なんかモチベが高いし行き着く先が分からないけど完成したので投稿します。
基本この作品は完成次第即投稿してるんで、いつ投稿するかは不定期です。ただあと数話は評価に関わらずやるかな。まだ全然進んでないですし。
ちなみに今更ですが、俺ツイと絡めた理由はいつかやる予定だった作品と合体させただけです。
何気にテイルレッドちゃんって仮面ライダーの最強フォームクラスのスペック持ってますからね(確かパンチ力は100トン以上でキック力は150トン以上)。
それじゃあ文字数は2万超えてますが、今回は実質百合回です。
非現実的なことの連続で、俺の頭は真っ白になっていた。
俺の目の前に鏡に映っているのは赤い情熱を体現したかのような美しい髪を靡かせる8歳くらいの幼女。
しかも素肌に密着するボディスーツの上に所々角張ったメカニカルな武装が着込まれており、股間部は水着のようになっている。
そう、ただわかるのは俺が幼女になってしまったということだけだ。
いや、ごめん。幼女になったって、そこがまず理解出来ない。
とりあえず---
「なんでこうなったぁぁああああ!?」
そう叫ぶしかない。
誰か説明してくれ、なんで俺はこんな姿になった!?ツインテールを愛するあまり自分を幼女化させてツインテールにするほどの領域に達したとでもいうのか!?
確かに理想的な見た目、理想的な髪、理想的な髪質---全てが満点の姿だ。
しかし、しかしそれにしたってどうしてこうなる!?
確かにツインテールは大人になればなるほどにツインテールを結う人は減っていく。
『若く見られたい』と思われるのでは、子供っぽく思われるのでは、痛いと思われるのでは、そういった様々なことを考えてしまうから子供の頃ツインテールだった子もやめてしまうのだろう。
悲しいが、年齢には勝てない。
故にこの姿になったのは俺の中で『最もツインテールが似合う歳』という想像が現実になった……とか?いや、そんなこと考えたことあんまないから知らないんだけど。
どちらにしても、何も分からない。俺はどうしたらいいんだ……これから女の子として生きなくちゃ行けないのだろうか。
こんなの母さんや親父になんて説明すれば---いや多分普通に受け入れるわ、というか絶対娘として歓迎するわ。最悪だ!
「お、おにい……おねえちゃん?」
「っ!」
その声に気づいて振り向けば、吹雪ちゃんが不安そうにしていた。
そうだ、何が何だか分からないが、突然目の前の男が姿どころか性別すら変わったんだ。
ノイズだってまだ居るし、今は彼女を安心させなければ。
「おねえちゃんは……おにいちゃん、なの?」
「ああ、俺も何が何だか分からないけど俺は俺だ!」
「……!よかった」
不安そうに問いかけて来た言葉に、女の子らしい甲高い声で返事する。
喋ると自分の声にも違和感を感じるが、吹雪ちゃんは俺だということを完全に気づいてくれたのか、安心したようにほっと息をつき、すぐさま抱きついてきた。
「うおっ……」
「おにいちゃんが居なくなっちゃって、こわかったから……っ。ほんとうに、ほんとうによかったぁ……!」
「ちょ、ちょっ……ご、ごめん?」
俺の方が高いとはいえ、前までの身長を持たない俺はまずいかと思ったが全く衝撃が来ることもなく、布団のように受け止める。
しかし吹雪ちゃんが急に涙を流して、俺はどうすればいいか分からずに慌てた結果、とりあえず謝った。
これは、彼女が俺のために泣いてくれてるってことだろうか。
本当に人には恵まれやすいらしい。
運はないけど!
あったらこんなことにならなくない?普通、こういうのアニメなら説明してくれる人とかなんかいるよね?
どこにもいないんだけど!もしもーし、誰かこの状況説明してくださーい!
「ッ!」
とか言ってたら複数のノイズが一気に降りてくる。
すぐに警戒態勢に入るが、俺の額からは汗が出てくる。
まずい、まずいまずい。ふざけてる場合でもツインテールのことを語ってる場合でもない!
生きなきゃツインテールは語れないし俺を信じてくれるこの子を裏切ってしまう。
「どうする、どうする……どうしたら……!」
考えろ、考えろッ!
今も続々とノイズは増えて数百体は優に超えている---というか未知のやつもいる。
どれだけ俺を殺したいのかは知らないが、この姿になったところでノイズには勝てないし当たったら即死!
謎の光のお陰で一度は奇跡的に助かったらしいが、そもそもこの姿になってから身体能力が上がりすぎて俺には制御出来ない。
もし逃げてもいずれは綻びが……けどノイズだろ!?
そんなの戦うなんて…!
この姿が何なのかは分からないが、シンフォギアでもない、錬金術でもない。ノイズを倒す手段は……ない。
奇跡は二度も……!
「おにいちゃん……っ」
「………!」
抱きつかれる力が強くなる。
ノイズから視線を外して吹雪ちゃんを見れば、彼女は怖がりながらも俺の事を真っ直ぐに見て、一切不安な感情を浮かべてなかった。
まるで俺なら守ってくれると信じているように。
その視線を見て、ただ思い出した。
『■■■。お前はツインテール愛に対する愛情がやばいしバカだけどさ。
俺、そういう悩まずに誰かを助けようとするお前のこと好きだぞ。邪な考えは…まあ異性相手ならツインテールバカだからツインテールのことしかないだろうけど。
でもなんていうかな、信じられるっていうより心の底から安心出来るんだよ。
だから俺はお前のその勇気、尊敬してる』
『……レイくんは考えるのも諦めるのも苦手だよね。けれど私、ツインテールのためなら全てを賭けられるレイくんのこと良いなって思うよ。
だからもし、もし誰かを救える力があったなら、壊すためじゃなくて自分のために、誰かのために迷いなく使ってね。
あなたのツインテールの想いは、決して誰にも負けないんだから。
それに私はあなたのそういうところが、一番---ふふ、やっぱり、内緒』
前世の友人である蒼空の言葉。
今世での幼馴染の言葉。
俺という人間に間違いなく大きな影響を与えた二人は、傍に居なくとも勇気を与えてくれるらしい。
「……おにいちゃん?」
「そうだな、そうだ!」
無意識に笑っていた俺は、覗き込んでくる吹雪ちゃんの頭を撫で、彼女を抱きしめたまま振り向く。
何バカみたいなこと考えていたのだろうか。
うじうじ悩んだって、仕方がないのだ。
俺は識のように頭は良くないし、蒼空のように天才でもない。
光聖のように出来た人間でもなければ、可愛くて理想に一番近いツインテールを持っていた幼馴染のように誰かに大きな影響を与えられるような人間でもない。
所詮は一般人、なんの取り柄もない、唯一の取り柄がツインテールに対する愛だけの人間。
この力が何なのかは分からないが、身体能力が上がってるなら彼女を守るくらいなら出来るッ!
「俺は俺らしく、フィーリングでやるぜ!吹雪ちゃん、絶対に離さないで!」
「うん!」
「反撃---とは行かない。けれど時間稼ぎくらいはやってやる!」
俺の戦意でも反応したのか、その瞬間ノイズが一斉に飛びがかかってくる。
生身の頃よりも遅く見えた俺はすぐさま両足に力を入れ、一気に跳躍した。
「---うぁああああああ!?」
が、あまりにもの高すぎた。
ノイズの攻撃は避けられたが、下を見ればアスファルトが砕けている。
一体どんな脚力になっているのかちょっと気になるが、空まで跳んでしまった俺は方向転換しようとすると、腰部の装甲からスラスターが噴出し、建物に着地できた。
「おお、なんか行ける気がする!」
でもあまり派手な動きをしてしまうと吹雪ちゃんが危ないかもしれない。
そこは気をつけなければ行けないが、流石は姿は違えども体は自分のだと言うべきか、意志があれば制御出来るようだ。
このままなら装者たちが来るまで時間稼ぎはよゆ---
「あっ…う、うしろ……!」
「へっ?」
ノイズの追手が来ずに、俺は建物の屋上からノイズたちを見下ろしていたら、吹雪ちゃんの声に反応して体はそのまま首だけを動かして背後へ振り返る。
「あっ」
その瞬間、時間がゆっくりとなる錯覚を覚えた。
目視で捉えた先には、人型のアルカノイズがムチのように腕を振るっていた。
よりにもよってアルカノイズ---解剖器官を持つアルカノイズは強化される前のシンフォギアすらも分解するほどの力があり、分解の対象となる物質それぞれにチューニングした干渉破砕効果を持つ。
つまりこの一撃は俺の装甲をも砕き、俺の体すらも炭素へと変化される。
ダメだ、遅すぎた……!吹雪ちゃんを背中に抱えてないのが救いだが、俺の背中はがら空き。
間に合わない、これは死---
「だぁ!?」
諦めの感情が芽生えかけた俺だったが、アルカノイズの一撃にただ
屋上から転落し、ノイズの軍団が居る中へと落ちていく。
痛い、いやそこまで痛くない。
けどなんだ、何故分解されない!?キャロルちゃんが創ったアルカノイズは量産されても性能は変わらない。となると本来強化型シンフォギアでもないこの装甲は分解されるし俺だって死ぬはず。
理解が出来ない、生きてる……というのか?
