美少女アクゲーに転生しました!! 無力な男にどうしろと!? 作:伸縮大王
ナギサとヒナタ。
原作開始時点の彼女達は、簡単に言えば詰んでいた。
ナギサは学校で特徴的な髪と目、そして臆病だった性格から、持て囃されるどころか徐々にイジメの標的になり、頼れるのは家族と、イジメから常にナギサを守ろうと奮闘していたユイだけだった。
性格の暗さはこの時点で完成しており、他人に壁を作る彼女が心を開くのは、ナギサの家族と幼馴染のユイだけだった。
そして、ナギサの妹であるヒナタ。
彼女は、その人生から、大きく狂ってしまった少女と言える。
元々、宝生
今までみた景色、楽しい情景。それらを反復するだけの行為。時には、行ったこともない場所に思いを馳せる事もあったという。
その妄想が数を重ねる内に、その世界は現実味を帯び、世界の数は増え、遂には数多の可能性をよりリアルに描くようになった。
その可能性の妄想が、現実通りになった日には、彼女はとても喜んだという。
その時点でもう、ヒナタの能力は片鱗を見せていたのかもしれない。それについて、感付けていたのはナギサだけだった。
彼女達の両親は、「この歳から、一番楽しい事は自分の心の中にある事を分かってるのか」と解釈した。
実際、ヒナタも両親の解釈について、何ら不満も持たなかったし、ヒナタ自身も自分に何らかの力があるとは思っていなかった。
ナギサ達が事故に合い、両親だけが他界する前までは。
その頃には、朧気ながらも、妄想の世界が変質している事にヒナタは気付いた。
家族を乗せた車。
それは何処かに向かっている。
運転する父と、二人の姉妹に話かける母。
隣の姉は母と談笑し、自身もそれに混ざるように話を広げていく。
いつもと変わりない、楽しげな妄想の風景。
だが、それは急に終わりを迎える。
突然の土砂流れ。
巻き込まれるヒナタ達。
暗い視界。
そして、血だらけで、所々内蔵と骨が露出している、息絶えた父と母。
楽しさなど微塵もかけ離れた光景。見たくもないその景色が日に日に色濃くなっている事に、ヒナタはどうしようもない不安に駆られた。
相談しようにも受け入れられるかも分からない、そもそもいつ起きるかも定かじゃない。
ただの妄想。
幼いながらも聡いヒナタは両親に要らぬ不安をかけたくないと、そう結論付け、そして、後に後悔した。
ヒナタの誕生日当日。彼女達は遊園地へ行くこととなった。両親がヒナタの「楽しい世界」を広げようと思っての事らしい。
ヒナもまた、あの忌まわしい妄想の事を頭の隅に追いやり、ただ今日という日を楽しもうとしていた。
まさかその地獄絵図の妄想が、その日に起きるとは露知らず。
徐々に妄想の光景と、現実が重なっていく事に不安を覚えたヒナタは、両親に家に戻るよう懇願した。折角連れていってくれた事への申し訳なさと、まさか理由が妄想と一緒だからと告白する事への恥ずかしさもあって、怒られる事を恐れるような口振りであったが、両親は不思議に思いながらも、それを了承した。
そもそも、その日はヒナタの為の日だ。理由がどうあれ、彼女が嫌というのなら、それも仕方ないと。
だが、その決定こそが、運命が定められた瞬間だった。
後はもう、語るに及ばすだ。ナギサ達の両親は他界。ヒナタとナギサは傷心した。特にヒナタは、その日に心を壊した。
いや、もっと言うなら、自分の能力の覚醒によりだ。
あの時、強く言っていれば。もっと早く言っていれば。もっと自分の世界に向き合っていれば。
そんな後悔と自責が、彼女の能力をより高みに、より歪へと向かう。
未来予知。ヒナタの能力の一つは、それに近い。あり得る可能性が数多の妄想として映しだされ、そしてその可能性が高い光景ほど、それは色濃くなっていく。
そしてよりによって、ヒナタは姉も遠くない未来、ヒナタから永劫に離れていく光景を見てしまった。
そんな光景が見えなければ、また違った結末があったかもしれない。しかし、現実はそうはならなかった。
