この世の果てでツインテールの愛を唄う《叫ぶ》少年   作:絆蛙

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自分で書いててよく分からん。何ならサブタイトルの時点で意味わからん。
なんだこの作品……たまげたなぁ。
これを書いて原作読むとまだまだだなと痛感する日々。俺もツインテールを極めるために何度も読み直さなければ。
この主人公、俺の作品では珍しい普通の一般人だからちょっと難しいぜ…。
想定では既に並行世界編やってるつもりだった。
アプリではエルフナインちゃんも実装されたし(4000石割って完凸した)少しでも終わらせないと……ベアトリーチェ出てきたっぽいしなあ(ストーリー読んでない)






EPISODE9 オレの力は---ツインテールだッ!!

 

 

 

 

 

未来さんや立花響と過去に出会ってたのは確実のようで、今は考えるのをやめて本題である俺の力について調べることになったのだが、まさかの重大な事実が発覚した!

この腕輪をつけて今や四年!俺はいつも、毎日外すことも無くずっと付けていて、気が付けば消えたり現れたりすることに違和感はあったけど気にしていなかった。でもこの腕輪!

なんと外れた。マジか……

 

「お、俺の四年間ぇ……」

「今まで気づかなかったの?」

「それ、外そうとするとクソ痛いんです。多分いつも無理矢理外そうと思ってたからとは思うんですけど…」

 

正直神経レベルでくっついてると思ってた。

だって痛いんだぞ?腕輪外そうとしたら痛いとかそう思うじゃん。今までこんなの持ってる人見たこと無かったし。でも腕輪を外してるのに()()()()()んだよな。なんだこれ…?

今だって色んなコードらしきものに繋がれていて、エルフナインちゃんさんは調べているのに。

 

「何か分かるといいね」

「分かるんですかね?」

「そこはもうエルフナインちゃんに任せるしかないんじゃないかな」

 

それはそう。

専門用語なんて立花響は分からないだろうし、未来さんも分からないはず。

…それより過去に関わりあったらしいし、響さんと呼ぼう。

あの頃俺、ほんと何してたんだろうな。わざわざ介入するなんて自殺行為だというのに。

…いや、仮に知ってても俺はそうしてただろう。

自分が最も怖いのは何か、それがなんなのかを知ってるんだ。

ツインテールを失うのは怖い。それを失うのは、俺という人間が一番辛いこと。

でも俺が怖いのは、もうひとつ。それはきっと---

 

「!これは……」

「エルフナインちゃん?」

 

響さんが何やら驚いた様子のエルフナインちゃんさんに声をかけると、エルフナインちゃんさんはどこか困ったような表情を浮かべていた。

 

「…何か、あったんですか?」

 

流石に気になる。

その腕輪は幼馴染に貰ったものだ。テイルレッドに変身出来る力は予想出来ても、腕輪が何なのか全く知らない。

変身する力が何なのか分かるのだって俺の場合はそうだろうな、という『感覚』なのだろう。

前世でも今世でも、考えるより感覚派だと言われている俺だ。ぶっちゃけツインテール以外考えたくないでござる。

 

「えっと……それが、とても言いづらいのですが……」

「?」

「どうやらこの腕輪にはロックが掛かってるらしく、シンフォギア・システムよりも厳重かもしれません……」

 

……は?

 

「えっと、つまり、どういうこと……?」

「調べられません。今は、まだ」

「ということは……何も分からない…?」

 

まさかの展開に、流石に固まる俺たち。

多分それぞれ固まった理由は違うが、元々ここへ来たのは調べるためだ。でもシンフォギアより厳重ってどういうことだ?

シンフォギアは確か、総数301,655,722(3億165万5722)種類のロックくらい施されていたはずで、全てを解錠することは出来てないはず。

それより厳重になっている?どうなってるんだ、この腕輪。

 

「いえ、一部の単語を抜き出すことには成功しました。零士さん、今から伝える言葉に聞き覚えがあるなら言ってくれませんか?」

「あ…ああ、はい」

 

正直俺は全く何も知らないので答えられる自信はないが、俺が知っていることなら伝えるべきだろう。

 

「まずこの腕輪は『テイルブレス』と言うらしいです」

「テイルブレス……」

 

いい名前だ。

ツインテールのテールをテイル、腕輪をブレスとして掛けることでテイルブレスという名前にしたのだろう。

テイルとついてるだけで満点だ。素晴らしい。

 

