかった大井さんは、妖精さん印のレーション(美味!)を食べたらみるみる元気になっていった。私も昔よく食べたけど、何でできてるんだろう…?
艤装の修理も完了しているけど、流石に燃料と弾薬は準備できなかった。
吹雪「これで鎮守府に帰投できますね!」ニコッ
大井「ッ!」ピクッ
大井「そうね………そろそろ鎮守府に戻るわ。」フルフル
吹雪「!」
今、一瞬表情が固まった?
それに、微かに震えてる…
吹雪「…そういえば、大井さんは何処の鎮守府に所属しているんですか?」
大井「舞鶴よ。言ってなかったかしら?」ブルブル
吹雪「舞鶴!?」Σ(゚Д゚)
大井「そうよ…。私は舞鶴鎮守府の初期艦なの。」ウツムキ
舞鶴っていったら、私の居た横須賀に次いで戦果を挙げてる日本海軍のNo.2だよ!しかも初期艦!?
…でも、大井さんの反応が気になる。堂々と胸を張って威張り散らしても良いくらいなのに、俯いて全身を震わせてる。まるであの人みたいに…
…ちょっとカマかけてみよう。
吹雪「…もしかして、帰りたくない理由でもあるんですか?」
大井「!?」ビクッ
吹雪「でも、帰らなきゃいけないっていう義務感のようなものもある…と。」
大井「なっ…!」
吹雪「その反応は図星でしたか。」
大井「何で…何で分かるのよ!?」ガシッ
だっておかしいもん。帰る話題になってから明らかに挙動不審だし、視線が泳いでる。胸倉を掴んで凄んだところで、ベテランのそれじゃなくて自信のない新兵みたいな目付きになってるもん。
だからこそ、大井さんの反応で合点がいった。あのときの異常な怪我と大破した艤装でそんな気はしてたけど、舞鶴は艦娘にとって…横須賀と同じくらい生きづらい場所なんだなって。
吹雪「昔見たことのある反応と同じだから。」ボソッ
大井「…はぁ?」
吹雪「今の大井さんと同じような反応を、散々見てきたから分かったんですよ。」
大井「アメリカ人が何を知ったような事を…!」ギリッ
吹雪「“知ってる”から言えるんですよ。」
吹雪「日本でもアメリカでも…私は軍のいろんな闇を見てきました。」
大井「軍の、…闇?」
吹雪「今も昔も、あの頃から本当に何も変わらない…。」
大井(昔?あの頃?)
大井(この子、一体何者なの?)
吹雪「だから私は国の為に戦うことをやめて、こうして自由を手に入れたんです。」
吹雪「10年前の、横須賀を去ったあの日から…。」
大井「横須賀…って、アンタまさか艦娘なの!?」
吹雪「ご想像におまかせします。」
身バレはしたくないから、これ以上は言わないでおこう。
吹雪「それで?」
大井「…え?」
吹雪「舞鶴に帰るんですか?」
大井「っ!」ビクッ
吹雪「身体は明らかに拒絶してますけど?」
大井「早く私が帰らないと、北上さんが…隊のみんなが死んじゃう…!」ガタガタ
人質にされてる…とかかな?
それか、大井さんを逃した罪で痛めつけられてるか…
もしそうなら…流石に見過ごせない。艦娘が、かつての帝国海軍時代の仲間が苦しむ姿はもう見たくない。
私も覚悟を決めよう。観光は終わりだ。
吹雪「大井さん。」
大井「何よ!?」
吹雪「取引をしましょう。」
大井「取引ですって…?」
吹雪「はい。」
吹雪「私の条件を呑んでくれるなら、大井さんの仲間の救出に最大限協力しましょう。」
大井「条件?」
吹雪「私はかつて、《艦娘にとっての理想郷》を作りたいと思っていました。」
吹雪「艦娘が艦娘らしくあるために、様々な意志や思想、艦種や国籍、言語に至るまであらゆるものを超えて自分達の存在を感じることができる…」
吹雪「人間や軍、国に縛られることが無い世界。艦娘にとっての天国であり、人間にとっては楽園の外側…」
吹雪「それを実現するために、私に協力してください。」
吹雪「端的に言えば、国を棄てて私の為に戦ってください。」ニコッ
大井「北上さんを助けられるなら、何だってやってやるわよ!」
吹雪「…ありがとうございます。」テヲサシダシ
大井「約束は守ってもらうわよ。」テヲサシダシ
ギュッ
・
・
・
こうして、私達はお互いに協力することになった。
因みに、あの後すぐに妖精さんが私のことをうっかり“吹雪”と呼んでしまい、元横須賀鎮守府の吹雪だとあっさりバレてしまった。
大井『舞鶴鎮守府のことなら任せて頂戴。部屋の場所から所属している艦娘、北上さんのスリーサイズから提督のカード番号まで全て把握してるわ。』
吹雪「後半とんでもないものが混じってませんでした?」
この人敵にしちゃダメかもしれない。
吹雪「見張りが多いですね。」E.双眼鏡
大井『実態はどうあれ、日本海軍のNo.2に位置する鎮守府ですもの。』
吹雪「主な装備は…
大井『本当に艤装を持っていかなくて大丈夫だったの?』
吹雪「艤装は目立つし、取り回しも悪いので。」
吹雪「武器はこれくらいで丁度いいんです。」E.ナイフ&麻酔銃
吹雪「鎮守府が軍事施設である以上、必要な物があれば現地で調達出来ますしね。」
大井『えぇ…?』
吹雪「まずは警備の薄い場所を探します。」タッタッタ
今無線の向こうで露骨に引かれた気がするけど、そんなことは気にしていられない。
まずは北上さん達が監禁されてる場所に急がなきゃ。
吹雪「北上さん達が監禁されてそうなのは何処ですか?」
大井『一番可能性が高いのは執務室ね。』
吹雪「執務室?」
大井『正確には、執務室から行ける隠し部屋ね。執務室の何処かに扉があって、その先には捕虜尋問用の部屋があるって提督が自慢げに話してたことがあるわ。』
吹雪「悪趣味ですね。」タッタッタ
大井『激しく同意するわ。』
大井『あぁ、それと。』
吹雪「?」
大井『北上さん達に伝えてほしいことがあるの。』
吹雪「なんですか?」
大井『遅れてごめんなさい…って。』
吹雪「…分かりました。」クスッ
吹雪「ドックに到着。」タタタタ
吹雪「ここは見張りがいませんね…?」
大井『艦娘が頻繁に出入りするからでしょうね。四六時中出撃や遠征をしているから、艦娘に見張りまでさせてるのよ。』
吹雪「なるほど。」
モウヤダ… デモハヤクイカナキャ
吹雪「!」サッ
吹雪「大井さん、今の声に心当たりは?」
大井『遠征に駆り出されてる第六駆逐隊ね。』
大井『黒髪が暁、銀髪が響、茶髪の髪を結ってないのが雷、髪を結ってるのが電よ。』
吹雪「あの子達、フラフラじゃないですか!」
大井『毎日食事も休みも満足に与えられないまま遠征だもの。人間ならとっくに過労死してるわね。』
吹雪「なんてことを…!」ギリッ
確かに駆逐艦や潜水艦なら効率良く資材を集められるけど、コレはいくらなんでもやりすぎだよ!