まさか、ならこの装備はシンフォギア…?いやでも歌が、胸の歌が聴こえてこない。
じゃあ、一体---
「やばっ!?」
理解が及ばないことに思考の海に沈んでいた俺は即座にバーニアで姿勢を制御し、スラスターの推進力でノイズから離れたところで着地する。
『----!』
「うっ……!」
その着地のタイミングを狙ってきたノイズを避け、
あまりダメージは感じられないが、このままではジリ貧だ。
せめて何か武器が欲しい。
しかしそんなこと考えたってアニメじゃないのだから目の前に現れるはずもなく、当たっても問題なかった俺はともかく、当たれば間違いなく死んでしまう吹雪ちゃんを守るために周りを見渡して自分の背中で庇っていく。
何発も受ければ流石にダメージになるのか、少し痛い。
なにより、このままじゃ俺の頭にある二つの髪…ツインテールが地面に着いてしまう!
それはやめろっ!
「いい加減にッ!しろぉおおおおお!!」
我慢の限界というのは訪れるもので、俺は左腕を伸ばしながら回転するように体を動かし、ツインテールを靡かせながら回った。
そんなことしたら死ぬということはわかっていたのだが、やってからでは遅い。
回転する俺に突撃してきたノイズが左腕に当たり、次々と派手に吹き飛びながら炭素の塊へと変換される---
「ファッ!?」
俺ではなくノイズがやられた。
その事実に俺は驚愕した。
つまるところ、この力はシンフォギアと同等の力を持つものであり、よく良く考えればその通りだった。
ノイズの一撃を受けても無事ということはノイズに触れられるということの同義であり、倒せても不思議ではなかったのだ。
俺、無駄に攻撃受けてね?
「………吹雪ちゃん」
「あ、あぅう…ふぇ……?」
わなわなと震える拳を握りしめ、酔わせてしまった吹雪ちゃんをそっと座らせる。
俺は彼女に申し訳なく思いつつ、安心させるように微笑みかけると彼女は何故か頬を赤くしていた。
「あ………」
「ごめん。最初に気づくべきだった。けど、もう大丈夫。
ノイズの脅威は……俺が打ち払ってやるから!」
振り向き、両拳を構える。
正直イラつく、めっちゃイラつく。
なんで最初に言わないんだよ、俺の努力返せよッ!一般人がそんな強大な力を突然持っても主人公のように適合出来るわけもないし戦えるはずもないだろ!
「来い、化け物共ッ!ここから先は一歩も通さねえ!」
攻撃が通じるとなれば行動に移せるものであり、俺は馬鹿の一つ覚えのように突撃してきたノイズ軍に向かって右拳を大きく振り絞り、
その拳が一体のノイズに当たった瞬間、凄まじい衝撃波とともにノイズが吹き飛び、貫通して建物が崩れていく。
「えっ」
呆然とし、頬が引き攣る。
想像以上の威力、果たして幼女から出た一撃は何トンの一撃だったのか考えたくもなく、壊した工場代は払えるかな……。
無理かな…俺、終わったかもしれない。
牢かなーこれ。生きて帰れなさそうだなぁ……。
「ッ!」
そんなことを思っていたら大きな影が頭上から生まれ、思わず顔を上げる。
そこにはビルを見下ろせるのではというほどの巨体を誇り、両腕に鋏型の解剖器官を備えるアルカノイズが存在していた。
そのアルカノイズは
「う……あっぶなあああぁぁぁあ!?」
巨体ゆえに遅かったのが救いか、俺は慌てて吹雪ちゃんを両腕で抱きしめながら前へと跳び、衝撃から庇う。
すぐに振り向けばアスファルトが砕かれており、いくらノイズの一撃を受けても大したダメージにならないこの姿でもどうなるか想像出来なかった。
「吹雪ちゃん、無事!?」
「な、なんとか…だいじょうぶ……」
「よかった、この、危ないだろッ!」
吹雪ちゃんの無事を確かめた俺は彼女を離すと即座にアスファルトを砕かない程度に力を入れて跳躍し、右拳による全力の一撃を叩きつけ、炭素の塊へと---
「ってぇええええ!?」
するはずが、建物を衝撃波で砕く一撃が
いくら巨体とはいえ、アルカノイズはアルカノイズだろ!
どうなって……。
「なぁ!?」
そう思って再び視線を上げれば、巨大人型ノイズは
よくよく見てみれば、さっきまでいた複数の機械のようなノイズが全員消滅している。
それを考えると……あいつらって限界突破アイテムか!?
しかも見た目がちょっと姿の変わったオートマシンじゃんか!嘘つき!嘘つき!
