俺の黒歴史がチート呪物で、恥ずか死ッ   作:ミント 

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呪王と悪魔

 

 

作戦開始数十分後...ロイド部隊(一名)

 

 

 

ラキュース達に自信満々に任せろって言ったのに、迷子になりましたロイドです。

道間違えたな、と気づいてからダッシュを決め込みました。いやマジで、一般人の目じゃ見えないくらいの速さで走りましたから。音速軽くこえてましたから。情状酌量は貰えますか?

八本指に同時で攻撃するつもりだったのに...俺のせいで作戦失敗したらどうしましょ。

 

 

 

 

 

 

って不安になってた時間返せよ。なぁ...

 

 

...怪物(モンスター)

 

 

 

『そこで何をしている...(聞かなくても分かってるけど。)』

 

暗くてよく見えないけど、聞こえる。くちゃくちゃと、何かを貪る音が。

 

「お肉食べるー。人間の。」

 

おかしいな。俺の担当は麻薬部門だって聞いたんだけどな...まさかの食人タイプ。うわ、腕見せないで...きも。

 

『八本指は人間の組織だと思っていたが、モンスターもいたのか。』

「あのさー、お互い見なかったことにしない?」

 

俺の勘がヤバい奴だって警報鳴らしてる。食べてる人間は屋敷の人間か?仲間割れ?こいつホント何者だよ。

 

『無理な話だ。`解析(アナラシス)´(...蜘蛛人?俺以外の連中だったら、負けてたかも...)』

 

この魔物見たことないタイプだな。目の前に人間がいるのに逃げも襲いもしない。俺を餌だとは思わないのか?知能がある。

それにその服...ハイカラなメイドみたいな...この世界にも日本みたいな文化があるのか?

 

ダメだ...今は戦闘に集中しないと。

 

『(魔法なしだと少しキツいか......ん。誰かが来る前に倒そ。)』

 

俺は羞恥心を抑え、本をパラパラとめくった。

 

 

闇の大剣(ダークネスガリバー)!』

 

俺は大剣を構えて、メイドへ振り下ろした。ゴォンと音と共に俺はメイドの腕に防がれた事に気づいた。

 

マジかよ。武装ごと斬る気だったのに。

 

「'蝿吐き'」

『ッチ』

 

メイドの口から大量の虫が吐き出された。間一髪直撃は躱せたが、虫は俺に向かって迫ってくる。数えられないほどの虫を払いながら距離を取った。

 

『(ヒェ虫や、虫の大群や...殺虫魔法とかあったっけ?...ある訳ないかー。)'式神召喚(ダークバード)'。虫を喰らい尽くせ』

 

俺の影から作られた鳥たちが虫に向かって突っ込んでいった。鳥はあくまでも気を引くための手段。俺は烏による死角を利用して一気にメイドの懐に入り込んだ。

 

『(...何だろこの違和感、誰かに見られてる?)'深紅の轟(スカーレットドン)'』

「フグッッ」

 

俺が唱えた瞬間に、手元が爆破しメイドが吹き飛んだ。簡単に吹き飛ばされたメイドの体は意外と隙だらけで、俺は即座に大剣を持ち構えた。そして大剣の()でメイドを思いっきり地面に叩きつけた。

 

ドゴォンと容赦のない攻撃に、地面は歪みメイドは倒れた。

 

「カハッ」

『(初撃で斬れなかったから、叩き潰す気で振るって正解だった。)人間だったら、武具ごと骨が砕けてたな。(意外と弱い?戦い慣れてないのか?)』

 

もぞもぞとくソレはしぶとく生き残る虫のようで前世の新聞紙で叩いた後のGを思い出してしまった。消え去りたい記憶だ。

 

『(まだ生きてるのか...)しぶとさも虫譲りか。(もしかして、こいつが八本指か?強かったし。情報が間違い?)』

 

 

「おい、」

『(ん?あれ、こいつ確か)ラキュースの仲間か。何かあったのか?』

「私はイビルアイ。そしてそれはこちらのセリフだ。お前ほどの奴が制圧を終えてないと聞いたから、わざわざ確認しに来てやったのだ。」

 

辺りを見回してみたが、このイビルアイって仮面の子しかいない。ということは、先程の視線はこの子......もしかして厨二魔法見てた?見てないよね?ね?......見てないと信じよう。俺にはそれぐらいしかできない。

 

『そうか、心配をかけたな。(迷子になってたのは秘密。)』

「それはラキュースに言ってやれ。......で、コイツは何だ。」

 

それは俺も知らん。よく見たら、顔にヒビがあり所々割れている。どういう原理?教えて偉い人!