響「流石に疲れたな…」ゲッソリ
雷「響…もっと私に頼っていいのよ…?」フラフラ
暁「雷だって倒れそうじゃない…」グスッ
電「…」
暁「電、大丈夫?」
電「……」
響「どこか痛むのかい?」
電「………」
雷「いな…ずま…?」オソルオソル
電「なんでなのです…」ボソッ
響「え…?」
電「なんであんな司令官さんの為に、こんなに辛い目にあわなければならないのです!!」
暁・響・雷「「「ヒッ!」」」ビクッ
電「もう嫌なのです…」カチャ
吹雪(まずい!)
主砲で自分の頭を撃つ気だ!
吹雪「大井さん!電ちゃんが自殺しようとしてます!」
大井『なんですって!?』
吹雪「止めます!」バッ!
大井『お願い!』
間に合えぇぇぇ!
暁「電!やめて!」アタフタ
響「馬鹿なことをするな!」アタフタ
雷「やだ!電…こんなのやだぁ!!」ポロポロ
電「これでいいのです…」ツー
吹雪「フッ!」アテミ
電「キャア!?」ドォン! MISS
吹雪「せぇい!」ブォッ
電「ガハッ!」ドシャッ
吹雪「動くな!」チャッ E.ナイフ&麻酔銃
暁・響・雷「「「!?」」」
暁「あっ、あにゃた誰よ!?」ガタガタ E.探照灯
響「侵入者!?」ガション E.主砲
雷「一体どこから!?」E.アンカー
吹雪「せっかく電ちゃんのこと助けてあげたのに、随分物騒な反応だね?」
電「貴方は…誰なのです?」クラクラ
危なかったぁ…。あと少し遅かったら引き金引かれてたよ。
引き金を引こうとした電ちゃんを咄嗟にCQCで無力化してから、電ちゃんにはナイフを、他3人には銃を向けて行動を抑制する。
かなり鈍ってると思ってたけど、意外と動けたから良かった。身体は覚えてるもんなんだなぁ…
吹雪「私は元アメリカ特殊部隊のエージェントだよ。」
暁「…?」キョトン
吹雪「みんなを鉄のカーテンの向こうにエスコートするために来たの。」
響「アメリカのエージェント?」ジッ
吹雪「“元”ね。」
吹雪「今はある人に協力してる、ただのプータローだよ。」
第六駆逐隊((((絶対嘘だ…))))
雷「あれはプータローの動きじゃなかったわよ!?」
電「ある人って…誰なのです?」
吹雪「たぶんみんながよ〜く知ってる人だよ。」
吹雪「一週間くらい前にここから居なくなった…ね。」ニコッ
暁「まさか…?」
第六駆逐隊「「「「大井さん!?」」」」
響「生きていたのかい!?」
吹雪「もちろん。」
雷「今どこにいるの!?」
吹雪「私の拠点から無線でサポートしてくれてるよ。」
電「こ…声を聞かせてほしいのです!」
吹雪「良いよ。周波数を140.85に合わせてみて。」
140.85 CALL
大井『こちら大井です。』
第六駆逐隊「「「「大井さん!」」」」ワッ
大井『みんな…久しぶりね。』クスッ
大井さん、この子達に好かれてたんだなぁ…。
大井さんの声を聞いた途端、わんわん泣いちゃってるよ。電ちゃんは泣きながら笑顔で「ごめんなさい」って何回も謝ってるから、さっきの自殺未遂で怒られるのすら嬉しいのかな?
バタバタバタバタ
まずい。
みんなの泣き声とさっきの砲撃音を聞いて、ここに見張りが集まってきてる!
吹雪「みんな!さっきの騒ぎを聞いて見張りがここに来るよ!」
電「はわわ!大変なのです!」
吹雪「みんなは急いで遠征に行く準備をして!」
暁「貴方はどうするの!?」
雷「それにまた遠征に行けってどういうことよ!」
吹雪「準備だけでいい。海に立ってるだけでもいいから!」
吹雪「あとはネズミとかGにビックリして撃っちゃったとか言っておけば大丈夫!」
電「わかったのです!」
吹雪「!」
吹雪「いい物あるじゃん。」ガサゴソ スポッ
第六駆逐隊「「「「ちょっ!?」」」」Σ(゚Д゚)
バタバタバタ
見張り1「なんの騒ぎだ!?」
見張り2「お前達か!」ギロッ
暁「ぴぃっ!」ビクッ
吹雪「…」
響「睨まないでほしいな。暁が怖がるじゃないか。」ダラダラ
吹雪「…」
雷「すっごく大きなネズミがいたから、ビックリして引き金引いちゃっただけよ!」アセアセ
吹雪「…」
電「追い払えたからまた遠征に行くところなのですぅ…」ビクビク
吹雪「…」
見張り3「なんだネズミか…」
吹雪「…」INダンボール
暁「うぅ…」ウルウル
見張り4「…チッ!相変わらず腹の立つガキ共だな!」ガスッ
暁「ぁぐっ!?」ドシャ
吹雪「!」
響・雷・電「「「暁(ちゃん)!」」」ダッ
見張り達「「「「ギャハハハハ!」」」」ゲラゲラ
見張り4「いい気味だぜ!だいぶスカッとしたわ!」ケラケラ
暁「痛い…痛いよぉ…」グスッ
暁「うぇえええん…!」
躊躇なく暁ちゃんの、女の子の顔面を殴るなんてひど過ぎる!