「多すぎる!」
再び振り下ろしてきた一撃を避け、反撃に蹴りを入れるが、足が逆に痛かった。
思わず足を抑えたくなるが、嫌な予感がした俺はすぐさま吹雪ちゃんの元へと戻り、彼女を抱えて再び跳躍する。
するとさっきまでいた位置にいつの間にか現れたのかノイズの雪崩が発生していた。
「くっ、どうにかして吹雪ちゃんを安全なところに……」
「ご、ごめんなさい……」
「ああ、いやっ!吹雪ちゃんは悪くないから!むしろ居てくれて助かった!」
「そう……なの?」
ある程度力に慣れてきたおかげか、着地と同時に走ってノイズたちから逃げていく。
コウモリ型、鳥型の空中からの攻撃は腕で倒せるやつは殴り、ほとんどは避ける。
正直なこというと、きつくはあるのだが俺が言ってることは彼女を慰めるための嘘では無い。
「君が居てくれたから、俺はきっとこの力を纏えたんだと思う。一人だと俺は、多分死んでたから。
だから……ありがとう」
「おにいちゃん……」
「今は俺を信じて、無事に帰ろう。君の母親も、俺の母親も待ってるからな」
「……うん!」
花咲くような笑顔を見て、俺も自然と笑みを浮かべる。
……しかし俺って、未だに幼女なんだよなぁ。この姿じゃなきゃ多分死ぬとはいえさ。
幼女が幼女抱える光景…しかも背後にはまだ数百以上はいるノイズが居て、巨大人型ノイズは何故か機械のやつと融合している。
うーん明らかに不審者を追う変態じゃないだろうか。そもそも絵面的にどうなんだこれ。
絵で見てみたい、それとツインテールが見たい。
…なんて言ってる暇じゃないか、どうしようかこれ。武の心得が齧ることすらしてない俺では徒手空拳じゃ処理しきれない。
俺はともかくいずれ吹雪ちゃんが犠牲になるかもだし、あの融合したやつには硬すぎて拳や蹴りが通用しないっぽいし…。
多分打撃を軽減してるんだとは思うが。
うーん武器が欲しい、なにか無いかな…アームドギアみたいなやつ。
「……ん?」
ぴょんぴょんと跳ねて逃げていると、何処からか響くこの場には相応しくない音に反応して、俺は立ち止まった。
そして吹雪ちゃんを降ろして何時でも守れるように背後へ行かせ、見るだけで吐きそうというかトラウマになりかねないノイズの量に頬を引き攣らせる。
増えている、何故かノイズが増えている。あと囲まれている。
しかもあれ、今までは普通のノイズかと思ってたけどよくよく見れば、なんか
人形といえば嘆きのドールハウスを思い出すなぁ。
いやアナベル人形は救われたから有り得ないし向こうは本当に人形だからノイズなんていなかったんだけど。
「それよりこの音って……」
ノイズの警戒は怠らないまま、俺は頭上を見上げ、この姿だと視力が強化されているのか見えたものがあった。
ぐるぐるとプロペラが回り、人類が創り上げた技術のひとつ、黒い飛行物体---そう、あれはヘリだ。
「まさか……?」
そこから何人かの姿が見え、なんと人がヘリから飛び降りた。
『---
『---
『---
『---
それがなんなのか理解した俺は安堵と共に困惑が浮かび上がるが、七つの光が消滅すると、それぞれ色々な色のシンフォギアを身に纏う少女たちが落ちてくるの同時に空中のノイズへと攻撃を仕掛けた。
ガングニール、天羽々斬、イチイバル、神獣鏡、アガートラーム、シュルシャガナ、イガリマ。
メインのシンフォギア装者たちが、来たのだ。
その中には当然、この世界では有名なトップアーティストの風鳴翼とマリア・カデンツァヴナ・イヴも存在している。
金、銀、青、赤、桃色、緑、紫。
ファンからすると、圧巻の光景だった。
「っ!見惚れてる場合じゃねぇ!吹雪ちゃん、俺…私のことは秘密にして欲しいのと…私の背中に乗って、それから離れないで!」
「え、えっとわかった…はなれないよ。おに…おねえちゃん!」
慌てて装者たちが来る前に今度は、吹雪ちゃんに背中を向けながら慣れない一人称にする。
すると背中に体重がかかる感覚を受け、腕が前に回されると俺は彼女を安心させるように頷く。
まだ素顔は見られてないから分からないだろうが、慌てて俺が隠そうとした理由はみっつある。
まず俺という存在が装者にバレると面倒なのがひとつ。
女装趣味のある変態だという不名誉(ツインテールなら名誉)がつけられる可能性がひとつ。
残るは、説明求められても俺が聞きたいからバレたくない。
終わったら逃げよう、そうしよう。
「大丈夫!?」
「そこの人たち、早く避難しなさい!」
「よかった、間に合って……!」
立花響、マリア・カデンツヴァヴナ・イヴさん、小日向未来さん。
この三人が一番近かったようで、俺にその言葉を投げかけてくる。
でも多分俺を追ってくるから無理だと思う。
「……って、この見た目…反応があったのはこいつじゃないか?」
「でも……」
「何か…違和感がすごいデース」
「考えるのは後だ。今はノイズを殲滅することこそが先決ッ!」
雪音クリス、月読調、暁切歌、風鳴翼さん。
これが原作と言われるシンフォギアに出てくるメインを貼っている全ての装者。
小日向未来さんだけは原作では正式ではないが---アプリ版では正式な装者として扱われるようになった。
「すぐに片付けるから、もう少しだけ待ってて、その子のことお願い!」
「行くわよ、みんなッ!」
「ちょ……」
流石に喋ることの出来ない状況だからか、彼女たちはそれだけを言い残すと俺の言葉を聞く前にそれぞれの武器、アームドギアを展開する。
そうしてノイズとの戦闘が始まっていた。
短剣と剣が次々とノイズを切り裂き、拳が吹き飛ばし、鎌と鋸、鏡が一気にノイズたちを殲滅していく。
それに空中に向かって放たれるガトリングの威力は凄まじく、瞬く間にノイズたちが消えていく。
俺とは違って、明らかに戦闘慣れしている姿。
ただのノイズ如きは数分も掛からず殲滅されるだろう。
なので、俺は言われた通り吹雪ちゃんを守るために来るノイズだけをひたすら避ける。
だがあのノイズだけは別らしい。
「うぉおおおおお---ッ!? か、かったい!硬いよ!?」
「響ッ!」
「あのバカの攻撃が効いてねぇ!?」
機械と融合したように見えるノイズ。
そのノイズに立花響がドリルへと変形させた一撃を与えたのだが、なんと彼女が手を抑え、大振りに振られた攻撃に反応して避けていた。
土埃が舞い、地面に穴が開く。
一撃も凄いが、やはり建物を衝撃で壊すほどの一撃を受けても弾かれるのだから、あの頑丈さは半端ないらしい。
「この人形のようなノイズも一体何!?次々から現れて、キリがない!」
「アナベル人形……あの時に近い?」
「でも、呪いが取り払われた今、悪いことなんてしてないデスよ?」
「それにあのアルカノイズの威力、耐久性…見た目から察するにオートマシン?いやしかし、それにしてはこの世界でヤントラ・サルヴァスパの力が関わってると言い切るのは……ッ!」
まるで何らかの意思が働いているかのように---いや、機械のようなノイズがアルカノイズを生み出しているのが見えた。
恐らく、人形のようなノイズもやつが持つ力なのだろう。
装者が気づいてるどうかは分からないが、いくら彼女たちでもただのアルカノイズとはいえ、数が増えてしまえばどうなるか分からない。
「おねえちゃん……」
「大丈夫、お---私が守るから」
この姿となると動体視力も上がるお陰か、ノイズの攻撃を避けながら反撃する余裕も出てきた俺は加減した拳で向かってくるノイズだけを次々と殴り飛ばしていく。
流石に普通の状況なら力の制御も出来るようになってきた。
「くっ……やはり剣でも傷一つ付かないか!?」
「だったらァ!こいつをくれてやらぁ!」
「私の攻撃も、一緒にぃ!」
肩部に現れた巨大なミサイルが二つ対象に向かって放たれ、扇子からは紫色の光弾がミサイルを囲むようにして放たれる。
『MEGA DETH FUGA』
放たれたミサイルは真っ直ぐに飛んでいき---機械のようなノイズは
「やったデスか!?」
「切ちゃん、それは禁句…」
ミサイルの爆発によって煙に覆われ、敵の姿は見えない。
姿が見えない分警戒するしかないが、爆心地の中心。
その真ん中で、うっすらと光ったような気がした。
まるで何かを貯めるように、ただ無性に脳が警戒の音を鳴らす。
そうして数秒経てば、風に流されて爆風が消え---
「な、ななななんデスとー!?」
「クリス先輩の一撃を受けても……!」
「ただのノイズではないということッ!」
「まずい、避けろ!」
そうして放たれるのは、二つの巨大なミサイルとエネルギー砲---射線上にいる装者たちは一斉にそれを避けた。
「あたしのミサイルを真似やがった!?」
「ま、待って!そういえば後ろにはあの子たちが……!」
「っ…目的は其方というわけか!」
そう、装者たちは避けられた。
だがこれは
黙々と迫る光線に対して、俺は避けるという行動が取れない。
「邪魔を……くそっ!吹雪ちゃん、跳ぶから!」
「う、うん…!」
俺の行動を阻害するように目粉しく連続して向かってくるノイズを避けていくが、余裕がない。
体勢が崩れることを百も承知で強引に力を入れ、光線の射線から逃れるように跳躍して、光線は避けた。
すると下にいたノイズは仲間の一撃だというのに消え去り、地面が溶けていた。
「おい、あぶねぇ!」
「しま……っ!?」
凄まじい高熱を持っていたことに驚愕すると、雪音クリスの声に反応した俺は即座に顔を上げる。
そこには、二つのミサイルが既にあった。
あれはミサイルに誘導するための布石!?やばい、この体は耐えられても、吹雪ちゃんが死ぬ!
