二日に一話投稿目標(それより早くしないとは言ってない)
UA、お気に入りの増え方にビビり散らかしたので投稿ペース上げます。
無名投稿者初作品が一時間で500UAオーバーとかヒロアカ人気やばすぎん?
干河 歩ちゃん's 身体データ。
身長:153cm
髪色と髪型:青色、ショートヘア
瞳の色:黒
体型:ぺたんすとんつるん
―――入学試験から一週間後。
わたしの手の中には、たった今届いたばかりの合否通知の封筒があった。
《早く開けたら?》
「…………」
「手応えは十分だったのでしょう?」
「は、はい、お母様」
封筒を手にしたまま震えていた腕に、お母様の手がそっと添えられる。
いつも通りの楚々とした、けれどほんの僅かに緊張が滲んだ眼差しに、早鐘を打っていた心臓が少しだけ落ち着いた気がした。
《……この人でも流石に一人娘の人生が掛かっているとなれば、こうなるのね》
(……お母様を何だと思っていたんですか)
どうせ聞こえないからと失礼なことを呟く『干渉』に、お母様に言い付けてやろうかと一瞬考えて、すぐに思い直す。
怒られるのが『彼女』であろうと、必ずわたしは同席させられることになるのだから、不毛にも程がある。
(……よし)
そんなどうでもいいことに思考を一度飛ばしたおかげか、さっきまでと比べ震えの治まった手で一気に封筒を破る。
小さく息を呑む音二人分を耳に感じつつ、手元から転がり落ちた物体に思わず目を瞬く。
「……映像投射装置」
《お金のかけ方にためらいが無い》
逐一夢の無いことを言う『干渉』に軽く抗議を送りつつ、装置を起動させて。
頭の中でそんなやりとりをしていたわたし達は微かな電子音と共に浮かんだ映像に、思わず声を揃えることになる。
『―――私が投影された!』
「《……っ、オールマイト!?》」
No.1ヒーロー、『オールマイト』。またの名を『平和の象徴』。
その身一つで国内の犯罪率を大幅に減少させたといわれる、誰もが認める最高のヒーロー。
ヒーローを志す者全て―――当然わたしも含め―――にとっての目標そのもの。
メディア媒体で、時に街角で、その姿自体は何度となく目にする機会はあるけれど。
『初めましてだ、干河歩君。……何故私が現れたかって? 何を隠そう、来年度から雄英で教鞭を執ることになったからさ!』
驚きと高揚が頭を埋めて、映像だと分かっているのに緊張が止められず。
結局わたしはその内容の殆どを、後で『干渉』に聞き直す羽目になる。
『彼女』が要約して曰く、文句なしの合格である。
筆記と合わせた総合成績は合格者の中でも上位。
特に実技に関しては仮想の舞台を現実の市街地と捉え、被害を抑えるべく限界を振り絞った姿勢が高く評価された。
そして最後に―――
『―――来いよ、干河少女。
……臨場感たっぷりに再現された。余程印象に残ったらしい。
「……良かったわね、
「……はい、お母様」
映像を見終えた後のお母様の言葉には、そう答えた。
自分が合格した、ということだけはその時の頭でも理解できていたから。
《それじゃ、一人暮らしの準備を始めないとね》
「はい…………はい?」
内容が頭から飛んだのは、この一言も多分に影響していたと、今になって思う。
◇ ◇ ◇ ◇ ◇
《生活能力の無い人間がヒーロー名乗るの?》
《実家暮らしのヒーローとか、もし居たらどう思う?》
《経験も無しに、ヒーローになったらいきなり出来るようになるとでも?》
怒涛の正論で追い出されるように雄英付近のアパートに放り込まれて早数週間。
その間、呆れ混じりに『干渉』に叱責された回数は数えきれず。
実家で見ていた家政婦さん達って凄かったんだなあと実感する日々を越え。