「これを使うにあたって、エレメーラと呼ばれるものを使うようなのですが…ボクは錬金術の元素の応用かと思いましたけど知識にもありませんし……零士さんは聞き覚えはありませんか?」

「いや…ないです。知りません。でも、()()()

「知らないのに分かる…?」

 

不思議な感覚だ。

聞いたことなんて、一度もなかった。なのに分かるのだ。

知らないのに分かる。分からないのに分かる。

それは、属性力と呼ばれるものだと。

何よりもそれは、俺にとって最も身近なものだと分かるのだ。

 

「その属性力(エレメーラ)というのは、人が持つ()()()()()()()、心の力らしい。拠り所っていうのかな。それこそ人生をかけるほどに」

「何かを愛する力…えっと、趣味とかそういう?」

「いや、そこまでは流石に…」

 

多分俺にとってはツインテールなんだろうなぁ、という曖昧だけど確信があるだけで、流石に分からない。

そうなるとツインテール属性って言うのかな。なんか性癖に近い感じ…?

いやそうだとしたらこれ暴露するの不味くないか。

みんな使えたらやばいだろう。

 

「そうですね…詳しくは少しずつ調べるしかないと思いますが、どちらかというと皆さんの歌の力や心象変化…に近いかもしれません。心のエネルギーは未知のエネルギー。不確かなエネルギーを固形化するということは無限の可能性を生み出します。ですので着用者の精神力、戦意と聖遺物を共鳴・共振させることで、聖遺物を強制起動状態にしているRN式回天特機装束のさらに先を行く技術が使われているのかと思われます。

となると属性力というのは精神力というあらゆる燃料や化学エネルギーに勝る莫大なエネルギーを使うことで、ギアのような力を発現させているのかと。

内で燃焼するのではなく、変換効率を高めることで物質化を可能とし---」

「???」

「……?」

「…えっと、とにかく知的生命体がある限り持つ本能ではなく、精神力を推進力とするもの。感情の高ぶりによる情熱や興奮、愛着といった思い入れが属性力というものに相当するものかと…」

「………」

 

なるほどなるほど…ふんふんふんふん、ふん?

つまり、どういうことなの?

ひたすらに疑問符だけが浮かんでいく。

 

「……零士さんの想いの力で高まっていき、体力か意志が折れない限り戦えると思って頂ければ」

「なるほどっ!!」

 

じゃあ心配ないな!

今の俺はツインテールを愛する心は誰にも負けない自信がある。

むしろこの溢れんばかりのツインテール愛が暴走しないか心配なくらいだ。

暴走したら即逮捕になりかねないし、というか長年触ってないから一度でもタカが外れたらどうなるか分からん。

 

「そう考えると、確かに私たちに似てるね。心象変化や歌の力で戦う私たちと、零士くんの想いの力。

でもそうなると零士くんの場合は、何を力に変えてるんだろ?」

「それに関しては零士さんにしか分かりません。ですが、その影響かどうかは分かりませんが、この腕輪は零士さんにしか使えないようです。以前の戦いから考えるとシステム的にはシンフォギアに近いと思いますが、どう位相差障壁を克服してるかまでは流石に……」

 

未来さんの言葉に答えようか悩んだが、タイミングを逃してしまった。

まぁ、ここじゃなくて全員に伝えた方がいいか。

それと位相差障壁がうんぬんはほとんどロックが掛かっているらしいから仕方がないだろう。

むしろ俺しか使えないことにびっくりしたくらいだ。

 

「後は()()()()()()()()()()()()()という単語も気になりますね。聞き覚えはありますか?」

「まっったくないです」

 

これに関してはさっきと違って、本当に分からない。

多分、俺には関係ないのだろう。

武器を取り出した時もオーラピラーの時も必殺の時も、必要なものは頭に解説が浮かんだし。

 

「そうですか……後は一番重要な使い方についてですが、これは皆さんと…零士さんの場合はさっき言ったことと変わらないと思います」

「私たちで言う聖詠ってことだね」

「じゃあ、ここで試してみよう!零士くんもどうやったら出来るか分かった方が困らないだろうし!」

「そうですね、その方がいいかもしれません」

 

そういって、エルフナインちゃんさんにコードを外された腕輪、テイルブレスを渡されたので俺は右手に装着する。

で、変身…と出来たらいいのだが、あいにくどうすればいいか分からなかった。

 

