ドラえもん のび太の大魔境 second season 〜もう一つの伝説〜 作:田舎者
「いよいよ作者にも夏休みが始まったらしいねー」
のび太
「夏休みは「大長編ドラえもん」の代名詞でもあるよね」
静香
「でも「ドラえもん」じゃ同じ夏休みが永久に回ってきてるような…」
ジャイアン
「まともな返しはいらねーぜ、しずかちゃん」
スネ夫
「皆さんもしっかり夏休みを楽しみましょう!
さあ!始まるよー!」
のび太らが鬼岩城を目指している頃…
怪我による気絶から目を覚ましたペコはバウワンコの天才剣士、サベールの過去の事について話し始めていた…
ペコ
「サベールは王国から遠く離れた辺境の地で産まれました。しかしそのサベールの故郷は……被差別部落だったのです…」
静香
「………え?」
ペコの言葉に、静香は思わず聞き返した。
ドラえもん
「産まれただけで差別を受ける地域か……バウワンコにもそんな物があったなんて…」
ペコ
「今では考えが変わり、差別を受ける人は殆どいなくなりましたが……当時は酷い仕打ちを受けていたそうです」
ペコは話を続けた……
ペコ
「サベールの両親は、サベールを産んだ直後に離婚し、母子家庭でサベールは育ちました。彼は今や屈強な剣士ですが、幼少期は喧嘩も弱く、とても泣き虫だったそうです」
ドラえもん
「あの厳格だったサベールが……」
ペコ
「学校では部落出身者と言う事でサベールは陰湿かつ壮絶ないじめを受けたそうですが、彼が泣いて家に帰ると、サベールの母はサベールが泣き止むまでずっと頭を撫でて励ましていたそうです…」
ジャイアン
「……………」
ジャイアンは腕を組み、ひたすら黙ってペコの話を聞いている。
ペコ
「サベールの心の依り代は…彼の母だけでした。 しかし…ある事件をきっかけに、彼の人生は大きく変わることになります…」
ドラえもん
「ある…事件?」
ペコ
「彼がまだ13歳の頃です……。ある雨の日、サベールの家に突然強盗が押し入ってきたのです…その強盗はサベールの故郷の村の住居を立て続けに狙い、殺しをも躊躇わない非情な強盗でした」
静香
「……悪質ね」
ペコ
「サベールの母は強盗からの攻撃からサベールを庇い……そのまま帰らぬ人となりました…」
静香
「そんな…」
ドラえもん
「……酷い」
ドラえもんと静香は事の理不尽さに、思わず俯いてしまった。
ペコ
「母が強盗から攻撃を受けたことに激昂したサベールは、人が変わったように剣を取り、瞬く間に強盗2名を殺害しました…。彼の片目の傷は、その際に付いた様です…。その日から彼は変わりました……ただひたすら、剣士として腕を磨き強くなる…自分の目の前で死んでいった母の為に…」
ジャイアン
「…………」
ジャイアンは目を瞑り、腕を組んだままだった。
ペコ
「そしてその腕を私の父に見込まれたサベールは、ついに王直属の騎士団のトップに成り上がりました。5年前に起こった王国の内乱の際には、『豪腕のブルスス』と双璧を成す若き猛将、『迅速のサベール』として、国の内乱を見事に治めたとして知られています。」
ドラえもん
「そういうことだったのか…」
静香
「でも…それじゃあ何故王様を裏切って、ダブランダーの手下なんかになったの…?」
ペコに疑問を投げかける静香だったが、ペコよりも早くジャイアンは答えた。
ジャイアン
「奴にとって…正義とは何か分からなかったんだろうな…ただ強い事が正義だと思ってたんだ…」
静香
「だから圧倒的な兵力を持っていたダブランダーの下についたのね…」
ペコ
「彼の過去は、間違いなく彼を強くしました……しかしそれと同時に、彼の過去は彼自身を苦しめるんです……。」
サベールは今、底の見えない闇を見ている…
ペコは、「どうしてもサベールを助けたい」
そう考えていた……
ペコ
「サベールは…元は私が幼い頃の剣術の師でした…。私はそんな彼を見捨てる訳には行きません。」
ペコ
「皆さん……彼を私たちのチームに入れるように説得しましょう、今ならまだ…助けることが出来るかも知れない」
ドラえもん
「……相当厳しいね…」
ジャイアン
「大丈夫だ」
ジャイアンは確信があるような目をして言った。
ジャイアン
「奴は必ずチームに入る……奴に善の心がある限りな」
サベールのチーム入り…それは大きな力になると考えたペコは何としても彼を仲間に加えようとしていた……
チッポ
「みんな、今夜はどうする? よかったらうちに泊まっていかないか? おいらの親にも話はつけたよ」
時刻は既に18時を迎えている。
夕日がジャングルを照りつけている時間だ。
静香
「でも…のび太さん達はどうするの? すぐに応援にいかなきゃ…」
ドラえもん
「かと言ってペコをこのまま置いて行くわけにはいかない…サベールの件もね」
ジャイアン
「今は信じるしかねえ……奴らの腕をな」
こうして一日目は終了し、全員は眠りについた。
そんな彼らを、木の上に座った小さな猿の様な生き物は見ていた…
???
「……ムギー!」 シュッ!
そしてそれは瞬く間に姿を消した。
場所は宮殿の一室、敵のリーダー格の男は王の椅子に座っている…
???
「成る程な……逃げ失せた王国の住民共はジャングルに集落をつくっていたか……それにやつらも4人ではあるがそこにいるとはな…」
猿の様な生き物はジャイアンらの偵察をおこない、それを敵のリーダー格に報告するという役割を担っていた。
???
「残った住民と小僧らの始末は私の部隊に任せてもらおうか」
一人の幹部が機会音の入った声で言う。
???
「よかろう…もうあの部隊は配備してあるのか?」
???
「もうすでに済ませてあるわ…奴らを消すためにな…」
???
「流石、手際が良いな……メカトピア総司令官、『ゼクト』…! あの兵団を率いていただけはある。」
総司令官
「明日の夜…襲撃を開始する。生け捕りなんぞ甘ったるい物は要らぬ……皆殺しだ…!」
敵の幹部…「ゼクト」 別称:「総司令官」は明日の襲撃に向けて準備を始めた…
しかしジャイアン達はその事実を知らない…
今回は、澤野弘之氏の「K2」という曲を流し、それをイメージしながら執筆を行いました。
サベールの過去や彼の心中の闇と良くマッチしている楽曲なので、良ければお聞き下さい(笑)
さて、敵の幹部の一人が発覚しましたねー
何故倒した筈の総司令官が生きているのか、それは後々…
それではまた!!
※ゼクトとは私が命名しました。命名した理由は、総司令官だけでは何かと書くのが不便だからです(笑)
元ネタは、某ライダーシリーズに登場する組織です(笑)