ヘルメッポの靴が想像以上に汚かったら 作:ぽんぽんよわよわ侍
おれの名はロロノア・ゾロ
街で子供を襲おうとしていたオオカミを斬っちまったせいで、もう9日間メシを食ってねェ。
あのオオカミは、海軍大佐を親に持つ七光のバカ息子が飼ってたものらしいからな。
一ヶ月、ここで
だが……
「あのね、私おにぎり作って来たの!」
「ハラなんか減っちゃいねェ。とっとと消えろ!」
あの時 助けた子供が、この場所に来ちまった。
おれに肩入れしちまえば、こいつも罪人にされちまう。
誰かに見つかる前に帰さねェと……!
「ロロノア・ゾロ! イジメはいかんねェ。親父に言うぞ?」
チッ、バカ息子が来ちまったか。
勝手に飯を食っておいて、砂糖が入っているとケチを付けて吐き出してやがる。
しかもあの野郎、残りの にぎり飯まで踏みつけやがった!
バカ息子が去ったあと、麦わら帽子のおかしな野郎がまた話しかけてきた。
一緒に海賊をやる仲間を探してるねェ……テメェから悪党になろうなんて物好きな野郎だ。
こいつの仲間になる気はねェが、一つだけ手伝ってもらうとするか。
「
「食うのかよこれ!? もう、おにぎりじゃなくて泥の塊だぞ? なんか、クセェし!」
「黙って食わせろ。落ちてんの全部だ!!」
う゛確かに臭うな。だが……!
バリッバリッモグッ!! クチュ モグ! モグ!
「ぐッ!!!?」
「だから言ったろ! 死にてェのか?」
「ガッ……! ゴブッ……あ、あのガキに伝えてくれねェか……!」
「何を?」
「うまかった、ごちそうさまでした……ってよ」
「……はは!」
───行ったか。
ごあぁぁ!? ぐ、腹が痛ェ。この程度で、根を上げるほどヤワな胃じゃねェんだがな……!
「ふぃ〜、やっとバカ息子から解放されたぜ」
「おい、滅多な事言うな! どこかで聞かれでもしたら……!」
「聞いちゃいないだろ? ウ○コ踏んでんのに気付かない位のバカだぜ?」
「ぷ、あれは間抜けだったな! 街の人が鼻をつまんでるのにも気付かないでやんの!」
「元々、鼻つまみ者だからな!!」
「「ワハハハハ!!」」
海兵の奴らがデケェ声で喋ってやがるから、聞きたくもねェ情報を聞いちまった。
おれの育った村に〝知らぬが仏〟なんて言葉があったが、まさにそれだな……。
「…………笑えねェ」
それから程なくして、おれは海賊になった。
バカ息子は、約束を守る気がなかったみてェだ。
3日後に処刑なんて話になってたと、麦わらと一緒にいたメガネの小僧が教えたくれた。
だがその小僧がいま、バカ息子に銃を突きつけられ人質にされちまってる。
離れた位置にいるが……さっき見た
問題は、
今にも右手の斧を振り下ろそうとしてやがる。
おれがやるべき事は……!!
グギュルルルル
「い゛っ!?」
「ぐ、おれの斧を止めるとはやりやがる!」
「ナイス、ゾロ。後は任せろ!!」
「お、お安い御用だ……キャ、
「ぐはっ!!!」
「た、大佐が負けた……!!」
モーガンは、ルフィが一発で殴り倒しちまった。
おれも あの程度の野郎なら、一撃で倒せた筈なんだが……今はチカラが入らねェ!
くそ! 海兵共は、モーガンの支配が終わったなんて諸手を上げて喜んでやがる。
あのバカ息子に一発お見舞いしてやりてェが、もう伸びちまってるか……う、気力が切れそうだ。
「ゾロ!!」「ゾロさん!!」
「ぐ、ハラが……!」
「やっぱハラ減ってんだろ!? コビー、メシ屋に行くぞ!」
「あ、さっきの女の子の家で食事を用意してくれるみたいですよ」
ー
ぐぉぉぉぉぉぉぉぉ!!! なんも食ってねェのに、どうして
ハァ……ハァ……!! ゼェ……!!
何か大事なモンまで出ちまった気分だが……〝誓い〟とか〝約束〟だけは守り抜けた、筈だ。
さて、出すもんも出したんだ。あとは、食うモンを食えば腹イタも治るだろ……。
「ゾロ! 遅いから先に食っちまったぞ!」
「なっ!? なんで全部食ってんだルフィ!」
「大丈夫だよお兄ちゃん! 私、また おにぎり 作ったから!」
「わりぃな、なら遠慮なく……!?」
……!! 何なんだ……体が、動かねェ……!?
にぎり飯に手を伸ばそうとした途端、体が凍っちまったみたいにピクリとも動かせねェ!!
「どうしたの? 今度は砂糖じゃなくて、お塩で作ったのに」
「ぐ、ぐ……!!」
「お、うんめェ〜!」
「あー! 剣士のお兄ちゃんの為に作ったのに!」
ルフィが腕を伸ばして、おれの代わりに食っちまった。
助かった……が、腹は減ってんだ。何か他に食いモンは?
「あの、ゾロさん。ルフィさんに見つからないように、一皿 確保しておきました」
「コビー!! 恩に着る!」
コビーのおかげで、一皿だけだがスープを飲むことができた。
少し冷めちまってたが、胃と心 両方に染み渡る旨さだったぜ。
その後すぐ、海兵達がやってきた。
コビーは海軍に入隊し、おれ達は海賊として旅立つことになった。
途中色々と問題も起こったが、次の街へと辿り着く。
そこでおれは、曲芸を使う剣士と戦う事になった────
ー 次回 ー
VS カバジ
「こんなもんか、ロロノア・ゾロ! 噂の三刀流はどうした!?」
く、こんな曲芸ヤローに手こずるとはな……!
まさか、〝鬼斬り〟が使えなくなっちまうとは思いもしなかったぜ!