アニライブ!   作:名前はまだ無い♪

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タイトルが意味深?
気のせいですよ


だから、その、色々教えてね。先輩by雪穂

 月日は流れ、音ノ木坂学院の受験の結果発表の日。掲示板の前で雪穂と亜里沙の二人は受験票を握りしめながら自分の番号を探していた。

 

「118、あった!」

「私もあった!」

 

 自分の番号が見付かった二人は嬉しさのあまりその場で抱き合う。

 

「やったよ! これで音ノ木坂だよ! 私達、音ノ木坂の生徒だよ! μ'sだよ!」

「うん!」

 

 遠くから眺めていた若葉と夏希、絵里はそんな光景を見ていた。

 

「どうやら受かったみたいだな」

「だね」

「お姉ちゃ~ん! μ'sだよ! 私μ'sに入るー!」

 

 亜里沙は絵里に駆け寄り目の前で止まる。

 

「雪穂もおめでとう」

「うん……」

 

 若葉が三人のもとから離れ、一人で立っている雪穂の隣に行く。雪穂は若葉の祝いの言葉に上の空で答える。若葉は心配そうに雪穂の顔を覗き込む。

 

「μ's、か」

「どうしたの?」

「ねぇお兄ちゃん。μ'sって三年生が卒業したらどうするの?」

 

 雪穂の唐突な質問に若葉は顎に手を当て考える。

 

「三年が卒業したら、か。どうするんだろ」

「お兄ちゃんはどうしたいの?」

「俺は……」

 

 若葉はそこで 言葉を切り空を見上げる。雪穂もつられて空を見上げる。空は青く広がっていた。

 

 

 

「ただいま」

「お帰り、どうだった!」

「うん受かったよ」

 

 雪穂は一人、玄関の扉を潜る。音ノ木坂で一緒だった若葉は夏希、愛生人とともに姫子に呼ばれ一緒には帰ってきていない。

 

「ねぇお姉ちゃん。μ'sって、三年生が卒業したらどうするの?」

 

 雪穂は祝う穂乃果に若葉と同じ質問をする。穂乃果も若葉同様、答えを返す事は出来なかった。

 

 

 

 一方、姫子に呼ばれた若葉、夏希、愛生人の三人は外に設営されたテントの下で合格者に入学案内や他数点の書類を渡していた。

 

「それにしても、雪穂ちゃんも亜里沙ちゃんも受かって良かったですね」

「あぁ、だな。これで若もエリチも一安心ってとこだな」

 

 愛生人と夏希が談笑している中、若葉だけは黙々と渡す作業をこなしていた。妹の受験合格の話に若葉が乗ってこない事に違和感を覚えた二人は、不思議そうに首を傾げ、理由を愛生人が聞く。

 

「若葉さん、どうしたんですか?」

「え? 何が?」

「何が? じゃねえよ。さっきから何か考え事してんだろ」

 

 若葉は夏希の言葉に少し躊躇いながら頷き、先程雪穂に聞かれた質問を二人に話す。二人は若葉から話を聞くと、途端に黙り込んでしまう。

 

「それでさ、二人はどう思う?」

「う~ん、僕はこのままμ'sの名前は残したままでも良いと思いますけど。それに既に「音ノ木坂のスクールアイドルμ's」って一種のセールスポイントになってますし」

「やっぱそうだよね~」

 

 愛生人の言葉に若葉は頷くも、どこか納得のいってない表情だった。夏希はそんな若葉の態度に頭を掻くと溜め息を吐く。

 

「その様子だと若は違うみたいだな」

「うん……確かに名前を残した方が良いのは分かってるけど、なんだろう、分かんないや」

 

 若葉は頭を掻きながら言うも、いまひとつ纏まらない自分の考えを話す。夏希と愛生人は要領を得ない若葉の言葉に再び首を傾げる。

 

「ほらお前ら。話してないで手を動かせ。さっきから殆ど私が対処してんだからな」

「いや、本来なら生徒に頼むのもどうかと」

「ほら夏希。良いから手を動かす」

 

 若葉は、姫子に文句を言い返す夏希に軽く蹴りを入れ、自分の仕事に戻る。夏希も自分に振り分けられた仕事に取り掛かる。

 そして夕方になる前に若葉達の仕事は終わり、若葉と夏希は屋上に上がって行った。

 

「そんで若、考えは纏まったか?」

「う~ん結局は俺らがどうしたいか、じゃなくて穂乃果達がどうしたいか、が重要だと思うんだ」

「随分と他人任せと言うかなんというかだな」

 

 夏希のばっさりとした物言いに、若葉も思わず苦笑いで返す。それから最終下校時刻のチャイムが鳴るまで二人は屋上から空を眺めていた。

 