「…どうしたらいいんですかね、これ」

「心の中で強く念じてください。難しいなら、何か掛け声のようなものを決めたらやりやすいかと思います」

「掛け声か……」

 

確かに強く念じるのは難しいと思う。

だってさっき変身したのは変身したいというよりかはツインテールを考えたら勝手に姿が変わってたんだから。

しかし掛け声かぁ。

俺が変身するのはテイルレッド。変身アイテムはテイルブレス。

なら---

 

「よし、決めました!もしもの時はおふたりともお願いします」

「任せて!」

「うん、頑張って」

 

二人の実力なら仮に何かあっても大丈夫だろう。

でも近くでやって何かがあったらダメなので、俺は三人からある程度離れると視線を送る。

響さんと未来さんが頷いたのを見ると、俺は深呼吸をひとつ置く。

そして両足を広げ、右拳を握り締めると胸の前でテイルブレスを構える。

 

「テイル・オン!」

 

掛け声共に、右腕のテイルブレスが起点に光が放たれる。

赤い光の帯が身体を取り囲むように走り、繭状に形成される。

包み込むかのように纏われる炎のような光が弾け、自身の体が変化していく感覚と共に全身を強化スーツが包んでいた。

手足には紅の装甲、胴体は紅白と黒を基調としたボディスーツ。

この姿を語る上で欠かせない、情熱を体現するかのような赤い髪のツインテール。

そうして俺は文字通りテイルレッドに『変身』したのだ。

 

「お、おぉー……!?」

 

自分の体を見て、手を握って、やはり感覚が違うのを理解する。

オレは本当に女の子になっちまうらしい。

これはもうどうすることも出来ないようだな、まさしくツインテールの戦士…ってところか。最高じゃねえか。

 

「やはりシンフォギアに似てますね…零士さんのネーミングを借りるなら、テイルギアといったところでしょうか」

「テイルギア……いいな、それ!採用だ!」

 

これがテイルギアか。

流石エルフナインだぜ。オレの理想的なネーミングにしてくれるなんて頭が上がらなくなりそうだ。

 

「どう?何処か体が悪くなったりとか、苦しいとかはない?」

「ああ、大丈夫だ」

「なら成功だね!何事もなくてよかったぁ」

「だな」

 

未来と響の言葉に答えつつ、彼女たちの優しさが身に染みる。

純粋に心配してくれて、オレのために時間まで作ってくれて、本当にお人好しな人たちだと思う。

だからこの力で、今度こそ守ろう。

約束を果たすためにもやらなくちゃな。

 

「起動は成功ですね…バイタルも異常は見られません。いえ、むしろ活力に関しては()()してますね。それも属性力(エレメーラ)の影響でしょうか。出力も前より上がってるように見えますが……」

「ん?別にそんな感じはしないけどなぁ…」

 

いつの間にか見られるように設定していたのかパソコンの画面とオレを見てそう告げるエルフナインにオレは首を傾げる。

実際、テイルレッドになると力は溢れてくるが、以前と変わりは無いし特に戦う相手もいないんだから戦意もない。

もしかしたら、以前と違って迷いがないからかもな。今のオレは成すことを決めたんだから。

 

「で、これはどう戻ったらいいんだ?変身は問題なくても、このままじゃオレは生活出来ないんだが……」

「えー…もう戻っちゃうの?まだそのままでも良いと思うよ?」

「いやいや、オレ男だからな!?いつまでも女の子で居られないって!」

 

何だか響は割とこの姿を気に入ってる気がする。

確かにテイルレッドのツインテールは俺が理想とするものに限りなく近い。

宇宙のように素晴らしいの一言に尽きるが、いつまでもこの姿になってて、もしもの時に変身出来ませんでした、となったらダメだろう。

 

「可愛いのに……あっ、別に零士くんの姿が嫌ってわけじゃないからね!?」

「いや、そこは聞いてないからいいんだけど……そんないいのか?」

「実際、お人形さんみたいに可愛いよ?」

「そうか……」

 

男なのに可愛いと言われるのはどうなのだろうか。

あと別にオレの元の姿はどうだっていいだろう。ツインテールないし。

モテるわけでもないし好きな人がいるわけでもない。

ツインテールを触れられるならオレはどうだっていいのだ。

無論心は男というか、母さんが生んでくれた姿が嫌いなわけじゃないので戻れるなら元の姿で居るけど。

 

「で、どうなんだ?戻り方はあるのか?」

「変身の解除は元の姿をイメージするか戻るように念じたら出来ると思います」

「同じ感じか…うーん」

 