「間に合えぇえええええぇぇ!」
「………!」
空中だと制御が効かず、スラスターの展開も間に合わない。なおかつ跳躍時に俺は体勢が崩れてしまっている。
そもそもミサイルの速度の方が早いため、どうにかして吹雪ちゃんを守ろうと考えていると声が聞こえた瞬間には、俺の視界からはミサイルが消えていた。
「怪我はない!?大丈夫!?」
「あ……は、はい」
気がつけば俺の腕は掴まれていて、ミサイルから離れていく。
どうやら立花響がブースターを使って俺を助けてくれたらしい。
無事に避けられたが、これで終わりとは思えなかった。
「へいきだよ!今は自分のことを考えて、私は一人じゃないから!」
その考えが表に出ていたのかは定かでは無いが、彼女は安心させるように太陽な笑みと共に信頼している様子で着地の体勢へと入っていた。
「次が来るわよ!」
「今の響さんたちは避けられない!」
「だったら、アタシらの出番デス!」
「攻撃を一点集中して崩す!」
「響が体勢を立て直せるように!」
「ああ、真似やがったことを後悔させてやる!」
それを証明するように、巨体なのもあって足元を重点的に一斉攻撃を仕掛けることでエネルギーを貯めようとしていた巨体が揺らぎ、体重が後ろにかかることで巨体を支えれなくなったのか背中から倒れていく。
「っ……!」
凄いとしか言いようがない。
あの一撃を受けても全然死なないノイズもノイズで凄いが、彼女たちは互いに互いを信じて行動している。
俺も負けていられないのかもしれない。
「このまま着地……」
「いえ、そのまま流れに従ってください!」
「えっ!?」
「無理があるかもしれないけど…信じて!」
説明をしている暇は無い。
彼女が信じなければ自分でやるだけだが、俺はこの状況を過去にゲームで友人にハメコンボとしてされたことがある。
だとすれば、この後は恐らく……。
「分かった!このまま身を任せる!」
「……!」
自分で言っておいてなんだが、よくこんな怪しい幼女を信頼できたなこの人。
だが俺の言葉は正しかったようで、上から凄まじい轟音が響く。
俺と彼女は同時にその音の先を見上げた。
「やっぱり……」
「あれはクリスちゃんの!?」
さっき着地しようとしていた箇所にミサイルが堕ちていき、ブースターの影響もあって離れていく俺たちは巻き込まれることなく、地面に完全に落下したミサイルが大爆発を引き起こした。
それと同時に、俺たちは地面に着地して降ろして貰う。
「どうして分かったの!?」
「え、いや、あの……」
「こんなに小さいのに凄いなぁ。助けるつもりが助けられちゃった」
小さいは余計だと思います。
それより吹雪ちゃん大丈夫かな…結構すごい動きしていたが酔ったり吐きそうになってたり意識失ってりしてなければいいけど、力がぎゅっと掴まれてるから意識はあるのだろうが。
「それじゃあ今度こそ終わらせてくるね!この近辺にはノイズは居ないみたいだから!」
そう言って彼女は跳躍し、仲間たちの元へと向かっていく。
あの発言から察するに、S2CAで決める気なのだろう。
俺の出る幕はなさそうだが---。
「お……ねえちゃん」
「!吹雪ちゃん、大丈夫?」
「へ、へいきだよ…こわいけどおねえちゃんがいてくれたもん」
そう言ってくれるが、明らかに顔色が悪い。
まさかどこが怪我でもしたのでは、と俺は慌てて彼女を降ろして体とツインテールを見る。
目視した感じ、怪我はない。
となると精神的なのと……激しく動きすぎた影響か。
とりあえず俺はどこか良さそうな場所を探し、隠れられそうな場所に彼女を寝転ばせた。
「無理しないで、横になってて。寝ててもいいから、私が守るよ」
というかそうしてもらわなければ罪悪感が凄いのだ。
流石に助かるためとはいえ、俺のせいで彼女の体調を悪くさせてしまうとは…そうだよな、見た目だけ幼女な俺と違って彼女は心も肉体もまだ幼い。
むしろ精神が持ってるだけ凄いのだが、怖いことに変わりは無いはずだ。
「ううん……たすけてあげて」
「え?」
「わたしにしたように、たすけてあげて。おねえちゃんのこと、まってるから」
「吹雪ちゃん……でも」
行きたいと言えば、行きたい。
元はと言えば、あの意味の分からない耐久と威力を持つノイズは俺のせいで生み出されたようなもの。
力の制御はともかく戦い方も分からないが、彼女たちの助けにくらいはなれるはずだ。
でも俺には彼女を守る使命がある。
ツインテールを守る使命があるのだ、この身に課せられているのはツインテールを守護することに違いない。
「おねえちゃんのこと、しんじてるもん。だからだいじょうぶ」
「……そっか。吹雪ちゃんは強いな」
瞼が重たそうに動いていながらも、吹雪ちゃんは俺にそんなことを言ってくれる。
俺と違って、彼女は将来強くて優しくて、きっと綺麗な子に育つのだろう。
だったら俺は彼女の信頼に応えよう。
「じゃあ行ってくる。きっと起きる頃には全部終わってるよ。だから休んでて」
「……うん」
彼女を安心させるために微笑み、俺は頭を撫でた。
すると彼女の瞼は閉じられ、耳を澄ませば寝息が聞こえてくる。
本当に体調が悪くなっただけなのだろう。
それは申し訳ないが、俺はすぐに立ち上がり、彼女を一瞥してから外に出て一気に跳躍する。
俺が行ったって解決するかは分からない。
でも何もしないよりかはいいだろう。悩むのは苦手だ、俺は俺らしくやる。
でも本当に武器が欲しいなぁ……。
「こいつ本当にノイズか!?」
響が救助者と謎の反応を持つ少女を助けた後。
残る装者たち未知のノイズと人形型ノイズを相手に戦っていた。
しかし人形型は倒せるが、未知のノイズには有効打が入らないほどに頑丈で、そもそも攻撃が当たることがなかった。
攻撃しようとしたら、人形型が必ず盾になるのだ。
突破するには過去に存在していたイグナイトか、彼女たちが持つもうひとつの切り札を切るしかない。
だが後者の方は防御を捨てて火力に力を注ぐため、こんな敵が多い状況で使ってしまうのは悪手ともいえる。
残る手段といえば---シンフォギアに存在する必殺技に該当する力か。
「恐らく雪音のミサイルを模擬したということは兵器に対しての耐性などを持っているのだろう」
「とすれば厄介ね……聖遺物であるシンフォギアは兵器とも取れる」
「……哲学兵装」
哲学兵装とは簡単なもので、長い時を経て積み重なったコトバノチカラが宿ったモノといえる。
そしてそれは、信じる人の量でも左右されるのだ。
さらに
「こうも敵に回られると厄介なのデス…」
「それだけじゃないよ。最初は普通のノイズだと思ってた…でも本当はアルカノイズと人形のようなノイズで、アルカノイズは減ってるのにそれに比べて減ってない」
そう、まるで無限湧きしているかのように減っていない。
過去に存在していたソロモンの杖のように召喚する力があるのか、はたまた別の要因があるのか。
少なくとも未知のノイズだけを相手にすることが出来ず、現状はS.O.N.G.の技術班たちの解析待ちか。
唯一分かるのは、人形型ノイズが未知のノイズを庇うように護っていること。
「みんな!」
「!来たか、立花!」
そんなふうに手招いていると、響が跳んで帰ってきた。
それに気づくと、クリスが口を開く。
「あいつらは?」
「無事だよ、それよりやろう!」
クリスの疑問に響が簡潔に答え、主語の抜けた発言をした。
思わず全員の頭にクエクションマークが浮かぶが、最初に未来が気づいたように響を見つめる。
「やろうって……もしかして」
「S2CA…ね。確かにそれなら可能かもしれない」
他者と手を繋ぐ性質を持つ立花響かエネルギーベクトルを操作する力があるアガートラームだからこそ出来る力。
