とある岩と砂しか無い荒地で戦闘音がずっと鳴り響いている。
そこでは1人の男が人間ではない多くの異型と闘っていた。男の手には一冊の本。それが禍々しい気配を放っている。
男は異型を慣れた手つきで薙ぎ払う。自身の五倍はある巨体すらも男の前ではいとも容易く散っていく__
「ハッハッハ!我が歩み…止められるものなら止めてみろッ」
男が放った魔法が魔法が異型達を焼き払う。
それでもまだ残る異型達を目に男は狂ったように笑う。まるでおもちゃに夢中になった子供のように、男は楽しそうに戦場を駆ける
「魔物ごとき、我が魔法で屠ってやろう!」
男に襲いかかった数体の異型が雷魔法によって射抜かれ散った。
数体の異型が式神によって食われ散った。
突如男に向かって魔法が放たれた。
地面を抉り、異型を巻き込みながら近づいてくる魔法。
それに気づいた男は危なげなく魔法を避け、放たれた方角を見た。
「ほう...魔の王だな。ようやく出てきたか。見かけによらずビビりだな」
山のようにデカいその体躯。明らかに先程の
『久しぶりに楽しめそうだ......まぁ、お前にはここでは消えてもらうがな』
男が魔の王に向かって突き進む。先程まで戦っていた異型達には見向きもせず、既に男には敵しか映っていなかった
魔の王と呼ばれた巨大な異型と男が戦って数十分か数時間かはたまた数日か......男はそんな事を気にせず戦い続けた。
近くにいた
荒地では動くのは一人と一体のみ。
魔の王は身体中に傷ができており、血と思われるものを流していた
対して男は傷は無いものの肩から息をしており、汗を流していた
お互いの目が合った。
魔の王は動く。自分の体と同じくらい巨大な魔法陣を展開した。
男は何を思ったのか、フッと小さく笑い服を正した。
服についた砂を落とし、汗を拭った。
「成程強い。…良いだろう我を楽しませた褒美に我が封じられし力を見せてやろう!神すらも焼き尽くす我が魔法を拝めるのだ光栄に思え」
男は詠唱する。それと同時に妖しく光り出す本。
『この世の別れは済ませたか?消えろ__』
『ハッ……地獄のような夢を見た気がする…』
ベットから飛び起きた俺はそんな事を呟く。
「我」だの「魔の王」だの「封じられし力」だのかなりイタい事を言っていた気がする。
まぁ、今の俺にはクリティカルヒットだから痛いじゃ済まないけど。
何が嬉しくて夢も厨二に侵食されなきゃならんのだ。自分じゃないと分かっていてもキツいんだぞ。
俺は落ち着く為に外を見た。太陽は上に昇っていて、部屋を明るく照らしてくれる。青い空が俺を冷静にさせてくれ__
『あ……やっべ』
そう言えば八本指の拠点襲撃の全体作戦会議って今日だったな...
何時からだっけ……
確か集合が昼前で…会議がその30分後...
い、今の時間は………12時45分……
ち、遅刻だァァ!!
_____
「これで全員集まったかしら?」
「いやまだ同じアダマンタイトの呪王が来ていない」
「そう...前の依頼で押しているのかしら。」
「かもな。どうする?待つか?」
「...いえ、彼には後で私から伝えるわ。ここにいる冒険者には先に作戦を話しておきましょう」
呪王ロイド到着まであと数十分____