考えるのは苦手だ。

念じる方が早い気がするので、オレはテイルブレスに触れて目を閉じる。

すると今回は視野が上がった気がするので目を開けると、簡単に元の姿に戻れた。

ちゃんと男である。

た、タマがねぇ……!のセリフを言わなくて済んだ。

 

「これなら問題なさそうですね」

「です。弦十郎さんや皆さんに知らせる感じですかね」

「はい、今分かったことだけでも報告しましょう。時間は掛かると思いますが、これからは少しずつ零士さんのテイルブレスを解析していく形になるかと…」

「その方が助かる、かな」

 

まだまだ分からないことが多いのがこのテイルブレスだ。

そもそもテイルレッドの力が本当にノイズやアルカに通じるかと言われるとまだ不安要素はある。

何より、世界蛇のような敵がまた出てきたとき、俺の力は必要になるはずだ。

世界が俺を否定しようとするなら、どんな脅威が現れるか分からない。

とにかく今は報告をしに---

 

「あ、待って。まだ試した方がいいんじゃないかな。慣れた方がいいだろうし」

「……えっ」

「確かに未来さんの言う通り、何度か試した方がいいとは思いますけど…大丈夫だと思いますよ?」

「でも、『もしも』があったらダメでしょ?零士くんだって咄嗟に使えるようにした方が安全だと思うの」

「あっ、確かに」

 

未来さんの言葉に肯定をする響さんだが、俺も納得してしまう。

いや、あの。でもひとりじゃダメですかね?それかシミュレーション室とかで……あっ、ダメ?だよね、何かあったら止める役目で居ますもんね。まだ戦闘許可されてないもんな。

…仕方がないか。

 

「テイル・オン!」

「わぁ、レッドちゃんっ!」

「おわあぁ!?」

 

光が弾けた瞬間、オレの視界に移ったのは真っ暗な世界。

薄々そうだと思ったよッ!そう来ると思ってたよっ!

 

「と、というか、レッド…って!?」

「テイルレッドちゃんだから、レッドちゃん。分かりやすいかなって!」

「お、おう……てか、ちょ、く、くすぐってぇから!」

 

響はオレの頬に頬擦りしてくる。

毎回なにかされてる気がするんだけど、この姿ってそんな魔力あんの!?

確かにツインテールはずぅっと触りたくなるくらいには魅力的なのは分かるけどさぁ!

 

「レッドちゃんかぁ…うん、確かにその方が呼びやすいかもね」

「何でもいいから手伝ってくれ!!」

「あ、ごめんね。でも私ももう少しその姿見たいし…もうちょっと我慢してくれる?」

「…え」

 

割と真剣なまでに叫んでしまうオレだが、まさかの未来の発言に固まる。

どうやら助けは無さそうだ。

しかしここで変身解除をするわけにもいかない。やったら逮捕間違いなしだ。

この姿だと女の子同士だから、これくらい普通なのだろうか。

…心は男であることを忘れないで欲しい、切実な願いだった。

 

「レッドちゃんの肌柔らかくてクセになっちゃいそう……それにとにかく可愛くて癒されるよーっ!」

「体も女の子になってるみたいだもんね。やっぱり色々と変わってるのかな……私も色々と触らせてもらおうかな」

「え、ちょっ…ま、まっ」

 

好奇心か、それとも元々そのつもりだったのか。

何だか嫌な予感を感じとった俺はじりじりとにじり寄ってくる未来から逃れようとするが、響がオレを離さない。

というか力強っ!?バフでもかかってんのか!?

 

「大丈夫。痛くはしないから……ね?」

「や、やぁ……」

 

痛くしないってなに!

痛くしないってなに!?本当に何する気!?

 

「ふふふ……えいっ」

「ひゃあ!?や、やめろー!そ、そこはダメ---ぎゃああああー!?」

 

この瞬間、オレの思考は間違いなく止まった---

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「……そういえば、テイルブレスの中にある膨大な情報の中で抜き出せた最後の単語……、関係ないと思ってましたけど、これって何かの暗号、なのでしょうか…。

既存する言語に該当しない……?でも日本語に変換すると恐らく…()()ですかね……?」

 

だからなのだろうか。

エルフナインちゃんさんがパソコンとにらめっこしながら何かを言ってたようだが、俺は何も聞こえなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「えっと……どういう状況なの、これ」