何この地獄みたいな鎮守府…?
司令官が艦娘を監禁・虐待するだけじゃなくて、補給や休息を許さずに四六時中働かせて…、挙げ句の果てにこんなに小さな子を殴って気晴らしだなんて!
…ちょっとお仕置きしよう。
吹雪「…」ゴソゴソ
見張り1「次は誰にしようかなぁ?」ニチャア
見張り2「どうせ誰もコイツらを助けてくれないんだ。だから目一杯楽しませてもらおうぜ?」ニチャア
見張り3「コイツらは壊れる瞬間、最期にどんな声で鳴いてくれるんだろうなぁ?」ニチャア
見張り4「艦娘って…コイツらみたいな駆逐艦なんかは特に、壊れてもすぐに作れるんだろ?」ニチャア
第六駆逐隊「「「「ヒィッ!」」」」ビクッ
吹雪「…そこまでです。」スッ
第六駆逐隊「「「「!?」」」」Σ(゚Д゚)
見張り達「「「「あぁん?」」」」クルッ
吹雪「フッ!」ヒュッ ガツン!
見張り1「ガァッ!?」
吹雪「…!」パスッ
見張り2「ウッ!?」
吹雪「ハッ!」ガスッ
見張り3「ゲフゥッ!?」
吹雪「でぇぇいっ!」ブォッ ドシャッ
見張り4「グワッ!?」
見張り2「う…ゥ…」フラフラ
吹雪「!」チャッ
見張り2「ぁぁ……」フラッ
見張り達「「「「」」」」ガクッ×4
吹雪「…よし。」
これでよし。
一人目は銃のグリップで後頭部を強打、二人目は麻酔弾、3人目は顎にハイキック、最後の一人はCQCで地面に叩きつけて意識を飛ばしておいた。しばらく目を覚ますことはないと思う。
…ん?
第六駆逐隊「「「「…」」」」ボーゼン
吹雪「えー…っとぉ…?」
暁「……イ」ボソッ
吹雪「え?」
暁「スゴイわ!」キラキラ
響「ハラショー!」パチパチ
雷「やっぱりプータローの動きじゃないわよ!」ヽ(`Д´)ノプンスカプン
電「あっという間だったのです!」ドキドキ
目立たずに潜入するはずだったのに、思いっきり目立っちゃたよ。トホホ…
でもまぁ、今の所この子達にしか姿を見られてないからいっか。北上さん達を探す時間が惜しいし、そろそろ回収しようかな。
吹雪「そういえば、まだ皆に大事なことを聞いてなかったね。」
第六駆逐隊「「「「大事な事?」」」」キョトン
吹雪「これからどうしたい?」
響「…それはどういう意味だい?」
…流石に聞き方がアバウトすぎたかな。
吹雪「ごめんごめん、これじゃ分かりにくいよね。」
暁「何が言いたいの?」クビカシゲ
吹雪「じゃあ、質問を変えようか。」
吹雪「…また大井さんに会いたい?」
第六駆逐隊「「「「会いたい(のです)!!」」」」
即答してくるあたり、その気持ちに嘘はなさそうだね。
吹雪「いいよ、会わせてあげる。」
暁「ホント!?」
雷・電「「やったー!!」」
吹雪「ただし、条件があるけどね。」
響「…なんだい?」
響「もしかして、ここ以上のトンデモ労働を強いるのかい?」
第六駆逐隊「「「「っ!!」」」」ビクッ
今までの状況が状況だっただけに、ものすごく警戒されちゃってるよ。こんな鎮守府に居れば当然か。
…響ちゃんだっけ?
自分で言って自分で恐がるって、ずいぶん器用なことするんだなぁ。
吹雪「そんなことはさせないよ。」
吹雪「私の方から出す条件は一つだけ。」
電「な…なんなのです?」ビクビク
吹雪「…国を、鎮守府を捨てて。」
第六駆逐隊「「「「…?」」」」キョトン
吹雪「国を守るだとか、人間を救うっていう考えをやめて、私の夢を実現する為に力を貸してほしい。」
雷「夢…?」オソルオソル
暁「夢って何なの?」
吹雪「《艦娘にとっての理想郷》を作る。」
吹雪「艦娘が艦娘でいられて、何にも縛られず、艦娘として生を実感できる場所…」
吹雪「艦娘にとっての天国であり、人間にとっては楽園の外側にあたる世界。」
吹雪「そんなところがあったら、とっても素敵だと思わない?」ニコッ
第六駆逐隊「「「「…!」」」」
暁「艦娘が艦娘でいられて…」
響「生を実感できる場所…」
雷「艦娘にとっての天国で…」
電「人間にとっては楽園の外側…」
第六駆逐隊「「「「最ッ高に素敵(じゃない)(だね)(なのです)!」」」」パァァァ
吹雪「決まりだね。」
真っ直ぐでキレイな瞳をしながら全員頷いてくれた。やっぱり仲間が増えるのは嬉しいな。
吹雪「じゃあみんな、ついてきて。」スタスタ
暁「待って!」
吹雪「ん?」ピタ
暁「まだあなたの名前を聞いてないわ!」
吹雪「名前…?」
響「そうだね。君をどう呼んだらいいのか分からないから、まずは名前を教えてほしいな。」
雷「いつまでも“あなた”のままじゃ、お互いに不便でしょ?」
電「自己紹介なのです!」
名前…か。
今はまだ、この名前でいたいから…
吹雪「私は…」
吹雪「フォックス。フォックスって呼んで。」
第六駆逐隊「「「「フォックス…」」」」
みんなして私の方を見て心の中で反芻してるみたい。
可愛いなぁ。
吹雪「さ、こんなトコさっさと脱出するよ。」クイッ
第六駆逐隊「「「「了解。」」」」スタスタ
ヒョコ キョロキョロ
吹雪「周囲に敵影無し…」
吹雪「大井さん。これより第六駆逐隊の回収、及び保護を行います。」
大井『了解。』
第六駆逐隊のみんなを連れて、ドックの外に出る。近くにいた見張りは全員夢の中だし、周囲には他の人間の気配はない。回収するなら今だね。
吹雪「みんな、ちょっとこっちに来て背中を向けて。」テマネキ
第六駆逐隊「「「「??」」」」スタスタ クルッ
吹雪「快適な空の旅をプレゼント♪」カチャカチャ
暁「空の旅!?何だかすっごくレデiぴぁああああ!!」ギューン!
