電子妖精のMasquerade!   作:はめるん用

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一応作者の中のイメージとしては、バトル中はマスターの意識がFDに憑依しているような感じです。カスタムロボが一番近い、かも?

FDの意識はオペレーターというかサポートのような。天成くんがファンネルやオービットのような遠隔操作武器を使えるのは零式が操作しているから、という設定だけは考えてあります。


⑧近代ロボゲーはOP映像も山場。

 その少年にとって、この大会はCランク公式戦に向けた肩慣らしでしかなかった。

 

 コツコツ貯めたBPでパートナーであるFDも新しい素体にアップグレードし、それに合わせてアーマーも買い揃えた。メインウェポンも強力なレーザーバズーカを購入し、ショップで火力の刻印を追加してもらい破壊力も抜群である。

 おかげでバトルではほどんど苦戦することなく、順調に準決勝まで勝ち進むことができた。そして対戦相手が旧型の零式に決まった時点で、この大会は優勝したも同然だと確信していた。

 

 

 そして、その自信はバトル開始から1分と持たずに揺らぎ始めた。

 

 

 ◇◇◇

 

 

「あぁチクショウ……あんなのアリかよ……ふざけんなよ……チクショウ……ッ!」

 

「ご主人、まだアーマーの表層がやられただけだから、落ち着いて」

 

「わかってるよ! そんなことは! クソ、あんな旧型相手にこんな……ありえねぇ……」

 

 

 戦闘フィールドに選ばれたのは廃棄された工場地帯をイメージした『ゴーストファクトリーエリア』というマップであった。輸送機の荷台から出撃し、降下するお互いの姿が見えるところから戦闘開始となるため、大抵の場合は戦闘の展開が早くなるのが特徴である。

 面倒がなくていい、早々に接近してレーザーバズーカを叩き込んでやる。もはや対戦相手のことなどただの的程度にしか考えていなかった少年は、最大速度で零式が降下した場所へと向かった。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 零式の姿を確認し、ロックオンが完了し、あとは引き金を引くだけで終わる。向かってきた2発のミサイルを悠々と避け、改めて銃口を正面に向けたそのとき。

 

 

 少年のFDは、爆炎に飲み込まれた。

 

 

 ミサイルが狙っていたのはFDではなく、そのすぐ後ろに並んでいた巨大なガスタンクだったのだ。衝撃波によるダメージはもちろん、バランスを崩し行動不能になっているところを『延焼』の効果が襲い、アーマーの表層が大破と判定されてしまった。

 まだ中層と深層の2枚、合わせて70%も残っている。決して焦るほど追い詰められているような状況ではない。だが、接敵からわずか数秒という短い時間で、エリアの一部を吹き飛ばすほどの爆炎にさらされ、しかも相手は無傷のままという条件が重なってしまい──少年の集中力は大きく乱されていた。

 

「落ち着け、オレ……! まだ大丈夫だ、レーザーバズーカだって無事なんだ……! オレが負けるはずがねぇ、オレはこれからBランクに昇格するマスターなんだ……オレのFDがあんな旧型に負けるはずねぇ……ッ! レーダー、捕捉できるか?」

 

「微妙。たぶん近くにはいないと思うけど、さっきの衝撃波の影響もあるし。だから頭部アーマーのレーダーもカスタムしてもらおうって言ったのに」

 

「この大会が終わったらソッコーで予約する、絶対にな。とにかく相手の出方を──なんだッ!? また爆発かッ!?」

 

「狙われてる!? でも大きく外れて……ねぇご主人、なんか、変な音聞こえない?」

 

「音? ……言われてみれば、なんとなく金属が軋むみたいな音が聞こえ──ウソだろ。マジふざけんなよチクショウがァッ!?」

 

 音の正体、それは少年目掛けて倒壊してきた鉄塔であった。またミサイルか、それとも反対側の背部に装備していたロケット砲かはわからないが、またステージに配置されているオブジェクトを利用して攻撃をしてきたのだ。

 鉄塔だけではない。手当たり次第とでも言わんばかりに周囲のオブジェクトが破壊され襲いかかってくる。焦りながらもブースト移動を駆使して回避する少年であったが、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()までは気付くことができなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

《頭上不注意だ》

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 己のパートナーのものとは違う、凛とした声。視界の移動がコマ送りのように遅く感じる中、やっとの思いで見上げた先にいたのは。

 

 

「──うぁぁぁぁッ!!??」

 

 

 ◇◇◇

 

 

「……ご主人、ヤバい。さっきのレーザーブレードの一撃でアーマーの中層全部持ってかれた」

 

「残り20パーの命か。もう驚きのストックねぇよ、オレの感情。普通のカスタムじゃないな、零式の魔力キャパじゃ不可能な火力だ」

 

「たぶん、余計な刻印全部消して組んであるんだと思う。ギリ見えたけど、ブレードのパーツ消滅してたし」

 

「こっちもバズーカまっぷたつにされたけどな。ありゃ回収しても確実に使えねぇな」

 

 あくまで魔術と科学で作られた仮想空間の中での出来事であり、現実世界のパーツはちゃんと無事なのだが……この戦いが終わるまで使えないという事実に変わりはない。

 

「こうなりゃ背中のプラズマカノンで逆転狙うしかないか。来てるか、こっち」

 

「うん。歩く速さで」

 

「よし、タイミング合わせて表に飛び出すぞ。至近距離でブチかましてやる。カウント頼む」

 

「オッケー。……6、5、4、さ──ご主人ッ!!」

 

「へ? 」

 

 

《遅い》

 

 

 一瞬であった。パートナーのFDの叫びを認識したときにはすでに目の前に零式が現れており、右手に持っていたマシンガンを構えていたのだ。

 先手を取られた。だがマシンガンの火力程度ならばギリギリ耐えられるはず。カウンターのプラズマカノンで吹き飛ばしてやると構えるが。

 

 

 

「そんなん……アリ、かよ……」

 

 

 

 零式はマシンガンを撃つのではなく、勢いのままに突き刺してきたのだ。おそらくは最初から()()()()()()のカスタムがしてあるのだろう。

 防御状態に移行することすらできないままアーマーの深層も破壊され、少年の大会はここで終了した。




いわゆるライフのようなものは数字としては表示されず、アーマーの変化で知ることができる。

アーマーには表層、中層、深層があり、全てが大破と判定されると敗北となる。


いまのところ確定しているのはこれぐらいです。

部位破壊はあるのか、表層や中層が破損した際のペナルティはどうするか、などはまだ考えていません。

と、いうことで図々しくも活動報告に『ロボチー設定会議・パーツ』を追加させていただきました。属性の扱いについてもご意見お待ちしております。切実に。
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