「あたしに聞かれても知るかっての。そこのバカの仕業だろ」

 

司令室に連行されたオレはテイルレッドのまま、既に揃っている中壁に座り込んでいた。

ツインテールだけは、地面につけないように膝に置きながら。

 

「だ、大丈夫ですか…?えっと、零士さん…?」

「なんだか元気がないデス…」

「目が死んでる」

 

心配するように覗き込んできたセレナと切歌、調に対しても何かを返す気力が湧かない。

 

「……もうお嫁に行けない」

「いや、本来の姿から考えるに嫁ではなく婿ではないだろうか」

「そこじゃないと思うぞ、翼」

「本当に何したんだよお前」

「ぎゅーってしたり、抱っこしたり撫でたり……色々?」

「あはは……レッドちゃん触り心地良くて、私もついやりすぎちゃったんだよね。擽ったりとかもしたんだけど、感度良いみたいで…スイッチが入ったというかなんというか……」

「本来なら止めそうな貴女がそうなったのね……はぁ」

「大切な何かを、失った気がする……オレは、本当に男なのか…?いや、オレは…ツインテール……」

「思ったより重症デース!?」

「メディカルチェックをした方がいいかもしれない……」

「ええっ!?本当に何があったんですか!?げ、元気出してくださいっ」

 

もう誰が誰なのか分からず、虚ろな目でただ天井を見上げる。

ああ、無機質な天井しか見えない。

そうか、これが原作介入した上に本来は存在しないオレが表舞台に上がってしまったからなんだな…これが、オレの罪なのか……。

 

「何があったかは知らんが……エルフナインくん、零士くんの持つ腕輪は調べられたのか?」

「あ、いえ…それが---」

 

何もしてないのに力尽きてるオレは話を聞く気力すら湧かないが、慰めるように優しくしてくれるセレナに別の扉を開きつつあった。

やだ、この子、すごくやさしい……テイルブレスを調べる前もそうだったけど。

俺の中にツインテールがなければ惚れてた……。

 

 

 

 

 

 

 

 

「---ということなんです」

 

結局情報はオレたちに話したことと同じだった。

テイルブレスのこと、テイルギアのこと、システムが厳重なこと、属性力(エレメーラ)のこと。

何も新しい情報はなく、そのまま全て話していた。

 

「そうか……零士くんの好きなもの、それこそ彼が人生をかけるほどのものを戦う力に変えているということか」

「ですが、どういったものを変換してるのかまでは分かってません。それが物なのか人なのか感情なのか別の何かなのか。

心の拠り所と言われましても人によっては千差万別。

となると、力が安定するかどうかは零士さん次第になっていくかと……」

「当人は分かってないのか?そういうのって本人の心持ちみたいなもんだろ?」

「直接聞いた方が早いのは確かね。ただ今の彼女に聞けるかと言われると……」

 

奏とマリアの言葉が皮切りとなったのか。

ふと視線に気がついて顔を上げると、みんながオレを見ていた。

これは話して欲しいってことだろうか。ここで自分の好みを暴露しろと……いいけど。

 

「…大丈夫ですか?話したくないなら、話さなくても大丈夫ですから」

「無理は禁物」

「うん、話したくないこともあるだろうしね!」

「…響、私たちが今言うのは間違ってるんじゃないかなあ」

「そいつがそうなった原因のひとつってお前だからな?」

 

いや、そこまではもう気にしてないんだけど…。

割と理解されなさそうなんだよな。前世でも今世でも何言ってんだこいつみたいな目で見られること多かったし。

受け入れてくれたのなんて幼馴染と親友二人だよ。

やばい、あいつらさては神なんじゃないか。もっと大切にしよう。

流石陽キャ聖人イケメンと頭脳明晰クールイケメンだぜ。

でもこの姿は見せられないなぁ……。

 

「だが情報がないのも事実。鮮明になっていない状態で戦場へ赴くのは危険だろう」

 

最もだ。

別に引かれたっていい。受け入れて貰えなくたっていい。いやツインテールに拒否されたら辛すぎて死ぬ。

それはともかく、これから先のことを考えればオレは戦いに参加すべきだ。

彼女たちを今度こそ守りたい。知識がある分、今度はもう、掴める命を逃したくない。

だから---

 

「話すよ。オレはこの姿、テイルレッドになった時からずっと身近に感じられるものがある。それを思い描くだけで、力が湧いてくる。何が力の源になってるのか、感覚でわかっていた」

「本当か?ならば、君の力は一体……」

 

弦十郎の言葉に返事する前にオレは深呼吸をひとつする。

大きく息を吸い込み、吐いて、勢いよく立ち上がったオレは宣言するかのように、声を挙げた---!