響「暁!?ウラァアアアアア!!」ギューン!
雷「何なの!?きゃああああ!!」ギューン!
電「みんな!?はわぁあああ!!」ギューン!
吹雪「よし。」
大井『よし。…じゃないわよ!凄い悲鳴が聞こえてきたけど大丈夫なんでしょうね!?』
吹雪「今のはフルトン回収システムです。衝撃はパラシュート降下時より少ないし、上空で妖精さんが操縦しているヘリが拾ってくれます。」
大井『…ならいいけど。』
4人を連れて屋根の外に出て、フルトン回収装置を括り付けて上空に飛ばす。上空で待機していた妖精さんから「カイシュウカンリョウ!」って無線が入ったから、全員回収できたハズ。
あとは北上さん達だ。急ごう。
吹雪「執務室に向かいます。」
大井『お願い。』
吹雪「あ、これは貰っておこう。」ダンボールGET
吹雪「あとは…」チラ
見張り達「「「「」」」」チーン×4
この人達はまとめて屋外のゴミ箱にでも隠しておこう。うん。
それからは結構楽だった。勿論見張りはいたけど、やる気が無いのか警備は本当にザル。何なら立ったままいびきかいてるような器用な輩もいた。
吹雪「大井さん。執務室前に到着しました。」
大井『見張りは?』
吹雪「誰にも見られてません。…見張りの人達やる気無さ過ぎですよ。何人か立ったまま寝てましたよ?」
大井『…器用なヤツもいるのね。』アキレ
吹雪「執務室に入ります。」
私はゆっくりと執務室の扉を開け、中に入る。中はいたって普通に見えるけど、さっき大井さんから聞いた話が気になる。部屋の中をくまなく捜索していると、ふと本棚に違和感を感じた。全体的に本のサイズが揃った状態で本棚に収まっているのに、大きくて分厚い本の中に一冊だけ妙に小さい本が入っている。おまけに、その一冊だけ背表紙の色が違う。
吹雪「まさか、ね…?」
そう思いながらも色の違う小さな本を取ろうとすると、本がある程度傾いたところで“カチッ”と音が鳴り、慌てて本から手を放して周囲を警戒すると本棚が奥に引っ込んで横にスライドしていく。ものの10秒くらいで地下への隠し階段が現れた。
吹雪「大井さん。執務室内の隠し階段を発見しました。」
大井「信じられない…。本当にあったなんて…。」
吹雪「中に入って北上さんを探します。」
私は足音を立てないよう、慎重に階段を降り始めた。
舞鶴鎮守府 隠し部屋
思ったより階段が長い。かれこれ5分くらい階段を下りてるんじゃないかな?緩やかな螺旋でそのくせ明かりはしっかりと等間隔でついてるもんだから頭がおかしくなりそう。
あたりには私が階段を下りる音が無機質に響いて、時折天井から雫が落ちる音が混じる。いい加減ここは無限階段なんじゃないかと思ったところで唐突に階段が終わり、これまた無機質な石造りの通路と壁が続いている。
壁には向かい合うように覗き窓付きの扉があり、全部で12部屋か。
吹雪「大井さん、今階段を降り切って隠し部屋に到着しました。」
大井『どう!?北上さんはいた!?』
吹雪「かなりの数の部屋があるので、一つずつ確認していかないと…」
大井『早く探して!最後に北上さんの姿を見たのは私が鎮守府から脱出する3日前、あれから2週間以上経ってるから体力は限界のはず!!』
吹雪「落ち着いてください。北上さんの特徴は?」
大井『私と同じクリーム色の制服で、黒髪のおさげがとってもキュートよ!』
吹雪「あなたが北上さんのことを大好きなのはよーく分かりました。」
とりあえず服装と髪色は分かったから、あとは地道に探して行こう。
まずは1番の部屋から順番に…
吹雪「ここは違う。」1ゴウシツハカラッポ
吹雪「ここも違う。」2ゴウシツハエロホンバッカリ
吹雪「ここは…医薬品の保管庫か。それに月明かりが見える。天井に穴が開いてるんだ。」3ゴウシツハアナアキ…ト
吹雪「ここは?」4ゴウシツハ…
??「…」
吹雪「大井さん。」
大井『見つかった!?』
吹雪「いえ。でも艦娘と思われる人が捕まってます。」
大井『その人の特徴は?』
吹雪「黒髪のサイドテールに弓道着、袴の色は青です。空母の方ですか?」
大井『加賀さんね。同じ部隊の仲間よ。』
吹雪「分かりました。回収します。」
大井『どうやって?』
吹雪「さっき天井に穴が開いてる部屋を見つけました。月明かりが見えたのでそこならフルトン回収できます。」
大井『了解。加賀さんに怪我は無い?』
吹雪「ちょっと待ってください。今部屋に入って確認します。」
これくらいの鍵ならツールですぐに開けられそう…
ガチャッ キィー…
吹雪「フム…」コソッ
加賀「ぅ…」
吹雪「大丈夫ですか?」
加賀「貴方は…?」
吹雪「フォックスといいます。あなた達を助けに来ました。」
加賀「…何故?」ジロッ
吹雪「大井さんの協力者です。彼女は生きてます。」
加賀「…っ!」
吹雪「見たところ大きな怪我は無いみたいですね。」
加賀「ええ。尋問と称して提督に随分殴られたけど、打撲と痣くらいだから自分で動けるわ。」
吹雪「あなたと北上さん以外に捕まってる人は?」
加賀「もう2人いるわ。喧しい緑色のツインテールと巫女服の人が。」
吹雪「2人はどこに?」
加賀「ごめんなさい。そこまでは分からないわ。」フルフル
吹雪「いいえ。捕まっている人の人数が分かっただけでもよかった。」
一度大井さんに報告しよう。
吹雪「こちらフォックス。」
大井『こちら大井。どうぞ。』