ついに迎えた雄英高校入学式の日―――
「……【
《ほお、入学初日から犯罪に手を染めると申すか》
「だよねー……あはは……」
至極当たり前の指摘に、顔を覆って。
縋るような気持ちで、時計を仰いで。
「―――うわあぁぁんっ、遅刻するぅ!?」
地価の高い雄英近郊から、安さと距離の天秤を前者に傾けたアパートで。
未だ公道では"個性"を使えない我が身を呪い、駆け出していくわたしの姿がそこにあった。
《トースト咥えていく?》
「やりませんっ!?」
事ここに至ってもなお暢気な『干渉』に八つ当たりしながら、けれど『彼女』に鍛え上げられた健脚に、もう何度目かの複雑な感謝を捧げる。
ヒーローは身体が資本、と移動技を身に着けた後も変わらず駆けずり回らされたことを有り難いと思い返すこんな日は、できれば来て欲しくはなかった。
「どうして起こしてくれなかったんですかっ!?」
《呼び掛けはしたのよ? でもいつにも増して寝ぎたなくてねえ》
「……そ、それでも大事な日なんですから、もう少し強引にでも……」
《だから身支度だけでも整えておいてあげたんだけど、お気付きでないかしら?》
……言われて、時計に青ざめた頃には既に制服を着ていた自分に気が付いて。
起き抜けで飛び出したはずなのに、髪に違和感が無いことにも意識が向いて。
「……ごめんなさい、ありがとう、ちくしょうっ!」
《どういたしまして》
はしたないとは思いつつ漏らした悪態も含めてさらりと流す『彼女』に、わたしは慣れ親しんでしまった敗北感と共に駆け続けるのだった。
「はぁ……ふぅ……」
《お疲れ様。ぎりぎりだけど間に合ったわね》
指定時間の十分前と際どいところで、一年A組の教室前へと辿り着いたわたしは、やけに大きな扉の前で急ぎ息を整えていた。
既に中にはこれからクラスメイトになる人間が勢揃いしているだろうし、第一印象が遅刻寸前で息を切らして駆け込んできた女子、になるのは勘弁してほしい。
「ふぅ……どうですか?」
《まあ、平然としていれば大丈夫じゃない?》
『干渉』のお墨付きも貰い、努めて平然と扉を開ける。
集まってくる様々な視線を感じながら、その顔を一通り確認―――
「「あっ」」
気が付いて。
駆け出して。
互いに手を伸ばして。
「―――干河歩!」
「麗日お茶子!」
最低限の自己紹介と共に、がっちりと両手を取り合った。
「受かってたんや!」
「同じクラスですね!」
手を繋いだまま、その場でぴょんぴょんと跳ねて互いの合格と再会を祝い合う。
……第一印象? 魂の友人との交流以上に大事なことなんてありません。
《……あなたがそれで良いならいいけどね》
「その様子……同じ中学の出身なのかい?」
『干渉』の声と重なって、近くにいた眼鏡の男子に声を掛けられる。
位置からしてわたしが来るまでお茶子ちゃんと話をしていたのかもしれない。
「ううん、入試の日が初対面」
「実技試験の会場が同じだったんです」
「そ、そうなのか……」
「その時に気付いたんよ、ねっ?」
「はい、わたし達は―――」
顔を見合わせて、にっこりと笑う。
「「魂で通じ合った仲間だと!」」
「あの十分で何があったらそうなるんだい!?」
男子生徒の叫びに、居並ぶクラスメイト達がうんうんと頷く。
《一緒にキラキラ(婉曲表現)を吐いた仲だとは思わないでしょうねー》
『干渉』、うるさいです。
「お友達ごっこがしたいなら余所へ行け。ここは……ヒーロー科だぞ」
…………足元になんか居る。えっ、誰?
麗日さん(156cm)とほぼ同じ身長、よく似た髪型、暖色系(茶髪)と寒色系(青髪)の対比が美しい(とある一点を見て)凸凹コンビです。