 

「オレの力は---ツインテールだッ!!」

 

声が木霊する。

司令室に響くような、空間に轟くような、世界に届くような叫び。宇宙を突く声。自信満々に言ってのけたオレ。

---時間が、止まった気がした。

おかしいな、オレは確かに確信を持って宣言したはずだ。誰も身動き取らないんだけど。

……さてはオレのツインテール愛を前にして圧倒でもされたのか?

強敵たちと戦った装者どころか、あのOTONAたちですら言葉を失うとは、やはりオレのツインテールは無限だ。

帰ったら光聖や識に自慢しよう。

 

「ツイン、テール……だと?」

「………デス?」

「……怪獣の方、かしら」

「違うッ!ツインテール!髪の方だっ!」

 

なんて間違いをするんだ!

ってそういえばマリアってULTRAMANとコラボしてた時に行ってたな…あの世界にツインテール居たっけ。

だけど、どちらにしても許されない、それだけは許されないぞ!

確かに古代ツインテール語の文献には古代怪獣が語源となっている説があるとかなんとかあったような気もしなくもないが。

もしそうなら素晴らしい髪型を生み出してくれた、と尊敬する。

 

「ほら、調みたいなの!オレみたいなの!!」

「…わたし?」

 

自身のツインテールを(丁寧に優しく)摘みながらオレは証明するように見せつける。

 

「えーと……つまり?」

「零士くんは髪型のツインテールがすごく好きってこと……だね」

「これはまた、奇怪千万なもの力に変えているものだな」

「はははっ、面白くていいじゃないか」

「す、好きなものがあるのはいいことですし……」

 

おかしいな(二回目)

ちょっと空気が硬いんだが。

オレは何か、間違えたのか。いや間違えてないはず。

ツインテールを好きだと語って何が悪い。

 

「……なぁ、あたしの頭がおかしくなったわけじゃねぇよな」

「安心しなさい、現実よ。……頭が痛くなるけどね」

「なるほど、やはり属性力(エレメーラ)とは生物が当然ながら持つ感情でも元素でもなかった……ということですか。友情や家族愛、そういったものは本能で持っているもので特別打ち込むようなものではない……どちらかというと崇拝するもの。

いわゆる呪物崇拝、フェティシズムと呼ばれるものだったんですね」

 

…そんな解説されたら流石のオレも反応に困るだが。

まるでオレがツインテールに性的興奮を覚えるみたいじゃないか。

魅力的なツインテールがあったら、ちょっとあれ、衝動が湧き上がってくるだけだ。

 

「ない話ではありません。いつの時代にも人が見せる執着というのは大きなエネルギーを生み出しますから」

「しかしこれはまた……想像の斜め上を行ってきたな……。だが、彼がそれほどの思いを抱えて生きているというのなら、それは誇れるものだ。

現にその想いが彼に力を授けた。

俺たちにとってはそれほどのものでなくとも、彼にとってはとても大きなものなのだろう。結構なことじゃないか。俺はどんなものでも堂々と好きだと言えるのは良い事だと思うぞ」

「………!」

 

なんだ、このOTONA…!

そんなこと言ってくれたのは生まれて初めてだ。

受け入れてくれる人は指で数えれる程度にはいたが、まさか肯定してくれるとは……。

 

「ただそうなると……まずいかもしれません」

「……ん?」

 

わっつ?

 

「……エルフナインくん。それはどういうことだ?」

 

同じく思ったのか弦十郎さんが聞いていた。

オレもよくわかんない。

 

「はい、零士さんにとってそれほど大事ってことは、零士さんはその想いを精神エネルギーとして戦う力に変換してます。戦う分には問題無いと思いますが、もし何らかの手段で力を奪われるか失いもすれば、その想いが消える---活力を失うということ。

活力を失うということは……」

「まさか……死ぬってわけかい?」

「…そうなるかと」

 

驚くような反応が多々見られる。

だけど、オレも否定しきれない。

だって響と未来と過去に会ったオレがあんな感じなんだぞ。あれですらツインテールに対する想いがちょっと残ってたけど、消滅しようものなら生きてる自信がない。

というか、絶対死ぬ。自信満々に言える。

 