吹雪「加賀さんは軽傷、北上さん以外にあと2人捕まってます。」
大井『了解。回収…いえ、救出してちょうだい。』
大井『ついでに、そこの鎮守府にあるものは好きに持ち帰って構わないわよ。』
吹雪「え、良いんですか?」
大井『ええ、初期艦権限で許可するわ。』ニヤッ
大井さん、今絶対悪い顔してるんだろうなぁ。
加賀「…」
吹雪「大井さんの声、聞きます?」つツウシンキ
加賀「…ええ。」ウケトリ
加賀「大井さん…?」
大井『あら、加賀さんに変わったのね?』
加賀「本当に…生きていたんですね。」
大井『ええ。ご心配をおかけしました。』
加賀「生きていてくれただけでも嬉しいわ。」
大井『お互い積もる話もあるでしょうけど…、今はその子を信じて、そこから脱出してください。』
加賀「了解。」
加賀さんの表情がだいぶ穏やかになった。大井さんがいなくなってから随分と気にしていたんだろう。
でもまだ終わりじゃない。北上さんともう二人の仲間も助けなきゃ。
吹雪「そろそろ通信機を返してもらってもいいですか?」
加賀「ええ。どうもありがとう。」つツウシンキ
吹雪「はい。」ウケトリ
吹雪「では大井さん、捜索に戻ります。」
大井『ええ。通信終了。』
吹雪「私は他の方を探してきます。加賀さんは3番の部屋で待っててください。」カチャカチャ カシャン
加賀「分かったわ。みんなをお願いね。」ギィ…スタスタ
加賀さんの拘束具は外したし、見張りの姿も無いからあそこで待っててもらおう。そうすれば全員まとめてフルトン回収できる。あと8部屋、くまなく探そう。
…ついでに、よさげなものもこっそりいただこうかな。
吹雪「ここはハズレ。」5ゴウシツハカラッポ
吹雪「ここは…随分懐かしいものを見た気がする。」6ゴウシツハジョセイオペレーターノポスター
吹雪「ここは…何これ。」7ゴウシツハ…
吹雪「銃火器がぎっしり。戦争でも始める気?」ア、イチオウセンソウチュウカ
吹雪「…っと、いいもの発見♪ これ使いやすいから一つ貰っちゃおうっと。」M4カスタムゲット!
吹雪「弾薬もここから貰っちゃえばいいか。」
吹雪「次は…いた!」8ゴウシツニミドリイロノカミ!
カチャカチャ ガチャンッ キィー…
吹雪「大丈夫ですか?」
??「…誰よアンタ」
吹雪「大井さんの協力者です。フォックスと呼んでください。」
??「
吹雪「大井さん。艦娘を発見しました。緑がかった髪色のツインテール、服装は加賀さんによく似ていますがスカートは赤色です。」
大井『正規空母の瑞鶴よ。加賀さんの後輩で、彼女も同じ部隊だったわ。』
瑞鶴「大井さん……生きてるの!?」
吹雪「はい。通信機の向こうにいますよ。」つツウシンキ
瑞鶴「貸して!」ヒッタクリ
瑞鶴「もしもし!?」
大井『うるさいわよ甲板胸。』
瑞鶴「その声と口調は間違いなく本物ね…!」ワナワナ
大井『今はその子を信じて脱出なさいな。』
瑞鶴「言われなくても!!」
吹雪「瑞鶴さん、静かに。」シー
瑞鶴「うっ…。そうよね、ゴメン。」
吹雪「通信機を。」カエシテ
瑞鶴「分かったわよ。」サシダシ
吹雪「見たところかなり元気そうなので、加賀さんと一緒に待機しててもらいますね。」
大井『そうね。彼女にも伝えて。』ツウシンシュウリョウ
ホントに元気だな瑞鶴さん。加賀さんの言ってた“喧しい”ってこういうことか…。
吹雪「3号室で加賀さんが待機してます。ひとまず一緒にいてください。」
瑞鶴「加賀さんは無事なの!?」
吹雪「怪我はしてますが、比較的軽傷です。自力で歩けてるので大丈夫でしょう。」
瑞鶴「よかったぁ…!」ヘナヘナ
吹雪「今拘束具を外します。」カチャカチャ カシャン
吹雪「これでよし。加賀さんが心配してましたから、早く合流してください。」
瑞鶴「ありがとう狐さん!」タッタッタッタ
吹雪「狐さんて…(汗)」
まぁ間違いではないけどね。
とにかくあと4部屋、北上さんを探さなきゃ!
吹雪「9号室は…食糧庫?」
吹雪「これから大所帯になるだろうし、詰められるだけさっきの段ボールに詰めちゃえb…」
吹雪「いや、よく見たら全部段ボールに入ってるみたいだしまとめてフルトン回収しよう。」アトマワシダ
吹雪「次は…ん?」10ゴウシツノナカハ…
吹雪「金属の歯車?」
吹雪「…まさか、ね?」
吹雪「気を取り直して11号室…」コソッ
吹雪「…っ!!」
吹雪「噓…」
大井『フォックス、どうしたの? フォックス!』
吹雪「…大井さん。さっき加賀さんは瑞鶴さんのほかに巫女服のような感じの服を着てる人って言いましたよね?」
大井『ええ。彼女の名前は…』
吹雪「金剛さん。」
大井『そうだけど…。ん? さっき名前教えたかしら?』
吹雪「いいえ。」
大井『じゃあなんで名前を…?』
吹雪「知っている方だからですよ。」
大井『え?』
だって彼女は……
横須賀で一緒だったんだから。
吹雪「横須賀に居るはずの金剛さんが、何故ここに居るんですか?」
大井『本人の希望でつい最近転属してきたのよ。横須賀での活躍を評価されて、私たちの部隊では旗艦も務めていたわ。』
吹雪「本人の希望?」
大井『それ以上は知らないわ。彼女、指揮も戦闘も優秀だけどあまり話さないから。』
横須賀のムードメーカーだった金剛さんが…あまり話さない?
それどころか、横須賀を離れようとしなかった彼女が自分の意志で転属願を…?