ヒナタにとって、両親が居ない今、ナギサだけが彼女の家族だ。そのナギサさえも、ヒナタから離れていく未来に、彼女は耐えられなかった。
もはや、ヒナタは正常では無かった。心などとっくに壊れ、残るのは姉への依存による存在意義。
見捨てないで。
置いてかないで。
一人にしないで。
だから、ヒナタは狂行に出た。ナギサが、自分の側から消えるのなら、その前に、永遠に自分の物にしてやると。
……結果は、ナギサの正当防衛による、不幸な事故で幕を閉じた。
両親を失い、狂った妹すら故意でないにしろ、その手にかけ、ナギサはもう限界だった。
記憶はあやふやになり、しかしトラウマからは逃げられず、生きる気力も失くし、現実逃避のように幸せだった家族の頃の夢を、愛していた家族との幸せを反復して、空想して、空虚な現実に引き戻される事の繰り返し。原作開始直前のナギサは、もはや生きる屍同然だった。
もっとも。そうなる事すら、ヒナタの策略の一つでもあったのだが。
ナギサの心の枷となる事。ヒナタという存在でナギサを縛る事。そうすれば、一生姉と共にいられる。
ヒナタにとって、ナギサを殺そうが、ナギサに殺されようが、彼女と永久に共にいられるならそれで良かった。
ヒナタの能力も、それに呼応するように新たな変質を見せた。
ナギサの現実逃避、幸せだったあの頃に縋る夢は、その実ヒナタの魂を繋ぎ止めてる為の能力の片鱗だった。
幸せな光景を追憶し、新たに構築されるナギサの夢の中で。ヒナタも登場人物として振る舞い、夢の中の家族という虚像に浸っていた。
もう離れる事は無い。
もう失う事は無い。
ヒナタとナギサは一心同体。
この夢の中なら、家族と共に過ごしていられる。
例え、現実のナギサが如何に蝕まれようと、ヒナタにとっては些細な事。
しかし、そんな幸せな生活は終わりを告げる。
デザイアノーツを求める戦い。ナギサがそれに身を投じる事になったからだ。
様々な出会いを得て、絆を得て、過去に向き合おうと前を向き出す姉の姿を、妹は許さない。
お姉ちゃんは私のものだ。
誰にも渡さない。
思い出なんかにさせない。
デザイアノーツなぞ、死人を蘇らせる事も叶わぬ出来損ない。最初からナギサはそれを知り、怒り、落胆し、しかしそれでも受け入れた。
まして、そんな不出来な願望器を目指すのは、家族、ヒナタとは関係のない、別の目的を持って動いているのだと、彼女は知っている。聞いている。嫌という程分かっている。
だからこそ、そんな事は許されない。
……本来なら、ヒナタも御子になる運命だったと作中でも説明されている。
彼女はその役割を、魂と能力を用いて、歪に再現した。
目的は、自分を過去のものにしようとする最愛の姉。
再び自分のモノとする為に。
二度と手放さぬよう徹底的に。
すべては、自分と姉の幸せの為に。
その屈折した思いの結末は、プレイヤーによって様々だ。
遂に屈服したナギサを、夢の世界に閉じ込める世界線もあれば、
今度は自分の意思で引導を渡した姉に、それでも姉の心に残り続ける事を良しとしようとする世界線。
されど、真の意味で、彼女達が和解した結末は無い。
互いを深く思いあっていた二人の姉妹は、過去の大きな悲劇から、決別する事を運命づけられていた。
──と、まぁ。
これが原作の宝生
「……はぁ。お姉ちゃんとお兄ちゃんの匂い……幸せぇ……」
「うん……うん……。私、もう一生ここで暮らす……」
「いや離して?」
「「あと30分……」」
「いいから離して?」
いくら何でも30分は長げーのよ。
今、原作と違いご存命されておいでのヒナタお嬢様。
彼女は小学校に向かわれる為に、俺ら三人と別方向へとご登校される直前で、何故か姉君と抱擁を交わして幸せそうな顔をしてやがります。
俺を巻き込んで。
いや、マジで何してんねん。
遅刻する言うたやろ。
手繋ぎだけで我慢せぇて。
せめて俺だけ離脱させて。二人だけで抱き合えばええやん。そっちの方が断然見栄え良いよ? 俺が混ざるのは芸術に排便してるようなもんよ?