「ですが今もテイルレッドさんの姿になっている通り、彼の変換されてるエネルギーはあまりにも膨大です。エネルギーさえ奪えば、利用方法はいくらでもあります。

それこそ、ボクたちで言うフォニックゲインで考えたら、()()()の彼の最大エネルギー量を計算していけば限定解除(エクスドライブ)と同レベルのエネルギーかそれ以上になりうるかもしれません。それを考えれば……」

「それほどの力、狙われる可能性も最も高いということか。しかしそれほどのエネルギー……本当に人間が持つことは可能なのか?」

「そうなります。

ただ数百年、数万年生きた錬金術師や先史文明の時代、神のような存在ならともかく、一般人となると普通は有り得ません。

ですが、現に零士さんという存在が居ます。となれば、零士さんには特別なナニカがあるのか、それともその属性力---ツインテール属性と称しますけど、それが特別な場合もあります。これらに関しては調べていくしかありませんが……恐らく両方かと」

 

翼の言葉に肯定を示すエルフナインだが、オレからすればそろそろ分かりやすく教えて欲しい。

聞くしかないか。

 

「……あの、つまりオレはどうしたら?そもそもどういうこと?」

「えっと…分かりやすく言うと、零士さんの存在が世界を揺るがすということです」

「……はぇ?」

 

嘘、だろ……?

オレのツインテールは、ついにそこまで来たのか……。世界を揺るがすほどのツインテール愛…ということか!?

選ばれし者見たいになってるな…かっこいい。正確には狙われし者なんだけど。

 

「存在そのものが原子力みたいもの…ということね。確かにそれほどのエネルギーを蓄えている存在がいるとなると、利用しようとするものは必ず現れる……」

「だったら使わせなきゃいい話だろ?」

「…持ってる、という時点でダメなんです。あくまで『戦う力』に変えてるだけで、ツインテール属性自体は零士さん自身が持ってますから」

「……聞いておいて何だけど、凄いバカバカしい話だな」

 

なんだか失礼なことを言われた気がする。

ツインテールが世界を揺るがすってだけだろ?つまりこの世界の命運をツインテールが握ってるってだけで何も違和感はないじゃないか。

 

「結局のところは、零士くんの想いが強すぎて危険って話だよね」

「えへへぇ、褒めても何も出ないって〜」

「可愛いけど褒めてないよ!?」

 

あれ!?未来のその発言は褒めてないの!?

 

「言ってることよく分からないけど……私たちが守ればいい!」

「身も蓋もない……」

「でも分かりやすくていいデス!」

「ですけど、いつでも守れるわけじゃありませんよね。今は私や天羽さんも居ますけど、ずっと居られるわけじゃありませんし……」

「そりゃそうだな。協力出来る時は当然来るけどさ」

 

それはそう。

セレナも奏もいつだっていられるわけじゃない。

というか。こっちの世界の戦力が多いだけで二人の世界は戦力が少ない。

奏の方は錬金術師がいるが、セレナの方はとにかく少なすぎる。

…いっそのこと、オレが向かった方がいいレベルだろう。

シンフォギアじゃないから渡れるか分かんないけど、無理ならツインテールで突破するだけだ。

 

「となればやることは一つ」

「ええ、早速でもやった方が良さそうね」

「え?え?」

 

左右に来た翼とマリアがオレの腕を掴んだ。

身長差もあって悠々と浮くオレ。

まるで子供じゃないか……。

子供だ。

 

「あ、あのぉ……」

「心配するな。キミの両親には俺たちから連絡を入れよう。元々協力を扇ぎ、キミが承諾した時から決めていたことが早まっただけにすぎん」

「……もしかして」

「嗚呼、こういう時こそ特訓だッ!」

 

ですよねー!!

オレが狙われる→装者たちもいつも居られるわけじゃない→テイルギアの性能がよくてもオレ自身は弱い→自分の身を最低限守れなければ意味もない→じゃあ特訓ということだろう。

この人らしい!

 

「タイミング良く、今日はこれほど装者が居るんだ。様々な状況下の戦闘経験を積むにはもってこいだろう」

「まっ、それしかねぇよな」

「アタシらも普段相手しない相手って考えたら、いい経験になりそうだしいいね」

「年齢は同じでも、ここでは先輩デス!タイタニックに乗った気分で任せるのデス!」

「それだと沈んじゃうよ、切ちゃん……でも頑張ろう」

「私も…力になれるか分かりませんけど、頑張りますね」

「大変だと思うけど、それで少しでも危険性が減るなら、一番だよね」

「よーし、みんなで零士くんの特訓だねっ!」

 

オレに選択肢はなかったッ!!