…今はそれどころじゃない。まずは金剛さんを助けて、あとで直接聞こう。
吹雪「金剛さんを助けます。」
大井『お願い。』ツウシンシュウリョウ
吹雪「…金剛さん、金剛さん。」ユサユサ
金剛「…ワタシも
吹雪「金剛さん、私です。吹雪ですよ!」
金剛「…ブッキー……?」
吹雪「そうです!」
金剛「ワタシは、夢を見てるデスカ…?」
吹雪「いいえ、現実です。ほら…」スッ…
金剛「あぁ…あったかいデス……」ニコ…
強くて優しくて、横須賀では何度も私を助けてくれた金剛さん。命の危機を救ってもらったことも一度や二度ではない。この人がいるだけで艦隊全体が明るくなる、まるで太陽のような人だった。
それなのに、今目の前にいる金剛さんからは全く覇気を感じない。少しでも安心してもらおうと両手で頬に触れても、薄い笑顔を返すばかりで両目には全く力がない。
吹雪「金剛さん、同じ部隊に居た大井さんを覚えてますよね?」
金剛「…ここのテートクから彼女は死んだと聞いてマス。」
吹雪「いいえ。彼女は生きてます。」
金剛「まさか…」
吹雪「はい。私が保護しました。」
金剛「でもブッキーは除籍されたはずデース。一体どこの鎮守府に…?」
吹雪「鎮守府じゃありません。
金剛「?」
大丈夫。この人ならきっと、いや、必ず首を縦に振ってくれる。
もう決めた。だから迷わずに聞ける。
吹雪「昔、私が横須賀で言っていたことを覚えてますか?」
金剛「《艦娘にとっての理想郷》…」
吹雪「はい。その思想を危険視されて私は除籍されましたが、あの時の気持ちは今も変わりません。」
金剛「じゃあ…!」
吹雪「金剛さん…」
吹雪「また、私と一緒に戦ってくれますか?」ニコッ
金剛「…」ウツムキ
金剛「…ブッキーも水臭いですネー。」
吹雪「!」
金剛「アナタの居ない艦隊に未練は無いデース。」
金剛「英国で生まれた、帰国子女の金剛デース!改めてヨロシクお願いシマース!!」バッキーン!!
両目に力が戻った金剛さんは、そう叫んで力ずくで拘束具を引きちぎって手を差し出してきた。嬉しいからそのまま握手するけど…
吹雪「一応潜入中なのでもう少し静かにしてください。」ピシャリ
金剛「Oh.sorryネー。」
吹雪「見たところ怪我は無いみたいですけど、身体に異常はないですか?」
金剛「ノープロブレム!」
吹雪「なら3号室で待っててください。加賀さんと瑞鶴さんもそこに居ます。」
金剛「OK!それじゃブッキー、また後でネー!」タッタッタッタ
そう言って軽やかな足取りで金剛さんは出て行ったけど、あの人私が潜入中だってホントに分かってる?
さて、あと一部屋。早く北上さんを救出しないと。
吹雪「…ん?」
吹雪「ノブが回る…」ガチャッ キィー…
おかしい。
ここまでの11部屋は全部調べたから、北上さんがいるのはこの部屋のはず。間違いなくこの部屋のはずなのに…
吹雪「大井さん。」
大井『どうしたの?』
吹雪「大井さんなら、人質がいる部屋の鍵…開けてますか?」
大井『何馬鹿なこと言ってるのよ。そんなことするわけないじゃな……ちょっと待って、なんで今そんなこと聞くのよ?』
吹雪「階段を降り切ったところにあった部屋は全部で12部屋。一つずつ調べて金剛さんがいたのは11号室でした。」
吹雪「なら、順当にいけば北上さんは12号室に居ますよね?」
大井『そうなるわね。』
大井『…まさか!?』
吹雪「はい。ここの部屋はからっぽで、鍵も開いてました。」
大井『じゃあ北上さんはどこにいるのよ!?』
吹雪「もう少しこの部屋を調べてみます。」
内側のドアノブは綺麗だし、部屋の中には血の付いた拘束具と床の血だまりがある。そのどちらも乾いていないということは…
吹雪「北上さんはこの部屋から連れ出されてから、まださほど時間が経っていない…!」
吹雪「大井さん。どうやら北上さんはついさっきまでここに居たみたいです。」
大井『本当!?』
吹雪「部屋の中に血の付いた拘束具と血だまりを見つけました。そのどちらもまだ乾いてません。」
大井『通路は!?』
吹雪「部屋はもう見当たりませんが、通路はまだ続いてます。」
大井『急いで!!』
吹雪「はい!」ダッ!
待ってくれている金剛さんたちには悪いけど、状況が変わった。急いで北上さんを探さないと彼女が危ない!
私は部屋を飛び出して、先の見えない通路を走り抜ける。10メートルも走らないうちに
??「ギャァァアアアー---ッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!」
人のものとは思えない、断末魔ともとれる悲鳴が通路の奥から響いてきた。
吹雪「大井さん!」
大井『北上さんの声よ!北上さん!北上さぁんっ!!』
吹雪「正面に扉!」
大井『蹴破ってでも突入なさい!!』
吹雪「了解!」
通路の終わりには見るからに頑丈な造りの扉。私の体格じゃ体当たりしてもびくともしないけど、幸いなことにさっき手に入れたM4には単発のグレネードランチャーが取り付けられている。扉からある程度距離を取り、扉と床の境目を狙って引き金を引くと炸薬が扉を吹き飛ばしてくれた。ここに北上さんがいる!!
吹雪大井「『北上さん!!!!』」
北上「」グッタリ
舞鶴提督「なんだ貴様!一体何処から入った!?」
M4を構えながら飛び込んだ扉の向こうには、磔にされた北上さんと小太りの男。たぶんここの司令官だろう。
周囲には拷問器具や見るからに怪しい注射器、手のひらサイズのスイッチが散乱している。何かが焦げるような臭いと部屋の隅にある配電盤を見るに、あのスイッチを押すと北上さんの両手の拘束具に電流を流すためのものだろう。
大井『北上さん!返事をして!北上さん!!』
吹雪「大井さん、気持ちはわかりますがそんなに叫ばれると耳が痛いです。」
舞鶴提督「大井? 大井だと!?」
舞鶴提督「馬鹿な!ヤツは私がこの手で沈めたはずだ!!」
北上「」ピクッ
吹雪「へぇ? “私がこの手で”?」
吹雪「大井さんの件といい、北上さんの今の状況といい…」
吹雪「艦娘を何だと思ってるんですか!!」
回答次第では…!