 

 

 翌日の放課後。部室にはアイドル研究部員が揃って若葉から本大会までの練習の予定表を受け取っていた。

 

「あれ? 随分練習量減るんだね。どうして?」

「A-RISEにアドバイス貰ってね。休息も立派な練習ってね」

「それにあと一ヵ月もないのに体調を崩したら元も子もないからな」

「その為、一日オフの日なども設けました」

 

 花陽が予定表を見てそれを組んだ三人に聞くと、若葉、夏希、愛生人が答える。

 

「穂乃果、どうしましたか?」

「え? あははは、ごめんね。ちょっとボーっとしちゃってて」

 

 海未が隣でボーっとメニュー表を眺めていた穂乃果に声をかける。海未に声をかけられた穂乃果はハッとなると、笑って首を振る。

 

「そう言えば、雪穂ちゃんと亜里沙ちゃん音ノ木に受かったんでしょ?」

「そうだよ。春から音ノ木生」

「亜里沙ちゃんμ'sに入りたいって言ってたもんね」

 

 真姫の言葉に若葉は頷き、ことりも続ける。二人の言葉を受けて花陽が嬉しそうに言う。

 

「じゃあ新メンバー?」

「ついに十人目のメンバー!」

「ちょっと二人とも」

「卒業、しちゃうんですもんね」

 

 花陽と凛の言葉に真姫が止めに入る。真姫に止められた二人は愛生人の言葉に表情を曇らせる。それを見かねて希はにこを見ながら、どうやろなぁと返す。

 

「どっかの誰かさんは無事に卒業出来るかなぁ?」

「なんで私を見るのよ!」

「……ちなみにこの前の定期試験の結果は?」

「そ、それは……」

 

 若葉の質問ににこは目を逸らしながら答える。その結果は良くもなく、悪くもなく、といった成績だった。そんな茶番を交えても尚、部室の空気は暗いままだった。そんな空気を変えるように手をパン、と鳴らす。

 

「ラブライブが終わるまではその話をしない約束よ」

「だな。卒業を気にして、優勝出来ませんでした。とか笑い話にもならねぇし」

 

 夏希の言葉で全員は練習をする為に部室を出る。

 

「それで。二人はどう思ってるんだ?」

 

 練習後、夏希は両隣を歩いている。若葉と愛生人に質問を投げ掛ける。夏希がそんな質問をした理由、それは練習中に今後のμ'sの活動をどうするか、と話になったからだ。

 にこはμ'sの名前を繋いで言ってほしいと言うも、花陽、真姫は一人でも抜けたらμ'sじゃないと言い、絵里は穂乃果達が決める事と言う。その場では全員の意見は出なかった為、夏希は若葉と愛生人だけを呼んで三人で下校していた。

 二人の内、先に口を開いたのは愛生人だった。

 

「僕は……僕はにこさんに賛成ですね」

「へぇ~その心は?」

「僕は祈る者達(プレイヤー)の事もあるので、やっぱり名前が受け継がれるのは、先代には嬉しい事ですよ」

 

 愛生人は夕日で赤く染まった空を見上げながら、どこか嬉しそうに口角を上げて言う。それから夏希は若葉に話を振る。若葉はう~ん、と唸る。

 

「そう言う夏希はどうなの?」

「俺か? 俺はたとえメンバーが一人でも変わっちまうなら名前は変えた方が良いとは思う。しかも今回は九人中三人が抜ける訳だ。だったら、な」

 

 夏希はそう答えるとポケット突っ込んでいた手を抜くと、頭をガシガシと掻く。

 

「んで若だよ若。お前はどうなんだよ。昨日から考えは纏まったか?」

「う~ん。やっぱり俺は絵里と同じ考えかな」

 

 若葉の考えは前日から変わっていないのか、首を振る。

 それから三人は分かれ、若葉が「穂むら」に帰ると雪穂と亜里沙の二人が居間でμ'sのライブ映像を見ていた。

 

「あ、若葉さんおかえりなさい!」

「お兄ちゃんおかえり~」

「ただいま。亜里沙ちゃんも来てたんだね」

 

 若葉はそばに立った二人の頭を撫でると微笑む。それから亜里沙はライブ映像が流れたままのパソコンの前に移動し、雪穂は何かを考えるような表情を浮かべながら目の前の若葉を見上げる。若葉は雪穂の視線の意味が分からず、首を捻る。

 

「ねぇ、お兄ちゃんはさ。私達がスクールアイドルやるって言ったら、笑う?」

「それは穂乃果達とは別に? それとも一緒に?」

「えっとね、その、別に、かな」

 