死体が出るよ? 俺の。
怪我しない程度に引き離そうとするも、二人にがっちりホールドされてるせいで抜け出すもんも抜け出せねぇ。
マジでどうした。この姉妹、主にヒナタが絡むとびっくりする程パーソナルスペース狭くなるけど、流石に今までこんな事なかったぞ。
なんかした俺?
したなら謝るから絶対許して?
「……ハグするの、嫌じゃない、って言ったぁ」
「言ったねぇ」
「だからぁ……」
「でも遅刻するのは嫌だねぇ」
「うー!」
泣きそうな顔しても駄目ですヒナタお嬢様。一瞬良心がマッハで痛むが、常識の方が大事なんです。俺の命も。
だから許して。
「こうなったらっ……、ユイ! ユイも混ざろう! そうすれば翔も分かってくれる! この幸せを!!」
「や、やだ」
「裏切りものぉ!?」
「な、なんの?」
ユイは裏切ってすらいねぇよ。何をどうしたら俺が分かるってんだ姉馬鹿。
こういう時のユイは本当に頼りになる。「本当ゴメンね、ウチの馬鹿達が……」と申し訳無さそうに、ナギサ達の引き剥がしを手伝ってくれるのだから。
天使か? いや三人とも天使なんだけど。
銀髪姉妹は現在ポンコツ化してるから。
無事、ナギサ達から離れる事に成功するが、当のナギサとヒナは半泣きである。頼むからそんな顔しないでって。悪いことしたようで本気で申し訳ない気分になってるから。
「あぁー、ヒナぁ……翔ぅ……」
「そんな今生の別れみたいに言うなって。もういい加減行こうって、な?」
「翔は……、翔は寂しくないの!? ヒナと離れ離れになるんだよ!?」
「全然?」
「……」
何でそんな絶望顔してんだよナギサさん。ただ学校に行くだけやん。いつもの事やん。君、いつにも増してポンコツか?
「……そっか、前々からおかしいとは思ってたんだよ」
「なにが?」
「翔はまだ、ヒナという天使の尊さに気付けてなかったんだね……」
「いや分かっとるから。十分俺もナギサの事言えねぇから。自覚あるから」
「大丈夫、私が誠心誠意込めて、ヒナがどれだけ偉大なのか、翔がヒナの寵愛を如何に受けるべき人間なのかを
「いらんよ?」
ちゅーか、聞け? 俺の話。
万物を愛する聖母のような微笑みと、見る人に救いを与えそうな後光を抱えながら、聖人とは程遠いアホな事を抜かす姉馬鹿様。
ヒナタが可愛いのは全身全霊認めるが、だからって依存症になる洗脳とかマジで御免被る。
「お、お兄ちゃん!」
「うん?」
「え、っとね。ギュッてするのが、駄目なら、その。ちょっと屈んで?」
「? あ、はい」
ヒナタの要領を得ない言葉に疑問符を浮かべつつも、言われた通りに彼女の目線まで体を下げる。
その俺の頭に、ヒナタはゆっくり手を乗せ、
「よし、よし……」
「……」
子をあやす母のように、労るように、俺の頭を優しく撫でてくれた。
「……」
「お兄ちゃん、今日はいつも以上に疲れてたみたいだから……。元気、出して?」
私なんかじゃ、だけど。
そう言って申し訳無さそうに苦笑いするヒナに、ようやっと、先の奇行が彼女達なりの気遣いだったのだと、今更気づけた。
……思えば今日の俺は、あまりにも身勝手だった。ナギサ達そっちのけで、自分の命とか諸々の危機ばかり気にして、臆面も隠そうとしてなかったのだから。
端から見れば被害者ぶった構って野郎。
そんな俺を元気付けようとしてくれてたのだろう。
……まぁ、本人達の欲とか暴走もあっただろうが、例え一抹だとしても、俺の事を思ってくれていたのなら。