本来シンフォギアに搭載されている絶唱という力は装者たちを強烈なバックファイアが蝕むのだが、最低でも二人いるならば装者たちの絶唱を合わせ、威力を倍増、パートナーの身体を蝕むバックファイアを抑制する効果も併せ持つ。
しかしアガートラームがなければ響が全ての負荷を背負うことになってしまうため、連発は不可能。
元々諸刃の一撃だったものが使える必殺技になっただけなのだ。
逆を言えばアガートラームがあれば負荷を分配することが出来るので、これぞという時に使うことが出来る。
「だがしかし、敵がそう問屋が卸してくれるものか…」
「やる人と時間を稼ぐ人を分けた方がいいかもしれません」
「調の言う通りデス!」
「ああ、なにぶん敵の数が多すぎるからな」
そう、七人の絶唱ともなれば強力な力へと変化する。
だがそれも時間がかかるといえばかかるので、必殺技クラスの攻撃を受け止めるかぶつかりあってるときくらいにしか使えるタイミングは難しい。
特にこのような状況ともなれば、全員でやるわけにはいかなかった。
「それじゃあ、三人で!」
「そうだね、それがいいかも」
「---! おい、また来るぞ!」
故に使う人と時間を稼ぐ方向へと話が持っていっていたが、クリスが誰よりも早く気づいて叫ぶ。
彼女たちの先には機械のようなノイズの胸の部分が開き、コアのような結晶体が見える。
そこから再びエネルギーが充電されていき、今度はミサイルポットのようなものまで生成していた。
本当に存在そのものが兵器のようで、違和感があるとすればそのミサイルポットがぬいぐるみのような可愛いデザインをしていることだろうか。
「人形のノイズまでも来るか…!」
「これは……使う暇が」
「ないデスよ!?」
エネルギーを充電している機械のようなノイズは気になるが、次々と襲いかかってくるノイズの対処もしなければならなく、まるでエネルギー貯めるまでの時間稼ぎ要因として操られている、そんなふうにも見える。
「くっ…これは難しいか!ひとまず一度離れなければ巻き込まれる!」
「こんのぉおおおお!」
「…!せめて少しでも妨害を!」
「そう簡単に撃たせてたまるかよっ!」
人形型はそこまで脅威ではない。
あくまで数が多いだけだが、その量が問題なのだ。
本体に辿り着くよりも先に、エネルギーが溜まってしまう。
そのため、遠距離攻撃を持つ未来とクリスが光弾と銃弾を放つが、やはり人形型が壁になって防ぐ。
「またしても盾に!?」
「放つ方が早いッ!」
剣で目の前のノイズを切り伏せ、さっきと同じくように庇ったノイズの姿に翼は声を挙げ、蛇腹剣をムチのように振るうマリアがみんなに聞こえるように告げる。
それに反応した装者たちは即座に見上げ、機械のようなノイズにエネルギーが収束し始めた。
いつでも回避行動が取れるようにノイズたちをそれぞれ撃破し、ついに破壊のエネルギーが---
「させるかぁあああぁぁああ!」
『!?』
この場にいる、誰でもない声が響き渡り、
誰もが驚く中、反応の遅れたノイズはまともに受け、ピキっと言うヒビが割れるような音ともに弱点なのか今まで以上に怯み、エネルギーは霧散してしまった。
その代わり、放たれることはなくなったが、回転していた人物はあまりにもの頑丈さに弾かれる。
「な、何が飛来してきたデスか!?」
「あの子は、女の子を守ってた…。あぶない……!」
「い、いてて……うわああぁ!?」
弾かれた人物は頭をぶつけたのか涙目で頭を抱えていたが、振るわれた腕に反応が遅れ、小さな体の腹に巨大な挟型の腕が突き刺さった。
その人物は来たというのにまたしても物凄い勢いで吹き飛び、建物を壊しながらこの場から姿を消す。
明らかな、直撃。
「直撃した!?」
「一体何がなんだってんだよ!」
「と、とにかく確認しに行こう! もしかしたら大変なことになってるかも!」
次々と状況が変わっていく中、ただでさえ地面を没落させるほどの威力がある一撃だ。
装者たちですら当たればダメージになるのだから、正体が分からずとも誰かが受けたともなれば致命傷になっているかもしれない。
しかも吹き飛んだ人物の方向へ一斉にノイズが走り出したのを見ると、狙いは明らかに今の人物。
「何故全てのノイズが……」
「そういえば、今の行動…。
人形のようなノイズも、機械のようなノイズも、さっきの子を執拗に狙ってる……?って、このままだとやばいかも…!」
向かったのはこの場の全てのノイズだ。
当然遅いとはいえ巨大なやつも行ったわけで、装者たちは人形型のノイズを殲滅しながらさっきの人物の元へと急ぐ。
「ああぁあぁあぁあああああ---ぐえっ!?」
急がないと!と思って力を解放した俺は制御することが叶わず頭から突っ込むことになってしまったのだが、凄まじい頭の痛みと威力に吹き飛ばされながら壁を何個か壊してようやく止まれた。
完全に直撃したのもあって、効いた。
あぁ、本当に武器が欲しいなぁと思いながら俺は頭を抑えるように頭部の
「え…?」
すると、頭の中にイメージと『解説』が響く。
突然のことに驚いていると、ノイズのスタンピードとも呼べる勢いで残る全てのノイズと思われる量が向かってきた。
「は、はぁ!?や、やばいやばい!えーとえーと!」
急なことでどうすればよく分からなくなった俺はきょろきょろと周りを見渡し、迫るノイズたちに対して頭を守るようにしながらしゃがんだ。
咄嗟の判断だったが、迎撃するという考えが頭の中から抜け落ちていて、俺はそのままノイズに無惨にも轢かれ---
「ッ!?」
る前に、小さな小刀や矢、ノコギリや鎌鼬のような鎌、ムチのようなものや光弾、そして拳がノイズたちの軍団を全て消し去っていた。
ぼけーと座り込みながら目を瞬きさせると、シンフォギアを纏う七人が目の前に降り立つ。
「大丈夫?でも、どうしてここに!?」
「あ……さ、さっきぶりです」
頭の中に響いてきたイメージと解説に文句を言いたい気持ちを抑えながら立花響に軽く会釈する。
すると、マリアさんが口を開いた。
「もしかして、あなたはわざわざ来たの?」
「あ、はい。おれ---私はそのぉ、皆さんが危なそうだなと思って咄嗟に…」
「いや咄嗟にって……あなたの方が危なかったでしょう。もし死んでいたらどうする気だったのよ?」
「うぐっ……うう」
彼女の言葉は正論で、犠牲になるだけだったかもしれない。
俺は何も言い返せずに思わずしゅんとしてしまう。
心無しか、俺のツインテールも下がってるような気がした。
「あ、あー!マリアは怒ってるわけじゃないのデスよ!」
「マリア……」
「えっ!?ちょ、ちょっと待って。そんなつもりじゃなくて…その、誤解しないで。危険だってことを伝えたかっただけなの」
俺のせいで彼女が悪いみたいになってしまった。
俺は情けないことをしたと自己嫌悪でますますと落ち込むと、マリアさんは慌ててどうすればいいか分からなそうにしていた。
…なんか俺のせいで負の連鎖になりかけている。
「私たちが助けられたのは事実。だが先程からノイズに触れたり倒せたということはやはり……」
「映像と一致しますし、恐らくこの子ですよね」
「だろうな。詳しく聞きてぇところだが---」
「嗚呼、まずはあちらだ。詳しい話は終わってから聞くとしよう」
「…!そうだっ!」
「えっ、ちょ、ちょっと危ないよ!?」
何やら話しているようだが、俺は思い出したように立ち上がると、タイミングよく現れた機械のようなノイズを睨み、前へと躍り出る。
すると装者たちが驚いたような反応をして、立花響はこちらへ来ようとしていた。
けど問題ない。解説とイメージのお陰で今はいける!
もっと早く教えろよ!とは思ったが、リボンに触れるのが鍵とか誰が気づけるんだよ!