 雪穂は少し恥ずかしそうに頬を掻きながら目を逸らして答える。若葉はそれに対して首を横に振って否定する。

 

「別に笑わないよ。それに雪穂達がスクールアイドルをやるとしたら、俺達は応援するよ」

「達?」

「うん、俺達」

「そっか……ありがとね」

 

 雪穂は若葉にお礼を言うと、パソコンでライブの映像を見ている亜里沙の隣に座る。

 それから少し。若葉は自室の窓から雪穂と亜里沙の二人が外に出ていくのを見て、心配をしつつも後を追うことはしなかった。

 

 

 

 翌朝。穂乃果と若葉が登校するために「穂むら」を出ると、道の先で雪穂と亜里沙に止められた。若葉と穂乃果を呼び止めた二人は、頷き合うと亜里沙が一歩前に出る。

 

「あの私……私μ'sに入らないことにしました」

 

 亜里沙の言葉に二人は声を揃えて驚く。それから亜里沙は言葉を続ける。

 

「昨日雪穂に言われて分かったの。私、μ'sが好き。九人が大好き。皆と一緒に一歩ずつ進んでいくその姿が好きなんだって」

 

 その亜里沙の言葉を聞いた若葉は、昨日二人が出掛けていた事を思い出し、雪穂を見る。雪穂は若葉と目が合い、頷く。

 

「でも、私の好きなスクールアイドルμ'sには、私はいない。だから、私は私のいるハラショーなスクールアイドルを目指します! 雪穂と一緒に!」

「だから、その、色々教えてね。先輩」

 

 雪穂は照れたように笑うと、穂乃果に言う。それから無言の穂乃果に雪穂が不安気にダメかな? と聞くと穂乃果は首を横に振り二人に抱き着く。若葉も二人に歩み寄ると、優しく頭を撫でる。そして二人に激励を飛ばして登校する為に四人は別れた。

 

「穂乃果。決まった?」

「うん。私決めたよ」

「そっか」

 

 穂乃果の答えに若葉はフッと笑うと、二人揃って雲一つない青空を見上げた。

 




【音ノ木チャンネル】
夏「祝! ユッキーとアリちゃん音ノ木合格!」
愛「いえーい!」
雪「あ、ありがとうございます」
亜「ねぇ、なんか若葉さんが頭抱えてるよ?」
若「なんで夏希と愛生人がいるのさ」
夏「なんでも何も、【音ノ木チャンネル】と言ったら俺らだろ」
愛「て言うか、今回僕達呼ばれてなかったのはどういうことですか!」
若「今回は雪穂と亜里沙ちゃんの二人を祝う回なんだから、二人は要らないでしょ?」
亜「お二人は要らない子なんですか?」
雪「亜里沙、それ言い過ぎ」
若「てなわけで二人は退場~」
夏「え、ちょ、この黒服誰よ!?」
愛「しかも思いの外力が強いんですけど!?」
若「さて、二人が消えたから話の続きしよっか」
雪「でも今回って私達がスクールアイドルをやるって決めたんだよね」
亜「あとμ'sをどうするのか、ですね!」
雪「お兄ちゃんもハッキリと答え出さなかったし」
若「だって俺が出したらなんか終わりそうじゃん?」
亜「そんな事はないと思いますけど……」
雪「まぁ、どうなるのかは決まってるから、何も言わないけどさ? 次の話ってお姉ちゃん達がお出掛けする話だけど、お兄ちゃん達はどうするの?」
若「う~んどうしようかね」
亜「あ、まだ決まってないんですね」
若「まぁ一緒に行ってもアニメ通りになっちゃうんだけどね~」
雪「て事は別行動?」
亜「男三人でお出掛けですね!」
若「その言い方だと誤解生みそうだけど、まぁその通りだよね」
雪「あ、そろそろ時間だってさ」
亜「本当だ。じゃあ宣伝して終わりにしよっか!」
若「宣伝することあったっけ?」
雪「今更ですが! 作者さんTwitterをやっています! 普段のどうでもいい事から作品に関するアンケートまでやっています! 詳しくは活動報告にてIDとか載ってます」
若「その活動報告ってだいぶ前のだよね?」
亜「そんなことは気にしちゃダメですよ! 他にもツイキャスをしたりしてるので、よかったら聞きに来て下さい! 作品に関する話とかをしてるので!」
若「むしろ最近だと他の作家さんとの雑談の場になってるけどね」
雪「お兄ちゃん煩い。それじゃあ今回はここまで」
亜「次もよろしくお願いします! それじゃあ」
雪亜「「バイバーイ」」
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