言い訳は無しだ。こんなにも、俺の事をよく思ってくれる人達が目の前にいるのに、あまりにも自分の事を考え過ぎてた。
……流石に、この世界への危機感を拭える程、今までの考えを捨てられる程、俺は分別も度胸も無い駄目男だが。
彼女達に、良い顔ぐらいはしたい。
「有り難う、ヒナタ。もう大丈夫。お陰で元気百倍だ」
「……えへへ、良かった」
ヒナタに向かって心から笑いかけると、それに応えるようにヒナタも向日葵のような笑顔を見せてくれた。
あぁ、心が洗われる。姉しか存在を認めない、ユイすらゴミのように見る激ヤバシスコンな原作ヒナタとは雲泥の差だ。今、目の前の天使の為なら、俺は例え世界に殺される事になっても彼女には幸福であってもらいたい。
彼氏でも彼女でも良いから恋人、伴侶の側で幸せそうに笑うヒナタ。その夢想の一つは寂しさもあるが、それ以上の嬉しさで胸が一杯になる。
自分のやりたい仕事に就けるのでも良い。こんなにも良い子なんだ。ナギサもユイもそうだ。
どんな形であれ、彼女達に幸福な未来が待ってなきゃ、そりゃ嘘だ。
「……私、この先どんな凄い芸術を見ても、これ以上の光景に感動しない自信あるよ」
「いや、だから。ヒナタは分かるけど、俺はいらなく 「翔ぅ?」 はい、すいません」
別の物が見えてんのかと思うくらい大袈裟なナギサの発言に、思わず反射的に反論しようとして、速攻で彼女の圧に潰された。
仕方ないねん。顔が笑顔なのに纏うオーラがドス黒いからビビるしかないねん。
良いんや。要らない言われるよりは万倍マシや。俺は幸せもんなんや。『挟まる男』判定されたら死ぬ危険あるけど。
「……うん。名残り惜しいけど、お兄ちゃんが元気になってくれたなら良し!」
ヒナタはそう言うと、俺達の登校路とは違う方向、ヒナタが通う小学校へと駆けていく。
その途中、こちらを振り返り、
「じゃあ、みんなー! 行ってくるねー!」
満面の笑みで、俺達に大きく手を振った。
行ってらっしゃい、と。各々の言葉でそれに応える俺達に、満足そうにまた駆けていくヒナタ。
その背が小さく、見えなくなるまで、俺はそれに見惚れていた。
……よし、行くか。そう言って、頬を二回叩いて活を入れる。
この世界は男に厳しいだろうが、周りにいてくれる皆は俺に優しくしてくれるのだ。
それに応えぬなど、男が廃る。
振り返ると、ナギサがいつもの暖かい微笑みを浮かべ、こちらに手を伸ばしてきた。
……? なにそれ?
「じゃあ、皆で手、繋いで行こうか」
なんで?
「まーたそんな目して。翔は言っても分からない子なので言いませんが、代わりに行動で教えてあげるのです」
「もう訳が分からんのよ」
え、もしかしてまだ心配してくれてたの?
天使かよ。でもだからって手繋ぎ続行はおかしない?
大丈夫だって、元気になったって。心配かけさせたのはマジですいません。だからってその提案は世界に殺される云々より、恥ずかしさで死ぬんよ。
「あの、ナギサさん? 高校生三人が手繋ぎで登校はどうかと。普通の高校生はそんなんやらんよ?」
「そういうの良いから」
「いや、俺、男だし。ヒナタが居たからギリギリフィルターになってたけど、それでも十分ヤバかった訳で」
「別に良いから」
「いやね、だから。もうちょい女の子の自覚というか、恥じらいというものを」
「いいから」
「助けてユイ!」
「……うん、と」
迷わないでユイさん! 君が最後の希望なんだ! 良識なんだ! そこは「流石に恥ずかしいというか、引くし……」って言ってくれるだけで良いんだ! それで勝ち確なんだ!