…それはともかく。
「ブレイザーブレイド!」
右手を胸もとにやり、空に向けて手を伸ばす。
するとリボンが発光し、炎が吹き出ると螺旋状を描きながら俺の右手に集まり、凝縮されるように剣の形を持っていく。
黒の芯を包み込むように伸びた、紅の刀身。
右手を起点に迸る炎は灼熱を放ち、両刃の剣が完成していた。
これこそ、リボンに触れた際に頭に浮かんだ俺の武器、ブレイザーブレイド。
「アームドギア!?」
「さっきの仕返しだ! てぇりゃあああああぁぁ!」
ブレイザーブレイドを両手で握りしめながら俺は前へ進み、機械のようなノイズへと跳躍すると、両鋏型の腕を交差するノイズに対して剣を振り下ろした。
すると俺の剣は機械のようなノイズの両腕をあっさりと切り裂き、一気に吹き飛ばす。
当たり前だ、こっちは建物を簡単に壊せるほどの力がある。
「す、凄い威力デース!」
「うん、それに綺麗」
「私達も続くぞ!」
「当然!」
「ったりめーだ。見てるだけでいられっかよ!」
「もう人形のようなノイズは居ないみたい!なら、妨害はされない!」
「!」
ビルを見下ろせるほどの巨体を持つ機械のようなノイズが帰ってくるかと警戒していると、俺の後ろから雪音クリスと小日向未来さん以外が前に出る。
思わず止めようと口を開こうとするが、そんな心配はいらなかった。
両腕がなくなったノイズは攻撃手段が少ないのか、ミサイルポットから複数のミサイルを発射する。
しかし装者たちはあっさりと見極めてそれぞれの武器で迎撃し、今度はマリアさんと翼さん、月読調と暁切歌のコンビにノイズの両足は切り裂かれる。
当然そうなると立てなくなるわけで、倒れたノイズに対し、立花響が胸に向かって拳を突き出す。
足が無くなったとはいえ、巨大は簡単に吹っ飛び、そこへ紫色のエネルギー波がノイズの顔面に直撃する。
それでもまだ死なず、残る手段としてノイズは模擬したと思われる巨大ミサイルを肩から伸びたロケットスレッドのようなものから生み出して放つが、モノホンのミサイルに破壊されるどころか、本体ごと飲み込んだ。
「……すげぇ」
勢いがついたのもあるのだろうが、未知の敵に対してもう対応出来ている。
正直、今の俺では勝てるどうか体力が怪しいところなのに。
それに俺は、未知の行動をされれば対処出来ないと思う。
「終わったのか…?」
「いや、確かな手応えがねぇ」
「うん、まだ終わってない…!」
俺が思わず呟いてしまった言葉が否定され、視線を向ければ雪音クリスと小日向未来さんは警戒するように見ていた。
俺もその視線を辿って見てみれば、かなりボロボロだが未だに装甲が拉げているだけで、炭化はしていないようだ。
生半可な一撃では倒せないということだろうか。
けれど、動きが止まってるなら俺の一撃で……!
「なんだ……?」
そう思ってブレイザーブレイドに力を入れるが、目の前のノイズの胸が開き、コアのような青い発光体が赤い輝きを発し始めた。
いや、よくよく見ればノイズが赤くなっているようにも見える。
何はともあれ、弱点らしき部分があるなら壊すチャンスではないだろうか。
しかし装者たちを見れば彼女たちは動かず、耳に手をやりながら次の瞬間には、一斉に驚いたような表情をしていた。
「……なんですって!?」
「………?」
マリアさんの声が聞こえ、思わずそちらを見る。
それだけじゃ分からないため、全員に視線を向けていけば、誰もがどうすればいいか分からない様子だった。
「この近辺は工場だ」
「そうなると、何処に火薬や誘爆するようなものがあるか分からない……」
「つまりどういうこと?」
「デス?」
「やつは自分諸共この周辺を爆発させる気ってことだよ!」
「下手に攻撃出来ないってことだよ響。例えこのノイズを空中に投げたとしても、それで爆発するかも……」
「!?」
俺も立花響や暁切歌と同じ反応だったのだが、それを聞いて驚愕する。
自爆!?ノイズが自爆ってなんだ!?いや、あれは一種の機械だから自爆出来るのか…それにしたってそれはダメだ!
まだここには吹雪ちゃんがいる!
「えぇ!?じゃ、じゃあどうしたら……S2CAで一気に破壊するとか…」
「…ダメね。絶唱によるぺクトルを操作したところで解決するとは限らない」
「しかもあたしらは何とかなるかもしれねぇけどよ、半径5kmときやがった」
「甚大な被害が出てしまうな…どうしたものか」
「例え被害を抑えたとしても、この辺りの人たちは…。避難は終えているみたいだけど」
半径5kmってのがどれだけのものかは分からないが、少なくとも吹雪ちゃんは巻き込まれてしまうのだろう。
クウガのマイティキックが3kmって考えると、ここが工場なのもあって、正確にはもっと行くかもしれない。
「でもこのまま自爆しても意味がない」
「どうしたらいいんデスか!?」
俺もどうしたらいいのかが分からない。
少なくとも俺らも危ないし吹雪ちゃんも危ないんだ。なにより吹雪ちゃんだけじゃない、他の人たちも危ないかもしれないしツインテールの危機だ!
何か手段は……。
「ッ!?」
そう考えたところで、俺の頭の中に突如として炎の円柱が鮮明に浮かび上がる。
そう、その名前は---
「---オーラピラー?」
「えっ?」
「そうか、これなら行けるかもしれない!」
思わず呟いた声に、誰かが反応した。
それはともかく、これなら吹雪ちゃんも俺達も、みんなも助かる。
まるでヘルプファイルが同梱されているように、念じるだけで検索出来るようなものだった。
使い方もどんなものかもちゃんと俺の頭で理解出来るように分かりやすく解説してくれている。
「何か方法が?」
「あっ…はい」
翼さんの視線を受け、若干緊張しながら頷く。
防人モードの翼さんはアイドルとしての姿とは違うようにも見える。
「…ロクな方法なんだろうな?」
「クリス、そんな言い方はダメだよ」
「でも、何も無いよりかはマシ」
「デス。あたしらに出来ることがあるなら何でもやるデスよ!」
それを聞いた瞬間、俺の肩がピクリと跳ねる。
ん?今何でもするって…!?
だったらツインテールにしてくださいっ---と言いそうになったのを、頑張って堪えた。頑張った、凄いぞ俺!
「それしかないのなら、やりましょう」
「…あの、お---私が言うのもあれですけど、見知らぬ人をそう簡単に信頼して、危ないかもしれないですよ?」
「ううん、大丈夫だよ」
何故か普通にやる流れになってきているが、彼女たちに訝しむ考えはないのだろうか。
雪音クリスくらいしか警戒してないんだが…彼女は過去を考えると当然だが。
しかし俺のそんな言葉は、立花響があっさりと否定する。
「そんな曖昧な…。何を根拠に…」
「だって、あなたはあの女の子、吹雪ちゃんを守ってた。私たちのことも助けてくれた。そんな人が酷いことするような人であるはずがないから。だから信じてもいいと思うんだ」
太陽な笑顔を浮かべながら、彼女は俺の前に来て手を差し伸べてくる。
俺の友人のような笑みに、似たような感覚が感じられてなんというか手に取りたくなるが、協力するのは今回だけなので取らない。
…この後逃げるからね、俺。S.O.N.G.に捕まったら説明求められて説明出来ませんで終わるもん俺!
やだやだ、ツインテールをもっと見たいんだッ!
「その通りね。私たちに残されている手段も上手くいくかは分からない。だとしたら、賭けて見る方がいいわ。
私たちは何をすればいい?」
「じゃあ……一つだけやっていただきたいことが」
「倒せるならば協力は惜しまないつもりだが…」
「仕方がねぇか…もうバカが手を伸ばした時点で止められないからな。で、何をやればいいんだ?」
諦めたように雪音クリスもため息を吐いていたが、みんな協力してくれるらしい。
原作の人たちに信頼されているのは嬉しいが、信用はされていないだろう。
それでも今は、構わない。
俺だけじゃ倒せるか分からないからな。
「私がノイズを拘束したら何かこう、必殺技みたいな高火力の技があるならやって欲しいんです。最大火力じゃなくていいので」
「必殺技……」
「あれしかないデスね!」
「うん、響」
「分かってる、S2CA!」
「負荷を考えるなら、トライバーストで十分だろう」
「だったら残りはさっきのように別のノイズが盾にならないか警戒だな」
一瞬で話が決まったのか、彼女たちは互いに頷き合うと再び耳に手をやる。
恐らく連絡を聞いているのだろうが、トライバーストで助かった。
あんまり高威力出されると俺が巻き込まれるかもしれないしあんまり周辺に被害を出す訳にはいかないんだ。吹雪ちゃんのところまではまだ被害行ってないけど、強すぎると行くかもしれないからね。
「爆発まで時間が無いわ。あなたの考えている方法はすぐに出来るの?」
「すぐにでも」
「分かったわ。だとしたら---」
「私とマリアさん、翼さんでやりましょう!」
「確かに適材適所といったところか」
マリアさんと立花響は分かるけど、何故翼さんに…。
いやそうか、遠距離攻撃を持つ人は下がってた方がいいからか。
ん?この人って確か剣なのに近距離や中距離じゃなくて遠距離攻撃も出来るのでは?