舞鶴提督「便利な奴隷、いや道具にすぎん!!」
舞鶴提督「我々人間の為に戦って、深海棲艦を絶滅させるためだけに存在する兵器だ!」
舞鶴提督「それをどのように扱おうが、それは持ち主である私の勝手だろう!!」
大井『薄々気づいてはいたけど、私たちはこんな奴の為に命をかけていたなんて…!』
吹雪「…なるほど。」
横須賀といい、舞鶴といい…
こんな人たちのために戦うのは、やっぱりもううんざりだ。
吹雪「それがあなたの答えですか。」
舞鶴提督「そうだ!」
吹雪「なら、私たちはこの国を棄てる。」
舞鶴提督「は…?」
吹雪「何者にも縛られず、艦娘としての生を実感できる理想郷を作る!」
舞鶴提督「貴様のようなガキに何ができるというのだ!」
吹雪「ガキじゃない。」
舞鶴提督「なにぃ?」
吹雪「私は元横須賀鎮守府の吹雪。」
吹雪「そして…」
吹雪「元“FOX HOUND部隊”最後の一人、スノウ・フォックス!!」
かつてビッグボスが、彼が実現しようとした
舞鶴提督「出まかせを!!」チャッ
吹雪「フッ!」ヒュッ ガツン!
舞鶴提督「ぐえっ!?」
吹雪「せぇいっ!」ブオッ
舞鶴提督「ぐぶぇっ!?!?」ドシャッ
こんな奴に拳銃を向けられたところで、何も怖くない。間合いを詰めて顎に一発入れてから投げ飛ばしてやるとまともに受け身も取れずに汚い悲鳴を上げてた。
舞鶴提督「ぉ…ぉぉぅ……」クラクラ
舞鶴提督「おのれ貴様ッ!」バッ
舞鶴提督「ハッ!?!?」キョロキョロ
吹雪「お探しのものは
舞鶴提督「んなっ!?」Σ(゚Д゚)
間合いを詰めたときに分解しておいた銃のスライドを見せつけると、ここの司令官は狐につままれたような顔をしてた。ボスならもっとうまくできてたなぁ…
大井『吹雪!早くそいつを殺して!』
大井『私達をいいようにこき使って、私だけでなく北上さんのことまで殺そうとしたそいつを!!』
吹雪「嫌です。」
大井『どうして!?』
吹雪「私は今まで多くの人間や深海棲艦を手にかけましたが、こんな奴の為に手を汚したくありません。」
吹雪「だから
舞鶴提督「ぉふっ」バタッ
舞鶴提督「ZZZ…」
吹雪「余罪もたんまりありそうですし、あとは警察組織の中でも独立してる公安0課にでも任せましょう。そちらにツテがあるので。」
大井『アンタ何者なのよ…?』
吹雪「吹雪ですよ。」クスッ
元FOXHOUNDを甘く見ないでほしい。その頃からのツテなら数えきれないくらいある。…言わないだけで。
冗談はさておき、早く北上さんを助けよう。
吹雪「北上さん、大丈夫ですか?」カチャカチャ カシャン
北上「…」
吹雪「ホントは起きてるの知ってますよ?」
北上「あ、バレた?」
吹雪「さっき大井さんの名前を出したときに反応してましたしね。」
北上「そりゃあ、死んだと思ってた仲間が生きてるとなれば気になるでしょーよー。」ケラケラ
吹雪「大井さんから伝言があります。」
北上「なんて?」
吹雪「“遅れてごめんなさい”だそうです。」
北上「そっか…そっかぁ……」ウツムキ
北上「生きてただけでもよかったよぉ…大井っちぃ…!」グスッ
肩を震わせながら俯いてる。どんな顔をしてるかのぞき込むのは野暮だろうね。
感傷に浸らせてあげたいけど、さっきの爆発でたぶん上は大騒ぎだろう。
吹雪「北上さん、一応聞きますけど…動けますか?」
北上「残念だけど無理かなぁ。こうして普通に話してるけど、アイツの拷問のせいで手足の感覚がまっっったくないのよ。」
北上「大井っちが生きてることを知ったら気が抜けたのか、体中の痛みがぶり返してきたしねぇ。」
やっぱり。どう見ても重傷だし、フルトン回収は無理だね。
吹雪「大井さん。」
大井『何かしら?』
吹雪「北上さんはフルトン回収できません。」
大井『どういうことよ!?』
吹雪「勘違いしないでください。もちろん救出はします。」
吹雪「ですが、この怪我ではフルトン回収の衝撃に耐えるのは無理です。なので直接ヘリで回収します。」
吹雪「私は金剛さん達のフルトン回収と脱出に専念するので、妖精さんにヘリの派遣を指示してください。合流地点は鎮守府東に100mのところにある平地です。」
大井『分かったわ。北上さんのことは任せたわよ。』ツウシンシュウリョウ
…さてと。
吹雪「北上さん、ちょっと痛むと思いますが担ぐ形で移動してもいいですか?」
北上「それくらい我慢するよ~。」
吹雪「では失礼します。」ヨイショ
北上さんの足と腕を掴んで、私の体と北上さんの体が十字になるような形で担がせてもらう。これなら何かあっても片手が使える。
吹雪「ヘリが来るまでの間、先に金剛さんたちを回収しますね。」
北上「りょーかーい。」
吹雪「3人を待たせてる場所まで走ります。」タッタッタッタ
隠し部屋 3号室
来た道を急いで戻ると、他の三人は3号室の扉の前で待ってた。やっぱりさっきの爆発が気になったみたい。
加賀瑞鶴金剛「「「北上(さん)!!」」」
吹雪「お待たせしました。」
瑞鶴「ちょっと!さっきすごい音がしたけど大丈夫なの!?」
加賀「大きな爆発のようだったけど…」
吹雪「北上さんの捕まってた部屋の扉を吹き飛ばしました。」シレッ
金剛「さすが、ブッキーはやることが違いマース!」
吹雪「冗談はともかく、上から誰か来る前に逃げますよ!」
北上(冗談じゃないんだよなぁ…)
本当なら全員の無事を喜びたいけど、あいにくそんな時間は無い。さっさと回収してとっとと撤収だ。
吹雪「上から敵が来る前に脱出しましょう。そのために皆さん協力してください。」
加賀「何をすればいいのかしら?」
吹雪「まず金剛さんは9号室に行って、ありったけの食料をここに持ってきてください。段ボールに詰められてるのでそこまで時間はかからないと思います。」