 

『八本指の一人じゃないのか?人を食べていたから、倒したのだが...』

「こんなモンスターがいるなんて聞いてないな。私の仲間が協力して勝てるくらいの強さだぞ?お前、よく一人で倒せたな。本当に人間か?」

 

まさかの人間否定。初撃防がれたから超焦って、相手が本気を出す前に叩いただけたし。

 

『(前世も含め、)生まれながらに人間だ。...トドメを刺す。捕らえても持て余すだけだからな。』

「あぁ、」

 

こいつが八本指じゃないってことは、八本指はまだ屋敷の中か?...庭で戦闘音聞こえたら普通逃げるくね?

それともさっき食べられてた奴が?......え?俺が迷子になったせい?...俺戦犯?八本指の一人が逃亡or腹の中とかマズイよね。

 

 

 

...よし。俺は迷子になっていない!着いた時にはメイド服のモンスターが暴れてましたってラキュース達に言っと___

「それぐらいにして頂きましょうか」

『「!?」』

 

 

 

 

 

 

 

地面に伏したメイドに近づいたらいつの間にか目の前に男がいた。気づいたらいた。

 

「こいつ、どこから...」

『(やっば、反応出来なかった...)』

 

「大丈夫ですか?ここからは私が引き受けますので、あなたは先に帰って休んで下さい」

 

 

格が違う。逃げよう。つか、今ので俺達殺されてたかもしれないのか?完全にナメられてるな。ムカつく。

 

「逃げるぞ」

『分かってる。』

 

「お待たせしました。さっそく始めましょうか。」

 

男はこちらに振り返ると同時にドーム状の魔法を展開した。何の魔法かは分からない。魔法についてはほぼ無知。

 

「ッチ転移魔法が!」

『(転移魔法が無効化されたのか?戦うしか選択肢を与えないってこと......なら、)』

 

俺は腰にある刀を抜いて構えた。大剣を使わないのは、メイド相手にそこまで効かなかったからだ。少なくともメイドより強い相手に使うわけが無い。

 

『イビルアイ、援護しろ。'式神召喚(ダークドール)'!イビルアイを守れ』

「チッ簡単に言ってくれる!」

 

イビルアイに補助魔法をかけてもらい、男...いやこいつ悪魔だな!?'解析(アナラシス)'するまでもなく悪魔だったわ!なんでこんな所に悪魔がいるんだよ。

 

俺は悪魔に向かって刀を振るうが、鋭い爪で防がれてしまった。ギチギチと音を鳴らし、すぐさま連撃を放ったが全て防がれた。完全に手加減されてるな。

 

悪魔からの素早いが意外と軽い攻撃に何とか対処しつつ距離をとる。また攻め込む、これを何度か繰り返した時、悪魔は急に口を開いた。

 

 

 

「貴方聞いていたよりも、厄介ですね。こちらのデータが通じない。」

『データ?』

 

俺が距離を取ったタイミングで悪魔は何故か話し始めた。

 

「えぇ、例えば先程戦っていた彼女と貴方レベル差...20以上はあるでしょうね。」

『(レベル差?...)』

 

レベル?なんて?この世界ってそんなものあったか?......位階とかあるけど、20もないし。

 

俺の困惑を知ってか知らずか、話し続ける悪魔。

 

「貴方は彼女に圧勝した。これは問題ありません。レベル差から言って当然のことです。」

『(仲間が負けたのに問題ないのか...)』

 

「問題なのは、貴方の初撃です。彼女に防がれましたね。レベル差20ある貴方の攻撃がタンクでもない彼女に...何故です?」

『(初めから見てたのかよッッ!!)...何故と言われても......(何も分からないんだが...)』

 

俺が返答に困り黙ったところで、異様な沈黙が場を占める。これは答えられない俺が悪いんじゃなくて、急に質問してきたアイツが悪い。

 

......。

 

『......(この空気どーするんだよ!)もういいか。』

「はい。応えることは無いと分かっていたので。」

『(なんだコイツ。)そうか......』

 

何か変に冷静になってきたわ。焦っていた頭からスっと、落ち着きが浮き上がってきた。

 

 

 

コイツって悪魔だよな...