「うーん……、駄目、かな?」
うぉし!! 流石は俺達のユイさん! ナギサの親友にしてCS版の主人公! 常識人のツッコミ役! 困った感じが可愛過ぎる!! なんか否定というより、尋ねる感じのニュアンスだったが、とにかくヨシ!!
「そうそう、流石にな。恥ずかしいって、うん」
「あ、いや。その。ご、ごめん。その……翔ちゃんに、聞いたんだよね……」
「え」
ユイさん? ちょっと待って、ユイさん。そんな畏まってどうしたの? てか俺に聞いたってなに? なんか雲行き怪しいよ?
あとそこの姉馬鹿様は勝ち誇った顔で胸張らないで? 可愛いから。
「えっ、と……、私も、繋ぎたいなーって」
駄目、かな? と。
困ったような笑顔で聞いてくる、常識人だった筈のユイさん。
────オゥノゥ。
「……繋ぎます、あい」
断れる訳ないじゃん。
最後の防波堤もナギサ側とか無理じゃん。
最後の最後にこんな裏切りないやん。別にユイさん裏切ってないけど。
普通男との手繋ぎとか恋人同士でもデートとかじゃない限りハードル高いんやぞー。
知らんけど。
女の子同士の友達なら百歩譲って分かるけど、男友達は無理あるやろー。
分からんけど。
マジで距離感どうなってんねんこの娘等。
ええんか、コラ。ガチで勘違いするぞコラ。ガチ恋するぞコラ。
精神と身体が死ぬぞ。俺の。
「決まりだね。さぁ、翔? 丁重にお縄に付き給えー?」
「あい……」
「ほ、本当にゴメンね。嫌だったら離して良いからね?」
「嫌じゃないです……ぶっちゃけ嬉しいです……あい……」
「……そっか。なら良かった……えへへ……」
ホクホク顔のナギサと、はにかむユイに両手を拘束され、なす術も無く連行される馬鹿一匹。
あ、二人の手、柔らかい……ちゃんとギュってしてくれてる……優しい……好き……。
違う好きじゃない。
ここで理性を消すなケダモノ。
お前が何者かを思い出せバカモノ。
世界にとっては俺は敵。
百合に挟まる男は死ぬ。
イコール挟まってる俺っち死ぬしかねぇ。
オッケー完璧な方程式だクソッタレ。
「は、ははっ……あはははは……」
「ゼロ点」
「何が?」
何が?
「色々と。今度、そんな風にしたら次から腕を組みます。嫌なら二度としないように」
「イエス・ユア・マジェスティ」
「うむ」
余は満足じゃ、と言わんばかりにニッコリスマイルの姉馬鹿皇帝。
そんな風って何やねん、はっきり言って下さい頼むから。ふわっとした概念でレッドカード出されとうないねん。
「あんまり翔ちゃんを困らせたら駄目だよ? ナギ」
「知りません。もっと、もーっと翔は困り給え。そしていい加減諦めなさい」
「鬼がおる」
「……まぁ。正直、気持ちは分かるよ、うん」
「鬼が増えた」
「はーいもう駄目でーす。腕組み実行しまーす」
「は、はーい!」
「嘘です、う、そ! やだなぁもうナギサさんもユイさんもそんなねぇもう二人とも俺にとっちゃ勿体無い天使ですぜまったくねぇほらユイも悪ノリしちゃダメだってそういうキャラじゃないでしょだからナチュラルに腕絡めてくんなぁ!!!!」
お願いです神様。
後生ですから。
後生ですから、この度はノーカンって事で見逃しては貰えませんか?
「はぁ、翔の匂い……」
「うん……」
あ駄目そうですね、これ。