まあなんでもいいか…適合率的には安定してる正式な装者だし戦場で戦ってきた古参だし安心感と安定感も高そうだもんな。
「それじゃあ!」
「ああ、やるとしよう」
「始めましょう!」
三人が手を繋ぎ合い、他の装者たちはそれぞれ警戒体勢と入っている。
これならば確実に決められるだろうと俺は頷き、爆発を防ぐための技を使うために一歩前に出る。
見た感じ、気がつけば膨張していて一分も経たずして爆発するだろう。
絶対にやらせるかっ!
『『『---Gatrandis babel ziggurat edenal』』』
歌が聴こえる。
前世で聴いたことのある、戦姫たちの切り札のひとつ。
彼女たちの言うS2CA---正式名称『Superb Song Combination Arts』---『超絶合唱技』。
『トライバースト』。
装者三人の絶唱を重ね合わせ、協奏曲として調律・制御するS2CAの大技のひとつ。
『『『Emustolronzen fine el baral zizzl---』』』
美しくも儚く、力強い。
そして命を燃やし続ける、守護者たちの歌声。
そんな彼女たちの声を聴いていたら、俺も応えようと思える。
だから---
「やってやる!」
先程浮かび上がった鮮明なイメージを思い出し、その通りに念じる。
すると胸の真ん中部分にある結晶体から虹色の光が右腕に集まり、右手首が輝く。
『『『Gatrandis babel ziggurat edenal---』』』
「オーラピラー!」
彼女たちが歌い切る前に、左手で右腕を支えながら空に向かって放つ。
赤い炎のような光が、夜空に飛んでいく。
「えっ!?」
「どうして空に……」
「外したデスか!?」
「いや、違ぇ!」
空に向かって放ったことに他の人たちは驚いているようだが、流石はイチイバルの装者というべきか、彼女だけは気づいたらしい。
そう---
『Emustolronzen fine el zizzl---』
俺が先程放ったオーラピラーは空から降り注ぎ、ノイズを炎の円柱が覆い尽くす。
ノイズのエネルギーは止まらないが動き完全に停止していた。
これがオーラピラー。
まさに敵を絡め取り、閉じ込める結界。
その結界で敵が封じ込められたのと同時に彼女たちも準備を終えたらしく、俺はブレイザーブレイドを再び両手で掴んで構える。
「---セット!ハーモニクス!」
ハーモニクス---弦楽器の弦を正しく、絶妙な位置にて軽く押さえる事で発生する、超高音の名を冠し、その絶大な力を発動する。
立花響のギアに変化が生じ、まるでエネルギーを放出するための準備とでもいうように割れる。
そして両手のギアを合体させて、巨大なガントレットとして右手に形成していた。
負荷はアガートラームによって分配されているお陰か、特別負荷が異常な負荷が掛かっているわけでもなく、黄金色の光が立花響の体を覆っていた。
「
それでも彼女たちにやらせるわけにはいかず、俺はブレイザーブレイドの力を解放する。
ブレイザーブレイドの柄や装飾部が展開され、葉脈のように剣を走るラインがツインテールのように左右に開かれる。
すると赤く光る刀身から炎が噴き出し、その長さを倍にも伸張させる。
俺は炎に包まれた刀身が地面へ向くように右腰部に構えた。
「一緒に行こう!」
「もちろんだ!吹雪ちゃんを母親の元へ帰す…その約束のためにも、これで終わらせる!」
隣に並び立つ立花響に一度視線を向け、力強く頷いた俺は腰部からブースターを噴出する。
すると隣に居た彼女も同じくブースターを噴出させ、互いに真っ直ぐに加速する。
目的はただひとつ、この戦いを終わらせるために。
「S2CA・トライバーストッ!」
「グランドブレイザーッ!」
なんの打ち合わせをしたわけでもないのに、立花響が高速回転する右拳を胴体に打ち付け、風穴を空けるように虹色の螺旋が巻き起こりながらノイズの装甲を破壊し、コアが出現する。
それに向かって予め上空へ飛んでいた俺は空中からコア目掛けて一気に炎の剣を斜め下に斬り下ろす。
轟炎の軌跡が空に走り、コアには斜めに斬られている跡が残っている。
俺はそれを見届けながら地面を削りながら着地する。
弾け飛ぶ熱波が感じられ、ブレイザーブレイドの形状が戻った。
確かな手応えを感じた俺はブレイザーブレイドが光になって消えるのを見届けると、オーラピラーが瞬間的に三倍以上の大きさに膨れ上がって大爆発が引き起こされる。
しかし爆発によって発生した煙が晴れると、とてつもない爆光と衝撃からは想像できないほど被害がなかった。
特撮ヒーローに出てきそうなほどの大爆発だったのに問題なかった点から考えるに、やはり拘束のための技の補助技でもあるが、被害を最小限に抑えるための技でもあるのだろう。
事実、被害は俺が着地の際に削ったアスファルトくらいだった。
「……ん?これは…」
全てが終わり、安堵の息を吐こうとすると、俺は偶然真下に落ちていた煌めく小さな菱形の石をみつけ、拾い上げる。
『
唐突に頭をよぎる固有名詞。
薄緑色に光る結晶体は、スライド展開した左腕装甲の中へと吸い込まれていった。
なんだったのだろうか、今のは。
「……まぁいいか」
何はともあれ、戦いは終わった。
そう、この先に何が待ち受けているのかは分からないが、俺はようやく、今度こそ本当の意味でツインテールを救うことが出来た。
後は吹雪ちゃんを母親の元へ帰すだけ---
のはずが、流石は主人公というべきか。
「私は立花響。17歳!好きな食べ物はごはん&ごはん!あなたのお名前は?」
離れようと言い訳を考えていたところで俺の手を掴んだかと思えば、彼女はいきなり自己紹介をした。
…コミュ力お化けか、この人!?
「え、えーっと」
やばい、捕まった。
それに名前なんて明らかに男の名である零士と名乗るわけにはいかないだろうし、俺の名前…この姿の名前……。
「て……」
「て?」
「て、テール、 …テイル、テイルレッドだ!」
簡単には思いつかないと思っていたのだが、驚くほど自然にそう名乗っていた。
まるでこの姿が、スーツそのものが自分にそう伝えたような、そんな気すらする。
「テイルレッドちゃん!」
「は、はい!?」
そう思っていたら、彼女は強く名を呼んだかと思えば、顔を近づけてきた。
い、いや距離感バグってない?俺が普通じゃなかったらこの時点で結構やばいぞ、俺男なんですけど!
いい匂いするから困る!