金剛「了解ネー!」ダッ
吹雪「瑞鶴さんは7号室です。ここには銃火器が保管してあったので、手近な段ボールや木箱にありったけ詰め込んでここに持ってきてください。この際全部貰っておきましょう。」
瑞鶴「分かったわ!」
吹雪「加賀さんはここで私と一緒に物資の回収をします。フルトン回収装置を渡しておくので、ここにある医薬品と金剛さんたちが持ってくる物資を片っ端から回収してください。」
吹雪「ここだけ天井に穴が開いてるので、そこから空に飛ばします。」
加賀「分かりました。」
そこからは早かった。
上からいつ敵が来るのか分からなくてヒヤヒヤしたけど、北上さん以外の全員で協力したら10分もしないで全部回収できた。
金剛「今ので最後デース!」
瑞鶴「つ、疲れた…」
加賀「あとは脱出路だけど…」
吹雪「あ、3人ともそこを動かないでください。」カチャカチャ
北上「まさか…」
加賀「噓でしょう…?」オソルオソル
瑞鶴「冗談よね…?」ワナワナ
金剛「ぶ、ブッキー…」ウルウル
金剛加賀瑞鶴「「「きゃああああああ!?!?!?!?」」」ギューン!×3
北上「ホントにやったよこの子…(汗)」
吹雪「もうすぐヘリが来ます。北上さんは私と一緒にそれで脱出しましょう。」
北上「でもどうやってここから出るのさ?」
吹雪「
北上「…は?」
吹雪「
北上「いやいやいやいや!絶対見つかるって!!」アセアセ
吹雪「これが案外見つからないんですよ。」ガサゴソ
吹雪「準備完了です!」E.ダンボール
北上「狭い暗い怖い見つかる」ブツブツ
吹雪「静かに!慎重にいきますからね。」ソロリソロリ
階段を上り、執務室に出るとすぐに見張りの兵たちが入ってきた。危機一髪。後ろで北上さんが「ヒッ!」って小さく悲鳴を上げたけど気づかれずに済んだ。
兵達の死角にうまく入りながら、慎重に執務室から出る。階段が一番ヒヤヒヤしたけど、何とか裏口から抜け出すことに成功。ここで段ボールは捨てて、あとはただ走るだけ。100mなんてすぐだと思ったら、合流地点に人影がある。体格的に艦娘、おそらく駆逐艦だろう。
マズイな、あれじゃヘリが下りられない。
吹雪「そこ、どいてくれない?」E.麻酔銃
??「それはできません。不知火は、指令から怪しい人物を見かけたら捕らえるよう命令を受けています。」
北上「うわ、駆逐艦ウザイ。」
不知火「不知火に何か落ち度でも?」
不知火「先程の爆発と北上さんの拉致、言い逃れはできませんよ。」ガション
吹雪「大井さん。不知火ちゃんってどんな子なんです?」
大井『クソ真面目なあの男の忠犬ってとこかしら。』
北上「おまけにウチの駆逐艦連中の序列1位。」
吹雪「嬉しくない情報でした。」
不知火ちゃんは主砲を構えてこっちに照準を合わせてる。あのまま撃ったら北上さんを巻き込むって気づかないのかな?
吹雪「やりあう前に一応聞くけど、そのまま撃ったら北上さんを巻き込むことは分かってるよね?」
不知火「…ハッ!」Σ(゚Д゚)
吹雪「えぇ…(汗)」
ホントにこの子序列1位なのかな? 滅茶苦茶落ち度あったよ?
吹雪「北上さんを巻き込まないようにいったん降ろすから、間違っても撃たないように主砲下げてよ。」
不知火「分かりました。」スッ
吹雪「えぇー……?」パスッ
不知火「はぅっ!」バタッ
不知火「ZZZ…」
北上「バカじゃん。」
ヘリ妖精さん「コチラモルフォ!ランデブーポイントニトウチャク!」バラバラバラバラ
何がしたかったんだこの子…
吹雪「…まぁ、とりあえずこの子も回収しますか。」
北上「あー…、うん。まぁ、…そうね?」
吹雪「ひとまず先に乗せますね。」
北上「イタタタ…運んでくれてありがとね。」
吹雪「いえいえ。」
吹雪「大井さん。今ヘリと合流しました。何がしたかったのか分からなかったけど不知火ちゃんも回収していきます。」
大井『…了解。』アタマガズツウデイタイワ
まぁいろいろあったけど、とりあえずミッションクリア…かな?
太平洋 洋上プラント
どういうことなの妖精さん。確かに大所帯になったし、物資もたくさん回収したから小屋には入りきらないとは思ってたよ。ヘリも明らかに小屋じゃないほうに向かってたし。
それにしたって、あの短時間で洋上プラントを作ってしまうのはいかがなものか。しかもいつの間にかアメリカ政府と話しつけてたみたいで、さっき大統領から連絡あったしね。いきなりすぎて思考が追い付かなかったよ妖精さん。
大井「何を黄昏てるのよ。」
吹雪「いえ、あまりの環境の変化にびっくりしてるだけです。」
大井「あんたは私たちの新しい司令官…いいえ、
吹雪「まだまだ小規模な艦隊ですけどね。」
大井「それでも、私達第5遊撃部隊と…」
暁「第6駆逐隊はあなたについていくって決めたんだから!」
吹雪「あなたはどうするの?」
不知火「大井さん達から聞いた海軍や鎮守府の実態と、あなたの思想に触れて決心しました。」
不知火「私も、不知火も戦れちゅに加えてくだちぃ。」
大井「戦れちゅ…」プププ…
暁「くだちぃ…」クスクス
不知火「どうかご指導ご鞭撻のほど、宜しくです…///」セキメン
…まぁ、まだまだメンバーも少ないし規模も小さいけど、ここからが本番だ。かつてボスが作ろうとした兵士にとっての、今は私達艦娘にとっての理想郷…
吹雪「
実はSS投稿速報のほうで処女作まだ半端なんだよなぁ…(汗)
あちらはいまだに序章を書いてる途中です。第1話も書いてますがそちらは投稿すらしてません。より楽しんでいただけるよう、そちらも頑張って書いていきます。
もちろん、しばらく更新が止まっているガンダムや平和島もね。