 

今の俺で倒せる敵じゃない。

 

魔の使い...

 

本気で逃げようとすれば逃げれる。

 

悪魔だ悪魔

 

でも、、ナメられたのなら...一発殴りたい。

 

 

 

 

 

 

 

悪魔なら

 

 

 

 

 

悪魔なら

 

 

 

 

敵なら

 

 

 

 

敵なら

 

 

 

 

敵なんて

 

 

 

 

 

 

 

 

俺より敵なんて

 

 

 

 

 

 

 

呪われればいい。

 

 

呪 い あ れ

 

 

 

「?...!?これはッ__!」

「な、何だ...悪魔が急に...」

『一気に攻め込むぞ。』

 

一か八かの大勝負。俺お得意の()()。これは厨二感少なくて良いんだけど、五分の一で意識が一瞬消えるという致命的な欠点がある。そんなものを普段の戦闘中で使うわけがない。

 

 

「(あの人間は呪王と呼ばれていた。ということはこの謎の激痛は呪いか...。体がッッ、何故せいぜい80レベルの人間の呪いが私に効いている...)ッ'止まりなさい'!」

「ッグ」

 

!イビルアイの動きが止まった。言霊か?どちらにせよ。一人で接近攻撃は危険すぎる。俺はすぐに止まり、本を開いた。

 

 

『'天の雷(ヘブンストライク)'!』

 

俺は悪魔に防がれないように速さ重視でもある雷魔法を放った。さすがの速さに悪魔は防御が間に合わず魔法が直撃した。

 

「クッ...」

『(よし効いたな...でも、効果はいまいち。やっぱりダメージが大きいのは呪いか。呪いって持続ダメージだから、普段は使わないけしあと......今はそんな事言ってられないか。)』

 

 

()の敵を倒すためだし。

 

 

『〈災いをもたらす悪魔へ告げる。己の罪を数えよ。呪いを支配す我がお前に罰を与えよう。__』

「!させるとでも」

『(させろよ)』

 

俺が恥を忍んで詠唱を始めれば、悪魔は本気で抵抗しようと何かを召喚しようとしている。さすがにそれは止めなくてはと、詠唱を中断しかけた時......悪魔に向かって水晶の槍が放たれた。

 

イビルアイの攻撃は正確に悪魔が作った召喚陣を破壊したのだ。どうやら、本調子でもなく無理やり作った召喚陣はかなり脆かったようで簡単に消え去った。正しく最高のアシスタント。

 

『(ナイス、イビルアイ!)

__希望は呪いに反転する......〉

 

 

闇の断罪人(アルケーラグナロク)ッ!』

 

 

「ッッ...グッ!っ」

「すごい。あいつにあれ程のダメージを...」

 

ようやくまともなダメージを与えられたことで、俺は少し安心した。これが効かなきゃ打つ手無し、死ぬ気で逃亡するしかなかったからだ。そして......何故か俺は正気に戻ってしまった。呪いについて書かれたページを見てしまったからか、イビルアイの感嘆が聞こえたからか、何にせよアドレナリン先輩にはもう少し頑張ってほしかった。

 

『(アッッッ...グッ!っ....ムリムリイタイイタイイタイイタイ。死ぬて。ツラい。)』

 

ファァァアッと叫ぼうとする口を必死に閉じ平静を装う。

何故俺の魔法は厨二レベルが高い程威力が上がるのか。俺を(精神的に)痛めつけて楽しいか!?と言うかなぜ俺は今これを使った!イビルアイがいる前で!!引きこもりたいッッ

 

なんだ!?俺に残された選択肢である、(物理的)死or(精神的)死、を放置していた結果だと言うのか?

泣くぞ?吐くぞ?

 

俺は厨二レベルトップクラスを発動したことにより、瀕死()になった。いつもごめんよ、俺の胃...。あと少し耐えてくれ。吐血するのは一人になってからで。

 

俺の緊張感返して.......

 

 

 






男主が情緒不安定過ぎるって??
転生して、黒歴史見つかって、黒歴史を晒しし続けて、死ぬ気で戦う人間にまともを求めちゃダメだよ。

テンションが高いのは
迷子った焦り+食人魔物がいる困惑+二連戦の疲れ+ヤケクソ


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