「テイルレッドちゃん……すっごく可愛いねッ!」
「……へ?」
目を瞬きさせ、きょとんとしてしまう。
もっとなんかこう、別のことを言われると思ったのだが、まさか褒められるとは思わなかった。
普通は正体とか聞くものだと思うのだが---
「それにまだこんな小さいのにあれほど強くてかっこいいなんて凄いよ。髪も綺麗だしツインテールも凄い似合ってて素敵だったし!」
「え……えへへ」
分かる、自分でもこのツインテールは素晴らしいと思う。
幼女化してるのは未だに理解できないと言うかこれ俺って男に戻れんのかなって思うけどツインテールが褒められて嬉しい俺は思わずはにかんでいた。
「ッ〜!!」
「うぇえぇ!?」
すると俺の体は気がつけば抱きしめられており、ちょうど幼女のような小さな体なので彼女の胸に顔が埋まる。
いくらシンフォギアに纏われているとはいえ、彼女たちのスーツはかなりアレ、ピチピチなのだ。
そうなると当然感触も伝わるわけで、固くはないし柔らかいけど息が出来ないので助けて欲しい。
「もう、可愛いなあっ!」
「じ、じぬぅ……!」
「ひ、響。その子が危ないから、苦しそうだよ!?」
「あっ、ごめんね。大丈夫?」
「……ぜぇ、ぜぇ…」
シンフォギアを纏ったままだというのに、さっきより強く抱きしめられていた俺は余計に息が出来ず、解放されて何とか息ができるようになった俺はへたり込む。
ノイズの攻撃を受けても大したダメージを受けないこの姿を殺そうとしてくるとは、流石神殺しというべきか…。いや、もしかして俺が逃げることを察して…!?
それはないわ。
でも小日向未来さんが居なければ俺は今頃ツインテールの楽園に旅立っていただろう。
…それはそれでいいかもしれない。
「テイルレッドといったな?」
「……!」
そんなことを考えていたら、ちょっとした警戒心を持ちながら翼さんが来て見つめてくる。
来たかと、俺は立ち上がりながらバレないよう、逃げ出すための準備をする。
「この子が迷惑を掛けたのは謝るわ。けれど私たちも立場上力を持つあなたの事情を聞かず解放するわけにもいかなくてね。もしかしたらその力が危険かもしれないから」
「そういうこった。悪ぃけど、一緒に来てもらうぞ」
「心配せずとも、ついてきてくれるならば手荒な真似をしたりはしない」
そうだろうなとは思っていた。
ノイズを殲滅する力、幾度のエクスドライブ発動によってアンロックが複数解除されているシンフォギアに並ぶほどの力。
間違いなく野放しは危険だし、S.O.N.G.からしても調べたいだろう。
でも無茶を言わないで欲しい。俺も何が何だか分からないしむしろ男に戻る方法を誰か教えてくれ。
このままではょぅι゛ょとして生きなければならなくなってしまう。
「心配しないで大丈夫。あなたに何かしたりはしないから」
「美味しいご飯一緒に食べるデスよ!」
この二人が癒しに見える。
でもそういう訳には行かない。事情が!説明!出来ない!
ツインテールのことしか、俺は語れないんだ!
そういう難しいことは全部、前世では蒼空に。今世では高校生になるまでは幼馴染、高校生になってからは識に投げていたんだ!
「一緒に行こう?何もしないよ!」
「ちょっと説得力に欠けるけど、響の言う通りだよ」
優しいのはわかるし、原作知ってる俺からしても、原作から変わってなければ彼女たちやS.O.N.G.は信頼も信用も出来る。
けど何も分からないので、このまま逃げさせてもらう。
何よりも俺には吹雪ちゃんの元に行かねばならないし、病院を抜けているのだから戻らなくちゃいけない。
「あ」
「?」
口を開くと、好奇心の目で見られる。
何を言うべきか悩み、子供らしく行こうと思った。
「あ、あー!後ろに要救助者が!」
「まだ人が!?」
が、頭が良くない俺は思いつかなかったのでUFOよりかは騙されるであろう発言をし、立花響と暁切歌だけが強い反応を示したが、他の人は首を傾げつつ訝しげに振り向いただけだった。
…流石にお人好ししかいないのもあって、この言葉なら振り向くらしい。
騙したことは申し訳ないと思うが、俺も行かなくちゃいけないところがあるんだ。
「まだ居たなら助けなきゃ!」
「今も苦しんでるかもしれないデス!」
「いや、バカか!?避難は終えてるって話だろ!これはどう考えても---」
「---ごめんなさいッ!!」
流石はキネクリ先輩。
二人を除いてすぐに気づかれたようだが、彼女だけには一瞬でバレた。
それでもしょうもない嘘ならともかく要救助者という居ないのに居るという不吉な嘘をついたことに罪悪感があった俺は一言大きな声で謝ると、身体能力を活かして走り出して跳躍した。
「やっぱり、嘘」
「へっ!?」
「えぇっ!?」
「あの子、結構嘘が下手みたい」
「翼ッ!」
「あまり手荒な真似はしたくないのだが---承知した!」
やっぱり好きだった作品の人物に酷い嘘は心が痛むのだが、逃げたものは仕方がない。
もし次に会えば敵対するかもしれないけれど、何も説明出来ない今は逃げるしかないのだ。
とりあえずこのまま吹雪ちゃんの元へ---
「ぷえっ!?」
向かうために空中に居たら、突如として体が動かなくなり、地面へと思い切り顔面から落ちて打ち付けた。
一体なんだと思って倒れたまま顔を上げて振り向けば---
『影縫い』
電気が点灯しているところに跳躍していたのもあって、大きく作り出された影に突き刺さる短刀。
すなわち、NINJAの技のひとつ。
装者の中でこの技を使う人物を知っており、ギアを解除してない彼女は機動力が高い。
不意打ちを数秒ならともかく、ほんの短い間ならすぐに追いつくことは出来るだろう。
そして何より、こんな古典的な技に引っかかるどころか忘れていたなんてやらかしたにも程がある。
無理矢理引き離そうとこの姿で全力を入れるが、間に合わなかった。
装者たちは既に来ており、俺は降参を示すように両手を挙げる。
「こんな手荒な真似になってすまないが、このまま---」
「わ、私に酷いことしても、連行しても良いのでッ!何でもしますから、吹雪ちゃんだけは、吹雪ちゃんだけは母親のもとへ帰してあげてくださいっ!」
「……へ?」
素っ頓狂な様子を見せるという珍しい防人の姿以外にも装者たちが全員驚くという姿が見れたが、俺は生意気にも影縫いから逃れつつ土下座してそう頼み込んだのだった---
第四回、キャラ紹介。
主人公の母親=
身長は135cm、体重は平均より下。年齢は40代前半。
夫は竜也で、竜也さんと呼んでいる。
彼女はいわゆる合法ロリで、常に髪型をツインテールにしている。
しかしそのせいで余計に幼女に見えてしまい、零士と買い物に行く際にも妹に間違られるほど幼い。
見た目通りというべきか子供は出来にくい体質だったらしく、たった一人の子供である零士を溺愛するあまり、れーくんと呼ぶ。
心配性で子供のように泣き虫ではあるが、優しく穏やかな性格で基本的に怒ることは無い。
しかし本人は子供扱いされるのは好きでは無いらしく、大人のように振る舞おうとして空回りしている。
でも彼女が居る限り零士はツインテールが存在しないという絶望を味わうことがないので、何気に希望なのかもしれない。
特技は料理で、零士や零士たちの友人も絶賛するどころか近所では有名。
交友関係も広く、むしろ可愛がられている。
一応言っておくと、呪いを受けてる訳でもないしただの一般人である。
実は零士が言ってる幼馴染ちゃんとは、家族ぐるみの付き合いだった故に幼馴染ちゃんの両親とは親しく、幼馴染ちゃんにも懐かれていた。
彼女としても幼馴染ちゃんのことを信頼していたし是非とも将来は零士くんを任せたいと思っていたが、幼馴染ちゃんとその両親がノイズ災害に見舞われて亡くなった際には大きなショックを受け、より零士に対しての愛情は深まっている。
そのため、幸せにはなって欲しいけれど、無理に彼女を作って欲しいとは思っていない。幸せになることさえ叶えてくればいいと思っている。
ちなみに彼女は作者の中で小倉唯さんのキャライメージだったので脳内再生余裕でした。
作者も知らず手が動いて出来上がったこの作品
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続けて
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ツインテールはいいぞ
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戦闘シーン多くして欲しい
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続けて欲しいしXDのイベストやって♡
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LOST SONG等もやるんだよ
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期待してる
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作者が無理しない程度にして欲しい
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無理せずに毎秒投稿しろ
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困った人用