というかこの雰囲気で断れる気がしない……!

 

「お、お手柔らかに……」

「加減は無用。立派な戦士へと叩き上げて見せよう」

「心配しないで、危なくなったらちゃんと止めるわ」

 

あっ、これ加減されないやつ……。

助けを求めるようにエルフナインに手を伸ばすオレは、最後に苦笑いする彼女の姿を見ながら装者たちに連行されていく。

ああ、せめて自分で歩かせて---

 

 

 




第六回、キャラ紹介。
○小日向未来
年齢:17歳 / 誕生日:11月7日 / 血液A型 / 身長156cm / 3サイズ:B79・W54・H82(Wikipediaより抜粋)
好きな食べ物はかき氷。

容姿としては髪型はショートで後頭部に大きな白いリボンを結んでいる。髪色は黒髪。主人公から見たら美少女。
性格:控えめで内向的な面があるが、響の影響で誰かが困っているところを見ると放っておけない一面もある。

来歴:響の幼馴染で、二年前(四年前)のツヴァイウィングに響を誘ったが、家の事情で行けなくなったので被害を免れた。
後に起こったフロンティア事変において神獣鏡のギア装者となる提案を受け、受諾したことにより、LiNKER投与および洗脳改造される形で一時的に装者になる。
しかしその時のフロンティア事変に於いて響と共に神獣鏡の光線を浴び原罪が解除されてしまう。
それが後に「神の力」と融合させる依り代として利用され、シェム・ハに体を乗っ取られることになるのだが、響によってシェム・ハが体から追い出された後は意識を取り戻し、ファウストローブ版の神獣鏡を纏ってユグドラシルシステムの破壊に参加。
システム破壊後は響と共に「神様も知らないヒカリで歴史を創っていける」とシェム・ハに宣言し、原作にあたるほんへは終結した。

使用ギア:神獣鏡(シェンショウジン)
最弱にして最凶のシンフォギア。紫のボディーカラーと獣の牙の様に開閉するバイザーが特徴。アームドギアは扇子で技使用時に開いて展開したり銃のような使用も可能。
この聖遺物は他のシンフォギアと比べると低スペックだが、最大の能力は聖遺物の力を分解する能力。
さらに脳へのダイレクトフィードバックで身に着けたバトルパターンによる驚異的な戦闘能力を誇り、イチイバルの攻撃を喰らっても問題なく戦闘が行えるなど身体能力も向上し、凄まじいポテンシャルを誇る。
こちらの世界でも絆結ぶ赤き宝石で怪物化したカーバンクルの宝珠を助けてあげたいという思いから弦十郎に直談判を申告して事件解決に貢献、以降正規装者となり戦闘参加を行うことになった。

原作と異なる過去:実は翳り裂く閃光ルートに近い世界軸で、生存者に対するバッシングが強まり、庇っていた未来にも被害が行きつつあったところを死ぬ気満々だった主人公が割って入ることにより、無事に阻止(その際に主人公が割とやばい怪我を負ったが、そのまままとめてヘイトを引き受けたことで引っ越しの話がなかったことになった)
その後は度々相談や雑談する仲にはなり、気を許せるほどにはなっていたが零士が引っ越ししたことにより関わりが消える。
しかしそんなファインプレーをした割には偶然その場に居合わせるなんてことが二度もあるはずはなく、実は……。

そんなこともあって割と零士に対する信頼度は高く、響につく悪い虫判定ではなくちゃんと異性として認識している……のだが、テイルレッドの姿はかなり気に入ってたりする。
このままではいずれ彼の尊厳が破壊されるかもしれない。まあ(特に周りに被害はないし)ヨシ!
何気に初見であの認識攪乱装置(イマジンチャフ)に違和感を持ってた上に破ったやべーやつ(いずれ零士の失言が無くても気づいていた)

おまけのIF:この際に零士が居なければ引っ越しの話が出て響を一人残すことになるので、翳り裂く閃光ルートへ。
しかしルート確定になると割と厳しい状況になる。
無論、零士がほんへ開始時にテイルレッドになって帰ってきて覚悟が決まってたら何とかなる(ただしその場合は零士がGXで進化しなければ最終決戦、XVで覚醒しないとシェム・ハ戦で彼は敗北する模様)
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